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2019年12月9日更新
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持株会社設立による経営統合とは?設立手順やメリット・デメリット、持株会社の上場を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

企業のあり方を大きく変化させる経営手法として持株会社(ホールディングス)の設立が知られています。合併や買収などによる経営統合との違いについて気になる方もいることでしょう。この記事では持株会社の設立手順や流れ、メリット・デメリットを解説します。

目次
  1. 持株会社(ホールディングス)の設立による経営統合
  2. 持株会社(ホールディングス)とは何か?
  3. 持株会社(ホールディングス)の設立とは?
  4. 持株会社(ホールディングス)設立による経営統合のメリット・デメリット
  5. 持株会社(ホールディングス)の上場
  6. まとめ

持株会社(ホールディングス)の設立による経営統合

経営統合の手法は単なる合併や買収などにはとどまりません。持株会社(ホールディングス)設立によっても実現できます。名前から株式が関係していることはうかがえますが、その詳細についてご存じない方もいることでしょう。

本記事では、持株会社設立による経営統合について、メリットやデメリットなどを交えつつ解説していきます。

持株会社(ホールディングス)とは何か?

持株会社とは、ほかの株式会社を子会社化してコントロールするために、その会社の株式を所有する会社です。持株会社は「ホールディングカンパニー」とも呼ばれ、「ホールディング」は保持、保有を意味しています。

ただ、持株会社を「ホールディングス」と名乗る義務はなく、会社によっては「グループ」を使う場合もあります。実際にイオンやキッコーマンは「ホールディングス」としていません。金融系の場合は「〇×フィナンシャルグループ」とする会社が多く見受けられます。

持株会社が設立されることで、傘下に入った企業は今まで通り存続します。代表的なのがセブン&アイ・ホールディングスです。

コンビニエンスストアチェーンを多く持つセブン・イレブンジャパンをはじめ、イトーヨーカドーやそごう、西武などを子会社化した大手流通持株会社になります。持株会社の傘下に入っても、それぞれの企業は法人として成り立っています。

持株会社の種類

持株会社には、純粋持株会社、事業持株会社、中間持株会社の主に3通りがあります。

純粋持株会社

純粋持株会社は事業活動を行いません。株式を所有する複数の会社の事業内容や活動などを統制しています。純粋持株会社が株式を所有する会社は、持株会社の傘下となりそれぞれが事業活動を行います。純粋持株会社の収益は所有する株式の配当金が主です。

事業持株会社

事業持株会社は、自ら事業活動を行うとともに、株式を所有する会社の事業内容や活動も統制しています。自ら行っている事業活動から収益を得られるほか、統制する子会社の株式による配当金も収益となります。

中間持株会社

中間持株会社は親会社の傘下にある状態で、類似事業を行う企業をまとめる存在です。たとえば、ソニーフィナンシャルホールディングスは、ソニー株式会社の傘下であるとともにソニー生命やソニー銀行などの金融部門を統括しています。

持株会社による子会社化と合併の違い

完全な子会社として人事や給与水準、社内システムなどが統合されることはありません。また、持株会社の傘下に入ることで相乗効果が期待できる点は、会社同士の合併とは異なる点です。

合併の場合は、どちらかの企業に人事や企業理念、指針、経理管理などを統一する必要があるので、双方の思惑が一致しないとうまくいかない場合もあります。そのため、合併のようなM&Aの手法を用いるのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。

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持株会社(ホールディングス)の設立とは?

持株会社は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)」によって、定義されています。その独占禁止法に基づいて持株会社の設立や既存の会社の持株会社化も禁止されていたのです。

しかし、1997年の法改正によって純粋持株会社の設立が認められるようになり、大手企業が持株会社を設立するようになりました。

持株会社の設立方法

持株会社の設立の方法は、株式移転方式や株式交換方式、抜殻方式などがあります。

株式移転方式

株式移転方式は、子会社となる会社はそのまま事業を続けますが、その会社の株式を統制する親会社に移動させる方法です。持株会社を設立するときは新規で設立することが多く、傘下に入ることは発行済株式の全てを持株会社に移転させることになります。

