2020年4月14日公開会社・事業を売る

株式譲渡の仲介業者の仕事内容は?手数料体系や流れを解説!

株式譲渡において、仲介業者はどのような役割を果たすのでしょうか。仲介業者の仕事内容やFA(ファイナンシャルアドバイザー)との違い、また手数料体系や仲介業者を利用した場合の株式譲渡の流れなど、株式譲渡を検討している経営者が気になるポイントを解説します。

目次
  1. 株式譲渡の仲介業者とは
  2. 株式譲渡の仲介業者の仕事内容
  3. 株式譲渡の仲介業者の手数料体系
  4. 仲介業者とFAとの違い
  5. 株式譲渡を行う際に仲介業者を利用するべき理由
  6. 株式譲渡を選ぶメリット・デメリット
  7. 仲介業者に依頼した際の株式譲渡の流れ
  8. 株式譲渡を行う上での注意点
  9. 株式譲渡を行う際におすすめの仲介業者
  10. まとめ
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株式譲渡の仲介業者とは

株式譲渡の仲介業者とは

株式譲渡を実施した会社の多くは、株式譲渡の仲介業者のサポートを受けています。株式譲渡には様々な手続きや契約があり、専門的な知識が必要不可欠だからです。

仲介業者のサポートにより、不利な条件の契約を結ぶことを防いだり、譲渡後のリスクなどを回避でき、円滑な株式譲渡を実現することができます。

株式譲渡とは

株式譲渡とは、株式を譲受企業に売却し、経営権を譲渡するM&Aスキームの一種です。

中小企業やベンチャー企業の多くは、経営者が株式の大半を所有しているため、株式譲渡により会社の所有権と経営権を共に譲渡することになります。

譲渡後は、株式の売却による対価を得ることができますが、会社の経営からは身を引くことなります。

【関連】株式譲渡とは?メリット・デメリット、M&Aの手続きや税務を解説

株式譲渡の仲介業者とは

株式譲渡の仲介業者とは、株式譲渡契約の成立を仲介する会社のことです。株式譲渡による会社売却はM&Aの一種であるため、M&A仲介業者ともいわれます。

株式譲渡により会社売却をする際には煩雑な契約や手続きが必要となるため、経営者が自ら事業を継続しながら株式譲渡を進めるのは簡単なことではありません。

株式譲渡の仲介業者は、円滑な株式譲渡契約締結のため、株式譲渡契約や基本合意契約のような契約関係のサポートをしたり、デューデリジェンスや表明保証のアドバイスを行います。

株式譲渡と株式売却は同じ?

株式譲渡と株式売却は同じ意味を持つ部分もありますが、厳密にいえば全く同じ意味ではありません。

株式譲渡とは、その言葉の通り株式を譲り渡すことです。譲り渡す際の対価に関わらず、株式を他者に譲り渡すことを株式譲渡と言います。

つまり、譲渡する株式の対価が金銭であっても、物であっても、また対価がない場合も全て株式譲渡ということです。

株式売却は、株式譲渡の一種で、対価に金銭を受取る場合の株式譲渡のことをいいます。対価が無償の譲渡を贈与、対価が物の場合には交換といいます。

株式譲渡と事業譲渡の違い

株式譲渡と似たM&Aのスキームに、事業譲渡というものがあります。

事業譲渡は、会社の事業の一部を買い手企業に譲渡することです。株式の譲渡は行われないため、残った事業の経営権や会社の所有権が変わることはありません。一般的に、不採算部門の整理や事業の選択と集中のために実施されます。

一方で、株式譲渡では、会社の株式を保有する経営者が、事業承継や経営基盤の強化のために、株式を譲渡し経営権や所有権を手放します。

株式譲渡の仲介業者の仕事内容

株式譲渡の仲介業者の仕事内容

前章でも解説した通り、株式譲渡の際には煩雑な手続きや専門的な知識が要求されるため、多くの会社が株式譲渡の仲介業者とアドバイザリー契約を結び、株式譲渡をサポートしてもらっています。

