M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年4月24日更新事業承継
商工会議所の補助金・助成金を徹底解説!M&A相談先としてのメリットも解説
商工会議所では、補助金以外にもさまざまなサポートを受けることが可能です。具体的なサポート内容としては、創業を目指す人向けの支援や経営の専門家からのアドバイスなどが挙げられます。他の経営者との人脈を広げる目的でも活用可能です。
目次
商工会議所とはどのような組織?
ここでは、商工会議所はどのような組織なのか、概要を紹介します。
商工会議所とは
商工会議所とは市の区域単位で設置される組織であり、一種の公益法人です。正確には特別認可法人と呼ばれるものであり、政府や自治体などのバックアップを受けているのが特徴です。
商工会議所の設立自体が法律で規定されています。商工会議所は、法律が改正されない限りなくならないので、非常に安定的している組織です。ただし、東京などの大都市では商工会議所への加入率は低く、地方都市のほうが加入率が高いです。
商工会議所と商工会の違い
商工会議所と類似した組織として、商工会があります。商工会は商工会議所よりも小規模であり、町村単位で設立されるものです。加盟対象の会社は、地元の中小企業が多いです。商工会は、地域に根差した非常にローカルな組織だといえます。
商工会議所と同じく、国の機関が管轄しています。担当政庁が中小企業庁であることから商工会議所よりやや限定的な組織です。一方、商工会議所は経済産業省が管轄しています。中小企業から大企業までが加入しているため、商工会議所ではさまざまな企画や補助金制度が充実しています。
商工会議所を活用すれば、補助金をはじめとした多角的なサポートを受けることが可能です。
年会費と注意点
年会費は、法人であれば1万5,000円以上、個人事業主であれば1万円以上です(東京商工会議所の場合)。ただし、すべての会社が商工会議所に加入できるわけではありません。以下に該当する事業者は、商工会議所に加入できません。
- 医療
- 消費者金融
- 政治的団体
- 宗教的団体
- 一部芸能関係
- 風俗
商工会議所の補助金・助成金の一例
商工会議所に加入すると、補助金や融資を受けられます。商工会議所への加入で、活用可能な補助金や融資は多岐にわたります。補助金の内容も多種多様です。特定の産業をサポートしてくれる補助金から、昨今重要視されるライフワークバランスを推奨するものまであります。
補助金の多くは、商工会議所に所属していなくても受けることが可能です。しかし、商工会議所に加入していれば最新の情報が入ってくるので、補助金を受けやすくなります。商工会議所では、融資の相談も受け付けています。商工会議所は補助金の支給などにより、会社の資金調達全般をサポートしている状況です。
ここからは、商工会議所が案内している補助金・助成金を解説します。
小規模事業者持続化補助金
創業者が商工会議所・商工会連合会のサポートを受けながら50万円の補助金を受け取れる制度が、小規模事業者持続化補助金です。事業計画書・創業計画書を作成して申し込みをすれば、補助金がもらえます。この補助金の名称に付いている小規模事業者は、従業員数の少ない会社や個人事業主を意味しています。
創業してすぐの会社や個人事業主のほとんどは、従業員数が多くありません。そのため、多くの創業者は小規模事業者持続化補助金を申し込むことが可能です。
小規模事業者持続化補助金のメリット
補助金は、新商品の開発や販路開拓だけの使用と決まっています。しかし、将来の売上につながる可能性がある経費として50万円の補助金を受け取れる点はメリットです。
補助金を交付される人数のうち、従業員が5人以下である事業者が50%以上になるように導入する決まりです。そのため、従業員が5人以下の事業者が優先されます。該当する事業者であれば、有利です。
小規模事業者持続化補助金のデメリット
デメリットはどの補助金でもいえますが、多くの時間や手間がかかることです。事務局は補助金が正しく使用されるためにさまざまな決まりを定めており、これに従わなければなりません。補助金をもらうためには、下記の決まりがあります。
- 補助対象期間後、補助金事務局に報告書を提出
- 補助金対象として、機械装置購入や店舗改装外注工事が税抜50万円以上の際、売却や廃棄の処分に商工会議所や商工会の許可が要る
- 補助金対象の経費内容を変更する際は、事務局の許可が必要
- 事務局が会社に来て実地調査を行うケースがある
- 補助金の受け取り後、会計検査院の調査が入るケースがある
