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病院経営における赤字割合の現状と対策

病院経営における赤字割合の現状と対策

目次

    病院経営の赤字

    中小企業を中心に経営難に陥っている会社を多くあります。

    特に病院経営は業界の特殊な状況も相まって、他の業界よりも厳しい状況にあるケースが多いです

    今回は、病院経営における赤字の割合、理由、改善策を解説します。

    病院経営者はもちろん、医療業界に携わる方は必見です。

    病院経営における赤字の問題点と課題

    まず初めに、病院経営の現状をおさらいしましょう。

    ご存知の通り現在日本では、少子高齢化に伴い医療業界に対するニーズは年々高まっています。

    認知症患者の増加や健康寿命の伸びに比例し、国内の医療費総額は右肩上がりに上昇しています。

    1980年代と比較すると、国民医療費の総額は約2倍程度まで膨れ上がっており、今後さらに医療費は増加すると予想されます。

    病院を初めとした医療に対する需要が高まる一方で、病院は数々の問題を抱えています。

    真っ先に挙げられる問題は、病院数・病床数の多さと稼働率低下による経営状況悪化です。

    諸外国と比較した場合、日本の病院・病床数は圧倒的に多いです。

    更に日本の病院業界では、深刻な医者不足が進行しています。

    団塊世代の医者がどんどん退職する一方で、新しく医者になる人数は年々減少しています。

    国家資格の難易度上昇や医学部の定員数限定により、相対的に減少していると考えられます。

    諸外国と比べると、患者一人当たりに対する医者数が少なく、十分なサービスを施せていない現状です。

    高度な仕事なため、数を限定しているのでしょうが、今後は国が一丸となって舵きりする必要があります。

    医者の数が減少すれば、病院経営は成り立たなくなる恐れがあります。

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    病院経営における赤字割合

    次に、病院経営の赤字割合をお伝えします。

    平成29年に全日本病院協会が行った「病院経営調査報告」にて、全国の病院数に対する赤字割合が報告されています。

    2017年度の医業収支を確認すると、全病院数のうち約33%の病院経営が赤字に陥っています。

    東京都内の病院のみを対象とした場合には約35%、指定都市を対象とした場合は34%の病院経営が赤字となっています。

    医業収支以外の収支を加えても、全体のうち30%の病院経営で赤字を計上しています。

    指定都市に限定すると総収支が赤字となる割合は27%と減少する為、指定都市では医業収支以外の貢献が比較的大きいと考えられます。

    病床数別に分けた場合は、各病床数の規模間に相関関係が見られませんでした。

    経営主体(医療法人・個人)で分類した場合は、医療法人の方が赤字経営の割合が少ないです。

    いずれにせよ、約3割の病院経営が赤字に陥っている結果となりました。

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    病院経営における赤字割合の推移

    2017年度に限ると、病院経営の赤字割合は前述の通りとなりました。

    前年度(2016年度)と比較すると、病院経営の赤字割合はどの様に推移しているのでしょうか?

