2021年1月14日更新会社・事業を売る

経営不振とは?原因と対策、事例をご紹介

多額の資金を投じている会社経営において経営不振・営業不振は会社存亡に関わる大問題です。早期に経営悪化の原因を突き止め、経営難から脱却する適切な対策が急務となります。大手企業の実例も交えながら経営不振の実態を知り、いち早く察知・対処する術を学んで下さい。

目次
  1. 経営不振とは?
  2. 経営不振の意味
  3. 経営不振に陥る原因
  4. 経営不振への対策
  5. 経営不振による従業員解雇の場合の注意点
  6. 経営不振の企業事例
  7. まとめ
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経営不振とは?

会社を長く経営していくと、業績が右肩上がり状態で推移してきたにも関わらず、突然、経営不振に陥る場合があります。それは事業にとっての宿命のようなもので、程度の差こそあれ大概の経営者はその経験を避けられないでしょう。

そして、経営不振の事態に直面した時に適切な対処をしないと、最悪の場合、倒産などといった事態になりかねません。経営者であれば、事業を拡大していくことばかりが仕事ではないのです。

すなわち、まず経営不振が悪化する前に、できるだけ早期にそれを察知しなければいけません。さらに、その経営不振から抜け出すため、効果的な対策を実行する必要があります。

経営不振の意味

どのような状態を経営不振と判断すべきか、それこそが経営者が持っていなくてはいけない指針でしょう。そして、最も一般的に考えて、経営不振とは売上高が減少し利益が目減りしている状態のことだといえます。

特殊な事情による瞬間的な売上減なのか、経営悪化に繋がる不振なのかの見極めが重要です。もし、その見極めを誤り経営不振を放置してしまうと、債務超過などを招き、ひいては倒産が危ぶまれることすらあります。

経営不振が負の連鎖を引き起こす前に、小さな芽のうちに摘み取ってしまう判断力と対応力を備えておく必要があるのです。

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経営不振に陥る原因

経営不振に陥る原因は1つだけとは限りません。また、業種による特性やその会社固有の事情もあるでしょう。しかし、過去の色々なケースを分析すると、経営不振に陥る原因は主として5つのケースに大別できることがわかっています。

⑴売上高の減少

経営不振に陥る最大の原因は、売上高の減少が挙げられます。言い換えれば販売不振です。その外的要因は、販売業であればライバル企業に顧客を奪われたり、消費者のニーズが変化する等が考えられます。

また、製造業や開発業であれば取引先からの受注減が最も大きな要因でしょう。業種によって細かい要因の差こそあれ、いずれにしても売上高減少が経営不振を招く最大の原因であることに変わりはありません。

一方で、売上高減少には、販売・営業・製造・開発等の部門のいずれかの人員不足、つまり、会社組織や社員構成といった企業内部に原因があるケースもあります。

商材や商品があっても売る人がいなければ売上は上がりません。取引先から注文を得ても、作る人がいなければ売上が入らないのは道理です。

⑵取引先の倒産

取引先の倒産も経営不振の原因に繋がります。会社の売上高や仕入れ構成を見て、ある取引先の比率が断トツに多いような場合、これはその特定の取引先への依存度が高い状態です。もし、この取引先が倒産したら、どうなるでしょう。

仕入れや販売を満足に行えなくなり、急激に経営不振状態が訪れてしまいます。そのままこちらまで倒産してしまうということは、現実にもよく起こっていることです。いわゆる連鎖倒産、共倒れ倒産とは、そのようなことを指しています。

⑶過小な資本力

資本力が過少であることも経営不振の原因の1つになります。特に中小企業の場合は、潤沢な運転資金をプールしていることは、ほとんどありません。自己資本が乏しい中、すれすれの資金繰りで切り盛りするのが常態です。

そんな中、予定や計画どおりに入金がなかったりすると、突然の経営不振に陥ってしまうでしょう。

⑷過剰な投資

業績拡大を目指し、新規事業に着手したり設備を充実させるために行う投資は会社の成長に欠かせない方策です。しかし、その一方で、投資が経営不振を招くことも指摘されています。

具体的な投資の目的や内容は各業界や企業によって様々でしょう。しかし、投資では資金を大きく動かすのが常道です。成功だけを夢見て一気にそこに資金をつぎ込んでしまい、結果が伴わなかった時、経営不振は必ず訪れます。