- 事務局・会計検査院の調査に備えて領収書、請求書、納品書、契約書などを補助対象事業に使用したとわかるように保管
キャリアアップ助成金(厚生労働省)
これは、いわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進することを目的に、正社員化・処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成を行う制度のことです。詳細を知りたい場合は、厚生労働省のHPをご確認ください。
キャリア形成促進助成金(厚生労働省)
これは、雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進することを目的に、職務に関連した専門的な知識および技能を修得させるための職業訓練等を計画に沿って実施したり、教育訓練休暇制度を適用したりした事業主等に対して助成を行う制度のことです。こちらも詳細を知りたい場合、厚生労働省のHPをご確認ください。
両立支援等助成金(厚生労働省)
これは、職業生活と家庭生活の両立支援および女性の活躍推進に取り組む事業主を支援する制度のことです。「出生時両立支援コース(子育て男性を支援)」「介護離職防止支援コース(介護休業取得者を支援)」「育児休業等支援コース(育児休業取得者を支援)」などに分かれています。詳細を知りたい場合は、厚生労働省のHPをご確認ください。
商工会議所で受けられるマル経融資
商工会議所のマル経融資は無担保・無保証人で、最大2,000万円まで融資を受けることが可能です(日本政策金融公庫の公的融資制度)。利子も低く、審査もそこまで厳しくありません。金融機関から融資を受けにくい中小企業にとっては、補助金と並んで頼もしい支えです。
マル経融資は、規模や人員が限られている会社が使用できるように条件が設定されています。商工会議所を活用すれば、中小企業が活用しやすい補助金や融資を受けられます。
ただし、マル経融資を受けるには、商工会議所の経営指導を定期的に受ける必要があります。とはいえ、経営指導を受けるのは、ほとんどデメリットになりません。専門知識に長けたアドバイザーの協力を得ることができるためです。相談を受けておくと、民間金融機関の融資審査が有利になる可能性もあります。
しかし、中小企業にとって、マル経融資には難点もあります。すでに消費者金融などから融資を受けている場合、審査の基準が厳しくなる点です。他の消費者金融から融資を得ている場合、注意が必要です。
なお、事業承継やM&Aなどをきっかけとした中小企業のチャレンジをサポートする制度として、事業承継・引継ぎ補助金があります。M&Aによる事業承継をご検討の経営者様や後継者不在でお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。
M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを生かしてフルサポートいたします。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。M&Aによる事業承継をご検討の際は、無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。
補助金以外の商工会議所の加入メリット
商工会議所では、経営者にとってメリットとなるサポートを実施しています。代表格は補助金ですが、商工会議所にはそれ以外にも加入するメリットがあります。以下では、補助金以外の商工会議所に加入するメリットを3つまとめました。
経営改善普及事業が使える
商工会議所では補助金などの金銭的な支援以外にも、さまざまなサポートを受けられます。経営改善普及事業の形で、経営に対する直接的なサポートを受けることができる点も大きなメリットです。経営改善普及事業とは、経営に関して困った際に専門家からアドバイスなどを受けられる制度です。
それに加えて、商工会議所の経営改善普及事業は無料で受けられます。商工会議所の会員でなくても利用可能です。ほかにも経営相談や税務・法務の相談(専門家が対応)、商工会議所が企画するセミナーなど、経営に役立つ相談や研修も無料で受けられます。
商工会議所は、独自に福利厚生サービスも実施しており、福利厚生が乏しくなりがちな中小企業をフォローしています。知識をつけたい人や問題解決の糸口が欲しい人にとって、商工会議所は非常に頼りになる組織です。
他の経営者との交流の場になる
