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2019年11月21日更新
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法人税の税率と計算方法

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

法人税は企業規模や利益額によって税率が変わります。他にも地方法人税、法人事業税、法人住民税もあり算出方法はバラバラで混同しがちです。中には赤字でも免除されない法人税もあります。それぞれの法人税の概要と計算方法をわかりやすく解説します。

目次
  1. 法人税の全容
  2. 法人税
  3. 地方法人税
  4. 法人事業税
  5. 法人住民税
  6. 法人税の実効税率
  7. まとめ

法人税の全容

会社経営をしていれば切っても切れないもの、それは税金です。企業が関わる税金には色々なものが存在します。その中でも経営者にとって最も関心が高いのは、会社の利益に対して課税される法人税でしょう。

法人税は、個人の場合の所得税に該当するとも考えられますが、その仕組みや条件、算出方法が込み入っています。また、M&Aを実施する際にも法人税が課される場合もあるなど、正しく理解しておくに越したことはないはずです。

そして、会社の利益に対して課税されるのは法人税だけではありません。地方法人税、法人事業税、法人住民税も利益に応じて納付しなければならない税金です。

本記事では、具体的な計算方法なども交えた法人税の解説を中心に、地方法人税、法人事業税、法人住民税も網羅して、その概要や税率を明らかにします。どれも節税対策にはニーズの高い情報と言えるでしょう。

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法人税

会社の利益にかかる税金の中でも、最も高い税率が課されているのが法人税です。したがって、この法人税について税率や課税の諸条件などを正しく把握しておくことは経営者の務めとも言えます。

黒字倒産などといった事態にならないためにも、特に法人税の税率の仕組みについては理解を深めておきましょう。

⑴法人税の概要

法人税とは、法人が事業運営で稼いだ利益に対して課税される税金です。損益計算書の項目で言えば、税引前当期純利益の金額が、法人税の税率が課される金額になります。

したがって、税引前当期純利益額が0円以下、つまり赤字であれば、どう税率を掛け合わせてもプラスの数字にはなりませんので、必然的に法人税納付は免除されます。

なお、法人税とはその名のとおり、法人に適用されるものです。法人とは株式会社だけでなく銀行や医療法人、協同組合なども該当します。NPO法人や社団法人や人格のない社団であるPTA等には法人税は課税されません。

しかし、例外としてそれらの法人の場合でも何らかの営利目的事業を行った場合は、法人税納付の対象です。また、M&Aでも法人税が発生することがあります。その税額がどれほどになるかは売り手の会社の価格次第です。

その際に、理想的な税額に抑えたければ、M&A総合研究所のM&Aプラットフォームをご利用下さい。独自のAIプログラムにより、御希望の買収ニーズを登録するだけで条件の合う売り手をマッチングします。
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⑵法人税の税率

法人税の税率は、法人の資本金額と所得金額(利益)によって変動します。2019(令和元)年11月現在の株式会社などの普通法人の法人税の税率は下表のとおりです。

    資本金          所得金額          法人税率    
    1億円以下    800万円以下の部分        15%
     〃    800万円超の部分       23.2%
    1億円超      (一律)       23.2%

資本金1億円以下の法人の場合であれば、800万円までの利益額と800万円を超えた利益額とを切り分け、それぞれに該当する法人税率を掛け合わせて計算します。そして、その数字を足し合わせた金額が法人税の納付額です。

表でもわかるとおり、資本金1億円を超える大規模な企業の場合には、所得金額に対する軽減措置は講じられず、全利益額に対して一律23.2%の法人税率が課されています。

なお、協同組合や医療法人、営利事業を行った公益法人や人格のない社団などに課される法人税は、普通法人とは異なる税率です。それぞれの法人や社団とその状況ごとに、細分化された法人税率が取り決められています。

