2022年4月28日更新会社・事業を売る

M&A失敗の要因とは?対応策、成功割合を解説【日本・海外企業の事例あり】

本記事では、M&Aの失敗はなぜ起こるのかについて徹底的にまとめました。M&A失敗の定義、M&Aの失敗・成功割合、有名企業・中小企業・海外企業それぞれのM&A失敗事例、M&A失敗の要因・パターン、M&Aの失敗を防ぐ方法と対策などを解説しています。

目次
  1. M&Aにおける失敗とは?定義を紹介
  2. M&Aの失敗・成功割合とは?
  3. 大企業・有名企業のM&A失敗事例
  4. 中小企業のM&A失敗事例
  5. 海外企業のM&A失敗事例
  6. M&A失敗の要因・パターン
  7. M&Aの失敗を防ぐ方法と対策
  8. M&Aを失敗したくないなら仲介会社に相談を
  9. M&A失敗の要因まとめ
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M&Aにおける失敗とは?定義を紹介

M&Aの成功・失敗は、観点により判断が分かれる場合があります。そこで本記事では、一般的に考えてM&Aの失敗と断定できるであろう事態として、以下の4つを定義とすることにしました。

  • 粉飾決算の露呈
  • のれんの減損損失を行う
  • 買収金額を回収できない
  • 企業イメージの低下

粉飾決算の露呈

M&Aの買い手は、売り手企業の業績に着目します。業績を示すのが決算書です。しかし、M&A後、売り手企業が粉飾決算をしており、実際には赤字企業であったことが明るみになった場合、買い手は大打撃を受けます。赤字の度合いによっては、買い手も経営危機に追い込まれかねません。

これは、デューデリジェンス(買収監査)が不十分であったと考えられます。しかし、売り手側が意図して行った粉飾決算であり、資料や情報を隠されてしまうと簡単には見抜けないかもしれません。

のれんの減損損失を行う

のれんとは、売り手企業の無形資産に対する評価額をさします。無形資産とは、特許・商標・著作権などの知的財産、ノウハウ、ブランド力、営業・販売ネットワーク、顧客・取引先リストなどです。別の表現をすれば、M&Aでの買収価額と売り手企業の純資産額との差額が該当します。

のれんは、買い手企業の連結財務諸表に計上し減価償却していくものです。ただし、M&A後、売り手企業の業績悪化により評価が下がる場合、のれんの価値を修正しなければなりません。つまり、のれんの金額を下げることになり、これが減損処理です。減損損失が生じれば、買い手企業の決算には悪影響となります。

買収金額を回収できない

M&Aの買い手側が、売り手企業の有望さなどに過度の期待を抱いてしまった場合などに起こるのが、高額での買収です。しかし、M&A後、2~3年程度で買収金額を回収できなかった場合、それは過大評価による高額買収をしてしまった=M&Aの失敗と言えるでしょう。

企業イメージに悪影響を与える

売り手企業が非上場の中小企業の場合、上場企業のようなリスクマネジメントを行っていないため、以下のような問題を潜在的に抱えている可能性があります。

  • 各種ハラスメント問題
  • コンプライアンス問題
  • 労使問題
  • 環境汚染
  • 訴訟リスク

M&A実施後、上記のいずれかが発生・発覚した場合、買い手企業のイメージ低下は避けられず、M&Aの失敗と位置付けられます。また、文化や慣習、宗教などが異なる海外企業とのM&Aでも、この問題は起きやすいので注意が必要です。

【関連】零細企業がM&Aを成功させるコツと注意点!仲介会社は使用すべき?| M&A・事業承継の理解を深める

M&Aの失敗・成功割合とは?

