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2019年4月13日更新

債務超過とは?債務超過を解消する方法

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

債務超過とは債務、すなわち負債が資産を超過している状態のことを指します。債務超過になってしまうと、銀行などの金融機関が融資が難しくなります。債務超過と貸借対照表、債務超過の確認方法、債務超過の原因、債務超過を解消する方法をご紹介します。

目次

    債務超過とは?債務超過を解消する方法

    債務超過は会社の経営者であれば誰も避けたい事態だといえるものです。

    ただどのような会社でも経営が悪化すれば債務超過に陥るものであり、これまで順調だった会社が債務超過になってしまったというケースは少なくありません。

    債務超過になってしまったからといって会社が終わりになってしまうわけではなく、債務超過を解消できる方法、可能性はあります。

    今回は債務超過とはどういうものか、債務超過を解消する方法についてお伝えしていきます。

    債務超過とは

    最初に債務超過とはどういう状態かについておさらいしていきます。

    債務超過とは債務、すなわち負債が資産を超過している状態のことを指します。

    単純に言ってしまうと負債がかさばり、返済するあてがなくなってしまっている状態です。

    ここまでお伝えすればおわかりかと思いますが、債務超過は経営をしていくうえで絶対に避けなければならない状態の一つです。

    債務超過は負債が重なって返済できなくなっているだけでなく、その会社の現状の利益だけでは負債の返済が追い付かなくなるため、経営が赤字になり続ける状況が起こります。

    つまり一度債務超過の状態に陥れば、なかなか抜け出せなくなってしまうのです。

    また、会社が債務超過になってしまった際の不利益はそれだけではありません。

    債務超過と融資

    債務超過になってしまうと、銀行などの金融機関が融資が難しくなります。

    負債を返すために融資をあてにすることもできなくなります。

    それどころか銀行は債務超過の会社が倒産する前に金利を引き上げたり、借入金の取り立てを早めるケースが多いため、かえって危機的な状況に拍車がかかってしまいます。

    さらに会社が債務超過に陥れば取引先や顧客の信頼度も低下し、重要な契約や取引が打ち切られるようになってしまうでしょう。

    上場会社であれば債務超過の状態が続けば上場が廃止されてしまいます。

    そして債務超過の状態が続けばそのまま会社が倒産してしまいます。

    さらに会社の資産全てを売却しても負債の返済が完了しない場合は経営者はそのまま残った負債を背負わなければならなくなります。

    このように債務超過はとても危険な状態というイメージがありますが、債務超過になったからといってその会社の倒産が確定するわけではありません。

    債務超過には重度の状態もあれば、まだ解消できる可能性がある初期段階もあるというわけです。

    だから債務超過になったからといってすぐに諦める必要はありません。

    詳しくは後述しますが、初期段階であれば債務超過を解消できる可能性があります。

    債務超過と貸借対照表

    ①債務超過の確認方法

    債務超過の確認方法は貸借対照表をチェックすることです。

    債務超過は負債が資産を超えている状態だとお伝えしましたが、厳密にいうと債務超過は「純資産と自己資本比率がマイナスになっており、そして負債が資産を上回っている」のことを指します。

    純資産とは会社を設立した資本金や経営をしていくうえで得た利益剰余金をプラスしたもののことを指します。

    この純資産が大きくなっていくことに比例して会社の規模は大きくなるわけです。

    そして自己資本比率は自己資本(出資金、株式、準備金など)と総資産(貸借対照表における資本の部に書かれていること)の比率であり、この比率が高いほど負債が少なく、低いほど負債が多くなります。