詳細は国税庁ホームページにて開示されていますので、必要に応じて確認しましょう。

⑶法人税の計算方法

法人が1年間で稼いだ売上高(益金)から費用(損金)を差し引いた金額が利益(税引前当期純利益)であり、それを法人の所得金額とみなして法人税が課税されます。

費用に該当するのは人件費や製造原価等だけではありません。販売管理費や支配利息等々、実に様々な科目があります。経理担当者や税理士、会計士に確認してみて下さい。税引前当期純利益に法人税率を掛け合わせて法人税額が確定します。

税引前当期純利益の見込みを把握していれば、自ずと確定申告での法人税納付額も見えてきます。それでは、具体例を元に法人税のシミュレーションを行ってみましょう。

  • 対象法人→株式会社(普通法人)
  • 資本金→5,000万円
  • 税引前当期純利益(税法上の所得金額)→1,000万円

資本金が1億円以下の普通法人ですから、課される法人税は800万円までと、それを越える200万円分とで税率が異なることになります。つまり、このケースでは、下記の計算方法で法人税を算出します。

  • 法人税=800万円×税率15%+200万円×税率23.2%=120万円+46万4千円=166万4千円
もし、これが資本金1億円を超える法人で同額の所得金額だった場合、法人税の軽減措置はありません。税引前当期純利益1,000万円に一律23.2%の法人税率となります。したがって、その場合の法人税額は232万円です。

⑷法人税率の変遷

2019(令和元)年11月現在の普通法人の法人税率23.2%(軽減措置は除きます)は、度々行われてきた法改正によって徐々に下がってきたものです。日本では、戦後の高度経済成長を背景に法人税率は上昇を続けました。

そして、最も法人税率が高まったのは1984(昭和58)年で、なんと税率は43.3%が課されていたのです。その当時も中小企業向けに法人税の軽減措置は取られていましたが、現在の15%に対し31%と、こちらも高い税率でした。

法人税率の見直しは景気動向を勘案して行われてきましたが、国が法人税率を下げる最初の大きなきっかけは、バブル経済崩壊の時です。

その後、国の税収の新たな財源として消費税が導入されたり、個人の所得税とのバランスを取るなどして法人税率は徐々に下がり、過去最低水準である現在に至ったのです。今後の経済情勢次第ではさらに引き下げられるかもしれません。

会社経営者にとっては、法人税率が低ければその分、手元にキャッシュが残ることになります。資金繰りの点では経営がやりやすい状況と言えるでしょう。今後の法改正の動向が注目されます。

また、法人税の税率低減はM&Aを考えている経営者にとっても好機になり得るでしょう。もし、実際にM&Aを行うのであれば、M&A総合研究所に御相談下さい。M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つ公認会計士がM&Aをフルサポートいたします。

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地方法人税

地方法人税は近年、新しく創設された法人の利益に対しての税金です。それだけを聞くと重税感で気分が憂鬱になってしまう経営者の方もいるかもしれません。しかし、実際にはその他の法人が負担する税とのバランスが調整されています。

では、なぜ複雑化で混乱を招きかねない地方法人税をわざわざ新設したのか、その経緯や理由などと共に地方法人税について解説します。

⑴地方法人税の概要

地方法人税が施行されたのは2014(平成26)年です。税の名前のとおり、地方の各自治体向けの税金ではありますが徴収は国が行います。したがって、納付先は税務署です。

地方法人税が創設される以前には、法人事業税と法人住民税が地方自治体に向けて法人が直接払う税金でした。しかし、この直接納付方式では税収入の地域格差が生じるため、その是正が図られたのです。

つまり、国が地方法人税として一旦、全国の企業から税金を徴収します。その集まった地方法人税は、国が各自治体に分配する地方交付金の財源となったのです。ただし、これだけでは企業側は重税されただけになります。

そこで、バランスを取るために地方法人税の税額と同額分、法人事業税と法人住民税の税額が下がるように、それぞれの税率が引き下げられました。

⑵地方法人税の税率

2019(令和元)年10月1日をもって、地方法人税の税率が「法人税額×4.4%」から「法人税額×10.3%」に変更されました。そのため2019年度の課税額は、各企業の事業年度開始日によって算出方法が分かれます。

