2021年5月13日更新会社・事業を売る

吸収合併消滅会社とは?吸収合併の手続きや吸収合併消滅会社と存続会社の手続きの違いを解説します

吸収合併消滅会社とは、文字どおり吸収合併によって消滅する会社のことであり、存続会社と対をなす存在です。存続会社とは合併手続き・会計処理方法などにおいて相違点があるため、将来的に消滅会社となることが予定されている場合には事前に把握しておくことをおすすめします。

目次
  1. 吸収合併消滅会社とは
  2. 吸収合併消滅会社に求められる手続き
  3. 吸収合併消滅会社と存続会社にある手続きの違い
  4. 吸収合併消滅会社の会計処理
  5. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

Banner magazine

吸収合併消滅会社とは

吸収合併消滅会社(以下、消滅会社)とは、文字どおり吸収合併によって消滅する会社のことであり、存続会社と対をなす存在です。ここからは、吸収合併の定義・課題について解説します。

吸収合併とは

吸収合併は、合併により消滅する会社の権利義務のすべてを合併後に存続する会社に承継させる手法です。合併により消滅する会社を消滅会社と呼ぶ一方で、合併後に存続する会社を存続会社と呼びます。

例えば、B社がA社を吸収するケースを想定すると、A社の権利義務のすべてをB社に承継する必要があり、結果的にA社は消滅してB社のみが残るという仕組みです。

吸収合併では雇用契約を含めたすべての権利義務が承継されるため、基本的に消滅会社の従業員は存続会社のもとで引き続き勤務可能です。合併により自身が勤務する会社が消滅してしまったとしても、従業員がリストラされるわけではありません。

吸収合併の課題

消滅会社の株主・債権者には、重大な影響が及ぶことがあるため注意が必要です。株主の場合を例に挙げると、会社が消滅すれば株式も消滅するために権利がすべて失われることになります。

重大な損失につながるため、消滅会社となる場合には、株主総会の決議・債権者保護などさまざまな手続きを踏まなければなりません。

※関連記事
M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!
合併と買収の違いとは?メリット・デメリットや注意点を解説

吸収合併消滅会社に求められる手続き

吸収合併の手続きは消滅会社と存続会社の間で多少の違いはありますが、大まかな流れとしては共通点が多いです。ここでは、吸収合併の大まかな流れ・基本的な手続きを紹介します。

  1. 吸収合併契約書の作成・締結
  2. 吸収合併契約の承認
  3. 株主・新株予約権者などへの通知
  4. 債権者保護の手続き

以下、それぞれの手続きの内容を順番に見ていきます。

①吸収合併契約書の作成・締結

はじめに消滅会社と存続会社の代表者は、吸収合併契約を作成・締結します。ここでは記載する必要のある事項が法定されていて(会社法第749条第1項)、吸収合併では法定記載事項を記載した書面を株主・債権者保護のために備置する手続きが必要です(会社法第782条第1項および第794条第1項)。

法定記載事項の主な内容は、下記になります。

  • 合併当事会社の商号・住所
  • 合併対価に関する事項
  • 合併の効力発生日

合併対価とは

合併対価とは、合併にあたって消滅会社の株主に交付する株式・新株予約権・社債などのことです。存続会社は消滅会社の権利義務をすべて承継してしまうため、これに伴う対価を消滅会社の株主に交付しなければなりません。

合併対価の交付を実施する主体は存続会社であり、具体的には存続会社の株式・新株予約権・社債などを対価として交付する仕組みです。例えば、A社が消滅会社・B社が存続会社であり、合併対価はB社の株式であるケースを想定します。

上記のケースでは、A社の株主はB社の株式を獲得可能です。吸収合併によるA社の消滅後、A社の株主はB社の株主となりB社に対して権利を行使できます。

②吸収合併契約の承認

吸収合併契約の当事会社は、株主総会の特別決議によって承認を得る必要があります。株主総会の特別決議は重要度の高い議案を決議する場であり、承認を得るには出席株主のうち3分の2の賛成が必要です。

③株主・新株予約権者などへの通知

吸収合併の当事会社は、各株主に対して吸収合併の手続きが進行している事実を知らせる必要があります。吸収合併に反対する株主は、会社に対して自身が保有する株式を公正な価格で買い取るよう請求できるためです。

その一方で、新株予約権者に対する通知については、消滅会社のみ必要となります。つまり、消滅会社では、株主と合わせて新株予約権者に対しても、吸収合併の手続きが進行している事実を通知しなければなりません。

なお、吸収合併に反対する新株予約権者は、株主の場合と同様に、消滅会社に対して自身が保有する新株予約権を公正な価格で買い取るよう請求可能です。

④債権者保護の手続き

消滅会社・存続会社のいずれであっても、各会社の債権者すべてが、それぞれの会社に異議を述べることができます。消滅会社と存続会社では、それぞれ債権者保護の手続きを実施しなければなりません。

以上、吸収合併消滅会社に求められる大まかな手続きでした。これまで見てきたように、合併では膨大かつ煩雑な手続きが求められます。しかし、上記の手続きを怠ったり手続きに不備が存在したりすれば、必要以上に時間・手間が発生するほか合併自体の失敗に直結しかねません。