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「2020年M&Aの実態調査」によると、年間売上高300億円以上の国内企業277社に行ったアンケートでは、まず、国内企業との間で過去5年間に行ったM&Aの成果について以下のような結果でした。

  • 期待を上回る成果:9%
  • 期待どおりの成果:63%
  • 期待した成果は得られていない:24%
  • かなり期待を下回っている:4%

次に、海外企業とのの間で過去5年間に行ったM&Aの成果は以下のような結果です。

  • 期待を上回る成果:7%
  • 期待どおりの成果:54%
  • 期待した成果は得られていない:36%
  • かなり期待を下回っている:3%

年間売上高300億円以上の大企業のM&A成果なので、それよりも規模の小さい企業の場合は数値が変動するかもしれませんが、この調査では、国内企業とのM&Aは成功率が約7割・失敗率が約3割、海外企業とのM&Aは成功率が約6割・失敗率が約4割ということになります。

以前は、もっと成功率が低く失敗率が高いものとされてきており、この数値は改善傾向にあることも示していると言えるでしょう。また、海外企業とのM&Aの方が難易度が高いこともわかりました。いずれにしろ、M&Aの成功率が上がっている1つの要因として、自社に適したM&A仲介会社の起用があります。

自社が目指すM&Aの内容・目的をよく理解し、M&Aの知識だけでなく当該業界への知見も持つM&A仲介会社選びがポイントです。そのようなM&A仲介会社をお探しでしたら、一度、M&A総合研所までご連絡ください。

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大企業・有名企業のM&A失敗事例

日本の大企業・有名企業でも、M&Aに失敗した過去がありますので、その事例を紹介します。

  1. 東芝のM&A失敗事例
  2. キリンホールディングスのM&A失敗事例
  3. 第一三共のM&A失敗事例
  4. グリーのM&A失敗事例
  5. セブン&アイホールディングスのM&A失敗事例

①東芝のM&A失敗事例

東芝が巨額損失の計上により、東証二部に降格したのはつい最近の出来事です。電気機器業界でトップに君臨してきた東芝が、経営危機に陥るとは思いもよらなかったでしょう。東芝が経営危機に陥った背景には、海外企業とのM&Aの失敗があります。

2006(平成18)年に東芝は、アメリカの原発大手「ウェスチングハウス」とM&Aを実施しました。この買収は、将来的に原発運営を主力事業とする目的で実施されたものです。確かに、当時はエネルギー不足が予測されていたので、その時点ではM&Aが失敗するとは誰も予想しませんでした。

しかし、2011(平成23)年の東日本大震災により、原発の安全性に対して世界的に懸念が強まった影響もあり、当初の想定に反して、収益を得られない事態となってしまったのです。このM&Aでは、のれん代として3,300億円が計上されました。

そのうち2,600億円もの減損損失が生じ、その後、再びM&Aに失敗し、7,000億円を超える損失を計上してしまいます。2度にわたるM&Aの失敗によって、東芝は債務超過に陥りました。M&A失敗の要因は、M&A後に買収先の収益が悪化した点です。

②キリンホールディングスのM&A失敗事例

飲料メーカーとして知られるキリンホールディングスも、海外企業とのM&Aに失敗しています。2011年にキリンホールディングスは、ブラジルのビール大手「スキンカリオール」とM&Aを実行しました。その時の買収額は、約2,000億円にのぼります。

日本国内では、今後ますます人口減少が予想されており、人口が減少すれば当然市場は縮小して、売上や利益を得られなくなるでしょう。キリンホールディングスの経営陣は、海外進出の必要性を感じていたため、新興国であるブラジル市場に目をつけたのです。

その後、ブラジルの経済発展が進めば、M&Aは大成功となっていたでしょう。しかし実際には、予想に反してブラジルの景気は低迷してしまい、その結果、2015(平成27)年度には、減損損失1,100億円を計上してしまったのです。ただし東芝のM&A失敗例とは違い、キリンホールディングスは最小限の損失に収めました。

キリンホールディングスは2017(平成29)年、ブラジルの子会社を770億円で売却できたことで、このM&Aによる最終的な損失は、約340億円程度にとどめられたのです。M&A単体で見るとかなりの大失敗となりましたが、経営全体への被害を最小限に収めた点では、素晴らしい経営判断でした。

③第一三共のM&A失敗事例

製薬会社として有名な第一三共も、海外M&Aの失敗例が有名です。2008(平成20)年、第一三共は、インドの後発医薬品メーカー「ランバクシー」とM&Aを実施しました。買収金額は当時のレート換算で、約4,900億円にもおよぶ超大型M&A案件だったため、多くの注目を集めましたが、このM&Aは最終的には失敗に終わるのです。

