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2019年3月10日更新
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学生起業家のM&Aとは?学生起業家によるM&Aのメリット・デメリット、事例をご紹介

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

学生起業家の場合は、学業をしながら事業も並行して行っている状態なので時間的な余裕がないという場合もあるでしょう。学生起業のM&Aについては、学生起業がバイアウトによって大手企業に買収されることの方が多いでしょう。学生起業家の場合は自身が持つ独自のアイディアや技術を基に起業していることが多く、創業当時は大きな資本金も必要ないことがあります。

目次

    学生起業家のM&A

    M&A(バイアウト)とは?

    バイアウトとは、M&Aイグジットの方法のひとつで会社を合併買収や買収によって投資した資金を回収することを言います。

    簡単に言うと、会社を売却して投資した資金を回収するということです。

    M&Aイグジットの手法には、バイアウトのほかにIPOがあります。

    IPOは、新規株式上場のことでベンチャー企業などが事業に成功して、株式を上場させることで、投資した資金の回収を行います。

    日本では、IPOを選択する経営者が多いですが、アメリカではバイアウトを選択する方が多いようです。

    日本でも、今後はバイアウトを選択する起業家が多くなるでしょう。

    バイアウトを行うメリットは、実行するまでの準備が短期間で済むという点があります。

    IPOする時には、細部統制の準備や試運用を行ってそのあとに本運用となります。

    それと並行して監査法人の選定や短期間調査、会計監査及び内部統制監査が行われ、主幹事証券会社の選定と併せて、主幹事証券会社からの指導や助言を受けて取引所の審査を受けます。

    これらのスケージュールを行うとおよそ3年の準備期間が必要になります。

    それだけでなく、費用も掛かるので資金を準備しなければなりません。

    しかし、バイアウトであれば合併買収や買収をしてくれるところを探して、交渉を進めればバイアウトが可能になり、IPOする費用をかけずに済みます。

    また、バイアウトをする会社は保有している株式を一括で売却することも可能で、一度のたくさんの資金を回収することができます。

    そのほかには、会社の市場価値などを含めて売却価格が決まるので株式の額面通りではなく、会社としての付加価値を上乗せできる場合もあります。

    一見してバイアウトの方が、メリットが多いように感じられますが、デメリットとなる面もあります。

    IPOの経験ができず、実績を作ることができません。

    そのため、会社としての信頼性を欠くことになる可能性があります。

    また、バイバウトによって会社の経営権を失ってしまうので創業者が事業内容を変えたくても、それが実行できなくなってしまう可能性もあります。

    学生起業家によるM&Aのメリット・デメリット

    学生起業家の場合は、学業をしながら事業も並行して行っている状態なので時間的な余裕がないという場合もあるでしょう。

    学生起業のM&Aについては、学生起業がバイアウトによって大手企業に買収されることの方が多いでしょう。

    学生起業家の場合は自身が持つ独自のアイディアや技術を基に起業していることが多く、創業当時は大きな資本金も必要ないことがあります。

    しかし、事業が大きくなっていくにしたがって、従業員を雇ったり設備を充実させる必要があったり資金が必要になってきます。

    このような場合に、M&Aを実施することで売却した学生起業家は資金を手にすることができるのが一つ目のメリットでもあります。

    M&Aの手法は様々なものがありますが、学生起業家が実施するM&Aは株式譲渡が多く見受けられ、大手や中堅企業の子会社になる場合が多いでしょう。

    大手や中堅企業の傘下となると、社会的な信用を得ることができるので、銀行からの融資を受けられるようになったり、取引先との信頼関係が築けるようになったりすることもメリットいえます。

