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2020年1月19日更新
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M&A投資と投資ファンドの役割

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aは事業承継などの経営戦略の手法として活用されるのですが、その一方で、投資ファンドと呼ばれるM&Aを投資として捉えて利益を得る会社もいます。M&Aと投資の関係や投資の種類、M&Aにおける投資ファンドの役割り、M&A投資のポイントについて解説します。

目次
  1. M&Aと投資
  2. M&Aと投資の関係
  3. M&Aにおける投資ファンドの役割
  4. M&A投資のポイント
  5. まとめ

M&Aと投資

従来から、M&Aの活用により事業規模を拡大してきた企業は数多く存在し、近年ではソフトバンク、楽天、リクルートが広く知られています。こうした大企業同士のM&Aは市場全体に大きな影響を与え、その結果として、新たなビジネスが生まれたり、市場の成長性が高まるなどの効果が期待できます。

しかし、近頃では中小企業やスタートアップ、ベンチャー企業が進んでM&Aを実施するケースが増加しています。その背景には、後継者不足や国内市場の衰退による経営の継続が困難となっていることが挙げられ、大切な会社を存続させるためにM&Aを行います

また、M&Aにより会社を売却することで資金を獲得し、経営者の老後資金としてM&Aを活用するケースも多く、今後はますます中小企業のM&Aは増加すると予測されます。

純粋な投資目的でM&Aを活用するケースもある

後継者不足の解消などのM&Aは、どちらかというと経営戦略を目的としていますが、将来への投資と捉えることができます。一方で、中には経営戦略の遂行ではなく、純粋な投資目的でM&Aを活用するケースもあります。

こちらは投資によって利益を獲得する本当の意味での投資であり、その対象がM&Aによるものということです。ただ、いずれにせよ、M&Aは投資である点には変わりなく、M&Aにおける買い手側は、M&A取引が投資行為であることを自覚しなくてはいけません。

M&Aと投資の関係

まずはじめに、M&Aと投資に関して基本的なことを解説していきます。

(1)投資の種類

投資は、大きく分けて以下の二種類があります。

  • 証券投資
  • 直接投資

まず一つ目の証券投資は、株式や債券を購入し、その配当や利子などの利益獲得を目的として行う投資です。そのため、一般的に行われている株取引は、この証券投資に該当します。

二つ目の直接投資は、経営戦略を遂行する目的で投資する方法であり、正確には海外進出における投資の類型なのですが、国内でも同じ類型であるという認識で間違いありません。直接投資では、投資した方が経営に介入することが多く、M&Aはこの直接投資に含まれます。

(2)M&Aとは

M&Aとは、複数ある会社の事業のうちの一部を売買したり、会社そのものを売買することをいい、近年ではM&Aの活用により、後継者不足問題などの解消のために活発化しています。また、海外進出を目的にM&Aを利用する事例も増えています。

M&Aを活用すれば、すでに現地で営業している事業や会社を買うことができ、会社が一から進出するよりも短期間での海外進出を実現できます。このことからM&Aは、「お金で時間を買う」とも言われています。

このように、M&Aは買い手だけでなく売り手にも利益をもたらす手法であり、それぞれのニーズが合致することで多くのメリットを双方が得ることができます。

M&Aの種類

M&Aには、会社自体を売買する「株式譲渡」や「株式交換」、一部の事業のみ買収する「事業譲渡」や「会社分割」などの手法があり、M&Aを成功させるためには、目的に合った最適な手法を活用しなくてはいけません。

また、中小企業にとって、M&Aを独力で成し遂げるのは簡単ではありません。M&Aを行う際には法務や税務などの専門的な知識や手続きが数多く存在します。そのため、M&AではM&A仲介会社のような専門家に、助力を得ることをおすすめします。

M&Aをお考えの際は、M&A仲介会社であるM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所には会計士や豊富な知識と経験を持つアドバイザーが在籍しており、これまで培ったノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。

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M&Aにおける投資ファンドの役割

ここでは、M&Aに投資するファンドに関してご紹介します。

(1)M&A投資ファンドとは

自社の経営戦略としてM&Aを活用する会社がある一方で、M&Aに対する投資を専門にしている会社もあります。それが「投資ファンド」と言われる会社であり、M&Aの現場ではPE(プライベート・エクイティ)ファンドと呼ばれます。

(2)PEファンドの種類

PEファンドには、以下のようにさまざまな種類が存在しています。

  • バイアウトファンド
  • 再生ファンド
  • ベンチャーキャピタル
  • MBOファンド

これらのファンドは、投資対象に違いがあります。まずバイアウトファンドは、成熟した企業をM&A投資の対象としており、ベンチャーキャピタルは未上場のベンチャー企業を、再生ファンドは経営が悪化している企業をM&A投資の対象としています。

一方でMBOファンドは、既存の会社から独立しようとしている役員や従業員への投資を対象としています。このように、なにを投資の対象とするのかによって、ファンドの種類が異なっています。

(1)PEファンドの投資戦略

PEファンドは、「企業価値向上によるキャピタルゲインの獲得」を目的としており、まずはじめに投資家から資金を集め、その資金を用いて対象企業に投資を行います。そして、投資した会社の価値が上昇した段階で、M&Aによって株式を売却します。

投資した時点よりも会社の価値が上がったことで、ファンド側は株価上昇分の利益を獲得できるという経営戦略によって活動しているのです。そのため、ファンドが会社の経営に加入したり、アドバイスを行うこともあります。