2014(平成26)年、第一三共は、保有するランバクシーの全株を売却して多額の損失を被ったうえで、後発医薬品事業から撤退する結果となりました。当時は、国内最大のM&A失敗例ともいわれたくらいの規模です。このM&Aの失敗の要因は、デューデリジェンスの結果を軽視した点にあります。

実は、M&Aの時点でランバクシーが生産した医薬品は、品質問題によりアメリカへの輸出を禁止されていました。しかし、第一三共はこの点に対応を講じておらず、売り手企業の責任をM&Aの契約書に記載しなかったのです。結果として、第一三共が全ての責任を負う事態となってしまいました。

当然、M&A後に想定していた収益は得られません。このM&A失敗例は、東芝やキリンの失敗例と比べると失敗を回避出来る可能性は高かったにも関わらず、M&Aの実施を急ぐあまり、失敗するリスクを過小評価してしまいました。この点が、第一三共がM&Aに失敗した最大の要因です。

④グリーのM&A失敗事例

グリーは、2012(平成24)年に開発力を評価して、ゲーム会社のポケラボを買収しました。ポケラボは人気のソーシャルゲームを次々と輩出し、当時のスマホゲーム業界を牽引していた会社です。

そのポケラボが、グリーに買収された当初は売上を大きく伸ばすなど業績は好調でしたが、スマホゲームの主流が変わるにつれて、業績は大きく低迷しました。その結果、グリーは2015年、買収額とほぼ同額の評価損を計上することになったのです。

M&Aを行ったシナジー効果が、実質的に全て失われてしまいました。これは業界の動向や、顧客のニーズを読み切れず、せっかく買収したポケラボのポテンシャルを活かせなかった、グリーの失敗が明確だといえるでしょう。

⑤セブン&アイホールディングスのM&A失敗事例

セブン&アイホールディングスは、累計2,300億円をかけ、2006年にそごう・西武の株式を過半数取得し、その後、株式交換をして完全子会社化しました。

その後、セブン&アイホールディングスはそごう・西武の再建に務めましたが、成果は上がらず挙句の果てには、セブン&アイホールディングスグループ全体の成長の足を引っ張るようになってしまったのです。

結局、セブン&アイホールディングスは、そごう・西武とのM&Aについて多額の評価損を計上することになり、M&Aは失敗の烙印を押されることになりました。この失敗事例は、コンビニ事業と百貨店事業のかみ合わせの悪さが、最後までたたっていたといえるでしょう。

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中小企業のM&A失敗事例

ここでは、中小企業のM&A失敗事例を紹介します。当時会社が開示している情報ではないため、匿名での紹介です。

  1. 着手の遅れを理由とするM&A失敗事例
  2. 情報漏えいを理由とするM&A失敗事例
  3. 経営者一族の不仲を理由とするM&A失敗事例
  4. 譲渡側の不誠実な対応を理由とするM&A失敗事例

①着手の遅れを理由とするM&A失敗事例

これは、後継者不在の中小企業で発生しやすいM&Aの失敗事例といえます。後継者不在で、なおかつ代表者が高齢に差しかかれば、本来、事業承継は緊迫の課題です。廃業を避けるには即刻、M&Aを検討すべきですが、代表者はどうしても日常業務を優先し後回しにしてしまいました。

そうこうしているうちに時間が経って代表者の引退時期もいよいよ近づき、また業績も伸び悩むようになってようやく、顧問税理士にM&Aの相談をします。税理士のネットワークで買い手候補が現れましたが、最終的には話がまとまりませんでした。

おそらくは、業績も好調だった、もっと早い時期からM&Aの実施を検討・決断していれば、M&Aが成約する可能性は高かったと思われます。

②情報漏えいを理由とするM&A失敗事例

事業承継を目的にM&Aを決断した売り手側企業は、M&A仲介会社に相談しました。業績も順調だった売り手側に対し、買い手候補もすぐ見つかり交渉は順調に進みます。条件も大筋でまとまったため、基本合意書が締結されました。基本合意書には法的拘束力はなく、この時点でM&A成約が決まったわけではありません。

売り手企業代表も、その説明はM&A仲介会社から受けていましたが、合意書締結の安心感から一部の従業員にM&A成約の見通しを話してしまいました。その結果、ほとんどの従業員がM&Aのことを知ることになり、さらにそこから取引先にまで話が漏えいしてしまったのです。

