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2021年4月25日更新節税
相続税評価額を用いた節税
事業承継によって株式や不動産を相続する際には、相続税の支払いを考慮する必要があります。相続税評価額を知っておくことで、事業承継の節税対策にもつながります。この記事では、相続税評価額を知るメリットや具体的な計算方法についてご紹介します。
相続税評価額を用いた節税
家族や親族が亡くなり、何らかの財産を相続する時に重要視すべきなのが「相続税評価額」です。株式や不動産等を相続する際は相続税の支払いを踏まえて、その価額を算出しておく必要があります。
相続税評価額は、その際に算出された価額を指します。相続税評価額の計算方法を把握しておけば、相続税の計算に役に立ちます。
また、事業承継によって株式や不動産を相続する際にも相続税の支払いを考慮しなければなりません。相続税評価額を知っておくことで、事業承継の際の節税対策にもつながります。
相続税評価額を知っておくメリット
相続税評価額を知っておくメリットは、何よりも「相続税対策」です。家族や親族が亡くなった際、相続すべき財産は様々な形で残されます。
基本的に相続する財産の価値は、亡くなった日の「時価」が基準になります。この「時価」をいかに把握しておくかが、相続税対策を立てる上で重要です。なぜなら、この時価に対して相続税が課税されるからです。
相続する財産が現金ならば、時価の計算は不要です。株式の時価も、上場株式であればすぐに把握できます(非公開の株式は、少し手間がかかります)。しかし、相続すべき財産の中に不動産が含まれている場合、時価を求めるには少々手間がかかります。
土地の時価は簡単には調べられませんし、不動産鑑定士をはじめとするプロに依頼するとお金がかかってしまいます。そもそも土地の価格は売り手と買い手の交渉結果で算出するケースが多いため、どうしても価値は不安定になります。
そこで役に立つのが「相続税評価額」です。相続税評価額は、文字通り相続税が課税される財産の評価額を示します。相続税評価額を計算できれば、課税される相続税の額をおおよそ把握することが可能です。おおよその金額を知っておけば、その金額に応じて相続税対策も立てやすくなります。
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相続税評価額の計算方法
ここでは、不動産の相続税評価額の計算方法を紹介します。
まず理解しておきたいのが、相続税評価額=時価ではないという点です。確かに時価は、対象となる物のその時点での価値を示します。しかし、相続税評価額はあくまで「相続税が課税される分」に対する評価額です。
相続税評価額が実際の時価と金額が異なっているケースは珍しくありません。時価より安い金額になっているケースもあります。以上を踏まえた上で、不動産の相続税評価額の計算方法を順に解説します。
不動産の相続税評価額を計算する際は、以下のステップで行います。
- 不動産の土地面積を把握
- その地域の路線価を調べる
- 路線価と面積を掛ける
- 様々な要素を踏まえて計算する
それぞれのステップを順に見ていきましょう。
①不動産の土地面積を把握
相続税評価額の計算をする前に、相続税評価額を調べたい不動産の土地面積を把握しましょう。この面積を把握しておかなければ、相続税評価額の計算には進めません。
土地の面積を知る方法はとても簡単です。固定資産財を支払った際に(毎年4~5月頃)届く納税通知書や、法務局でもらえる不動産の登記簿謄本に土地面積が記載されています。その記載内容を確認すれば不動産の土地面積を把握することができます。
その土地を第三者と共有している場合であれば、自分の持分が基準となります。持分については忘れてしまいがちですが、こちらも法務局でもらえる不動産の登記簿謄本で確認することができます。
②その地域の路線価を調べる
土地の面積が分かったら、次はその地域の路線価を調べましょう。路線価とは、その地域の路線に面している土地の1平米あたりの評価額を指します。路線価は相続税評価額を算出する際に重要なものです。
路線価の調べ方も簡単です。国税庁のホームページに入れば、全都道府県の路線価を調べられます。これを使って、その地域の路線価を確認してください。
一つ気を付けておきたいのは、年度ごとに路線価が変わる点です。「去年と比べて路線価が上がっていた」といったケースもあるため、土地を持っている人は年ごとに路線価を確認する必要があります。
③路線価と面積を掛ける
相続する土地の面積と路線価が分かったら、その二つを掛け合わせます。そうすれば、その土地のおおよその時価=評価額が出てきます。