株式譲渡を検討している経営者の強い味方となる株式譲渡の仲介業者の具体的な仕事内容について、詳しく解説します。

1.戦略の決定

まず、仲介業者はクライアントから株式譲渡の目的や条件、希望のスケジュールなどをヒアリングします。合わせて、クライアントの経営状況や従業員数、事業計画書などの情報も収集し、会社の価値を評価します。

会社の価値評価には、財務や法務、会計、税務などの専門的な知識が必要とされるため、仲介業者によるサポートが必要不可欠です。

それらの情報をもとに、仲介業者がクライアントとともに株式譲渡契約の戦略を決定します。適切な戦略を立てることで、スピーディな株式譲渡が実現しやすくなります。

2.相手企業の選定

クライアントから情報収集を行い、スケジュールや戦略が決定した後は、評価した企業価値をもとにマッチする譲渡先企業を選定します。相手企業の選定は仲介業者が果たすべき大きな役割の一つです。

譲渡企業が自らの持つネットワークで譲受企業を探し、仲介業者をはさまずに直接交渉するとうケースもありますが、業務を継続しながらマッチング企業を探したり交渉するには時間と労力がかかります。

仲介業者は、クライアントに代わり最適な候補企業を選定します。幅広いM&Aネットワークを活かして、遠方の企業や業界が異なる企業などからも候補企業を探せるので、相手企業の幅を広げることができます。

3.株式譲渡条件の交渉

相手企業が決定した後は、株式譲渡契約締結に向けて本格的な交渉がスタートします。仲介業者は、譲渡企業と譲受企業の間に立ち、中立的な立場で両者の交渉をサポートします。

仲介業者は、一般的に譲渡企業と譲受企業の両者と仲介契約を結びます。どちらか一方が不利になることがなく、双方にとってベストの株式譲渡になるような交渉をすることが仲介業者の役割です。

4.必要書類関係のサポート

株式譲渡締結までには、様々な契約書類などが必要となります。仲介業者はそれらの必要書類作成のためのサポートを行います。基本合意契約や表明保証条項など、複雑で専門的知識が必要な書類も多いため、専門家の知識を活かして、不備がないようにアドバイスします。

万が一、株式譲渡契約の内容などに不備や問題があれば、損害賠償請求の対象となってしまう可能性もあるため、大きなリスクを避けるためにも、仲介業者のサポートを受けて、慎重に契約を進めることが重要です。

【関連】M&Aの手続きの流れ、進め方について解説!準備から円滑に進めよう

株式譲渡の仲介業者の手数料体系

株式譲渡の仲介業者の手数料体系

株式譲渡の仲介業者に依頼した場合、アドバイザリー契約時の着手金や、M&A成功時の成功報酬などの手数料を支払うことになります。

仲介業者によっては、中間金の支払いが必要であったり、着手金・中間金無料の完全成功報酬制という業者もあります。

仲介業者を選ぶ際の大きなポイントとなるので、個別に確認して、よりよい仲介業者を選ぶことが大切です。

仲介業者とFAとの違い

仲介業者とFAとの違い

FA(ファイナンシャルアドバイザー)は、株式譲渡の仲介業者と同様にM&Aや株式譲渡、事業譲渡などに精通し、クライアントの株式譲渡契約締結のサポートをします。

しかし、仲介業者とFAでは仕事内容や役割、手数料、報酬などが異なる点もあります。どのような点に違いがあるのか詳しく解説します。

仕事内容・役割

仲介業者の役割は「仲介すること」、つまり、譲渡企業と譲受企業の間に立って、双方にとって最適な株式譲渡となるように中立的な立場で株式譲渡をサポートすることです。

どちらか一方の利益を求めるのではなく、双方の利益のバランスを考えた友好的な株式譲渡契約締結を支援します。

他方、FAは一般的に譲渡企業もしくは譲受企業のどちらか一方とアドバイザー契約を結びます。クライアントの利益を最優先にした株式譲渡となるように支援することがFAの大きな特徴です。

