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2019年11月15日更新
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非居住者(海外在住)の株式譲渡

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

海外在住の方が株式譲渡を実施した際、どのように課税されるのでしょうか?非居住者の株式譲渡に関して詳しくご説明します。非居住者(海外在住)の株式譲渡課税、非居住者(海外在住)の株式譲渡における所得税課税、非居住者(海外在住)の株式譲渡における税率、非居住者(海外在住)の株式譲渡における住民税について解説します。

目次
  1. 非居住者(海外在住)の株式譲渡
  2. 非居住者(海外在住)と株式譲渡とは
  3. 非居住者(海外在住)の株式譲渡課税
  4. 非居住者(海外在住)の株式譲渡における所得税課税
  5. 非居住者(海外在住)の株式譲渡における税率
  6. 非居住者(海外在住)の株式譲渡における住民税
  7. まとめ

非居住者(海外在住)の株式譲渡

M&Aや事業承継、投資等の目的で行われる株式譲渡では、獲得した利益に対して税金が課税されます。

日本国内の取引であれば、日本の税法に則って課税されます。

海外在住の方が株式譲渡を実施した際、どのように課税されるのでしょうか?

今回は、非居住者の株式譲渡に関して詳しくご説明します。

海外で株式取引したい方必見です。

非居住者(海外在住)と株式譲渡とは

まず初めに、非居住者と株式譲渡の基礎的な知識をご紹介します。

⑴非居住者とは

日本の所得税法上、国内に一年以上居住する場所を有していない状態の人を非居住者と呼びます。

つまり、海外に一年以上居住している方は非居住者に該当します。

海外出向等により一年以上海外に在住中の方も、非居住者となります。

日本国内に恒久的施設(PE)を保有しているか否かにより、非居住者に対する課税方法が異なります。

恒久的施設とは、事業所や工場等、事業を運営する為に必要な施設です。

恒久的施設を保有するケースは複雑な為、ここでは恒久的施設を有しない非居住者について解説します。

恒久的施設を有しない非居住者であれば、国内で発生した源泉所得のみ課税されます。

⑵株式譲渡とは

株式譲渡とは、株式を第三者に売却もしくは無償で譲渡する行為です。

株式譲渡は、投資やM&A・事業承継を目的に実施されます。

M&A手法として用いる場合には、ある会社の全株式を売買するケースが一般的です。

株式会社では持ち株数に応じて行使可能な権限が変わる為、全株式を売買すれば、実質的に会社を譲渡できます。

株式のみが変化し、債権者への影響はないことから、特別決議や債権者保護手続きは不要です。

簡単な手続きで完了するので、中小企業のM&Aでは株式譲渡が多用されています。

ただ、株式譲渡は包括的承継を行う手法であるため、売り手の条件が買い手のニーズと合致していることが重要です。
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株式譲渡とは?メリット・デメリット、M&A後の社員や税務を解説

非居住者(海外在住)の株式譲渡課税

次に、非居住者の株式譲渡の課税に関してご説明します。

通常の株式譲渡とは、大きく異なるのでしっかりと確認しましょう。

⑴非居住者の株式譲渡益

非居住者であっても、株式譲渡益の計算方法は通常と変わりません。

この項では、非居住者が得る株式譲渡益の計算方法をお伝えします。

株式譲渡では、株式の売却益から取得費用や譲渡費用を差し引いた譲渡所得に課税されます。

取得費用とは、株式を購入等により取得する際に要した費用です。

取得費用が何かしらの理由で分からない際には、株式譲渡金額の5%を取得費用として適用可能です。

譲渡費用とは、株式譲渡の際に起用したM&Aアドバイザリー等に支払う手数料を指します。

つまり非居住者の株式譲渡益は、下記計算式を用いて算出します。

  • 株式譲渡益=株式売却益−(取得費用+譲渡費用)

上記株式譲渡所得を基に、非居住者に対する課税を考えます。

⑵非居住者の株式譲渡では課税が生じるのか

非居住者の株式譲渡では、課税が生じるのでしょうか?

恒久的施設を有しない非居住者の場合、国内で生じた源泉所得に対してのみ課税されます。

国内株式の売却により得た株式譲渡所得に対しては、原則課税されません。

例えば少額の株式譲渡では、課税は発生しない可能性が高いです。

一部の例外ケースでは、株式譲渡に対して所得税が発生します。

所得税が発生する条件に関しては、次項で詳しく解説します。

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株式譲渡時の税金

非居住者(海外在住)の株式譲渡における所得税課税

例外的に非居住者であっても、株式譲渡益にに対して所得税が課される場合があります。

この項では、株式譲渡益に所得税が課税されるケースを6つ解説します。

⑴買い集めによる株式の譲渡

国内株式を買い集め、所有者である地位を利用して、その株式を発行法人に対して株式譲渡する際には、所得税が課税されます。

例えば、外国居住者が日本企業の株式を買い占めた上で、当該会社に対して高値で株式譲渡するケースです。

国内企業にとって不利となる点から、課税上保護しない訳です。

⑵事業譲渡類似株式の譲渡

M&A等による多額の課税逃れを防ぐ目的で、事業譲渡類似株式等の譲渡でも課税が発生します。

下記2つの条件を両方満たす株式譲渡では、所得税が課税されます。

  • 3年以内に特殊関係株主として、国内法人の発行済株式もしくは出資総数の25%以上を所有していた
  • 発行済株式総数または出資総数のうち、5%以上を株式譲渡する