後述しますが、相続税評価額を算出する際には、さらに計算を行う必要があります。ただし、おおよその目安となる評価額を知りたい場合には、これだけで計算は完了となります。
路線価を利用しての節税
土地の相続税評価額を決めるのに、路線価は重要な意味を持ちます。相続する際に土地を分筆することで大幅に相続税評価額を下げることができ、節税につながるケースもあります。
例えば、相続する土地が2つの道路に面しているケースです。その場合、相続税評価額を算出する計算には高い方の路線価を採用することになります。一方の道路の路線価が50万円、もう一方の道路の路線価が30万円であれば、この土地の相続税評価額を計算する際に採用する路線価は50万円です。
そこで、土地を分筆(複数に分割して登記し直すこと)して相続を行い、一方の土地を路線価の高い方の道路に面していない状況にすることで相続税評価額を下げることが可能です。その結果、一方の土地の相続税評価額の計算には安い方の路線価を採用することができ、節税が可能になります。
④様々な要素を踏まえて計算する
上記に加え、様々な要素を踏まえて計算すれば、より正確な相続税評価額を算出可能です。その際に意識したいのが、「いかにして相続税評価額を下げるか」です。
評価額が下がると聞くと悪い印象を持つかもしれませんが、相続税対策においては非常に重要なプロセスです。なぜなら相続税は、累進課税制度によって課税されるからです。相続の際に取得する金額が大きいほど、その税額は増加します。
できるだけ相続税評価額を下げておくことによって、取得する金額も減額します。その結果、支払う相続税も安くなります。
相続税評価額に影響する要素
相続税評価額の計算に影響する要素は数多くあります。全てを挙げるのは難しいので、ここでは代表的なものを2つ紹介します。
①土地の形状や広さ
土地の形状や広さが、評価額に影響するケースは多いです。「何かを建築するには土地の形が悪い」、「あまりに土地が広すぎて使いづらい」といった理由で評価額が下がることがあります。こうした要素を踏まえて、相続税評価額を計算する必要があります。
しかし、どの要素が相続税評価額を動かすのかを判断するのは難しく、計算方法も複雑です。とりわけ土地の大きさの評価額計算に関しては、平成30年度以降に「広大地評価」から「地積規模の大きな宅地の評価」へと基準が変わりました。
事業承継の際に相続税評価額を算出したい場合は、M&A仲介会社などの専門家に依頼するのがおすすめです。
M&A総合研究所には専門家が多数在籍しており、蓄積されたノウハウを活かして事業承継をフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますので、M&Aによる事業承継をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
②土地に建っている建物
その土地に立っている建物によっても、相続税評価額は変わります。よく「アパート等の不動産に変えておくと相続税対策になる」と言います。これは間違いではありません。
土地は購入した段階で、本来の評価額から2割引されます。そして、その土地にどんな建物を建てるかによって、さらに相続税評価額が下がります。例えばアパートを持っておけば、2割引だった相続税評価額がさらに2割引されるケースもあります。
その結果、相続税の節税にもつながります。ただし不動産の建設や管理には、それなりの費用と手間がかかります。したがって、専門家のアドバイスを得ながら実施することをおすすめします。
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まとめ
素人でも土地の面積や路線価を知っておけば、おおよその相続税評価額を算出できます。しかし、相続税評価額をより細かく算出したい時は、税理士の力を借りる必要があります。
ただし、税理士なら誰でもいい訳ではありません。税理士は専門とする分野によって得意・不得意があります。また、その手腕によってどれだけ減税できるかも変わります。
税理士の力を借りたいならば、実績や専門としている分野をしっかりと調べ、信頼できる税理士に相続税評価額の算出を依頼するようにしましょう。
要点をまとめると下記になります。
・相続税評価額を知るメリット→相続税対策を立てやすくなる
・相続税評価額の計算方法①不動産の土地面積を把握
②その地域の路線価を調べる
③路線価×土地の面積
・相続税対策のポイント
→相続税評価額を極力下げる
・相続税評価額に影響する要素→土地の形状や広さ、土地に建っている建物
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