希望の条件での株式譲渡をしたい会社にとっては強い味方となりますが、過度な要求を相手企業に求めることもあり、成約まで時間がかかったり、破談となるリスクもあります。

手数料・報酬

仲介業者とFAの手数料・報酬の大きな違いは、支払い対象となるクライアントの数です。仲介業者は、譲渡企業と譲受企業の双方と契約を結ぶので、手数料や成功報酬は両者から支払われます。

一方で、FAは譲渡企業か譲受企業のどちらか一方としか契約を結ばないので、手数料や成功報酬も一方からしか支払われません。そのため、仲介業者よりも高めの料金設定になっていることが多いです。

具体的な手数料・報酬や料金体系などに関しては、会社によって大きく異なります。料金については、仲介業者もFAも、個別に確認する必要があります。

株式譲渡を行う際に仲介業者を利用するべき理由

株式譲渡を行う際に仲介業者を利用するべき理由

株式譲渡で失敗しないためには、仲介業者やFAなど専門家のサポートを受けることが必要不可欠です。

特に中小企業では、手数料が安く、契約までのスピードが速いことから、仲介業者が選ばれています。仲介業者を利用する理由には、手数料の安さやスピードの速さに加えて、下記のような点が挙げられます。

【仲介業者を利用すべき理由】

  1. 譲渡企業の意向・意思を反映した交渉
  2. M&A成約までのサポート

1.譲渡企業の意向・意思を反映した交渉

仲介業者は、譲渡企業の経営状況や財務状況だけではなく、意向や意思・希望をしっかりとヒアリングしたうえで、譲受企業との交渉を進めます。

一般的に、仲介業者は譲渡企業と譲受企業の両者と仲介契約を交わし、中立的な立場で株式譲渡契約成立をサポートするので、双方の意向や意思を反映し、お互いの利益が最大となるような落としどころをスムーズに見つけることができます。

そのため、スピーディで満足のいく株式譲渡を実現することができるのです。

2.M&A成約までのサポート

相談からM&A成約や株式譲渡契約締結まで、一貫したサポートを受けることができるのも、仲介業者を利用する大きな理由のひとつです。

相手企業の選定や交渉、契約書関係のサポート、株式譲渡を進めていくうえで発生する問題などに対するアドバイスなど、様々な支援をM&A成約まで受けることができるため、会社に顧問弁護士のような専門家がいなくても安心して株式譲渡契約を成立させることができます。

【関連】株式譲渡の相談は税理士・弁護士にするべき?相談先一覧!

株式譲渡を選ぶメリット・デメリット

株式譲渡を選ぶメリット・デメリット

中小企業やベンチャー企業のM&Aによる会社売却や事業承継でよく利用されてる株式譲渡には、様々なメリット・デメリットがあります。

メリット・デメリットをしっかり理解することで、株式譲渡がベストな方法なのかを見極めることができるようになります。本章では、株式譲渡のメリット・デメリットを解説します。

株式譲渡のメリット

株式譲渡のメリットには、主に下記のような点があります。それぞれについて詳しく解説します。

【株式譲渡のメリット】

  1. 株式譲渡は手続きが少ない
  2. 業務を継続しながら譲渡が出来る

1.株式譲渡は手続きが少ない

M&Aの中でも、株式譲渡は手続きが比較的簡易です。株式譲渡では、株主が変わるだけで、資産や、従業員、取引先、許認可などはそのまま引き継がれるためです。

相手企業と株式譲渡契約を締結して、株主名簿を書き換えるだけで、株式譲渡は完了します。そのため、相談からたった3ヶ月程度で、株式譲渡が完結することもあります。

従業員や取引先、債権者への同意がなくても、株式譲渡はできますが、円満な株式譲渡のためにはそれぞれに株式譲渡の計画やスケジュールなどをしっかりと説明することをおすすめします。

2.業務を継続しながら譲渡が出来る

業務を継続しながら譲渡ができる点も、株式譲渡のメリットのひとつです。

上述の通り、株式譲渡では従業員や取引先も引継がれることになります。つまり、会社としての業務は株式譲渡交渉中もそれまで通り継続できるということです。

譲渡後は経営者が変わることになるので、会社としての方針が変更されることになりますが、突然の解雇や事業からの撤退ということは滅多にありません。

株式譲渡は、会社の業務を継続しながら実行でき、譲渡後も従業員などが引継がれるため、譲渡企業の経営者にとっても、従業員や取引先にとっても大きなストレスや負担のないM&Aスキームです。