すなわち、2019年10月1日より前が事業年度開始日の場合、その企業の地方法人税の税率は4.4%です。一方、2019年10月1日以降が事業年度開始日の企業は、地方法人税の税率が10.3%になります。

しかし、これでは事業年度開始日によって税額の不公平が生じてしまいます。そこで、地方法人税の税率が10.3%の企業の場合は、法人住民税の税率が軽減される措置が取られました。

法人住民税も地方法人税と同様に、法人税額が算出のベースです。したがって、地方法人税で上がった税率分と同等の税率を、法人住民税で引き下げれば双方のバランスが簡単に取れる仕組みとなっています。

また、赤字企業だと法人税の納付が免除され法人税額0円となるので、基本的に地方法人税、法人住民税も課税されません。ただし、法人住民税には利益と連動せずに課税される税額もあります。詳細は法人住民税の項で説明します。

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法人事業税

法人税、地方法人税が国に納付する税金であるのに対し、会社の登記住所である自治体に納付する法人の税金もあります。それらの中で法人税、地方法人税と同じように会社の利益額に対して課される税が、法人事業税と法人住民税です。

まずは、法人事業税の概要から説明します。

⑴法人事業税の概要

法人事業税は都道府県に納付する税金です。その主旨は、企業が事業活動を行う場合、当然ながら利用する拠点地域の行政サービスについて、その経費負担を分担させるべく設けられた税金とされています。

法人事業税の場合、資本金1億円以下の法人と資本金1億円を超える法人では、課される法人事業税の仕組みが異なっています。また、適用される税率は各都道府県ごとに違いますから、詳細は確認が必要です。

まず、資本金1億円以下の法人の場合には、所得金額(利益)を課税基準とした所得割で課税されます。法人税と同じ算出方法です。また、法人税と同じように所得金額に応じた軽減制度も導入されています。

一方、資本金1億円を超える法人の場合は、所得割に加えて外形標準課税という考え方に基づいた税額が加算される仕組みです。

外形標準課税とは、法人の資本金額、従業員数、事業所の広さ(床面積)等、客観的に判断・数値化できる要素を課税基準とみなして、そこに税率を設定して課税します。利益とは全く関係無く課される部分なので注意して下さい。

また、2019(令和元)年10月1日以降の事業年度からは、法人事業税が減税されます。ただし、それに伴って特別法人事業税が創設されるため、両方を合わせて考慮するとプラスマイナスはありません。

⑵法人事業税の税率

法人事業税は会社が所在する都道府県に対して納付する税金であるため、その税率は各都道府県ごとに異なります。法人事業税を計算するには、都道府県の税率を確認する必要があります。

ちなみに東京都の例だと、2019(令和元)年10月1日以降開始の事業年度での資本金1億円以下の普通法人に課される法人事業税の所得割の税率は、3.5%~7%となっています。

税率に開きがあるのは、所得金額400万円以下、400万円超~800万円、800万円超の3段階で税率が変わる仕組みとなっているためです。

法人住民税

法人が所得金額に応じて自治体に納付する税金、いわゆる地方税が、上述した法人事業税とこの法人住民税です。法人住民税の場合は資本金の額に関わらず、たとえ赤字であったとしても納付しなければならない仕組みが加味されています。

詳細を見ていきましょう。

⑴法人住民税の概要

個人の場合でも住民税があるように、それと同じ意味合いで法人に課されている税金が法人住民税です。ただし、個人の場合とは課税の仕組みが異なり、法人住民税には「法人税割」と「均等割」の二層式の課税方法が定められています。

法人税割とは、法人税額に住民税率を掛け合わせて算出する方式です。したがって、赤字決算で法人税額が0円の場合、法人住民税の法人割部分は発生しません。

一方の均等割とは、法人の資本金額と従業員数に応じた税額が定められていて、売上高や所得金額に関わらず課税されます。この均等割では赤字決算でも否応なしに納税することになるわけです。