既存会社の事業運営に影響を与えにくかったり、再編の手続きが素早く行えたりするメリットがあります。一方、資産や負債を承継する際は別途手続きが必要であったり、税金の面で法人住民税が増加する恐れがあったりするのはデメリットといえるでしょう。

株式交換方式

株式交換方式は、親会社と子会社の株式を一定の割合で交換する方法です。親会社は子会社の株式をすべて取得することで、完全な子会社にできます。この方法は、親会社がすでに法人化しており、新たに子会社を増やすときに使われる方法です。

子会社は株式を親会社に所有されますが、親会社は株式でなくても有価であればよいとされています。親会社が対価として交換するものは、既存の株式のほかに新規株式、社債、新株発行権、現金などがあります。そのほか、親会社の親にあたる会社の株式でもよいです。

抜殻方式

抜殻方式は、すでに存在する会社の事業すべてを子会社に移してから持株会社となる方法です。会社のすべての事業を抜き取るので「抜殻方式」といわれます。抜殻方式は、これまで事業活動を行っていた会社が純粋持株会社を設立するときに使われる方法です。

親会社と子会社の作り方

持株会社を設立するには、親会社と子会社のどちらかを作るかで2通りに分かれます。親会社を作るときには株式移転と会社分割の方法で行います。株式移転により、もともとあった株式を新しく新設した会社に移転させて親会社を設立します。

その後、会社分割によって本社の機能を移転させると親となる持株会社ができます。親会社を作っても、元の事業はそのまま存続できるので、許認可が必要な会社などに向いている方法といえます。

一方、子会社を作るときは、元事業を行っていた会社が100%出資して新しい会社を作り、子会社にします。その後、会社分割を利用して事業の部分だけを切り離し、子会社に譲ることで、元会社を持株会社として設立できます。

元会社の事業だけを独立させるので、独立採算制を導入可能です。そのため、幹部候補生の育成などがしやすい環境を整えられます。どちらの方法を選ぶかは、会社によってケースバイケースになります。

持株会社を設立するタイミング

事業承継のタイミングで持株会社を作る中小企業も増えつつあるようです。持株会社を設立することは事業承継対策になることが理由でしょう。資金力がある会社であれば、100%出資して子会社を作って親となる持株会社を作ることが可能です。

株式交換で親会社を作る場合も株式の買い取りは発生するので、資金力は必要になります。事業承継時に、後継者に自社株式をできるだけ集めて100%に近い形で承継するのが理想です。

そのため、後継者に株式を買い取る資金が不足しているときなどは、事業承継しやすいように持株会社を設立することもあります。

事業承継における持ち株会社の設立手順

現経営者が存命の場合は贈与によって事業承継されますが、相続の遺留分などの問題で後々トラブルになる可能性があります。その場合には、後継者が自社株式を買い取ることが重要になるでしょう。

その際は、後継者が100%の出資で新会社として持株会社を設立します。ちなみに、後継者が新しく会社を設立するときは、資本金100万円程度でも設立可能です。

現経営者や金融機関から資金を調達し、引き継ぐ会社の株式を買い取ることで親会社になります。後継者が設立した持株会社は、引き継ぐ会社の株式を100%所有することになるので、毎年配当金を受け取れます。

この配当金で、金融機関から借りたお金を返済できます。このようにして、事業承継の際に持株会社を設立させれば、実質的にも後継者が会社を引き継ぐことになり、自社株式の買い取りにおいても問題が解決しやすいといえるでしょう。

この方法以外にも事業承継における持株会社設立の方法はありますが、基本的には、後継者が自社株式を取得する資金よりも少ない額で持株会社を設立し、引き継ぐ会社の株式を持株会社が取得するのが一般的です。

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株式移転とは?手続きやメリット・デメリット、M&Aにおける活用や事例を解説

持株会社の事業承継

持株会社(ホールディングス)設立による経営統合のメリット・デメリット

持株会社を設立すると組織のあり方が大きく変動するため、経営者や従業員に影響があります。そのため、誤った判断を行わないように、持ち株会社を設立するメリットとデメリットをあらかじめ知っておくことが大切です。