    また、M&Aの場合で株式譲渡を実施した時は、株式を買収側の企業に譲り渡せば、その対価が現金で受け取ることができます。

    資金力が乏しい学生起業家にとっては、現金での収益を今後の事業拡大にも役立つはずです。

    デメリットとして考えられるのは、買収する側の企業が大手や中堅企業であるため、大人との交渉になります。

    そのため、学生起業家は気後れしてしまい上手く交渉ができないことが考えられます。

    そのため、株式譲渡となった場合でも学生起業家の意思と異なるような結論になってしまう可能性があります。

    学生起業家であっても、自身が立ち上げた事業を正当に評価してもらえるように働きかける必要があります。

    いずれにしても、M&Aを実施する時には何度も相手と交渉することになります。

    買収する側の企業の担当者の話を受け入れるだけではなく、主張しなければならないことはしっかりと言えるようにしておいた方が良いでしょう。

    また、M&Aが成立した後も、親会社となった企業が経営方針や事業内容についても、親会社の意向に沿ったものに変更せざるを得ない状況になる可能性があります。

    従業員の賃金や就業規則なども親会社の規制に合わせていくことになるでしょう。

    そのようになると、学生起業家自身にとっては仕事がやりにくくなったと感じるかもしれません。

    学生起業の場合は、共同創業者や学生の仲間が従業員の形で事業を一緒に行ってきたという場合もありますが、M&Aの実施によって親会社の意向で人事が厳しくなり、一緒に事業を行ってきた仲間をリストラしなければならないような事態になる場合もあります。

    そのほかには、これまで取引を行ってきた取引先についても、親会社の指示に従わなければならない事態になる可能性もあり、取引先の変更や取引内容の変更を行う場面もあるでしょう。

    M&Aによって、学生起業で行ってきたことがガラッと一遍する可能性も考えられます。

    学生起業家がM&Aを行った事例

    鶴田浩之氏は、大学在学中に「Labit」を瀬越率して、2011年12月に行われたインフィニティー・ベンチャーズ・サミット2011Fall Kyoto」で開催されたアプリプレゼン大会で「すごい時間割」というアプリで優勝しています。

    アプリの内容は、個人で時間割を作成して、次に授業や教室などを友達と共有できるもので、空き時間が一緒の友達を見つけて、遊ぶ約束などができるというものです。

    また、共通の授業数という指標で測ってアプリ内で可視化できるところが高く評価されています。

    この時に発表した「すごい時間割」は、リクナビCのホームページから内容が閲覧できるようになっています。

    鶴田浩之氏は、リクルートホールディングスの100%子会社である「ジョブダイレクト」とのM&Aを事業譲渡で実施して、第三者割当増資を行っています。

    大学生ならほとんどの人が持っているスマートフォンにアプリをインストールすればだれでも使えるアプリとなっており、制作した鶴田氏と共同創業者で代表取締役の西尾健太郎氏は、今後も新規事業に挑戦すると宣言しており、次の事業についても準備をしている最中としています。

    同じ「Libit」のM&Aの事例になりますが、共同代表の西尾健太郎氏と鶴田浩之氏は「すごい時間割」を事業譲渡した後に、2014年8月に子会社として設立した「株式会社ゲームエイト」をニュースアプリで知られる「Gunosy」株式譲渡によるM&Aを実施して連結子会社となっています。

    この段階で鶴田氏は兼任していたゲームエイトの取締役を辞任し、西尾氏もLabitの取締役を辞任しています。

    これによって、Labitとゲームエイトは資本、経営の面で関係性が亡くなっています。

    ゲームエイトの事業を切り離して、分社化することでLabitは別の事業への展開を予測さssる発言をしています。

    ゲームエイト自体は、月間のユーザー数が1059万人としており、Gunosyはゲームユーザーの取り込みなどのシナジー効果を期待しています。

    次に、望月佑紀氏は大学在学中に起業をして、2009年11月に株式会社リジョブを設立しています。

    事業内容は、美容師やネイリスト、エステシャンなどの資格を保有している技術者を対象にした求人を掲載したホームページを運営しています。

    この事業を望月佑紀氏は、2014年9月に株式会社じげんとM&Aを実施して株式譲渡による売却を行っています。

    株式会社じげん自体もライフメディアプラットフォーム事業を行っており、株式会社リジョブを買収することによって、シナジー効果が得られることを予測してのM&Aとなっています。