⑸放漫な経営

放漫な経営も経営不振の5大原因の1つです。中小企業など規模の小さな会社に多いのが、社長1人のワンマン体制の経営でしょう。経営を相談する相手もいなければ、チェックする相手もいません。

そのため、どうしても放漫な経営体質になりがちです。景気が良い時には上手くいっているように見えるものの、景気が悪い時には放漫な経営では通用しなくなり、たちまち経営不振に陥ります。

また、放漫経営者の場合、経営不振となっても的確な対策を行えず、そのままズルズルと状況を悪化させることも少なくありません。

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経営不振への対策

経営不振の大きな原因がはっきりしたところで、経営不振を脱するための代表的な対策を考えていきます。あるデータによると、2018(平成30)年度の倒産件数は8,111件だったそうです。

決して、その中の1社とならないように、自社の状況に合った的確な対策を見い出しましょう。

⑴利益減少への対策

経営不振が外的要因で起こっている売上高減少によるものであれば、会社としてできる手段はコストを抑え利益の目減りを極力小さくすることです。具体的に言えば、広告宣伝費、役員報酬の削減などが該当します。

そして、場合によっては人件費を削るために、人員整理をしなければならないかもしれません。また、不採算部門からは思い切って事業撤退することも選択肢に入れておきましょう。

ただし、それと同時に、新たな売上を見込める新規事業への取り組み姿勢も忘れずにいて下さい。

⑵売上高向上への対策

内的要因である人員不足が原因で売上高が下がっているのなら、それを改善さえすれば売上高を増やせます。急いで社内組織を適材適所の配置に見直し、かつ不足している部門は増員して顧客ニーズに対応するのです。

急な増員が難しいのなら、派遣や契約スタッフを起用する方法もあります。また、より緊急であれば部分外注も検討してみましょう。売上がはっきり見えている時に、躊躇して見逃してしまってはいけません。

⑶取引先対策

連鎖倒産は是非とも回避しなければなりません。また、取引先が倒産などあり得ない大企業だったとしても、1社に依存している場合、もし、その会社から取引を打ち切られたらどうなるでしょう。

結果は相手が倒産した時と同じような目にあうはずです。そのようなリスクを避けるため、できるだけ複数の取引先を持ち、なおかつ1社に比重が偏らないように心掛けておくべきです。

⑷経営資金の見直し

自社の持つ経営資金をしっかりと見直し、身の丈に合った資金の使い回しに努力しましょう。収益拡大のための事業投資に消極的になることはありませんが、これなども身の丈をよく考えることです。

また、中小企業の場合、自己資金を準備するにも限度がありますから、様々な資金調達の手段を複数持っておくようにするべきです。金融機関からの借入だけでなく、国や自治体からの補助金や助成金も活用しましょう。

一時的な資金ショートならブリッジローンという手段もあります。また、場合によっては外部からの追加資本の増資を検討してもいいかもしれません。考えて工夫すれば必ず手立てはあるはずですから、あきらめないで下さい。

そして、どうしてもキャッシュフローが悪化してしまったら、取引先や公的機関、借入金の返済など会社の支払金のスケジュールや金額を調整するしかありません。

きちんと実状を説明し明確な支払約束を示せば、相手にも納得してもらえるはずです。

⑸M&A

M&Aに経営不振を打開する手段を求めるという考え方もあります。特に外的要因による経営不振の場合、組織や人員はしっかりしているわけですから、買収に手を挙げる企業も少なくないはずです。

経営者としての考え方次第にはなりますが、これまで構築してきたものを残せるなら良いという観点に立てるなら、M&Aは有力な選択肢です。

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経営不振による従業員解雇の場合の注意点

経営不振を打破する対策として、従業員解雇による人員整理で費用削減を図らざるを得ない場合もあるでしょう。しかし、日本では従業員の立場は強く法律で守られています。

どれだけ経営が危機状態だといっても、簡単に、あるいは粗雑に解雇を行うとトラブル化してしまうでしょう。経営不振の時に無用のトラブルに力を削がれるわけにもいきません。

経営不振を理由とする従業員の解雇の場合には、下記4要件を総合的に満たしていることが求められます。人事担当者と共によくよく把握しておいて下さい。

⑴人員削減の必要性

従業員を解雇するほど、経営が悪化していたのかが問われます。解雇するほど悪化していないにも関わらず解雇した場合には、それが認められないばかりか、不当解雇として罰則が与えられる可能性もあるでしょう。