商工会議所は多種多様な会社が会員となっているため、他の経営者との交流の場にもなります。サークル活動の一環として、商工会議所では異業種交流会が実施されています。青年部や女性部などの形で、さまざまな業種の人と交流できる場が提供されているのです。
人によって合う・合わないが分かれる場ではありますが、ビジネスを越えたつながりを求めたい人には適した場といえます。
創業したい人へのサポートが手厚い
商工会議所では、創業を考えている人向けのサポートも手厚いです。商工会議所には、創業を考えている人向けの窓口が設置されており、さまざまな分野の創業に対応してくれます。窓口では、下記のとおり多角的な方面からのサポートを受けることが可能です。
- 創業をするうえでの基礎知識の提供
- 創業手法の精査
- 税務や法務、財務面の専門知識の伝授
窓口の利用は原則無料であり、気軽に相談可能です。商工会議所では、創業する人向けの融資が実施されているケースもあります。
なかには無担保で最大2,500万円の融資ができるよう特定の金融機関に斡旋してくれるなど、創業を望む人にとって有利な内容の制度もあります。ただし、この融資を使用するためには、創業計画書(事業計画書)の審査を受けなければなりません。
M&Aを相談できる
商工会議所は、中小企業の経営の悩みに応えて、M&Aや事業承継のサポートをしています。無料での相談やプロの紹介を通じて、ビジネスをスムーズに続けられるよう手助けしています。
多くの中小企業は、事業を家族に引き継ぐことを考えます。しかし、すぐに次の経営者が決まるわけではありません。後継者が見つからないまま、経営者が年をとっていくと、事業の続け方に迷うことが増えます。このような時、M&Aや事業承継のアドバイスがとても役立ちます。
そのため、商工会議所は、事業を継続するための大切さや、経営の現状をよく理解することを重視し、中小企業を全力でサポートしています。
商工会議所のM&A相談先としてのメリット
商工会議所でM&Aの相談をすると、たくさんの経営者・ビジネスパーソンと知り合いになれるのが魅力です。なぜなら、商工会議所は会員たちが真剣にビジネスをしている場所だからです。交流会などのイベントに参加することで、新しいビジネスのパートナーや情報交換の相手と出会うチャンスが増えます。
さらに、M&Aのアドバイスを無料で受けることができるのも大きな利点です。商工会議所は会員からの会費や補助金で運営されているので、このようなサービスを無料で提供してくれるのです。
商工会議所にM&Aを相談する際の注意点
商工会議所にM&Aを相談する際には、メリットだけでなく注意点も把握しておきましょう。主な注意点として2つをピックアップし、順番に解説します。
M&Aの相手先候補はそれほど多くない
商工会議所は、民間のM&Aを仲介する機関に比べて、支援実績が少ないです。この理由の一つとして、商工会議所が地域に密着しているため、会社売買の対象となる会社がその地域内に限られがちな点が挙げられます。
また、商工会議所でM&Aの相談をすると、その相手先候補の選択肢が商工会議所やその提携先の専門家ネットワークに依存します。そのため、どの専門家に相談するかによって、選べる会社の範囲が狭くなる可能性がある点に注意しましょう。
M&Aの専門的なサポートは期待できない
多くの人が経営上の問題を解決するためにM&Aの相談をしますが、商工会議所からの回答が常に満足できるわけではありません。M&Aを検討する際の目的や条件によっては、商工会議所がM&Aを勧めないこともあります。そのため、M&Aを完全な解決策と期待するのではなく、選択肢を広げる手段として考えることが大切です。
商工会議所の補助金・助成金まとめ
商工会議所は、補助金だけでなくさまざまなサポートが利用でき、経営者にとっては非常に魅力的な組織です。最新の補助金情報を優先的に得られたり、低金利の融資を受けることができたりするなど、資金調達の面で特に役立ちます。経営者向けの知識を勉強できる場でもあります。
商工会議所は中小企業から大企業まで加入しており、国や自治体のバックアップを受けている組織です。商工会議所で案内されている多くの補助金は、商工会議所に加入していなくても受けられます。
商工会議所に加入すれば、経営改善普及事業を利用でき、他の経営者との交流や創業を目指す人への手厚いサポートを受けられるメリットもあります。
M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談は成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 譲渡企業様完全成功報酬!
