M&Aとは?手法ごとの特徴、目的・メリット、手続きの方法・流れも解説【図解】
2021年5月30日更新会社・事業を売る
「M&A」とは〇〇の略!読み方、「買収」の英語も紹介
M&Aという用語は聞いたことがあるけれど、何の略か知らないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、M&Aとは何の略かを解説するとともに、M&Aに関連する用語の略称、買収を意味する英語のニュアンスの違いなどを解説します。
「M&A」とは〇〇の略!
会社経営者なら、「M&A」という用語を一度は聞いたことがあると思います。一般の方でも、ライブドアや村上ファンドによる買収報道で聞いたことがある方も多いでしょう。
しかし、このM&Aという用語が、どういう意味なのかはっきり分かっていない方も多いのではないでしょうか。
元々ビジネス用語はカタカナや英語が多く分かりにくいものですが、M&Aという単語はパッと見ても何の略なのか想像がつきにくく、ビジネス用語の中でも特に分かりにくいものの一つだといえます。
M&Aとは、一体何の略なのでしょうか。本記事では、その意味や使い方について解説していきます。
M&Aとは
M&Aとは簡単に言うと、会社を買収したり売却したりする取引のことをいいます。例えば、株式を買い取ってその経営権を取得したり、事業資産を買い取って自社のものとしたりすることなどがあります。
M&Aというと、大企業が次々といろいろな会社を買収して、規模を拡大していくというイメージが強いかもしれません。
もちろんそれもM&Aの主要な利用方法の一つですが、実際にはM&Aというのは、それ以外にも様々な活用方法があります。
M&Aの活用方法として今最も注目されているのが、中小企業の事業承継です。少子化で後を継がせる人がいない中小企業が、M&Aによって第三者に事業承継することで、培ってきた技術やノウハウを残そうとする動きが活発になっています。
このように、M&Aというのは決して大企業のものだけではなく、会社を経営している人なら誰でも活用できる手段です。
M&Aとは何の略?読み方は
M&Aの読み方は「エム・アンド・エー」です。それぞれのアルファベットと記号をそのまま順に読めばいいだけなので、読み方は特に難しくありません。
続いてM&Aは何の略かですが、M&Aは「Mergers & Acquisitions」を略した言葉となっています。
合併のことを英語で「Mergers」、買収のことを「Acquisitions」というので、「合併と買収」つまり「Mergers & Acquisitions」を略して、M&Aと呼ばれているわけです。
M&Aの意味
M&Aは会社を売買する取引の総称で、「合併と買収」の略ということでしたが、具体的にはどういった取引のことを指すのでしょうか。
M&Aという用語に、法律で定められたはっきりした定義はありません。しかし一般的には、株式譲渡・株式交換・株式移転・事業譲渡・会社合併・会社分割の総称として使われることが多いです。
ちなみに、会社合併と会社分割は、それぞれ合併・分割と略されることもあります。
難しいのは、資本提携・業務提携・資本業務提携・第三者割当増資・アライアンスといった、会社を買収・合併しているわけではないが、M&A的な要素がある取引を含めるかという点です。
これらを含める場合と含めない場合があり、含める場合を「広義のM&A」、含めない場合を「狭義のM&A」と言って分けることもあります。
しかし一般的には、広義のM&Aも狭義のM&Aも、単にM&Aと略して呼ぶことが多いです。
記事などでM&Aという用語が出てきた時は、それが広義のM&Aの略なのか、狭義のM&Aの略なのかを意識すると、内容の理解がより深まります。
【M&Aの手法(スキーム)】
- 株式譲渡
- 株式交換
- 株式移転
- 事業譲渡
- 会社合併
- 会社分割
【M&Aに含めることがある手法・取引】
- 資本提携
- 業務提携
- 資本業務提携
- 第三者割当増資
- アライアンス
「買収」の英語
M&Aという用語では、買収のことを「Acquisitions」とし、略して頭文字をとって使用しています。
しかし、英語で買収を意味する言葉は「Buyout」「Take over」など他にもあり、実際MBO(Management Buyout)やTOB(Take Over Bid)といった、M&Aに関連する用語でも略称として使われています。
なぜM&AはAcquisitionsの略なのに、MBOではBuyoutの略になるのかといった、細かいニュアンスは日本人には分かりづらいところです。
