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2019年11月26日更新
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ストックオプション税制

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

ストックオプションの効果を最大限に高める為には、税制で定められた適格要件を満たす必要があります。ストックオプションの税制、株式売却によるメリット、適格要件について解説していきます。また、税制適格、税制非適格、有償ストックオプションの種類についても解説します。

目次
  1. ストックオプション税制
  2. ストックオプションと税制
  3. ストックオプションの種類
  4. ストックオプション税制の適格要件
  5. まとめ

ストックオプション税制

サラリーマンの方も経営者の方も、ストックオプションについて一度は耳にした経験があると思います。

ストックオプションとは、従業員のモチベーションを上げる手段として、多くの企業で活用されています。

また近年は、退職給付金の代替手段としても利用されています。

しかしストックオプションを有効活用する為には、税制上の取り扱いを把握しなければいけません。

税制上の取り扱いを知らないと、想定していたメリットを享受出来ない恐れがあります。

ストックオプションのメリットを最大限に高める為には、適格要件を満たす必要があります。

ストックオプションの適格要件には、様々な条件があります。

この記事では、適格要件を定めたストックオプション税制について、詳しく解説します。

ストックオプションの活用を検討している方、付与される予定の方必見です。

ストックオプションと税制

まず最初に、ストックオプションとその税制の概要をご説明します。

⑴ストックオプションとは

ストックオプションとは、予め定められた価格(権利行使価格)で株式を購入できる権利です。

ストックオプションの取得後、株価が上がるほど、得られるメリットは大きくなります。

何故なら、株価と権利行使価格の差が広がる程、株式売却によって得られる利益が増えるからです。

仮に株価が下がったとしても、権利行使しなければ損失は被らずに済みます。

以上の性質からストックオプションは、社内で働く人の意欲を向上させる目的で活用されます。

もしくは、役員退職金の代替手段として用いるケースもあります。

⑵ストックオプションのメリット

ストックオプションを付与された人は、株式の売買益を獲得できるメリットがあります。

では、ストックオプションを会社側が活用するメリットは、一体何でしょうか?