これを知った買い手側は激怒し、信頼関係が壊されたという理由でM&Aは破談となりました。

③経営者一族の不仲を理由とするM&A失敗事例

創業者の父親から受け継ぎ、兄が社長、弟が副社長を務める会社におけるM&A失敗事例です。兄の社長主導で新規事業に参入しましたが、思ったような業績にはなっていませんでした。そこで弟の副社長は、この新規事業の売却を思い立ち、知り合いの経営コンサルタントに相談します。

経営コンサルタントの紹介で、事業譲渡に関心を示す企業が現れました。しかし、ここまで副社長の独断で話を進めていたため、それを知った社長が激怒し、弟を解任しM&A交渉も打ち切ってしまったのです。兄弟がコミュニケーションを取り、適切な経営判断をしていたらこのような失敗は発生しなかったでしょう。

④譲渡側の不誠実な対応を理由とするM&A失敗事例

地域において一定の知名度があった売り手側企業は、事業承継のためにM&Aを決断しました。知名度と堅実な実績があったので、仲介業務を依頼されたM&A仲介会社も、すぐに買い手候補を見つけてきます。交渉が始まり条件もまとまったので、基本合意書締結までこぎ着けました。

その直後、売り手企業代表は、「自社の知名度や実績なら、もっと高く売れる」と考え、売却額の上積みを要求したのです。基本合意書の内容をほごにするような不誠実な発言・態度に対し、買い手側は態度を硬化させ、結局、M&Aは破談となってしまいました。

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海外企業のM&A失敗事例

ここでは、海外の有名企業のM&A失敗事例を紹介します。

  1. マイクロソフトのM&A失敗事例
  2. BMWのM&A失敗事例

①マイクロソフトのM&A失敗事例

マイクロソフトは2014年に、フィンランドの携帯電話ベンダー「ノキア」を買収しました。日本円にして、約7,130億円を投入したかなり大型のM&Aですが、これはマイクロソフトがスマートフォン分野の開発を進め、GoogleやAppleとの競争力を高めることが狙いです。

しかし、スマートフォンの販売事業が低迷していたために、結局、業績は低迷を続けてしまいます。結果的に、マイクロソフトは2015年に、買収額を超える約7,600億円の減損損失を出す結果となってしまいました。

②BMWのM&A失敗事例

BMWといえばドイツの大手自動車メーカーであり、世界的に有名な会社です。BMWは、1994(平成6)年にイギリスの自動車メーカー「ローバー」を買収しました。このM&Aは、経営難のローバー救済のためだったといわれていますが、結局、経営を建て直せず、2000(平成12)年頃には大赤字となってしまいます。

この失敗事例では、BMWとローバーは同じ自動車メーカーであってもターゲット層に差があったために、M&Aによるコスト削減や事業の効率化などのシナジー効果が少なかったことが要因として挙げられるでしょう。

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M&A失敗の要因・パターン

M&Aの失敗には、いくつかの要因やパターンがあります。特に以下の4点が顕著です。

  1. 買収先との関係悪化
  2. M&A仲介会社の選定失敗
  3. 事前の確認・調査不足
  4. クロージング後の対応
  5. M&Aの目的が不明瞭
  6. 現実味のない価格・条件設定
  7. 社員の流出
  8. 経営統合(PMI)の遅れ

①買収先との関係悪化

買収先が顧客や取引先を失い、新たな顧客や取引先の確保ができず、経営にダメージが生じる失敗例です。具体的には、以下の3つの理由があります。

  • M&A進行中に買収先の業績が悪化
  • コンプライアンス違反
  • チェンジオブコントロール条項に抵触

M&A進行中に買収先の業績が悪化

一般的に、M&Aの検討からクロージングまで約半年から1年かかるとされています。その間に、買収予定先の業績が悪化する可能性は、ゼロではありません。業績が悪化した場合、M&Aを実行する価値や意味合いが大きく変化します。このような事態を避けるためにも、買収予定会社の慎重な選定がポイントです。

コンプライアンス違反

コンプライアンスとは、法令を遵守することを意味します。コンプライアンス違反は、提訴や行政処分の対象です。コンプライアンス違反によって信頼を失うだけでなく、結果的に顧客や取引先まで離れていってしまい、その結果、M&Aは失敗に終わります。

