M&A・事業承継の理解を深める M&A総合研究所ポータル(旧M&A STORY)

Logo

この記事は、約 2分で読めます。
M&Aを活用した事業再生とは?メリット・デメリットの流れをご紹介

M&Aを活用した事業再生とは?メリット・デメリットの流れをご紹介

Medium
この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    M&Aを活用した事業再生

    事業再生とは、業績不振や倒産の危機に陥った企業が、事業を再建して経営を安定化させることをいいます。文字通り「事業の再生」を意味します。

    具体的には、採算事業の存続・強化、不採算事業の見直しや切り離しといった改革により、事業の再建を進めます。

    事業再生は、M&Aによって行われることもあります。例えば、M&Aによって不採算事業を売却するといったケースです。不採算事業を売却できれば、採算事業に資本を集中しやすくなるので、効率的な事業の再建が可能となります。

    また、M&Aによって資金力のある企業に買収されれば、経営基盤が強化されます。財務状況が安定すれば、それだけ事業の再建も進めやすくなります。資金に余裕が生まれれば、早い段階で債務を弁済することも可能です。

    こういった事業再生のためのM&Aは、「再生型M&A」「事業再生M&A」などと呼ばれることもあります。

    M&Aによる事業再生の特徴

    このように、M&Aは事業再生の方法としても効果があります。その他の事業再生の手法とも比較しつつ、M&Aによる事業再生の特徴をご紹介します。

    ・事業再生の位置づけと手法

    業績不振や倒産の危機に陥った企業は、事業を再生するか、それとも廃業するか、どちらかを選択することになります。ただ、せっかく今まで事業を行ってきた企業としては、できることなら事業を継続したいと考えるはずです。また、少しでも事業内容に強みがあれば、その廃業は社会的に考えても大きな損失となってしまいます。

    そのため、廃業以外の道、つまり事業再生を進めることが、その企業だけでなく社会全体としても非常に重要となります。そこで、事業再生にはどのような方法があるのか、自社にとって最適な方法は何か、考える必要があります。M&Aを活用した事業再生も、そうした方法の一つです。

    事業再生の手法は、「自力での事業再生」「M&Aによる事業再生」「倒産手続による事業再生」に大きく分類できます。

    ・自力での事業再生

    自力で事業再生をする場合、第三者からの支援を受けることなく、事業の改革を進めます。不採算事業からの撤退など、具体的な改革を自社だけで進めることになります。その中で収益を出し、債務を弁済するという流れです。

    一方で、第三者の支援を受けずに自社だけで事業を再建することは、一般的には困難です。資金面での余裕が少ない場合、事業の再建にはどうしても時間がかかります。

    そのため、M&Aによる事業再生や、倒産手続による事業再生を選ぶケースも多いです。

    ・M&Aによる事業再生

    M&Aによる事業再生は、「スポンサーがつく事業再生」と考えるとイメージしやすいです。この意味について考えてみましょう。

    自力での事業再生は第三者の支援がないため、基本的な当事者は自社だけです。

    一方で、M&Aによる事業再生は、他の会社も当事者に含まれます。いわばスポンサーという位置づけで、他社が関与することになるのです。

    例えばM&Aによって不採算事業を売却するというケースを考えてみましょう。売り手にとっては不採算事業でも、

    買い手にとっては魅力的な事業になる場合もあります。買い手が、「ウチの会社ならその事業をきちんと展開して収益を上げることができる」などと判断すれば、その事業の買い手候補に名乗り出てくれます。

    また、不採算事業を売却した売り手は、採算事業に資本を集中するなどして事業の再建を図ることができます。このような流れは、他社の関与なしでは実現しません。

    また、M&Aによって資金力のある企業に買収されるというケースを考えてみましょう。この場合、買い手企業はまさにスポンサーとしての意味合いが強くなります。

    資金力のある企業の傘下に入れば、経営基盤が強化されます。安定した財務状況のもとで、事業の再建を効率的に進めることができます。また、債務の早期弁済も可能となります。

    これは、買い手企業がスポンサーとして資金を提供することを表します。このような事業再生も、他社の関与がなければ実現することはありません。

    ・倒産手続による事業再生

    もう一つ、倒産手続によって事業再生を図るという方法もあります。倒産手続というと、ネガティブなイメージを抱く方も多いですが、こちらは廃業とは大きく異なります。

    倒産手続には「清算型」と「再建型」があります。清算型は債務とともに会社を消滅させる手続きですが、再建型は会社を存続させて事業の再建を図る手続きとなります。

    つまり、再建型の倒産手続きは、事業再生に含めて考えることができるのです。

    また、倒産手続は「法的整理」と「私的整理」に分けて考えることもできます。法的整理は裁判所が関与する形で債務整理が進められますが、私的整理は裁判所が関与せず、債権者と債務者の合意によって債務整理を進めることができます。