    株式会社リジョブにとっても、早い段階でバイアウトを実行したかったという希望があり、そのタイミングが合致して、M&Aが実現した事例です。

    留田紫雲氏は関西学院大学に在学中に、個人事業主として事業を立ち上げ、コピーバンド向けにアーティストが使っている細かい楽器の情報をまとめたサイトを作るも、アフィリエイトに近い形だったために、あまり収益が上がらなかったといいます。

    その後、不動産業者向けのWebコンサルティング事業を開始したのがきっかけで2015年11月に株式会社VSbiasを設立し、不動産開発業者の自社メディア立ち上げや広告の運用、SEOやコンテンツ作成のコンサルティングを行っています。

    それと並行して、外国人向けの賃貸ポータルサイトも立ち上げていますが、近年の主な事業は、宿泊施設の開業・運営サポートを行っています。

    中でも、外国人向けの民泊の施設運営代行や開業サポートも行っています。

    会社を設立してから7か月という速さで急成長をしたスタートアップ企業です。

    そのような中で2016年8月に株式会社メタップスに株式譲渡を行い、完全子会社化しています。

    M&Aを実施した後も株式会社VSbiasの代表取締役として、活動を続けており、「テクノロジーによる空間価値の最大化」を会社のミッションとして、民泊施設の開発や運営支援などを積極的に行っています。

    今後は、2020年のオリンピックに向けてさらなる成長が期待できる企業です。

    次の事例は、株式会社Candleを設立した金靖征氏です。

    会社の設立は2014年4月で金氏が東京大学3年生の時になります。

    株式会社Candleは、2015年5月にMiniTVの配信を開始して、女性のメイク術やコスメの紹介動画、ヘアスタイルの紹介動画などを行っており、「MARBLE」と題した女性を対象にした情報サイトの運営を行っています。

    そのほかにも、情報を配信するメディアを運営しています。

    複数のメディアを運営する株式会社Candleをクルーズ株式会社が2016年10月に完全子会社として12.5億円で買収しています。

    クルーズ株式会社は、2018年5月10日にすべての事業を子会社化しており、グループにはSHOPLIST.comやEC Partners株式会社などがあります。

    その中で株式会社Candleは、クルーズ株式会社の新規事業部と言う位置づけで連結子会社となっています。

    現在も金氏は、株式会社Candleの代表者として事業の運営を行っています。

    株式会社PoliPoliの設立は2018年2月で代表取締役の伊藤和真氏は、現在も慶應義塾大学に在学中で、F Ventureでベンチャー投資に参画しています。

    株式会社PoliPoliは、政治と一般の人が一緒に未来を創る仕組みをインターネット上に創り、国家システムの再構築を実施しようとしています。

    SNSアプリを開発する中で、俳句に特化したSNSアプリ「俳句てふてふ」を2018年6月に株式会社毎日新聞社と事業譲渡によるM&Aを実施しています。

    「俳句てふてふ」は、俳句を身近にしようというコンセプトを基にしたSNSサービスです。

    伊藤氏が個人的に運営していたサービスが株式会社毎日新聞社の俳句事業担当者の目に留まり、新規事業としてM&Aを実施しました。

    「俳句てふてふ」の事業は、株式会社毎日新聞に事業譲渡されましたが、伊藤氏はアドバイザーとして事情展開をサポートするとしています。

    学生起業家によるM&Aの注意点

    学生起業家にとってM&Aは、自身が行っている事業を拡大できるチャンスととらえる場合もあるでしょう。

    実際に大学在学中に事業を興し、事業が成長して注目をされるようになると大手や中堅企業がM&Aを実施しようとする傾向があります。

    若い世代が持つ独自のアイディアや技術、サービスなどを大手や中堅企業がM&Aで買収を行い、子会社とすることでシナジー効果や新規事業の設立を見込んで学生起業家とのM&Aを望む場合もあります。