チェンジオブコントロール条項に抵触

チェンジオブコントロール条項とは、取引先との契約において、一方の企業にM&Aなどによる経営権の移動が生じた場合、もう一方は契約内容の制限や解除ができることを定めたものです。

取引相手が売却側企業にとって事業の根幹であった場合、チェンジオブコントロール条項により、M&Aでその関係がなくなるかもしれないのは、買収側にとって大きなリスクになります。その懸念が大きい場合、M&Aは成約しづらく失敗に終わる可能性が高いでしょう。

②M&A仲介会社の選定失敗

M&Aは、仲介会社の選び方によっても、成否が分かれることがあります。全てのM&A仲介会社が全業種に対応できるわけではありませんし、M&Aの規模に対する得意・不得意などもあるのが実情です。また、仲介契約に、M&A仲介会社にとって都合がいい条項を設けるケースもあります。

代表的なものとしては、そのM&A仲介会社のみに業務を委託することを定める「専任条項」や、実質的にクライアントの利益よりもM&Aの成立を優先することを決めてしまう「双方代理条項」などです。これらのような条項には十分に注意するようにしましょう。

いずれにしろ、M&A仲介会社の良し悪しや自社への適性を見極めるコツは、会社の実績や評価がどうなっているかを丹念に調べることです。公認会計士のような財務の専門家が在籍しているのかどうかも、M&A仲介会社の力量を知るうえでの指針になるでしょう。

M&A仲介会社をお探しであれば、ぜひ一度、M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所には、M&Aの知識・経験豊富なアドバイザーが多数、在籍しており、専任となってM&Aをフルサポートいたします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。事前の相談も無料で承っておりますので、M&Aをご検討の際には、お気軽にお問い合わせください。

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③事前の確認・調査不足

事前の確認不足や調査不足により、相手企業からの信頼を失ってしまう失敗例です。2つの企業が統合すると、得るものと同時に失うものも出てきます。社内での確認や相手企業の調査を怠ると、後に大きな問題として浮上してしまうのです。その結果、M&A自体が失敗する可能性が高まります。

具体的な確認・調査不足の例としては、以下の3つです。

  • 双方の意思の確認不足
  • 社内資料の整備不足
  • デューデリジェンス不足

双方の意思の確認不足

双方の意思の確認不足のせいで、M&Aがうまくいかないことは珍しくありません。企業同士は合意していても、役員や株主がM&Aに反対するケースがあり、このような場合にはM&Aの交渉が頓挫する可能性があるのです。M&A手法の中には、取締役会や株主総会の決議などが必要なものもあります。

役員が反対すれば取締役会の決議が危うくなり、株主が反対すれば株主総会の決議に通りません。株主総会の決議が得られなければ、その時点でM&Aは失敗となります。

社内資料の整備不足

中小企業にありがちなのが、社内資料の整備不足で株主・株券の名簿がきちんと管理されておらず、経営者のみが株主を把握しているという失敗例です。最低でも直近3年分の株主総会議事録と、直近3ヶ月分の取締役会議議事録は保管しておく必要があります。

株主総会議事録と取締役会議議事録が整備されていないと、会議に重きを置かない企業だと認識されてしまうので、気をつけなければなりません。簿外債務が過剰に存在する場合にも、会社としての信用が一気に低下してしまい、M&Aの交渉が決裂する可能性が跳ね上がってしまいます。

このような失敗を回避するためにも、事前に社内で確認して不安要素を取り除いておきましょう。

デューデリジェンス不足

デューデリジェンスが不足しているせいで失敗する例も多いです。デューデリジェンスとは、買収先企業の健全性や将来性を調査する手続きのことであり、買収先の財務や税務などの問題を見落とすと、後の経営に悪影響が出るおそれがあります。

最も注視すべきは、人材の調査です。特に海外企業とのM&Aを実施する際は、評価基準を細かく設定したうえで、慎重に調査する必要があります。簿外債務があるかどうかもチェックしておかなければ、後々トラブルになりかねません。

買収先が簿外債務について言及していない場合でも、デューデリジェンスの際にくわしく確認しておくべきです。M&Aの失敗を避けるためには、入念なデューデリジェンスは不可欠だといえます。