    特に私的整理は、債権者との協議によって債務の弁済方法などを柔軟に決めることができるので、事業再生の手法としても効果的です。

    一方で、倒産手続の場合、M&Aのような形で他社が関与するわけではありません。

    債権者などの関係者は登場しますが、あくまで自社を中心に債務整理を進める形になります。

    M&Aのように、スポンサーという形で他社からの支援を受けるわけではありません。このように考えると、倒産手続による事業再生を、自力での事業再生の一つとして捉える見方もあります。

    ・なぜM&Aによる事業再生にメリットがあるのか

    上でご紹介した3つの手法を比較してみましょう。

    M&Aによる事業再生は、他社がスポンサーという形で関与する点に大きな特徴があります。一方で、自力での事業再生や倒産手続による事業再生の場合、基本的に自社で債務整理を進め、事業再生を図ることになります。M&Aのような形で第三者から支援を受けるわけではありません。

    特に完全に自力で事業再生をする場合、時間と手間がかかるほか、トラブルの発生など、リスクが高くなる傾向があります。また、倒産手続による事業再生は、特に法的整理の場合などで手続きが複雑化します。

    M&Aも、手法によっては手続きが複雑化しますが、事業再生においてはメリットが多いです。特に外部からの支援があるという点は、M&Aを活用した事業再生の大きなメリットです。それだけ効率的に事業再生が進む可能性があるほか、M&Aによるシナジー効果を期待することもできます。

    事業再生と企業再生の違い

    事業再生と似た言葉に、「企業再生」というものがあります。両者の違いについて整理してみましょう。

    事業再生と企業再生は、まさに「事業」か「企業」かの違いです。事業再生というのは、事業を再生することに焦点が置かれます。もちろんそのためには企業が存続していなければなりませんが、企業が存続し、かつ、事業がきちんと再建されることを示します。

    一方で、企業再生というのは、企業の維持を表します。つまり、実質的な破たん状態である企業でも、企業が維持されれば企業再生となります。極端な話ですが、事業を再建しなくても、とりあえず企業として維持できれば企業再生となるのです。

    具体的に考えてみましょう。例えば、ある金融機関がA社にお金を貸していたとします。そのA社が倒産状態になってしまった場合、金融機関は、A社から債権回収をすることになります。この場合、A社が存続していなければなりません。A社が消滅すれば、そもそも債権を回収することができないからです。

    このようなケースでは、金融機関が債務者企業の再生支援を行います。これは、債権者の立場として、債務者企業を再生しなければならないからです。上記の例でいえば、債権者である金融機関が、債務者であるA社の再生に向けて支援を行うことになります。

    こういった債務者企業の再生は、とりあえず企業として維持されることを目的とします。つまり、言葉としては企業再生に含まれます。

    ただし、事業再生と企業再生は、実際にはあまり区別されていないケースが多いです。というのは、企業再生と表現する場合でも、実際には事業の再建も含めて表現することが多いからです。

    債権者にしてみても、債務者企業の事業が再建されるに越したことはありません。企業の維持だけでなく、事業の再建まで実現できれば、経済的に大きな意味があるからです。そのため、事業の再建までを含めた言葉として「企業再生」と表現するケースも多いです。

    第二会社方式による事業再生

    次に、M&Aによる事業再生の一つとして、第二会社方式による事業再生についてご紹介します。

    第二会社方式は、収益性のある採算事業を他の会社に承継させるという方式です。

    具体的には、事業譲渡や会社分割によって収益性のある事業を切り離し、移転元の企業は特別清算によって法人格を消滅させるという流れになります。こうすれば、移転元の企業は消滅しても、収益性のある事業は他の会社にしっかりと受け継がれます。こちらもM&Aによる事業再生の手法の一つです。

    事業譲渡と吸収分割の場合は既存の会社に、新設分割の場合は新たに設立する会社に対し、採算事業を承継することになります。既存の会社または新設の会社が「第二会社」となり、その会社に事業を承継させるということで、「第二会社方式」と呼ばれます。

    また、移転元の企業の債務は、次のように弁済されます。

    事業譲渡の場合、譲渡代金を債務の弁済に充てます。会社分割の場合は、分割の対価として取得した分割承継会社の株式を現金化し、債務の弁済に充てるという流れになります。

    第二会社方式を成功させるために

    第二会社方式の場合、事業譲渡と会社分割の流れをしっかりと把握しなければなりません。そのうえで、どちらの方法が適切か、検討する必要があります。

    事業譲渡の場合、会社分割のような債権者保護手続きはありませんが、資産や負債などの個別の移転手続きが必要です。一方で、会社分割は包括承継となるので、原則として個別の移転手続きは必要ありません。ただし、債権者保護手続きは必要です。