また、ベンチャーキャピタルの場合は、M&AかIPOによって投資資金の回収を行いますので、経営能力の高い人材が多く在籍しています。

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M&A投資のポイント

M&Aを成功させるためには、より多くの利益を得る必要があり、ここではそのために必要なポイントを解説します。

(1)「ブル型」と「ベア型」

FX投資や株投資では、「ブル型」と「ベア型」というワードがよく使われます。これは、投資家のポジションを表す用語であり、牛の角が上を向いていることが由来の「ブル型」は、相場(株価)が上昇しているときに利益獲得を目指すポジションのことをいいます。

一方で「ベア型」は、クマが腕を上から下へ振り下ろすことが由来となっており、相場(株価)が下落しているときに利益の獲得を目指すポジションです。これらポジションでは、一般的にブルの方が低リスクの投資となります。

ただし、その分だけ期待できるリターンも低いです。一方でベアの場合、期待できるリターンはブル型の投資よりも大きいのですが、その代償としてリスクも大きいです。

M&A投資ではベア型の投資を行う傾向がある

FX投資や株投資におけるこの理論は、M&Aの投資にも当てはまります。財務内容や業績良好な企業には、多くの買い手候補が現れ、そこに投資するのはブル型と言えます。リスクが低くて人気はあるが、リターンはそこまで期待できません。

そのため、多くのリターンを期待したいのならば、ベア型のM&A投資を実行する必要があります。つまり、業績や財務内容が悪い会社を投資対象とします。たしかに、投資資金を回収できないリスクは高いのですが、株価が上昇した場合に得られる利益は非常に大きいです。

M&A投資に慣れている投資家やPEファンドは、大きいリターンが期待できるベア型の投資を行う傾向があります。

(2)M&A投資で目標とすべき収益率

M&A投資に限らず、投資というものはよりたくさんの利益を獲得したほうが成功となります。ただし、ハイリターンを求めすぎると、その分リスクも高くなります。では、どの程度の収益率を目指すべきでしょうか?

M&Aの現場では、ROI(投資利益率)で20%〜30%を目指すのが好ましいと言われています。つまり、投資した金額が1億円であれば、年間で3,000万円程度の利益が目指す収益率となります。この収益率は非常に難しい数値であり、一般的な株取引でも、収益率30%を目指すのは困難です。

ですがM&Aの場合は、投資先を選ぶ際に比較的安定して利益を挙げられる会社や業種、将来性の高い事業を行っている会社などを選択しますし、ファンドがその会社の経営に介入することやアドバイスにより、企業価値を自ら高めていくことができます。

そのため、ハイリターンとはいっても一般的な株取引とは違い、状況を間近で見られるだけでなく、状況に応じて対処していくこともできるため、収益率30%という高い目標を目指すことができるのです。

近年はスモールM&Aが注目を集めている

近年、スモールM&Aという投資が注目を集めています。スモールM&Aとは、M&A取引の金額が少ないものであり、投資資金が少なくてローリスクであるにも関わらず、高い収益率が狙えるハイリターンが魅力です。

スモールM&Aの投資先対象となるのは、赤字となっているなどで株価が低い会社であり、そこから企業価値を高めることができれば、少ない投資で多くの利益を得ることができます。

(3)M&A投資に必要な能力

M&A投資を成功させるには、以下の三つの能力が必要だと言えます。

  • 法律や財務に関する知識
  • 将来を見抜く力
  • 判断力

法律や財務に関する知識は当然あった方が良く、将来を見抜く力と判断力が必要です。もちろん、将来を100%の確率で予想することはできませんが、自身が経験した業界であればある程度の予想はできます。

自分が知らない業界でも、仲間に聞くことで業界の内情を知ることもできます。ただ、こればかりは一朝一夕で身につくことではなく、自身や他者の経験だけでなく、M&Aの成功例を調べることやマーケットの理解を深めるなどで、徐々に身についてくるはずです。

また、投資においてはタイミングが最も重要となります。投資をするタイミングもそうですが、手放すタイミングも間違えてしまえば損をしてしまうこともあり、それぞれを適切なタイミングで行える判断力が大事です。

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スモールM&A

まとめ

今回は、M&Aを投資目線で解説しました。本来M&Aは、時間を節約したうえで経営戦略を遂行する手法であり、後継者不足などさまざまな問題を抱える企業が多い現在では、M&Aの活用はポピュラーになりつつあります。

その一方で、M&Aを投資の対象と捉え、確かな知識と将来を見抜く力、判断力で利益を獲得している会社もあります。ただ、経営戦略にしろ利益獲得にしろ、M&Aは投資であることに変わりなく、より多くの利益を得るためにはある程度のリスクを許容する必要があります。

この記事の要点をまとめると、以下のようになります。

  • 投資の種類→証券投資、直接投資
  • M&Aとは→事業の一部や会社そのものを売買すること
  • M&Aにおける投資ファンドとは→PEファンドと呼ばれ、企業価値向上によるキャピタルゲインの獲得を目的としている会社
  • M&A投資を行うPEファンドの種類→バイアウトファンド、ベンチャーキャピタル、再生ファンド、MBOファンド
  • M&A投資の類型→ブル型、ベア型
  • M&A投資で目標とする収益率→20%~30%
  • M&A投資に必要な能力→法律や財務の知識、将来を見抜く力、判断力

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