スムーズに手続きを済ませるには、専門家の協力を仰ぐことがおすすめです。専門家選びでお悩みでしたら、ぜひM&A総合研究所にお任せください。

M&A総合研究所には、知識・経験豊富なアドバイザーが多数在籍しており、M&Aをフルサポートいたします。

通常、M&Aによる合併では成立まで半年から1年程度かかつといわれていますが、M&A総合研究所はスピーディな対応を実践しており、最短3ヶ月での成約実績があります。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)相談料は無料となっておりますので、M&Aによる合併を検討する場合にはお気軽にご相談ください。

※関連記事
合併の手続きについて解説します
特別決議とは?拒否権や普通決議との違いを解説

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

吸収合併消滅会社と存続会社にある手続きの違い

明確な違いとしては、新株予約権者に対する通知の有無が挙げられます。株主に対して通知を行うプロセスは共通していますが、消滅会社では新株予約権者への通知が必要となる一方で、存続会社では新株予約権者に通知をする必要がありません。

会社が消滅すると、消滅会社の株式はもちろん消滅します。消滅会社の株主・新株予約権者からすると、自身が保有する株式・新株予約権が消滅する事態は大問題です。

上記の事態を回避するには、消滅会社から通知を受けたうえで、場合によっては株式買取請求や新株予約権買取請求などの措置を考える必要があります。その一方で、存続会社では、吸収合併があっても、株主・新株予約権者は従来どおり権利を行使可能です。

しかし、他の会社を吸収するために、存続会社の株主であっても不安を抱くのは当然のことといえます。そのため、存続会社の株主に対しては、吸収合併について通知したうえで、反対する場合は株式買取請求などの措置を検討させる必要があるのです。

存続会社で新株予約権者への通知が不要な理由

存続会社では、新株予約権者に通知を実施する必要はありません。新株予約権者はあくまでも予約権の行使によって株主になるという立場であり、現段階において株主ではないためです。株主になりたい場合、従来どおり存続会社に対して権利を行使すれば株主になれます。

まだ株主という立場ではなく、かつ吸収合併があっても従来どおり権利を行使できる以上、株主に対する通知や買取請求のような仕組みまでは設けられていないのです。その他の手続きについては、消滅会社と存続会社で共通点が多く存在します。

例えば、債権者保護手続き・株主総会における特別決議の承認などは双方の会社で必要です。

※関連記事
新株予約権とは?新株予約権の仕組みをわかりやすく解説

吸収合併消滅会社の会計処理

吸収合併における会計では存続会社の資産に消滅会社の資産が合算されますが、ここではもちろん負債も存続会社に合算されます。吸収合併ではパーチェス法と呼ばれる会計処理が実施され、存続会社が消滅会社の資産・負債を時価で買い取るのが一般的です。

上記は、存続会社が消滅会社の資産・負債を取得する場合の会計処理方法となります。吸収合併により消滅するため、消滅会社では貸借対照表上の資産・負債を時価評価ではなく簿価で処理するため注意が必要です。

吸収合併消滅会社の決算と公告

効力発生日に消滅することから、消滅会社では効力発生日の前日を決算日とした決算を実施します。例えば、消滅会社が事業年度の途中で解散する場合、事業年度の開始日から合併の前日までの期間を1つの事業年度とみなして決算を実施する仕組みです。

なお、株式会社の場合では、決算に用いる貸借対照表の公告が必要となります。ただし、上記の義務には公告の保存義務も伴うことから、実務上では存続会社が代わりに公告を実施するのです。会社の消滅が伴うことからに、通常の決算とは異なる会計処理が求められるため、注意が必要となります。

M&A総合研究所には知識と経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、これまでにさまざまな業界や業種のM&Aに携わってきたノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)相談料は無料となっておりますので、合併プロセスに不安を感じる場合にはお気軽にご相談ください。

※関連記事
M&A仲介会社を比較!M&A仲介会社のランキング、仲介手数料を解説します
M&Aにおける公認会計士の役割

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

まとめ

2つ以上の会社が1つになる行為を合併といい、吸収合併はその手法の1つです。吸収合併は、一方の会社が他方の会社が持つ権利義務をすべて承継する行為であり、消滅側の会社は吸収合併消滅会社と呼ばれます。吸収合併消滅会社では、吸収合併によって会社そのものが消滅するのです。

消滅会社の株主や債権者にとって重大な問題が発生しやすいため、株主・新株予約権者への通知や債権者保護など所定の手続きを念入りに実施する必要があります。

合併の手続きをスムーズに進めるには、吸収合併の意味・仕組み・吸収合併消滅会社と吸収合併存続会社における手続きの違いなどを把握しておかなければなりません。合併後に存続会社の一員としてスムーズな事業展開を進めるためにも、ポイントを押さえて吸収合併に臨むと良いです。

