2022年6月6日更新会社・事業を売る

マイクロM&Aとは?メリット・デメリット、事例や注意点を解説

マイクロM&Aは、比較的規模が小さいスモールM&Aよりもさらに小規模なM&Aのことをいい、具体的には取引価格が1,000万円以下となるM&Aをさします。マイクロM&Aの概要や買い手と売り手それぞれのメリット・デメリット、行う際の注意店などについて解説します。

目次
  1. マイクロM&A
  2. マイクロM&Aとは何か
  3. マイクロM&Aのメリット・デメリット
  4. マイクロM&Aの流れ
  5. マイクロM&Aの注意点
  6. マイクロM&Aにおける専門家の選び方
  7. マイクロM&Aの事例
  8. まとめ

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マイクロM&A

昨今、M&Aが一般化してから海外のM&AであるクロスオーバーM&Aや比較的規模の小さいスモールM&Aなどのように、特定のM&Aを表現する言葉を聞いたことがある人も少なくないでしょう。このような特定のM&Aを表現する言葉に、マイクロM&Aというものもあります。

今回は、そのようなマイクロM&Aにスポットを当てて概要やメリット・デメリット、注意点などについてお伝えしていきます。

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マイクロM&Aとは何か

まずは、マイクロM&AとはどのようなM&Aなのかについて概要をお伝えしていきます。マイクロM&Aは、その名のとおり非常に小規模なM&Aのことをさします。具体的には、取引価格が1,000万円以下のM&AがマイクロM&Aに該当します。

マイクロM&Aは一般的なM&Aと比べてはるかに小規模であるため、個人が買い手になることも珍しくありません。詳しくは後述しますが、個人が会社を設立する際にマイクロM&Aを行うケースもあります。

もともと、マイクロM&Aのような小規模なM&AはM&A仲介会社も注目しないものでしたが、昨今は大企業だけでなく中小零細企業や個人事業主もM&Aを行うケースが増えており、マイクロM&Aにも対応してくれるM&A仲介会社が増えています。

マイクロM&AとスモールM&Aの相違点

冒頭でもお話しましたが、比較的規模の小さいM&AのことをスモールM&Aといい、知名度としてはマイクロM&Aよりもこちらの方が高いといえます。どちらも小規模のM&Aという点に違いはありませんが、スモールM&Aは1億円以下の取引価格となるM&Aをさします。

マイクロM&AとスモールM&Aの相違点は取引価格のみであり、1億円以下のM&Aを総じてスモールM&Aと呼ぶこともあります。

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マイクロM&Aのメリット・デメリット

マイクロM&Aにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?ここでは、買い手と売り手のそれぞれの立場から詳しくお伝えしていきます。

マイクロM&Aのメリット

まずは、マイクロM&Aのメリットを見ていきましょう。

マイクロM&Aの買い手のメリット

マイクロM&Aの買い手のメリットは、新事業を立ち上げる際のコストや時間、手間を省ける点にあります。新事業を立ち上げたい場合、既存の企業や事業を買収すれば設備や従業員、ノウハウなどをまとめて引き継ぐことが可能です。

加えて、顧客や取引先も引き継げるため新事業であっても軌道に乗せやすくなり、個人が買い手となってもこのメリットが得られます。例えば、会社の設立を考えている人がマイクロM&Aを行うことにより、自分で一から立ち上げるよりも早く事業を開始できます。

マイクロM&Aであればかかる時間や手間の多くを省くことができることから、実際に会社の立ち上げにあたってマイクロM&Aを行うケースが近年では少しずつ増えています。

マイクロM&Aの売り手のメリット

マイクロM&Aの売り手のメリットは、一般的なM&Aと同様に会社や事業を存続させられる点が挙げられます。個人事業主や中小零細企業は、資金調達の多くを融資に頼っており、なかなか借りられずに資金繰りが苦しくなりがちです。

しかし、M&Aを通じて大手の傘下に入れば融資に頼らない資金調達が可能になり、経営基盤を強化できます。また、事業承継においてもマイクロM&Aは有効的です。中小零細企業や個人事業主は規模が小さくともそこには守るべき雇用があり、地域にとって重要な役割を果たしています。

昨今は後継者不在に陥っていることが多く、高齢化によって経営者が引退となればそのまま廃業してしまうケースも少なくありませんが、M&Aを通じて第三者に経営を委託できれば、経営者が引退した後も事業を存続できるようになります。