    いずれも複雑な手続きが求められますが、会社の規模などを踏まえ、適切な方法を検討することができます。

    例えば中小規模のM&Aであれば、個別の移転手続きも少なくなります。この場合、債権者保護手続きが発生する会社分割よりも、事業譲渡の方がスムーズに進むと言えます。一方で、M&Aの規模が大きい場合、事業譲渡では個別の移転手続きが増えるため、包括承継となる会社分割の方がスムーズに進む可能性があります。

    もちろん、これらは一例に過ぎず、実際にはさらに多面的な視点から適切な手法を検討することになります。M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートも受けつつ、第二会社方式として適切な手法を選択する必要があります。

    M&Aを活用した事業再生の流れ

    M&Aによる事業再生の流れということで、基本的なM&Aの流れをご紹介します。

    M&Aの大まかな流れは、

    M&A戦略の策定→対象企業を見つける→交渉→契約→統合

    となります。簡単に言うと、最初に具体的なM&A戦略を策定し、次に対象企業を見つけて交渉し、交渉がまとまったら最終的な契約を結び、M&Aによる統合が行われるという形です。

    事業再生は、自社の事業を適切な形で継続させること、そして事業の再建を図ることに焦点が置かれます。これらをM&Aに当てはめると、M&A戦略において事業の再建ための適切な手法を検討すること、そして自社の事業を任せられる企業を見つけることが、非常に重要な意味を持ちます。

    また、具体的な買収金額など、条件面での適切な交渉も必要です。特に買収金額は、売り手にとって債務の弁済に充てる資金にもなります。専門家のサポートを受けるなどして、高い交渉力をもって臨まなくてはなりません。

    M&Aを活用した事業再生のメリット・デメリット

    ここまで、M&Aによる事業再生の特徴や具体的な手法についてご紹介しました。これらのポイントも踏まえ、最後にメリットとデメリットを整理しておきます。

    M&Aによる事業再生は、他社がスポンサーという形で関与し、支援をしてくれる点に大きなメリットがあります。資金面で余裕が生まれれば、債務の弁済も含め、効率的に事業を再建することができます。

    また、不採算事業の切り離しなど、経営の効率化のためにもM&Aは効果的です。採算事業に集中できれば、それだけ事業の再建もスムーズに進むからです。もちろんM&Aによるシナジー効果も期待できます。これらの点は、他社の関与がなければ実現しません。

    さらに、自社が不採算事業を切り離すのではなく、自社に不採算事業を残したうえで特別清算手続きに入り、他社に採算事業を受け継いでもらうという「第二会社方式」もあります。このような様々な手法を検討できることも、M&Aによる事業再生のメリットです。

    一方で、あくまでM&Aによる事業再生となるため、M&Aに関する高度な知識が求められます。基本的に自社だけで判断できる問題ではないので、専門家のサポートを受けることになります。そのため、専門家に対する報酬も考慮し、資金を用意しておく必要があります。

    また、M&Aは、最適な対象企業があってこそ大きな効果があります。一方で、すぐに最適な企業が見つかるとは限りません。また、それぞれの手法ごとに様々な手続きが求められます。手続きが複雑化すれば、それだけ時間と手間もかかります。

    このように、ある程度の資金を用意する必要があることや、場合によっては時間がかかることなど、M&Aによる事業再生のデメリットとして挙げられます。

    ただ、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーについては、着手金がかからない会社、成功報酬が比較的低い会社もあるので、あまり資金をかけずにサービスを利用できるケースも多いです。また、時間がかかったとしても、長期的なメリットを考えれば、M&Aによる事業再生には大きな意味があります。時間と資金面のデメリットは確かにありますが、それをカバーできるくらいのメリットもあるのです。

    まとめ

    業績不振や倒産の危機に陥った企業が事業を再建するために、様々な事業再生の手法が活用されています。倒産手続による事業再生などもありますが、M&Aによって事業再生を図ることもできます。

    近年、中小企業をはじめとしてM&Aの活発化が目立ちます。

    後継者不足問題の解決や事業領域の拡大などを目的とした、様々な規模のM&A事例が見られます。このようなM&Aは、事業再生のために活用することもできるのです。M&A事例の多様化に伴い、M&Aによる事業再生の事例も今後増加する可能性があります。

    M&Aによって事業再生を行う場合、事業譲渡や会社分割など、それぞれの状況に合わせた適切な手法を選択する必要があります。専門家のサポートも受けつつ、それぞれの会社にとって最適な手法を選び、事業の継続につなげていくことが大切です。

    廃業ではなく事業再生を選ぶ会社が増えれば、それだけ社会全体にとっても大きな意味があります。そのための手法の一つとして、M&Aを活用した事業再生があるのです。

    M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

    M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
    M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

    M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

    1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
    2. M&Aに強い会計士がフルサポート
    3. 圧倒的なスピード対応
    4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
    >>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

    M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
    企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
    また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
    まずはお気軽に無料相談してください。

    >>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

    電話で無料相談WEBから無料相談
    • 02
    • 03
    • 04
    • 05
    ご相談はこちら