要点をまとめると、下記になります。

・吸収合併消滅会社に求められる手続き
→吸収合併契約書の作成・締結、吸収合併契約の承認、株主・新株予約権者などへの通知、債権者保護の手続き

・吸収合併消滅会社と存続会社にある手続きの違い
→新株予約権者に対する通知の有無

・吸収合併消滅会社の会計処理
→効力発生日の前日を決算日とした決算を実施

M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談は完全成功報酬制(成約まで完全無料)のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成功報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 最短3ヶ月という圧倒的なスピード成約
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

Banner magazine

あなたにおすすめの記事

M&Aの特徴を手法ごとに徹底解説!目的・メリット、手続きの流れも【図解あり】

M&Aの特徴を手法ごとに徹底解説!目的・メリット、手続きの流れも【図解あり】

M&Aの特徴は手法ごとに異なります。昨今の日本では、M&Aが経営戦略として人気を集めており、実施件数が増加中です。経営課題の解決を図るべく、M&Aの前向きな検討をおすすめします。特徴を把握したう...

買収とは?意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策を解説します

買収とは?意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策を解説します

買収には、友好的買収と敵対的買収とがあります。また、買収には「株式を買収する場合」「事業を買収する場合」の2種類があります。この記事では、買収の意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策...

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

M&Aや投資の意思決定をするうえで、現在価値の理解は欠かせません。現在価値とは今後得られる利益の現時点での価値を表す指標であり、将来の利益を期待して行う取引・契約・投資で重要な概念です。今回は、...

株価算定方法を解説します

株価算定方法を解説します

株価算定方法は、多種多様でそれぞれ活用する場面や特徴が異なります。マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセスについて詳細に解説します...

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。しかし、会社は赤字だからといって、必ず倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリット...

関連する記事

優先交渉権とは?独占交渉権との違いや法的拘束力について解説!

優先交渉権とは?独占交渉権との違いや法的拘束力について解説!

M&Aは複数の買い手候補と交渉できますが、基本合意締結後は優先交渉権や独占交渉権を付して、買い手を絞っていくことになります。本記事ではM&Aの優先交渉権について、その特性や適切な期間、独占交渉権...

【2021】M&Aにおける補助金まとめ!設備投資の補助金や税制措置についても解説

【2021】M&Aにおける補助金まとめ!設備投資の補助金や税制措置についても解説

2021年度はM&Aにおける各種補助金に制度変更があったり、新しい補助金が創設されているので、制度を正しく理解して活用することが大切です。本記事では、2021年度のM&Aの補助金について、事業承...

M&Aで未払い残業代はどうなる?法改正が与える影響は?

M&Aで未払い残業代はどうなる?法改正が与える影響は?

従業員への残業代が未払いになっている中小企業は多いといわれていますが、これはM&Aの際に買い手のリスクとなります。本記事では、M&Aで未払い残業代がどうなるか解説するとともに、2020年4月に行...

【2021】中食業界のM&A動向!売却/買収の事例を紹介!

【2021】中食業界のM&A動向!売却/買収の事例を紹介!

近年、中食業界のM&Aが活性化しています。市場は拡大傾向にあり、消費税増税に伴う軽減税率の導入やコロナ禍の外出自粛などで需要をさらに高めています。本記事では、中食業界のM&A動向やM&Aのメリッ...

子会社とは?設立するメリットデメリットや関連会社との違いを解説!

子会社とは?設立するメリットデメリットや関連会社との違いを解説!

子会社とは、事業方針を決定する機関が他の会社の支配下に置かれている会社のことです。決定機関は主に株主総会を指しており、決算承認や配当金額などの決議が行われます。本記事では、子会社を設立するメリッ...

M&Aを成功させるノウハウまとめ!基礎知識をつけて攻略する

M&Aを成功させるノウハウまとめ!基礎知識をつけて攻略する

M&Aは専門家任せにするのではなく、経営者自身も基礎知識やノウハウを知っておくことが大切です。本記事では、M&Aを成功させるために知っておきたいノウハウや、戦略策定の手順などを解説します。また、...

会社を売りたい人が絶対に読むべき会社売却マニュアル!

会社を売りたい人が絶対に読むべき会社売却マニュアル!

近年、会社を売りたい経営者が増えつつあります。経営者の悩みは、後継者問題や個人保証・担保などのさまざまなものがあり、会社売却で解決できるのが多いためです。今回は、会社を売りたい人が絶対に読むべき...

M&A仲介のビジネスモデルを解説!報酬や戦略は?

M&A仲介のビジネスモデルを解説!報酬や戦略は?

近年、M&A仲介というビジネスモデルが注目を集めています。新型コロナウイルスの感染拡大による国内外の経済活動への影響も危惧されるなか、M&A仲介は堅調な動きを見せています。今回は、M&A仲介のビ...

M&Aで入札方式のメリットデメリットを仲介方式と比較して解説!

M&Aで入札方式のメリットデメリットを仲介方式と比較して解説!

M&Aの入札方式とは、複数の買い手候補の中から最も好条件を提示した買い手候補を取引相手に選定する方法です。単純な価格競争の他、従業員の引継ぎ等の個別条件を重視することもあります。本記事では、M&...

記事検索
M&Aコラム
人気の記事
最新の記事
セミナー・イベント

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

Banner magazine
ご相談はこちら
(秘密厳守)