また、近年は40代・50代のうちに経営者が引退して悠々自適とした老後の生活を送るハッピーリタイアメントを目的としたM&Aも増えています。

マイクロM&Aのデメリット

次に、マイクロM&Aのデメリットを見ていきましょう。

マイクロM&Aの買い手のデメリット

マイクロM&Aを行う際、懸念すべきデメリットは買収する企業や事業が抱えるリスクを取り込んでしまう点です。これは一般的なM&Aでも同じことがいえ、手法にもよりますが買収や合併を行うと負債なども引き継ぐことになります。

あらかじめ認識している負債ならまだ対応はしやすいですが、中には簿外債務のように帳簿に反映されていないリスクが隠れていることもあり、それがM&Aを行った後に露呈してトラブルに発展するケースは少なくありません。また、負債以外に訴訟などのトラブルも買い手は引き継ぐことになります。

マイクロM&Aの売り手のデメリット

M&Aは成功率が3割~5割程度といわれているほど失敗に終わる可能性が高いものであり、買い手との交渉で折り合いがつかないこともあれば、買い手を見つけられないまま断念するケースもあります。いくら小規模なマイクロM&Aでそれは同じであり、条件が合う相手が見つからなければ失敗に終わります。

また、条件が合う相手が現れるまでに時間がかかることも珍しいことではなく、やっと現れた相手に買ってもらおうと希望の取引価格よりも少ない金額で取引するケースも少なくありません。

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マイクロM&Aの流れ

マイクロM&Aは、基本的に以下のような流れで行われます。

M&Aの決定・候補の選別

まずはM&Aを行うことを決定し、候補を選別することから始まります。M&Aはある程度、時間やコストをかける経営戦略であるため、行うかどうかは経営陣でしっかり検討してときには第三者のアドバイスを受けて決定しましょう。

M&Aを行うことが決まったら、次は候補の選別です。たいていはM&A仲介会社や銀行などの専門家に依頼し、M&A案件を探すことが多く、取引先などを通じて探したりM&Aサイトを使って検索したりして経営者が自分で探すという方法もあります。

交渉

候補先が決まったら、M&Aを打診して先方が興味を示したらトップ面談を経て実際に交渉を始めていきます。基本的にM&Aは買い手と売り手双方の要求が衝突しやすいものであるため、この交渉が最終的な条件や取引価格を決定するといっても過言ではありません。

専門家のアドバイスも得ながら、しっかり交渉を進めていくようにしましょう。

最終契約・PMI

交渉がまとまり、双方が同意してからは最終契約を締結してPMIと呼ばれる経営統合を行うプロセスに着手します。このPMIは非常に重要であり、これがうまくいかずにM&Aが失敗となるケースも少なくありません。専門家のアドバイスを得ながら行って、M&Aを成功させましょう。

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マイクロM&Aの注意点

マイクロM&Aの注意点には、以下のものが挙げられます。

デューデリジェンスは大切に

マイクロM&Aに限らず、M&Aは交渉の過程で、デューデリジェンスという作業を行います。これは税務、財務、法務、人事などのさまざまな観点から売り手の会社や事業のリスクを洗い出す作業であり、売り手の価値やM&A後の経営に問題がないかどうかを決定づける重要なプロセスです。

デューデリジェンスにより簿外債務や訴訟などのリスクを確認できますので、決しておろそかにしないようにしましょう。

契約は丁寧に

マイクロM&Aのように、中小企業や個人事業が当事者になるM&Aでは取引価格が少額でスピーディーに進められる分、契約が雑になりがちです。また、最近はさまざまな契約書のサンプルがインターネットに流れているため、そこで間に合わせることも少なくありません。

しかし、契約はM&Aを行ううえで非常に重要なものであり、後々トラブルになったりM&A自体が無効化になったりすることもあります。特に契約書のサンプルを使用した場合、実際に行うM&Aとは違う内容となる可能性もあります。

そのため、交わす契約書は専門家のチェックを受けて間違いがないことを確認してから締結しましょう。

マイクロM&Aを成功させるには

上記の注意点やメリット・デメリットを踏まえたうえで、買い手となる場合は買収後の計画を綿密に行うことが重要です。特に事業の立ち上げをマイクロM&Aで行う場合は既存の基盤を活かして事業を安定させることはもちろん、将来事業をどのようにしていきたいのか計画を立て、それを実行していく必要があります。