株式譲渡のデメリット

次に、株式譲渡のデメリットについて詳しく解説します。株式譲渡のデメリットには、主に下記のような点が挙げられます。

【株式譲渡のデメリット】

  1. 事業の切り離しができない
  2. 入念なデューデリジェンスの実施

1.事業の切り離しができない

株式譲渡による会社売却は、経営権や所有権も含めて会社を丸ごと承継することです。一部の不採算部門や整理したい部門のみを切り離すことはできません。

不採算部門の整理や事業の選択と集中のために、一部の事業のみを売却する場合は、株式譲渡ではなく事業譲渡を行います。

【関連】事業譲渡とは?意味や方法、M&Aにおける活用​を解説

2.入念なデューデリジェンスの実施

デューデリジェンスとは、譲受企業が会社を買収する際に、譲渡企業の財務や法務、人事などの状況を調べることです。

デューデリジェンスにより、買収に値するかどうかを見極めるため、M&Aにおいて譲受企業にとっては非常に重要なポイントとなります。

特に、株式譲渡では会社を丸ごと承継することになるので、デューデリジェンスがしっかりと実施されていなければ、買収後の大きなリスクとなる可能性もあります。

株式譲渡によるM&Aでは、特に譲受企業においては、専門家のサポートのもと入念なデューデリジェンスが必要となります。

【関連】M&Aにおけるデューデリジェンスとは?費用や種類、注意点を解説

仲介業者に依頼した際の株式譲渡の流れ

仲介業者に依頼した際の株式譲渡の流れ

株式譲渡をするにあたって、どのような手続きや契約が必要で、どのような流れで株式譲渡が行われるのかは、株式譲渡を検討している経営者にとって気になるポイントです。

本章では、仲介業者に株式譲渡を依頼した場合の株式譲渡のおおまかな流れを、上場企業と非上場企業に分けて解説します。

上場企業の主な流れ

上場企業の場合、株式譲渡は以下のような流れで実施されます。それぞれの項目について詳しく解説していきます。

【上場企業の株式譲渡の流れ】

  1. 仲介業者に相談
  2. 株式譲渡先の選定・交渉
  3. 基本合意書の締結
  4. デューデリジェンスの実施
  5. 最終譲渡契約の締結
  6. クロージング

1.仲介業者に相談

まずは、仲介業者に相談します。仲介業者を利用するメリットには、下記のような点が挙げられます。

【仲介業者を利用するメリット】

  • 幅広いネットワークによる相手企業の選定
  • 株式譲渡契約完了までの一貫したサポート
  • スピーディで高確率な株式譲渡契約の成立

多くの仲介業者では相談料は無料となっているので、一度相談してからよりよい仲介業者を選ぶことができます。

ー秘密保持契約の締結

仲介業者に相談する際には必ず秘密保持契約を結びます。株式譲渡の相談の際には、会社の財務状況や経営状況など、会社の機密事項を詳しく話さなければいけないためです。

仲介業者からライバル企業などに情報が洩れることを防ぐために、秘密保持契約を結んだうえで相談するようにします。

2.株式譲渡先の選定・交渉

仲介業者を決定し、正式に仲介契約を結ぶと、クライアントから得られた会社の財務や税務、法務など様々な情報をもとに、仲介業者がクライアントに合った相手先を選定・紹介します。

仲介業者は幅広いネットワークを有しており、遠方の企業や他業界の企業なども譲渡先の候補に上がります。そのため、譲渡企業が自ら相手企業を選ぶ場合には見つけることができないような企業が選定されることもあり、株式譲渡の幅が広がります。

譲渡企業と譲受企業の双方が合意をすれば、両者の交渉が開始されます。仲介業者は中立な立場で両者の交渉をサポートします。

ー意向表明書の提示

意向表明書とは、譲受企業が譲渡企業との株式譲渡契約を進めていくという意思を明示する書類で、譲受企業から譲渡企業に提示されます。

必ずしも提示しなければいけないという訳ではありませんが、意向表明書の提示により本格的にM&A交渉を進めていくという意思表示となるので、円滑な株式譲渡契約締結のためには重要な書類です。

【関連】M&Aにおける意向表明書とは?