この項では、持ち株会社設立による経営統合のメリットとデメリットを説明します。

持株会社設立による経営統合のメリット

持株会社設立による経営統合のメリットは、持株会社が複数の子会社を統制することで恩恵を受けやすい点です。純粋持株会社の場合は、実質的な事業は行っておらず子会社の株式による配当金によって収益を得られます。複数の子会社を統制していれば、その分だけ収益も増えます。

合併による会社の統合では、人事やシステムの違いなどから融合させるのに、時間や手間がかかりますす。しかし、経営統合の場合はそれぞれが独立した会社なので、人事やシステムの統合を行う必要がなくなるのです。

人事やシステムの統合に失敗すると期待していた相乗効果を得にくくなり、従業員同士の意欲も低下する原因になります。その点、持株会社の傘下にある子会社は、それぞれの法人格を持っているので独自の方法で事業を行えます

一方で、持株会社の傘下に入れば、事業拡大や信頼性向上などにより業績が伸びることもメリットです。また、持株会社が子会社とする事業で業績が悪い場合は、業績が悪い子会社と持株会社だけが損失を受けますが、ほかの子会社は損失を受けない点もメリットといえます。

そのほかにも、持株会社は、M&Aなどでほかの会社と経営統合しやすい点も大きな利点です。持株会社は多くの子会社を傘下にしているので、実質的な経営権は持株会社にあります。そのため、権限の委譲がしやすく人事制度なども柔軟に対応できます。

持株会社設立による経営統合のデメリット

子会社同士の連携が難しく、持株会社の事業が思うように進まないおそれがあるのがデメリットです。たとえば、持株会社の意向とは違う方向に舵を切る子会社が出てきます。持株会社によって経営統合されていても、事業そのものは子会社が独自に実施していることが多いからです。

また、持株会社の傘下である子会社で働く従業員が、労働条件について雇用されている子会社と経営権のある親会社のどちらに訴えればいいのかわかりづらいのも課題の一つです。

しっかりと統制が取れていれば問題にはなりませんが、場合によっては子会社から信用リスクが膨らんでいき、格付け上の「ねじれ」が起きる懸念があります。

そのほかには、持株会社やその傘下にある子会社の不祥事や赤字などの問題が会社全体のイメージに連鎖するため、持ち株会社が過小評価される可能性があるのもデメリットといえるでしょう。

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持株会社のメリットとデメリット

持株会社(ホールディングス)の上場

持株会社の上場では、マーケットごとに基準が設けられています。東証一部マーケットの場合は、株主数が2,200人以上いることが条件です。また、2万単位以上の株式が流通株式として流通している必要があり、35%以上の流通株式比率を満たしていることも条件になります。

さらに、時価総額が250億万円以上で純資産額が10億円以上という条件もあり、これを満たせるのは大手企業の持株会社であると考えられるでしょう。持株会社を上場すれば、株式による資金調達の敷居が下がり、経営統合後も存続させられます。

しかし、株式が公開されると株価の変動が起きやすいので、子会社に安定した事業を実行してもらう必要があります。

比較的上場しやすいマーケットは東証マザーズです。条件は、株主数200人以上、流通株式数2,000単位以上、流通株式時価総額5億円以上、株式比率25%以上、時価総額10億円以上などです。

持株会社が上場していても、子会社がすべて上場しているとは限りません。子会社の規模によっては上場していない場合もあります。近年では、中小企業でも事業承継の際に持株会社を設立するケースが増えつつありますが、中小企業の場合は持株会社も子会社も非上場である傾向です。

持株会社の上場で得られるメリットもありますが、時間や費用もかかりすぐに上場できるというわけではありません。会社全体の事業内容を考えて進めていく必要があるでしょう。また、顧問税理士や会計士などにも相談をしてアドバイスを受けるようにしましょう。

まとめ

持株会社(ホールディングス)を設立するには、親会社を作るか子会社を作るかの2通りがあります。親会社を作るときには株式移転と会社分割の方法で行うことを解説しました。メリット・デメリットをふまえたうえで専門家に相談し、持株会社設立による経営統合を検討しましょう。

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