また、法人住民税は原則的に「道府県民税」と「市町村民税」を合計して納付します。ただし、東京都23区の場合のみ特殊で「都民税」一本だけとして納付することになっています。

⑵法人住民税の税率

法人住民税は法人事業税と同様に、各都道府県、各市町村によって税率や均等割の基準が異なるため、正しく算出するには各自治体にて確認する必要があります。

しかも、上述したように法人住民税の仕組みは法人税割と均等割の二本立てとなっているため、法人税等と比べて複雑です。また、事業所が複数あり、それが違う都道府県や市町村だった場合、さらに複雑化します。

法人住民税を計算する場合には、税の専門家である税理士に相談することがお勧めです。

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法人税の実効税率

経営者であれば決算時の税負担についてシミュレーションする気持ちに駆られるはずです。そばに経理担当者や税理士がいる時だけでなく、思い立った時に自分で概算でも数字を把握したい時もあるでしょう。

しかし、ここまで説明してきたように、特に法人事業税と法人住民税は各地域の自治体ごとに税率や税額が異なり、計算も複雑です。全部を事細かに調べて計算するというのは生産的ではありません。そんな時に役立つのが実効税率です。

実効税率は税計算の時だけではなく、企業価値算定に必要なフリーキャッシュフロー算出にも使われます法人の利益に対してかかる法人税、地方法人税、法人事業税、法人住民税、特別法人事業税を合わせた実質税率を表します。

2019(令和元)年10月1日以降の実効税率そのものの算出には以下の計算式が用いられます。

  • {法人税率×(1+地方法人税率+法人住民税率)+法人事業税率+特別法人事業税率}÷(1+法人事業税率+特別法人事業税率)

各税率を単純合算せずに上記のような計算式を用いる理由は、法人事業税と特別法人事業税が税法上、費用として損金算入することが認められているためです。

そして、一例として、この計算式で求められる東京23区に事務所がある会社の場合の実効税率は30.62%となります。地域によって、この数値は変動するわけですが、概算の場合の1つの目安として心に留めておいて下さい。

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まとめ

消費税の導入やグローバル化、景気低迷等の要因が重なって、近年は法人税率が低下傾向にあり、法人にとっては追い風と言えます。法人が事業を行う以上、税金を納付するのは必定ですから、課税される仕組みの把握は必須です。

本記事を参考に法人税、地方法人税、法人事業税、法人住民税、特別法人事業税の課税の仕組みを理解し、実効税率と共にキャッシュフローの勘案に活かしていただければ幸いです。

また、実効税率の事も含め、法人税やその税率には複雑な点も多々あるので、税理士に確認・相談することも怠らないようにして下さい。本記事の要点は以下のとおりです。

  • 法人税の全容

→会社の利益に対して課税される税金は法人税、地方法人税、法人事業税、法人住民税

  • 法人税の概要

→法人の利益に対して課税される税金

  • 法人税の税率

→23.2%(中小法人では年800万円以下の部分に15%の軽減税率が適用される)

  • 法人税の計算方法

→会社が一年間で稼いだ収益(益金)から、費用(損金)を差し引いた部分に対して法人税率を掛ける事で計算する

  • 法人税率の推移

→景気悪化やグローバル化などの影響により、約30年で20%程度、法人税率が低下した

  • 地方法人税
→2019年10月以降、法人税額の10.3%が課税される
  • 法人事業税
→都道府県に納める種類の税金であり、各都道府県により法人事業税率は異なる
  • 法人住民税
→資本金額や従業員数、課税所得金額等の基準により税率が決定する
  • 法人税の実効税率

→法人の利益に対してかかる法人税、地方法人税、法人事業税、法人住民税、特別法人事業税を合わせた実質税率

  • 法人税の実効税率の計算方法

→{法人税率×(1+地方法人税率+法人住民税率)+法人事業税率+特別法人事業税率}÷(1+法人事業税率+特別法人事業税率)

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