3.基本合意書の締結

株式譲渡の交渉が進み、譲渡価額やスケジュール、譲渡日などの基本的な条件に合意がなされれば、基本合意書を締結します。

これまでの交渉で合意が得られた内容を整理し、株式譲渡契約締結に向けてお互いの意思を確かめ合い、前向きに株式譲渡を実施することを確認するためになされます。

法的拘束力を持たせないケースが多いですが、双方の意思を強めることができるため、円滑な株式譲渡には必要不可欠です。

4.デューデリジェンスの実施

基本合意書により、譲渡企業の意思を確認した譲受企業は、次にデューデリジェンスを実施します。デューデリジェンスとは、譲渡企業の財務や法務などの情報を調査することです。

譲受企業は、デューデリジェンスにより、買収後のリスクや事業の将来性などを見極め、最終的な株式譲渡契約を締結するか判断します。

徹底したデューデリジェンスを実行するには、専門的な知識や豊富な経験が要求されるため、M&Aに精通した仲介業者のサポートが必要不可欠です。

5.最終譲渡契約の締結

基本合意内容やデューデリジェンスに問題がなく、譲渡企業と譲受企業の双方が合意をすれば、最終的な株式譲渡契約の締結となります。

株式譲渡契約書には、基本合意内容や表明保証、競業避止義務などが記載されます。法的拘束力を持つため、慎重に検討する必要があります。

一方的に契約を破棄したり、表明保証内容に虚偽などがあると判明した場合には、損害賠償請求がなされる可能性もあります。

6.クロージング

株式譲渡契約書に基づき、譲渡代金の支払いや株主名簿の書換えなどが完了し、経営権が移転されれば、株式譲渡はクロージングとなります。

仲介業者によっては、クロージング後のPMIをサポートするサービスも実施しています。PMIとは、経営統合を実施するプロセスのことで、株式譲渡によるシナジー効果を最大化するために必要なプロセスとされています。

将来を見据えた長期的なプランをスムーズに策定し、よりよい経営統合をするために、専門的な知識が豊富な仲介業者が、PMIをサポートします。

非上場企業の主な流れ

次に、非上場企業のケースを解説します。非上場企業の株式譲渡は下記のような流れで実施されます。

【非上場企業の株式譲渡の流れ】

  1. 株式譲渡承認の請求
  2. 株主総会・取締役会の臨時開催
  3. 株式譲渡の承認決議
  4. 株式譲渡契約の締結
  5. 株式名義書換の請求
  6. 株主名簿記載事項証明書の交付請求

1.株式譲渡承認の請求

現在日本では非上場企業のほとんどが、会社の承認がなければ譲渡できない譲渡制限株式を発行しています。

株式譲渡によるM&Aを実施するためには、会社に株式譲渡承認の請求を行い、承認を得る必要があります。

記載内容や実印の必要性など、難しい点もありますが、仲介業者のサポートにより不備なく実行することが可能となります。

2.株主総会・取締役会の臨時開催

2週間以内に承認・不承認の通知を行わなければいけないため、株式譲渡承認請求を受けた会社は、すぐに取締役会もしくは臨時株主総会を開催します。

万が一、通知に2週間以上かかると、たとえ不承認という決議であっても、承認とみなされる場合もあります。

3.株式譲渡の承認決議

開催された取締役会もしくは臨時の株主総会で譲渡承認の決議が行われ、承認されれば、株式を譲渡することができるようになります。

取締役会では、過半数以上の取締役の出席と出席した取締役の過半数以上の賛成をもって、株式譲渡が承認されます。

株主総会では、議決権の過半数を持つ株主の出席と出席した株主の議決権の過半数以上の賛成により、承認されます。

4.株式譲渡契約の締結

譲渡制限株式の譲渡承認を得たら、次は、仲介業者によってマッチングされた譲受企業との株式譲渡契約の締結です。譲渡企業と譲受企業の双方の合意に基づいて、株式譲渡契約が締結されます。