また、売り手は売却条件についてある程度の妥協点を設定しておくことが大事です。中には希望価格に少しでも届かなければ交渉を終了する人もいますが、それではうまくM&Aを進めていくことができず、失敗に終わってしまうことになります。

これらのことは、M&Aの専門家の協力を得ていれば対策がとれるでしょう。専門家の協力のもと相手を探すことも大事ですが、M&Aをフルサポートしてくれる専門家の協力を得ることでマイクロM&Aの成功率が高まります

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マイクロM&Aにおける専門家の選び方

マイクロM&Aを行う場合、M&A仲介会社や、経営コンサルティング会社など専門家の協力を得ることをおすすめします。最近はスモールM&AやマイクロM&Aが増えていることもあって、マイクロM&AやスモールM&Aを専門としている専門家もいるほどです。

小規模のM&Aを専門としているところであれば、マイクロM&A案件の保有件数も多いため買い手は相手を探しやすくなりますし、売り手は満足できる価格で取引できる可能性が高まります。また、特定の業種を専門・得意としている専門家もいますので、業種に合わせて選ぶことも大切です。

実績は同規模案件の数を重視

専門家を選ぶにあたって、これまでの実績を見ることは重要です。しかし、マイクロM&AやスモールM&Aといった小規模のM&Aを専門・得意とする専門家がいるように、専門家によっては大規模なM&Aを得意とする専門家もいます。

もちろん、大規模なM&Aを得意とする専門家でもマイクロM&Aに対応してくれることもありますが、規模によってノウハウは変わるため、小規模なM&Aを多く手がけてきた専門家の方がスピード・安心感ともに優れています。

実績を見て専門家を選ぶ際は、同規模案件をどのくらい手がけてきたかを重視しましょう。

悪質な業者も存在する

専門家の中にはクライアントの利益を考えない悪質な業者も存在し、まったく力にならず高い報酬を支払わされることも多いため、専門家を選ぶ際は事前に評判や実績などをしっかり調べるようにしましょう。

しかし、評判や実績などは調べた情報が正しいかどうかの区別がつきにくく、結局は迷ってしまいます。信頼できる専門家をお探しの場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。

M&A総合研究所にはM&Aに関する知識・経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、これまで培ってきたノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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M&A・事業承継ならM&A総合研究所

マイクロM&Aの事例

最後に、マイクロM&Aの事例をご紹介します。

不動産会社Aの事例

地域に密着した営業をしている不動産会社Aですが、負債の増加によって経営が傾きつつあったことから、4人の従業員の雇用と事業を守るためにM&Aを決断。幸いにも大手不動産会社Bが事業規模の拡大を目指しており、不動産会社Aが扱う物件が目的に合致していることからマイクロM&Aを実施しました。

不動産会社Aは無事に不動産会社Bに買収され、大手の傘下に入ったことで経営基盤を強化して経営状態を改善できました。

この事例は、経営状況の改善をマイクロM&Aで成功させた典型例といえます。買収するメリットがあれば、大手が中小零細企業や個人事業をM&Aで買収する可能性があるのです。

個人事業主Cの場合

エステサロンを営む個人事業主Cは10年に渡って営業していましたが、体調不良により引退を考えるも後継者がいなかったため、一時は廃業を選択。しかし、常連客の要望もあってエステサロンを継続することを決意し、個人事業主CはM&A仲介会社の協力を得てエステサロンの経営を夢見ていたDを出会いました。

互いのニーズが一致していたため、個人事業主CはDにエステサロンを買収してもらい、個人事業主Cは無事引退できました。この事例は、事業承継と事業の立ち上げを目的としたマイクロM&Aの典型例といえます。

マイクロM&Aは数百万円程度の取引価格になることもあり、個人でも買収可能です。そして、すでに構築されている基盤を活用して経営できます。売り手としても、M&Aを活用して後継者をより広く求められるようになります。

まとめ

マイクロM&Aは、M&Aが中小零細企業や個人事業主にまで浸透している証拠であり、いまでは個人が事業を立ち上げる際の手段としても活用されていて今後も実行する企業や個人は増えていくと予想されます。しかし、規模が小さくてもM&Aであることは変わりません。

M&Aにはメリット・デメリットがあり、実行の際は専門的な知識や交渉力などが不可欠です。自身もプレイヤーとして経営だけでなく現場で懸命に働いている傍ら、M&Aを進めていくことは至難の業ですので、迷わず専門家の協力を得るのがベストです。

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