- 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
- 上場の信頼感と豊富な実績
- 譲受企業専門部署による強いマッチング力
M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
あなたにおすすめの記事
M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
近年はM&Aが経営戦略として注目されており、実施件数も年々増加しています。M&Aの特徴はそれぞれ異なるため、自社の目的にあった手法を選択することが重要です。この記事では、M&am...
買収とは?用語の意味やメリット・デメリット、M&A手法、買収防衛策も解説
買収には、友好的買収と敵対的買収とがあります。また、買収に用いられるM&Aスキーム(手法)は実にさまざまです。本記事では、買収の意味や行われる目的、メリット・デメリット、買収のプロセスや...
現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説
M&Aや投資の意思決定するうえでは、今後得られる利益の現時点での価値を表す指標「現在価値」についての理解が必要です。今の記事では、現在価値とはどのようなものか、計算方法や割引率、キャッシ...
株価算定方法とは?非上場企業の活用場面、必要費用、手続きの流れを解説
株価算定方法は多くの種類があり、それぞれ活用する場面や特徴が異なります。この記事では、マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセス、株...
赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説
法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。しかし、会社は赤字だからといって、必ず倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリット...
関連する記事
会社分割すると従業員の契約はどうなる?労働契約承継法や保護制度を徹底解説!
多くの企業が会社分割を検討しておりますが、トラブルに発展しないように従業員への対応に配慮する必要があります。今回は会社分割を検討している企業に向けて、会社分割における従業員の契約や手続きの流れな...
M&AにおけるITデューデリジェンス(ITDD)を解説!目的や調査項目は?
ITデューデリジェンス(ITDD)はM&Aにおいて欠かせず、明確な目的を踏まえた対応が求められます。今回はM&Aを検討している企業に向けて、ITデューデリジェンス(ITDD)につ...
人事デューデリジェンス(人事DD)とは?目的から調査項目まで徹底解説!
M&Aを実施する際に人事デューデリジェンス(人事DD)は重要です。丁寧に手続きを進めないとM&Aで高い効果は得られません。今回はM&Aを検討している企業に向けて、人事デュ...
二段階買収の手続き方法を徹底チェック!目的やメリット・注意点は?
二段階買収(Two-Tier Takeover Strategy)は、買収側が売却側の少数株主から株式を買い集める際に有益な手法です。当記事では、実施目的や手法、メリットやデメリット、過去事例や...
事業承継の相談先はどこがいい?選び方から注意点まで徹底チェック!
近年は中小企業の経営者の高齢化に伴い、積極的に事業承継を行って生き残りを図る企業が増えています。 事業承継には複雑な手続きが多いため、信頼できる相談先の選択が重要です。そこで本記事では事業...
M&A後の退職金や給与はどうなる?節税方法や注意点まで徹底チェック!
M&Aで退職金を活用すると、節税効果が得られます。当記事では、退職金を利用したM&Aの節税方法やメリット、注意点を交えながら、退職金の扱い方や税務について解説します。従業員や役員...
M&Aにおける人事DDの目的や調査範囲を徹底チェック!費用・注意点は?
人事DD(デューデリジェンス)は、買収側がM&Aの実施後に受ける損失を最小限に抑えるために必要な調査です。当記事では、調査が行われる目的や調査範囲、かかる費用や注意点を踏まえながら、人事...
100日プランとは?PMIの概要・重要性・策定のポイントまで徹底解説!
M&Aを実施する際にはPMIの工程が重要となり、100日プランはPMIの成功に大きな役割を果たします。今回はM&Aを検討している企業に向けて、100日プランの概要・重要性・策定の...
管工事会社の事業承継の動向や事例を徹底解説!メリットや費用相場・注意点は?
管工事会社業界は将来的な需要増加が見込める半面、人材不足や後継者不在といった問題が深刻です。当記事では、過去の事例を取り上げながら、管工事会社(管工事業界)の事業承継について解説します。事業承継...
株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。