株式譲渡契約に至るまでの意向表明書や基本合意、デューデリジェンス、表明保証などは、上場企業の場合と同様に株式譲渡仲介業者や相手企業と協力して進めていく必要があります。

仲介業者は専門家の立場から都度アドバイスをし、譲渡企業と譲受企業の間で中立的な立場で交渉を続け、株式譲渡契約締結まで一貫したサポートをします。

5.株主名義書換の請求

株式譲渡が実行された後は、譲渡人と譲受人が共同で会社に、株主名義書換の請求を行います。

株主名義書換の請求することで、株主名簿が修正され、新しい株主が株主リストに記載されます。これにより、譲受人は正式に株主として認められ、株主としての権利を主張することができるようになります。

万が一、譲渡制限株式の譲渡承認が得られていない場合には、株主名簿の書換を会社に拒否される可能性もあるので、注意が必要です。

6.株主名簿記載事項証明書の交付請求

最後に、株主名簿記載事項証明書を譲受会社に交付してもらい、株主が変更していることを確認します。

現在は株券を発行していない会社が主流となっています。そのような会社では、株主名簿で株主を管理していますが、会社によっては管理が甘く、株主名義書換を請求しても、反映されていないというケースもあります。

株主名簿に記載がなければ、株主としての権利を主張できないので、株式名義書換を請求を行ったあとは必ず、実際に株主が書き換えられているかを株主記載事項証明書で確かめる必要があります。

株主名義書換や株主名簿記載証明書の申請についても、仲介業者のサポートによりスムーズに実施することができます。

株式譲渡を行う上での注意点

株式譲渡を行う上での注意点

手続きが比較的簡単で、事業承継や経営基盤の強化のためによく利用される株式譲渡ですが、リスクを負ったり、株式譲渡に失敗しないための注意点がいくつかあります。

【株式譲渡の注意点】

  1. 株式譲渡により発生する税務について
  2. 譲渡制限株式について
  3. 株券発行の有無について

円滑で円満な株式譲渡のためには、注意すべきポイントを理解し、リスクを回避する必要があります。上記に挙げた注意点について詳しく解説します。

1.株式譲渡により発生する税務について

株式譲渡における税務には注意が必要です。特に、適正価格よりも安い価格で株式を譲渡した場合、適正価格で譲渡したとみなされ、実際に得られた利益よりも多い金額で税金が計算されることがあります。

例えば、適正価格での譲渡益が100万円である株式譲渡において、実際の譲渡益が適正価格より安い20万円であったとすると、100万円の譲渡益が得られたとみなされ、約20%の譲渡所得税、つまり約20万円を税金として支払う必要があります。

逆に、適正価格よりも高い価格での株式譲渡を行えば、適正価格との差額分に対して贈与税が発生します。

このように、適正価格ではない株式譲渡については、十分に注意をしなければ、損をしてしまう可能性もあります。

2.譲渡制限株式について

譲渡制限がない株式であれば、譲渡側と譲受側の合意があればそれだけで、株式譲渡が完了します。つまり会社からの許可はなくとも株式譲渡が成立するということです。

しかし、前章でも解説した通り、日本の非上場企業のほとんどは譲渡制限株式を発行しており、譲渡制限株式を譲渡する際には会社の承認が必要です。

会社の承認を得るため、まずは、株式譲渡承認の請求を行う必要があります。会社は2週間以内に取締役会もしくは臨時の株主総会を開催し、株式譲渡の承認を決議します。承認を得られれば、株式譲渡ができるようになります。