④クロージング後の対応

M&A成約後の不誠実な対応によって、M&A自体が中止になったり経営が悪化する失敗例もあります。M&A後にシナジー効果を生み出すためには、双方が気持ち良くM&Aを進行できるように心がける必要があり、クロージング後も誠実な対応は必須です。

M&Aを実施できても、結果的に経営が悪化してしまってはM&Aは失敗となります。不誠実な対応の例としては、以下の2つです。

  • 合理性のない条件変更
  • クロージング後の買い手企業の雑な対応

合理性のない条件変更

合理性のない条件変更とは、具体的には下記のようなものになります。

  • ある程度、契約に合意しておきながら直前で譲渡価額を下げて欲しいと要求 (買い手側)
  • 今後、買収に興味を示す企業が現れるかもしれないという理由で価額アップを要求 (売り手側)

このように、自社の都合のみで条件を変更しては、円滑にM&Aを実施できません。条件が飲めないのを理由に情報提供を渋るなどの行為も、相手企業に不快な印象を与えます。誠実な対応を心がけることで、お互いに利益を出せるM&Aにできるでしょう。

クロージング後の買い手企業の雑な対応

クロージング後、買い手企業が雑に対応してM&Aが失敗してしまうという例もあります。買い手企業は、特に人材や資産の扱いに注意が必要です。M&Aでは異なる企業同士が1つに統合されます。多少の溝があったり、解釈の違いが出てしまうのは当然のことですので、M&A後は互いに誠実な対応を心がける必要があります。

不誠実な対応をとってしまうと、下記のような失敗につながる可能性が高くなるので十分に注意しましょう。

  • 優秀な人材の流出
  • 従業員同士の連携不足による経営悪化 

このようなことになってしまっては、M&Aは実現できても結果としては失敗したという状況になってしまいます。

⑤M&Aの目的が不明瞭

本来、買い手としてM&Aの実施により何を目指すのか、明確な目的があるはずです。しかし、なかには、M&Aをすれば業績が上がるだろう程度の思惑でM&Aを実施しようとしているケースがあります、つまり、M&Aすることが目的になってしまっているのです。

このような場合、M&Aの目的が不明瞭であるために売却側企業への的確な評価ができず、成約がおぼつきません。また、成約できたとしても、その後の経営統合なので苦労し成功しない場合がほとんどです。

⑥現実味のない価格・条件設定

複数の買収候補がいるような売却側に対し、買い手側としてM&Aの成約を焦るあまり、買収価額を無駄に上乗せするケースがあります。いくら有望な売却側であったとしても、のれん分として評価する金額については、M&A仲介会社のアドバイスを聞いて適切に判断しましょう。

上乗せし過ぎた買収価額にしてしまうと、成約後、その回収に時間がかかったり、評価損により減損処理しなければいくなくなったりなど、M&Aが成功したとはいえない事態になります。

⑦社員の流出

売却側の従業員は、どうしてもM&Aについて不安感や反発心を覚えがちです。そのような精神状態のときに、経営統合で買い手側が高圧的に接したりすると、離職する従業員も出てきます。それが、売却側の事業でキーマンであった場合や、大量の離職者が出た場合、事業にとって大きなダメージです。

場合によっては、M&Aの目的が達成できない可能性すらあります。したがって、このような社員の流出は極力、起こらないよう、細心の注意が必要です。

⑧経営統合(PMI)の遅れ

経営統合(PMI=Post Merger Integration)は、買い手にとってM&Aの最も重要なプロセスです。経営統合では、以下のそれぞれについて買収側と売却側の統合を行います。

  • 管理制度
  • 経理システム
  • ITシステム
  • 業務システム
  • 就業規則などの社内規定
  • 人事評価制度などの給与規定
  • 組織再編・再配置
  • 企業風土

上に挙げたものをスムーズに統合を行っていくには、デューデリジェンスの段階から経営統合計画を立てスケジューリングしておく必要があります。また、その計画に必要な売却側の情報を得る意味でも、デューデリジェンスは重要です。