最も大きなメリットは、「従業員のモチベーション向上」です。

前述の通り株価が上がるほど、ストックオプションを保有するメリットが増大します。

基本的には、業績が良くなるほど株価は上昇します。

その為、ストックオプションを付与された社員は、株価を上げる為に以前にも増して頑張ります。

ストックオプションを付与する事で、費用をかけずに従業員の意欲向上を図れます。

⑶ストックオプション税制とは

ストックオプション税制とは、ストックオプションの税務の取り扱いについて定めた税制です。

通常のストックオプションでは、給与所得と譲渡所得が二重に課税されます。

その為、所持していてもメリットがあまりありません。

しかし一定の適格条件を満たせば、税金の支払いタイミングを一回に減らせます。

税制の適格要件を満たすものを、税制適格ストックオプションと呼びます。

ストックオプション税制では、適格となる為の条件を定めています。

ストックオプション制度を活用する際には、税制の内容を確認する必要があります。

ストックオプション税制で定められた適格要件は、後ほど詳しく解説します。

※関連記事

ストックオプションと株価の関係性

ストックオプションの種類

ストックオプションの種類は、下記3種類に大別できます。

  1. 税制適格ストックオプション
  2. 税制非適格ストックオプション
  3. 有償ストックオプション

以下では、各種類ごとにストックオプションの説明を実行します。

⑴税制適格ストックオプション

前述したストックオプション税制の要件を満たす場合、税制適格ストックオプションと呼ばれます。

従業員の意欲を上げる目的で用いる際には、税制適格ストックオプションとして設計されるのが一般的です。

なお、従業員の意欲を上げる目的で付与されるものは、「通常型ストックオプション」と呼ばれます。

税制適格ストックオプションの場合、株式の売却時にのみ課税が発生します。

具体的には、売却時の株価と権利行使価格の差額分が譲渡所得と見なされます。

そして譲渡所得に対して、所得金額とは無関係に20.315%の税率で課税されます。

イメージ的には、通常の株式取引と同じです。

つまり、どれだけ譲渡所得が高額に及んでも、一定の税率で課税が生じます。

一方で、後述する税制非適格ストックオプションの場合、課税のタイミングが二回あります。

加えて税率の面でも、適格税制ストックオプションと比べて不利な仕組みです。

よって基本的には、税制の適格要件を満たす様にストックオプションを設計します。

⑵税制非適格ストックオプション

ストックオプション税制の適格要件をクリアしていないものは、税制非適格ストックオプションと呼ばれます。

退職金制度の代替目的で利用する場合、権利行使価額を極めて低い金額に設定します。

極めて低い価格と言っても、基本的には一株あたり1円に設定されます。

よってストックオプションの保有者は、「権利行使時の株価×持ち株数の金額分」の利益を獲得可能です。

なお、退職金制度の代替目的で付与されるものは、「株式報酬型ストックオプション」と呼ばれます。

株式報酬型とする場合、必然的に税制適格要件を満たせません。

なぜなら適格要件の一つに、「権利行使価額は、契約締結時の株価以上」という条件があるためです。

つまり株式報酬型は、必ず税制非適格ストックオプションとなります。

税制非適格ストックオプションでは、売却時のみならず、権利行使時にも課税が発生します。

権利行使時には、行使時の株価と権利行使価格の差額が、給与所得と見なされます。

給与所得は、累進課税によって課税されます。

つまり差額が大きいほど、発生する税負担も大きくなります。

その際の税率は、最高で55%にも上り、税金によって半分程度も失ってしまいます。

加えて、株式の売却時に獲得した譲渡所得に対しても、20.315%の税金が生じます。

以上の通り税制非適格ストックオプションでは、二重で税金が課されます。

税制適格ストックオプションと比べると、圧倒的に取り分が減ってしまいます。

⑶有償ストックオプション

近年活用件数が急増しているのが、有償ストックオプションと呼ばれる制度です。

有償ストックオプションとは、付与者がお金を支払った上で、ストックオプションを受け取る制度です。

本来無料で交付されるストックオプションを、有償で買い取る点はデメリットとなります。

しかし有償ストックオプションには、税金面で大きなメリットがあります。

具体的には、課税のタイミングが株式売却時のみとなります。

権利行使時点では、課税されません。

つまりお金を払う代わりに、無条件で税制適格ストックオプションの恩恵を得られます。

ストックオプション税制の適格要件

何度も述べてきた通り、ストックオプションを交付する際には、税制適格要件をクリアする必要があります。

ここでは、ストックオプション税制で定められた適格要件を解説します。

適格要件は、大きく分けて下記3つに大別可能です。

  1. 取得者の適格要件
  2. 発行内容・行使の適格要件
  3. その他適格要件

以下では、各適格要件について詳しくご紹介します。

⑴取得者の適格要件

ストックオプションの取得者がクリアすべき要件です。

①交付対象者

交付対象者は、自社もしくは関連会社で働く人であるのが要件です。

つまり無関係の第三者に交付した場合、税制非適格ストックオプションとなります。

②株式の保有数

付与決定日の時点で、自社株式のうち、持ち株数が3分の1を超えていない要件です。

ただし公開会社の場合には、10分の1となります。

⑵発行内容・行使の適格要件

発行内容・行使要件とは、ストックオプションの内容に関する条件です。

①権利行使の期間

権利行使期間は、付与決定日から2年から10年以内である必要があります。

②権利行使価格

税制適格となる為には、権利行使価格は契約締結時の株価以上に設計しなくてはいけません。

この適格要件がある為に、株式報酬型のストックオプションは、税制非適格となります。

③年間の権利行使価格制限

権利行使価格の合計は、1,200万円を超えてはいけません。

年間1200万円を超えると、適格税制の資格を失います。

④譲渡制限

ストックオプションの他人への譲渡は不可です。

要するに、他人名義のストックオプションを行使しても、税制適格とはなりません。

⑤発行方法

税制適格ストックオプションとする為には、無償で交付する必要があります。

⑶その他の税制適格要件

上記以外にも、下記の税制適格要件があります。

  • 証券会社と契約している
  • 会社法に違反しない形での付与
  • 株式売却時に必要な書類を提出

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ストックオプションでかかる税金

まとめ

今回は、ストックオプション税制についてお伝えしました。

ストックオプションとは、予め定められた権利行使価格で、自社株を買える権利を指します。

従業員のモチベーションを向上させる手段として、ストックオプションは有用です。

ストックオプションを従業員に交付する際には、税制適格要件をクリアすることが大前提です。

税制適格か否かで、ストックオプションによって得られる利益は大きく異なります。

なお近年は、有償ストックオプションを活用する事例も増えています。

有償ストックオプションの活用により、税制面で大きなメリットがあります。

この制度を活用する際には、必ずストックオプション税制を参照しましょう。

要点をまとめると下記になります。

  • ストックオプションとは

→予め定められた価格で株式を購入できる権利

  • ストックオプションのメリット(交付側)

→従業員のモチベーション向上

  • ストックオプションのメリット(保有側)

→株式の売却による利益獲得

  • ストックオプション税制とは

→ストックオプションの税務の取り扱いを定めた税制

  • ストックオプションの種類

→税制適格ストックオプション、税制非適格ストックオプション、有償ストックオプション

  • ストックオプション税制の適格要件

→取得者の要件、発行内容・行使の要件、その他の要件

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