つまり会社を保有する非居住者である経営者が、大規模な株式譲渡を行う際には、所得税が課税されます。

多額の税金を逃れる為に海外に移住しても、株式譲渡の課税からは逃げられません。

このような制約を踏まえてM&Aを行いたいのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。
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⑶税制適格ストックオプションの権利行使により取得した特定株式譲渡

ストックオプションとは、あらかじめ定められた権利行使価格で、株式を取得できる権利です。

税制適格ストックオプションであれば、通常よりも有利な課税となります。

発行済株式総数のうち25%以上を保有している場合には、特定株式等に該当し、所得税が発生します。

⑵と同様に、M&A等を起因とした株式譲渡による多額の課税逃れを防ぐ目的です。

⑷日本滞在中に実施する株式譲渡

国内証券会社の口座を用いて上場株式等を保有している場合、海外居住者は法律上株式譲渡出来ません。

非居住者が株式譲渡する際には、一時的でも日本に滞在する必要があります。

国内で株式譲渡を行う場合には、通常通り居住者にも所得税が生じます。

⑸不動産関連法人の一定の株式譲渡

不動産関連法人の特殊関係株主(役員や役員の親族等)である非居住者が、以下二つの条件いずれかに該当する株式譲渡を実行した際には、通常通り所得税が発生します。

  • 前年度末の時点で、発行済み株式(上場株式)もしくは出資総数の5%を超える数を保有していた
  • 前年度末の時点で、発行済み株式(非上場株式)の総数または総額のうち、100分の2を超える数を保有していた

上場株式と非上場株式の間で、条件が若干異なる点には注意が必要です。

⑹日本国内にあるゴルフ場のゴルフ会員権(株式形態)の譲渡

ゴルフ会員権には、「預託金方式」と「株式形態」の二種類が存在します。

株式形態のゴルフ会員権を非居住者が譲渡する場合、預託金方式と同様に課税が生じます。

以上が、非居住者の株式譲渡で所得税課税が生じる条件です。

M&A等による大規模な株式譲渡や買い占め目的であれば、非居住者であっても所得税が課税されます。

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ストックオプション税制

非居住者(海外在住)の株式譲渡における税率

非居住者(海外在住)の株式譲渡における税率

非居住者の株式譲渡では、主に二種類の課税方法が利用されています。

前項で紹介した所得税課税が生じる株式譲渡6パターンについて、税率をご紹介します。

⑴原則の税率

上記⑴〜⑸に該当する非居住者の株式譲渡では、通常と同様の税率が適用されます。

つまり譲渡所得に対して、申告分離課税により15.315%の所得税率となります。

申告分離課税とは、他の所得とは切り離した上で、個別に所得税額を計算する方法です。

上場企業の株式と非上場株式も、分離して所得税額を計算します。

例えば非居住者が1億円で株式譲渡した場合、下記計算の通り所得税が計算されます。

※取得費用0円、譲渡費用0円で計算

  • 所得税=1億円×15.315%=1531万5,000円

⑵ゴルフ会員権(株式形態)の税率

ゴルフ会員権のみ、原則とは異なる税率が適用されます。

非居住者が譲渡する際、総合課税により最高45%の所得税が課税されます。

総合課税とは、他の所得と合算した上で所得税額を計算する方法です。

累進課税が適用される為、株式譲渡益が多いほど、税負担も大きくなります。

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株式譲渡所得の確定申告

非居住者(海外在住)の株式譲渡における住民税

通常の株式譲渡であれば、所得税に加えて住民税5%が課税されます。

つまり株式譲渡全体では、20.315%の税金が課税されます。

非居住者の場合、株式譲渡による住民税は課税されるのでしょうか?

住民税とは、自身の住んでいる地域に納付する税金であり、都道府県と市町村にそれぞれ納税します。

非居住者は日本国内に居住している訳ではない為、住民税は課税されません。

つまり非居住者の株式譲渡では、所得税15.315%のみ課税されます。

シンガポール等一部の国であれば、所得税も課税されない場合があります。

一歩間違えると脱税になりかねないものの、工夫次第で非居住者は税負担を軽減できる可能性があります。

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株式譲渡と住民税

まとめ

今回は、非居住者の株式譲渡に関して説明しました。

通常の株式譲渡と比べて、非居住者の株式譲渡は特殊な制度が適用されます。

課税逃れで安易に非居住者となっても、通常通り所得税が課税される可能性があります。

最悪の場合脱税だと見なされる恐れもある為、非居住者が株式譲渡する際には、あらかじめ税制度を確認することが重要です。

難しい制度である為、非居住者の株式譲渡に詳しい税理士等の専門家への相談をオススメします。

要点をまとめると下記になります。

  • 非居住者とは

→国内に一年以上居住する場所を有していない状態の人

  • 株式譲渡とは

→株式を第三者に売却もしくは無償で譲渡する行為

  • 非居住者の株式譲渡益

→株式売却益−(取得費用+譲渡費用)

  • 非居住者の株式譲渡では課税が生じるのか

→原則課税されない

  • 非居住者の株式譲渡に所得税課税が生じる条件

→買い集めによる株式等の譲渡、事業譲渡類似株式等の譲渡、税制適格ストックオプションの権利行使により取得した株式等の譲渡、日本滞在中に実施する株式譲渡、不動産関連法人の株式譲渡、日本国内にあるゴルフ場のゴルフ会員権(株式形態)の譲渡

  • 非居住者の株式譲渡における税率

→ゴルフ会員権以外は申告分離課税により15.315%

  • 非居住者の株式譲渡における住民税

→日本国内に居住している訳ではない為、住民税は課税されない

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