⑵解雇回避の相当性

従業員を解雇する前に、経営不振の対策として他の施策を行ったかが問われます。新規採用の停止や役員報酬の減額等、できる限りの対策を実施した上で解雇しなくてはいけません。

⑶解雇人選の合理性

経営不振を理由として解雇する場合、数いる従業員の中からなぜ、その従業員を選んだか説明できる必要があります。つまり、いい加減に思えるような人選の仕方では、解雇の正当性が認められません。

⑷手続きの相当性

経営不振が原因であっても、解雇の際には正当な手続きを経なくてはいけません。誠意ある説明や協議等を経て、初めて従業員の解雇を実行できます。

経営不振の企業事例

最後に、上場企業による経営不振にまつわる実例を5社、取り上げます。いずれも有名な会社ばかりですが、そんな会社でも経営不振に直面するのです。参考にして活かして下さい。

⑴ニコンの経営不振

カメラ製品を手がける株式会社ニコンは、2013(平成25)年以降、売上高が右肩下がりで減少しました。3年間で売上高が20%弱も減少し、2016(平成28)年度は8億円の赤字を計上しています。ニコンの経営不振の原因は、主力であるカメラ事業の停滞です。

スマートフォンの普及に伴うカメラ市場衰退により、売上高の大部分を失っています。市場自体が衰退しているため、事業領域の拡大が経営不振を食い止める上で必要な対策かもしれません。

⑵コナミスポーツの経営不振

健康サービス事業を手がけるコナミスポーツ株式会社も、2008(平成20)〜2010(平成22)年にかけて経営不振に陥っていました。経営不振の原因は、この業界に特有の高コスト体質であると言われています。

施設の統廃合を初めとした対策により、その後、経営不振を改善しました。長期的に経営不振を防ぐ為には、高コスト体質を改善する必要があるでしょう。

⑶ブックオフの経営不振

ブックオフコーポレーション株式会社も過去3期連続で赤字を計上(2016年3月期に上場依頼の赤字に陥り2018年3月期まで)するほどの経営不振に陥っています。

経営不振の原因には、紙媒体の書籍市場の衰退だけでなく、「安値で買い叩く」という悪いブランドイメージもあります。加えて、ネット上での個人間売買が普及している点も、ブックオフの経営不振に拍車をかけています。

ただ、2019年3月期は業績が回復しています。現場への権限、立地に合わせた新商材(サーフボード、ホビーなど)、総合買い取り事業のテコ入れなど、様々な改革によって復活を成し遂げています。

創意工夫によって経営不振を脱却した好例になりそうです。

⑷パナソニックの経営不振の改革

2010年代前半、パナソニック株式会社は約7700億円の赤字という、深刻な経営不振に陥っていました。経営不振の状況を打破する事は困難と言われていましたが、現社長の津賀氏に変わってから驚異的な回復を見せています。

事業領域の変更等抜本的な対策を実施した事で、経営不振の状況を克服しつつあります。経営不振の対策としては、お手本と言える企業でしょう。

⑸星野リゾートによる経営不振事業の活用

株式会社星野リゾートが快進撃を続けている背景には、経営不振事業の有効活用があります。星野リゾートは経営破綻してしまったか、または経営不振に陥っているホテルを買収し、事業再生する形で収益を拡大させています。

星野リゾートの事業再生ノウハウは、経営不振の企業にとっても学べる部分があるでしょう。

まとめ

経営不振に手をこまねいてしまっていると、すぐさま一大事にならないとも限りません。経営不振を感じ取ったら早急に対応策を実施するのが経営者の務めです。対応策を練るには経営不振の原因の究明が先決になります。

とにかく、スピーディーに動きましょう。本記事の要点はと以下のとおりです。

  • 経営不振の意味
→売上高の減少等により企業経営が上手くいっていない状態
  • 経営不振に陥る原因
→「売上高の減少」、「得意先の倒産」、「過小な資本力」、「過剰な投資」、「放漫な経営」
  • 経営不振への対策
→「利益減少への対策」、「売上高向上への対策」、「取引先対策」、「経営資金の見直し」、「M&A」
  • 経営不振による従業員解雇の場合の注意点

→「人員削減の必要性」、「解雇回避の相当性」、「解雇人選の合理性」、「手続きの相当性」の計4つの要件を総合的に考慮して解雇の正当性が判断される

  • 経営不振に関する企業事例

→ニコン、コナミスポーツ、ブックオフ、パナソニック、星野リゾート

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