    学生起業家によるM&Aの注意点は、どちらが主導権を握るかという点があります。

    学生起業家と大手や中堅企業のM&Aの交渉担当者では、当然大手や中堅企業のM&A交渉担当者の方が年齢も上でしょう。

    また、立場として学生起業家よりも買収交渉をしている企業の方が上になりやすい傾向があります。

    しかし、学生起業家にとっても自身が運営している事業も大切なものだといえます。

    それを安売りするようなことはしないように注意しなければなりません。

    ある学生起業家は、自身が運営していた事業をM&Aによって売却した時「長年付き合っていた恋人を失ったような気分だった」としています。

    このように、自身が運営していた事業をそのまま売却してしまい、自身は経営権がなくなり事業に携わることもなくなった、となると本当に恋人を失ったような気持ちになるかもしれません。

    M&Aを実施する時には、どのような形で売却をするのかしっかりと契約をしなければなりません。

    前の項で成功事例を紹介しましたが、大手や中堅企業の子会社となって事業そのものは続けていける環境にあれば、M&Aを実施した後も自身が考えた事業を続けていくことができます。

    また、株式譲渡に関しても株式の何%を譲渡するのかによっても、その後の事業の運営の仕方が変わってきます。

    100%譲渡して完全子会社になったとしても、どのように事業展開をしていくのかしっかりとしたビジョンを持ってM&Aの交渉に臨むべきです。

    そのほかにも、M&Aによって売却した金額が手元に入ることになりますが、その資金をどのように使うのか、新規事業を立ち上げるのか、子会社となって事業の拡大を図るための設備投資や人員を増やすなど、自身が進めていきたい事業の発展を望むものなのか、しっかりと計画を立てていく必要があります。

    学生起業家のM&Aは専門家を活用

    学生起業家がM&Aを実施する時には、弁護士や公認会計士、税理士などの専門的な知識を持った人を介入させて実施した方が良いでしょう。

    学生起業家と言っても、M&Aに関する知識は乏しいはずです。

    起業して、法人となる時には登記簿などの手続きが必要ですが、自身で手続きをやろうと思えばできる場合もあります。

    しかし、M&Aの場合は法律や財務、税務などの問題もあるので、自身で実施しようとしても難しいことが多くあります。

    また、しっかりと自身の事業が評価されているのか、不安になる場合もあるでしょう。

    このような時に、会社を正しく評価できるM&A仲介会社などを利用することをお勧めします。

    学生起業家の中には、自身が個人的にやってきたことがある会社の目に留まり、M&Aの話が出てきた、という場合もあります。

    M&Aを申し出た会社は、その事業に対して何かしらの魅力を感じて買収によるM&Aの交渉をしてきたことになります。

    自分自身では、事業の評価価値が分からない場合でも、M&Aの専門家であれば学生起業家が実施している事業の評価価値を正しく判断できるはずです。

    大手や中堅企業からの買収の交渉を受けた場合は、自身で判断するのではなくM&Aの仲介会社や専門知識のあるファイナンシャルプランナー、公認会計士や弁護士などの協力が必要となるでしょう。

    まとめ

    近年は、学生だからできる発想や技術、サービスなどがきっかけとなって起業する学生も増えています。

    また、起業家の低年齢化も進んでいると言われており、早い人では中学生の時に起業しているという場合もあるようです。

    学生起業家IT系やサービスなどを中心とした企業が多く、あまり資金が必要としない事業を開始することケースが多く見受けられます。

    しかし、IT系にしてもサービスにしても最初は、事業としてやっていたわけではなくでも、次第に事業として確立していく場合もあります。

    そのような企業をベンチャー企業と言っていましたが、最近は急成長することからスタートアップ企業と言われることもあります。

    バイアウトによるM&Aを実施する時には、メリットとデメリットをよく理解して実施するようにしましょう。

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