    債務超過は負債を返すあてとなる純資産がマイナスに、そして負債の多さのパロメーターである自己資本比率がマイナスに転じているかどうかで確認することができます。

    そして負債が資産を完全に上回るようであれば債務超過が確定します。

    ②純資産、自己資本比率の確認方法

    純資産も自己資本比率も貸借対照表をチェックすれば確認することができる情報です。

    経営者の方であれば常に貸借対照表をチェックする機会はあるかと思います。

    貸借対照表を見た際には純資産が減っているようであれば(俗にいう赤字の状態です)、早い段階で何かしらの対策を立てておいた方がいいでしょう。

    貸借対照表の内容を軽視し、これまでの経営を続けているとそれこそ債務超過に陥ってしまうリスクは高まります。

    債務超過の原因

    債務超過の原因には色々なパターンがあります。

    債務超過というと経営が悪化して赤字状態を脱せなかった会社が陥るイメージがあります。

    もちろん赤字が続いて負債の返済の目途が立っていない会社は債務超過に陥る可能性が高くなります。

    しかし必ずしも赤字が続いている会社のみが債務超過に陥るというわけではありません。

    ここでは債務超過の代表的な原因を2つご紹介します。

    ①赤字状態の悪化

    やはり債務超過の際たる原因は赤字状態の悪化でしょう。

    単純に会社の資金繰りが悪化し、赤字状態を脱却できないまま純資産が減少していくことで債務超過に陥るというパターンが最も多いです。

    さきほども述べましたが、この状態に陥る会社の利益が負債の返却にあてられる状態になると会社の経営状態を上向きにしていくことは難しくなります。

    早い段階で手を打ち、赤字から脱却しなければ債務超過を避けることは難しくなります。

    経営者の方は日ごろから資金繰りを注意しておくことが重要です。

    また事業計画をちゃんと設計し、今後行っていく事業においてどれだけの資金を投与するのかをしっかり定めておく必要があります。

    ②創立したばかりの会社

    経営者の方であればよく知っている方が多いかと思いますが、創立したばかりの会社は債務超過に陥りやすくなります。

    創立したばかりの会社は純資産の規模が小さく、設備投資や新事業を展開するだけで出費が増えるため、簡単に債務超過の状態に陥りやすくなります。

    昨今は少ない資本金で会社を設立できるため、債務超過になる確率がより引きあがっています。

    この場合の債務超過は経営者個人のお金を資金として補填すれば解決することが多いです。

    こういった債務超過は極端に大きな額にはなりにくいため、こまめに補填していけば倒産のような事態にはならないでしょう。

    ただ創立したばかりの会社は金融機関からの融資を得ることが難しく、資金調達の手段も限られているうえに利益も安定しないことも珍しくありません。

    そのような状態で債務超過を繰り返していると経営者個人の資金による補填も難しくなるので注意しましょう。

    ただ、最近は創立したばかりの会社やベンチャー企業を応援するための助成金や税制があり、これらを上手く活用すれば債務超過を回避できる可能性があります。

    債務超過を解消する方法

    ここでは債務超過を解消する具体的な方法をお伝えしていきます。

    債務超過を解消する方法は複数あり、それぞれ会社の実情にあった方法を使えば債務超過を解消できる可能性が高まります。

    それでは債務超過を解消する5種類の方法をそれぞれご紹介していきます。

    ①利益を出す

    一番スタンダートで月並みな債務超過を解消する方法といえば利益を出すことです。

    単純に会社の利益を出していけば負債を返済できる見通しが立ちますし、一定以上の利益になれば純資産を増やしていくこともできます。

    もちろん、債務超過の状態でいきなり利益を出すということは難しいことですし、それだけを狙うのは現実的ではありません。

    この場合重要なのは多額の利益を一気に出すよりも利益を出すことができるように会社の体制を構成していくことです。

    利益は会社の事業の成功だけで生み出されるものではありません。

    赤字になっている要因を見極め、無駄な出費を抑えるなど会社の体制を立て直していけば利益を捻出できる可能性があります。

    むしろ会社によっては新事業や新商品を展開して利益を狙うより体制を立て直していけば利益を出しやすくなるでしょう。

    いずれにせよ「利益を出す」という方法は経営者の手腕を問われる方法だといえます。

    もちろん経営者個人だけでとりかかるだけでなく、経営コンサルタントや会計士、税理士などといった様々なプロフェッショナルの協力を仰いでいくのも一つの手です。

    また、最近は中小企業が重視されている傾向があり、国や自治体が運営する様々な公的機関が中小企業の経営をサポートするサービスを行っている事例もあります。

    官民問わず、様々な機関の協力も得ておいて損はないでしょう。

    ②増資する

    自力で債務超過を解消するのが難しい場合は増資するという方法が考えられます。

    増資して資本金を増額すれば債務超過を解消する足掛かりになりますし、資本金をしっかり注入してもらえれば事業の立て直しや新事業の展開も可能になってくるでしょう。

    この場合の増資は経営者個人のお金の投入も該当しますが、投資ファンドや投資家といった第三者からの増資も方法としては有効的です。

    とりわけ創立したての会社に関してはベンチャー企業専門の投資ファンドやエンジェル投資家といった積極的に増資などの支援を行ってくれる第三者も多く、そういった第三者の増資を受けられれば債務超過を解消できる可能性が高くなります。

    もちろん創立したての会社でなくても、会社の理念や事業の賛同を得られれば投資ファンドも増資してくれる可能性が高くなりますし、新たな株主を獲得できれば資本金を確保しやすくなるでしょう。

    ある程度増資を得て債務超過を解消できるようになれば銀行などの金融機関も融資をしてくれる可能性が高くなるので、会社の状態を持ち直すことができるようになります。

    ただ、第三者からの増資はその会社に魅力がなければ実現することが難しいものです。

    事業や債務超過に対する自助努力を全くせずに第三者からの増資を得るのは不可能といっても過言ではないので気を付けてください。

    ③社長借入金や役員借入金を諦める

    もし残高が残っているようであれば、社長借入金や役員借入金を諦めるという方法で債務超過を解消できる可能性があります。

    社長、つまり経営者が投入した資金は社長借入金として、役員が投入した資金は役員借入金として負債扱いになってしまうものですが、この返済を諦めたり、あるいは負債を圧縮することで債務超過を解消できる可能性が高まります。