M&Aを理解するにあたって、こういった略称の細かいニュアンスを知る必要はありませんが、外資系企業で働く方なら必要になる時が来るかもしれません。
そこでこの章では、Acquisitions・Buyout・Take overといった、「買収」の英語の意味について解説していきます。
買収の英語と使い分け
Acquisitions・Buyout・Take overはどれも日本語に訳すと「買収」という意味であり、そこまで厳密に使い分ける必要はありません。
例えば、Acquisitionsと言うべき時にBuyoutと言ったとしても、ほとんどの場合ちゃんと意味は伝わるでしょう。
ただし、これらの単語には微妙なニュアンスの違いもあるので、それを理解しておくとコミュニケーションが取りやすくなります。
まずAcquisitionsですが、これは買収以外にも「取得」「獲得」といった意味があり、単に会社を手に入れるというニュアンスになります。
Buyoutは「Buy」が「買う」、「out」が「広がっていく」といった意味なので、「(株式を)買い占める」というニュアンスになります。
Take overは「引き継ぐ」という意味に加えて、「乗っ取る」「持っていく」といった意味もあるので、AcquisitionsやBuyoutに比べると、敵対的に会社を乗っ取るというニュアンスが若干強いと考えられます。
企業買収の英語
結局企業買収のことを英語で何と言うかですが、「corporate acquisition」が最も無難な表現だと考えられます。しかし、「Buyout」や「Take over」と言っても全く間違いではありません。
Take overの敵対的なニュアンスが気になる場合は、「friendly(友好的な)」という言葉を足して、「friendly take over」と表現することもできます。
M&Aに関連する略語と意味
M&Aに関連する言葉には様々な略語があって、これが分かりにくく初めて学ぶ人の理解を妨げる要因にもなっています。
ここで全ての略称を紹介することはできませんが、中でも特に使用頻度が高く重要だと思われる略称について、いくつかピックアップしてご紹介します。
【M&Aに関連する略語】
- FA(ファイナンシャル・アドバイザー)
- DD(デューデリジェンス)
- PMI(統合プロセス)
FA(ファイナンシャル・アドバイザー)
FAとは「ファイナンシャル・アドバイザー」の略で、企業がM&Aを行う際に、そのサポートを行う専門家のことを指します。
似た言葉に「FP」というものがありますが、これは「ファイナンシャル・プランナー」の略で、こちらは家計に関する資産運用やライフプランをサポートする専門家です。
FAとFPは混同しやすいですが、M&Aで必要になるのはFAの方だということを理解しておきましょう。
DD(デューデリジェンス)
DDとは「デューデリジェンス(Due Diligence)」の略で、M&Aで会社を買収する時に、相手企業の内容を詳細に調査することをいいます。
デューデリジェンスは調査する内容によって、ビジネスデューデリジェンス・ファイナンシャルデューデリジェンス・リーガルデューデリジェンスなど、さらに細分化されます。
PMI(統合プロセス)
PMIは「Post Merger Integration」の略で、日本語では「統合プロセス」と呼ばれます。
PMIとは、M&Aが成約した後に、買い手側・売り手側両社のすり合わせを行い、業務が円滑に進むように統合していく作業のことです。
具体的には、従業員の給与や勤務時間といった雇用条件の調整、業務に関するシステムやルールの統一、企業理念や企業風土のすり合わせなどが含まれます。
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まとめ
本記事では、M&Aは何の略か解説するとともに、買収の英語表現やM&A関連用語を解説しました。
M&Aというと難しそうなイメージがありますが、何の略かを知って一つずつ理解すれば、決して難しいものではありません。
ぜひM&Aを理解して、自社の経営戦略にお役立てください。
【M&Aの手法(スキーム)】
- 株式譲渡
- 株式交換
- 株式移転
- 事業譲渡
- 会社合併
- 会社分割
【M&Aに含めることがある手法・取引】
- 資本提携
- 業務提携
- 資本業務提携
- 第三者割当増資
- アライアンス
【M&Aに関連する略語】
- FA(ファイナンシャル・アドバイザー)
- DD(デューデリジェンス)
- PMI(統合プロセス)
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