ただし、株式譲渡承認は、必ずしも株式譲渡の前に行う必要はありません。株式譲渡が実施された後に、株式譲渡承認の請求および承認を決議することも可能です。

3.株券発行の有無について

株券発行会社は株式譲渡の際に、発行している株券を譲受企業に渡さなければ、株式譲渡が無効になるということが、会社法により定められています。

つまり、株式譲渡契約は締結したにもかかわらず、株券の受け渡しが実行されていなければ、契約に効力は生じないということです。

そのため、株券発行会社との株式譲渡には、株券の受け渡しにも十分な注意を払う必要があります。相手企業が株券発行会社かどうかは、登記事項証明書で確認することができます。

株式譲渡を行う際におすすめの仲介業者

株式譲渡を行う際におすすめの仲介業者

M&Aのスキームとしては比較的手続きなどが簡単な株式譲渡ですが、デューデリジェンスや表明保証などのような専門的な知識が必要となる手順もあります。

また、譲渡後の税金や株券の有無など、株式譲渡において注意しておくべきポイントもあるため、経験や知識の豊富な仲介業者のサポートが必要不可欠です。

M&A総合研究所には、M&Aの経験や知識が豊富な専門家が多数在籍しています。弁護士、会計士、M&Aアドバイザーが、円滑で満足のいく株式譲渡契約の締結を一貫してサポートします。

M&A総合研究所では、着手金・中間金は無料、完全成功報酬制の料金体系を採用しています。相談料も無料なので、お気軽にご相談ください。

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まとめ

まとめ

本記事では、株式譲渡の仲介業者の仕事内容や株式譲渡のメリット・デメリット、株式譲渡の流れ、株式譲渡における注意点などを解説してきました。

【株式譲渡とは】

  • 株式を買い手企業に売却し、経営権を譲渡するM&Aスキームの一種

【株式譲渡の仲介業者の仕事内容】
  • 戦略の決定
  • 相手企業の選定
  • 株式譲渡条件の交渉
  • 必要書類関係のサポート

【株式譲渡のメリット】
  • 株式譲渡は手続きが少ない
  • 業務を継続しながら譲渡が出来る

【株式譲渡のデメリット】
  • 事業の切り離しができない
  • 入念なデューデリジェンスが必須

【非上場企業の株式譲渡の流れ】
  1. 株式譲渡承認の請求
  2. 株主総会・取締役会の臨時開催
  3. 株式譲渡の承認決議
  4. 株式譲渡契約の締結
  5. 株式名義書換の請求
  6. 株主名簿記載事項証明書の交付請求

【株式譲渡の注意点】
  • 適正価格外での株式譲渡により発生する税金に注意
  • 譲渡制限株式の譲渡では譲渡承認の請求が必要
  • 株券発行会社の株式譲渡では株券の引渡しが必須

リスクを回避し、スピーディで満足のいく株式譲渡契約を締結するためには専門家のサポートが必要不可欠です。

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商法・会社法とは、営利を目的とする個人・企業の活動や手続に関してルールを定めた法律です。商法・会社法はビジネスシーンでかかわる機会が多いので、事業活動を行う上で欠かすことができません。今回は、商...

自社株(非上場株式)評価の計算方法をわかりやすく解説!

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非上場企業は株式公開していないため、株価の客観的な数値が分かりません。そのため、M&Aや相続の際は定められた基準に従って自社株評価を行う必要があります。本記事では、非上場企業の自社株評価のやり方...

事業再生の手法と流れ、成功させる7つのコツを徹底解説【事例あり】

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事業再生は倒産しそうな会社を立て直す手段で、もし失敗すれば破産・清算となるため、実行の際はよく内容を理解しておく必要があります。本記事では、事業再生の手法にはどのような種類があるか、どういう流れ...

債務超過でもM&Aで売却できる?売るコツ、譲渡金額の目安を解説

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会社の資産と負債を比較した際に負債の方が多い状態を債務超過とよびます。当記事は債務超過の大まかな解説をはじめ、債務超過にある会社の価値をはじき出す方法や、売却の可能性、M&Aで売るためのコツ、目...

選択と集中とは?意味と使い方を解説

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不要な事業を売り払って事業の絞り込みを行うのが選択と集中です。当記事は、選択と集中の大まかな解説をはじめ、選択と集中の意味や、多角化との違い、選択と集中を使うシーン、取り掛かった際のメリットとデ...

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