    ただ、これはあくまで会計操作の一環であり、債務超過が発生している原因そのものを改善するための方法ではないので気を付けてください。

    ④DESを活用する

    DESとは債務と株式を交換することであり、これを活用することで債務超過を脱することができるケースがあります。

    基本的にDESは金融機関が融資を行っている会社が経営不振に陥った場合、その会社の救済策として使うものです。

    いってしまえば負債を株式に置き換え、金融機関に取得してもらうということです。

    これだけで聞くと債務超過に陥った会社だけにメリットがあるように聞こえますが、金融機関はDESを行えば借入金の一部を失うことになりますが、株式を取得することで配当や売却益を獲得できるうえに会社の経営にも関与できるようになるため、金融機関側にもメリットはあります。

    しかし、これも「社長借入金や役員借入金を諦める」と同じく債務超過に陥っている根本的な原因を解消する方法ではありません。

    また金融機関がDESを簡単に承諾してくれる可能性も決して高くありませんし、会社自体に魅力がなければDESを実現することはかなり難しいものだといえるでしょう。

    ⑤M&Aを行う

    最悪会社を手放す、あるいは経営権を譲渡してしまう可能性はありますが、M&Aを行うというのも債務超過を解消し得る方法です。

    M&Aは昨今では一般化しており、中には経営不振に陥った会社が存続するために積極的に会社売却や事業譲渡、合併を行うというケースが増えています。

    M&Aの手法は多彩であるため、会社全体を買収してもらって譲受会社の子会社となって資金を投入してもらったり、不採算事業を譲渡して赤字の原因を解消するなど様々な形で実行することができます。

    当然売却する側になれば譲渡益や売却益が手に入るため、会社や経営者が儲けを得られる可能性が高まります。

    ただ、M&Aは決して成功率が高いものではありません。

    M&Aの実質的な成功率は3割ともいわれており、M&A仲介会社やコンサルティング会社の協力を得ても失敗したというケースは珍しくありません。

    また、会社を売却したり事業を譲渡する以上、会社に魅力がなければそもそもM&Aは成立しないものです。

    確実にM&Aを成功させるにはそれ相応の知識や準備をしておかなければならないことを心得ておきましょう。

    M&Aを行うのであればM&A総合研究所にご相談ください。
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    債務超過の事例

    債務超過に備えたい、債務超過を解消する手立てを見つけたいというのであれば、債務超過の事例をある程度抑えておくことは重要です。

    債務超過に陥る会社はこれまでも数多くありましたが、まずはスカイマークのように利益の低下によって債務超過に陥った会社や江守グループホールディングスのように増収増益を連続して達成していたにも関わらず債務超過に陥った会社の事例をチェックし、なぜ債務超過が起こってしまったのか、その原因をしっかり確認しておくことがおすすめです。

    また債務超過を解消することに成功できた事例にも目を配っておくことも大切です。

    有名な事例を述べるならシャープや東芝といった、世間に衝撃を与えるレベルの債務超過に陥った会社がどうやって立て直していったのかに注目しておけば、自分の会社に見合った方法を見つけることができるかもしれません。

    人のふり見て我がふり直せ…ではありませんが、ただ内向的に債務超過と向き合うのではなく、様々な事例を見て勉強しておけばいざという時に対処法を考える際に役立ちます。

    まとめ

    今回の記事をまとめると以下のようになります。

    • 債務超過は負債が資本を上回っている状態。
    • 厳密に言うと債務超過は純資産、自己資本比率がマイナスになり、そして負債が資本を上回っている状態。
    • 債務超過は貸借対照表をチェックすれば確認できる。
    • 債務超過は赤字状態の悪化だけでなく、創立したばかりの会社であるということも発生する原因になる。
    • 債務超過を解消する方法は様々なものがあるが、第三者の協力を借りることも有効な手立てである。
    • ただ第三者の協力を借りる方法の場合、会社に魅力がなければ失敗することが多い。
    • 様々な会社の債務超過の事例をチェックしておけば、いざという時に役立つ。

    債務超過は会社の倒産に直結するリスクが高い状態であり、経営をしていくうえで必ず避けていきたいものです。

    ただ創立したばかりの会社のように債務超過に陥りやすい状況というのは必ず存在しており、その際に経営者がいかに早く、的確な対処法を講じることができるかが債務超過を回避する最大のファクターだといえるでしょう。

    もちろん債務超過になってしまった場合もいかに早く、適切に対応するかによって解消できる可能性は大きく変わります。

    経営者の方は常日頃の経営に気を配るだけでなく、債務超過を解消する手立ても、ある程度用意しておくようにすることがおすすめです。

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