    この項では、病院経営の赤字割合の推移に焦点を当てます。

    医業収支の赤字割合に関しては、2016年度は全体のうち39%が赤字でした。

    つまり2016から2017年にかけて、病院経営の赤字割合は6%減少(改善)しました。

    東京に限定すると45%の病院経営が赤字でしたので、1年間で10%も改善されました。

    次に、総収支(医業収支以外を加えた収支)の赤字割合をお伝えします。

    2016年度は、38%の病院経営が赤字でしたので、8%も赤字割合が減少したと言えます。

    東京では13%指定都市では12%と、総収支では大幅に病院経営の赤字が減少しています。

    つまり2016→2017年にかけて、医業収支と総収支共に、病院経営の赤字は改善されました。

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    病院経営が赤字に陥る原因・理由

    改善されたとは言え、約3割もの病院が赤字に陥っているので事態は深刻です。

    この項では、病院経営が赤字に陥る原因を3つお伝えします。

    ⑴国の医療政策

    医療に対するニーズは多く、医師や看護師の需要は多いにあります。

    それでも病院経営が赤字に陥る背景には、国の医療政策に根本的な問題があります。

    医療費の設定や医療制度、病院経営の現実に則さない施策が多い点が非常に大きな問題を生んでいます。

    後期高齢者医療制度などの病院経営の現場から批判を浴びる制度は、現実に即した改善が必要だと考えられます。

    ⑵患者に対する過剰治療

    国の医療政策のみならず、病院経営を行う病院自体にも赤字の要因があります。

    本来不必要な治療や過剰な治療を行う病院は少なくなく、国全体の医療費増加に繋がっています。

    国全体の医療費が増大すれば、国はさらに低医療費政策を推進し、病院経営は更に苦境に立たされてしまいます。

    短期的には良いものの長期的には自分たちの首を絞める行為となるため、必要最低限の治療を心がける事が大切です。

    ⑶非効率な病院経営

    非効率な病院経営は、病院経営が赤字に陥る最大の要因と考えられます。

    地方の病院では開業医が経営者も兼任しているケースが多いですが、医者には経営の専門的な知識や経験がありません。

    経営者としての資質がない為に非効率な病院経営となり、赤字経営に陥るケースは多いです。

    地方の民間病院のみならず、公立病院でも非効率な病院経営の問題が生じやすくなっています。

    公立病院には地方公営企業法が適用されるので、公務員の決まりや考え方に基づいて病院経営されます。

    病院経営を全く知らない人物が管理する結果、とても非効率な経営が行われ、赤字経営に陥ってしまいます。

    赤字の病院経営から抜け出す為には、経営と病院の知識をバランスよく運用する必要があります。

    病院経営における赤字対策

    最後に、病院経営の赤字を改善する方法(施策)を、マクロの視点から三つお伝えします。

    ⑴病院同士の統合

    海外諸国と比べて日本の病院数・病床数は非常に多く、その分病院の稼働率が低くなっています。

    稼働率の低さは、病院経営の赤字の一因となっています。

    病院経営の赤字を抜本的に改善する為には、病院同士の統合は必須と言えます。

    病院数が減少すれば稼働率が向上し、医療費抑制や赤字体質の改善に繋がります。

    短期的には患者側が病院を利用しにくくなるデメリットはあるものの、長期的には大きなメリットがもたらされます。

    全国各地の病院を統合する訳ではなく、過剰に病院が存在する首都圏を中心に数を減らせば、患者への影響は小さいでしょう。

    病院経営を内部から改善するだけでは、赤字体質を抜本的に改善する事は難しい為、国が統廃合を促進する必要があります。

    病院の経営統合はいうなればM&Aといえますが、実際に行うことは決して簡単ではありません。

    もし実際に行うのであれば、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。

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    ⑵かかりつけ医制度の浸透

    かかりつけ医制度の浸透も、病院経営の赤字改善には必要な施策です。

    かかりつけ医制度とは、いつでも気軽に相談できる医者を一人一人が見つける事ができる制度です。

    かかりつけ医は身近な地域で日常的な診療を実施し、患者の症状に応じて最適な専門病院を紹介する役割を担います。

    昨今は自身の症状が分からずに最初から専門病院に出向き、不必要な検査を実施するケースが多いです。

    不必要な検査等の実施は、赤字経営を悪化させる要因となり得ます。

    かかりつけ医制度が世間に浸透すれば、不必要な医療行為は抑制され、結果的に病院経営の赤字が改善されます。

    欧米では一昔前からかかりつけ医制度が浸透している一方で、日本では提唱されて以降も中々制度が浸透していません。

    理想論かもしれませんが、日本でもかかりつけ医制度の浸透は早急の課題と考えられます。

    ⑶現場主導の医療への変換

    通常の株式会社と比べて、病院経営には国や地方自治体の関与割合が多いです。

    国や地方自治体が過剰に関与している結果、現場医療とはかけ離れた制度や経営が実施されている現状です。

    病院経営の赤字改善の為には、現場主導の医療へと変換を測る必要があります。

    各病院ごとに自身の強みに経営資源を投入し、経営の効率化を図る必要があります。

    各病院の強みを理解しているのは国や地方自治体ではなく、現場で医療に従事している医者や看護師です。

    効率的な経営により赤字を解消するためには、現場主導の医療へと随時移行しなくてはいけません。

    国や自治体には資金面の援助に加えて、現場医療に即した支援を施す事が求められます。

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    まとめ

    今回は、病院経営の赤字に関して解説しました。

    病院数の多さ、過剰な医療費、病院経営の抱える課題は多く、3割もの病院が赤字に陥っています。

    病院経営の赤字を克服する為には、現場医療に即した経営への移行と、マクロ視点で国が医療改革に舵を切る事が大切です。

    今後高齢化がますます進行し、医療に対するニーズは高まります。

    現状の病院経営の慣習・制度を続けていては、赤字体質を改善できないどころか、更に赤字の病院経営が多くなる恐れもあります。

    病院経営の赤字は、そこで働く人のみならず患者にも悪影響をもたらします。

    患者のためにも、病院経営の赤字は早急に改善しなくてはいけません。

    要点をまとめると下記になります。

    • 病院経営の現状

    →諸外国と比べると病院数や病床数が多い一方で、患者一人当たりに対する医者数が少ない

    • 病院経営の赤字割合

    →2017年度時点で33%の病院経営が赤字、東京では35%が赤字

    • 病院経営の赤字割合の推移

    →2016年と比べると、全国で6%・東京で10%赤字割合が減少している

    • 病院経営が赤字に陥る原因

    →国の医療政策、患者に対する過剰治療、非効率な病院経営

    • 病院経営の赤字を改善する方法

    →病院同士の統合、かかりつけ医制度の浸透、現場主導の医療への変換

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