このように、周到に経営統合計画を準備しておかなかった場合、経営統合がなかなか進まず、想定していたような業績向上が見られないでしょう。

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M&Aの失敗を防ぐ方法と対策

M&Aを成功させるうえでは、まず失敗を避けるという考え方が最重要です。M&Aを失敗に終わらせないためには、下記のような対策があります。

  1. M&Aの目的に応じた戦略策定
  2. 自社にふさわしい相手先選び
  3. 適切なバリエーションの実施
  4. デューデリジェンスの徹底
  5. 経営統合の綿密な準備

①M&Aの目的に応じた戦略策定

経営戦略であるM&Aは、言い換えれば会社の成長戦略を実現する手段です。したがって、買収側としては、会社の将来における成長戦略に沿ったM&A戦略を練る必要があります。特にM&Aに慣れていない企業であれば、このM&Aの戦略策定のタイミングからM&A仲介会社などの専門家に相談して進めるのが得策です。

M&A専門家の知識・経験を活用し、戦略策定を行いましょう。

②自社にふさわしい相手先選び

M&Aを実施するうえで、自社に適した相手を選ぶことは、買収側・売却側どちらにとっても重要です。特に買収側においては、M&A成約後の業績向上が達成できる相手を選ばなければなりません。その選択の際にポイントになるのは以下のような点です。

  • シナジー効果の親和性の高さ
  • 財務の健全性
  • 新規事業の獲得の場合、その事業に知見のある人物や機関のアドバイスを受ける

③適切なバリエーションの実施

バリエーションとは、企業価値評価のことです。M&Aにおける企業価値評価とは、売却側企業が持っている資産や負債、現在の業績などから換算し、買収額交渉の基となる金額を算出することをさします。バリュエーションは、以下の3系統に分類されるさまざまな専門的算定方法を駆使するものです。

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

複数の算定方法を組み合わせるケースも多いので、いずれにしろ、公認会計士やM&Aアドバイザーなどの専門家に依頼するしかありません。

④デューデリジェンスの徹底

デューデリジェンスとは、買収側が行う売却側に対する精密監査です。財務・税務・法務・労務・IT・ビジネス(事業)などの分野ごとに、士業などの専門家を起用し1~2カ月程度の時間をかけて調査が行われます。デューデリジェンスの目的は以下の3点です。

  • 的確なバリュエーションを行うための経営情報の入手と内容の確認
  • 偶発債務などの簿外債務、訴訟リスクなどM&A後の経営にダメージをもたらすものが潜んでいないかどうかの調査
  • PMIの計画策定に必要な売却側企業の情報収集

デューデリジェンスをおろそかにすると、大体のケースでM&A後、問題が起きています。手間と時間を惜しまず、徹底したデューデリジェンスが必須です。

⑤経営統合の綿密な準備

買収側にとって、M&A成約がゴールではありません。成約はスタートであり、経営統合が問題なく果たせるかどうかがM&Aの成否を分けます。そのためには、デューデリジェンスで得た情報を有効に使い、買収側・売却側のどちらにも支障が出ない経営統合計画策定がキーです。

M&Aが成約しクロージング(契約内容の履行)が終了したら、すぐに経営統合を始めなければなりません。したがって、経営統合計画策定のためのプロジェクトを組み、デューデリジェンス~クロージングまでの間に計画策定が終わっている必要があります。

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M&Aを失敗したくないなら仲介会社に相談を

M&Aを失敗させたくないのであれば、仲介会社に相談するのがよいでしょう。自社だけでM&Aを失敗せずに行おうとすると、あらゆることに留意しなければなりません。M&A仲介会社であれば、多くの失敗事例も理解したうえで各種プロセスを進めるので安心です。

M&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。M&A総合研究所では、M&Aに関する専門の知識を持つ経験豊富なアドバイザーが専任となり、M&Aの相談時からクロージングまでフルサポートいたします。

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M&A失敗の要因まとめ

本記事で取り上げた調査では、M&Aの成功確率は60~70%でした。逆に言えば、半年~1年程度の時間や手間をかけ、買収側としては高額な資金も投入するM&Aは、30~40%の確率で失敗しているのです。

M&Aが失敗する背景には、業績悪化やデューデリジェンス不足などさまざまありますが、きちんと注意し対策を怠らなければ未然に防げることもわかっています。本記事で取り上げている内容を把握したうえで、頼れるM&A仲介会社を起用するのが、M&Aを失敗しないための得策です。

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