2021年6月11日更新資金調達

事業再生スキーム一覧!再成長への資金繰りの方法は?成功事例など過去事例も紹介

債務超過に陥った企業が事業再生を行うためには、適切な事業再生スキームの選択が重要です。金融機関や日本公庫が、中小企業の資金繰りや事業再生をサポートしています。本記事では、事業再生スキームの種類や再成長のための資金繰り方法、過去の成功事例などを紹介します。

目次
  1. 事業再生スキーム一覧
  2. 事業再生のスキーム選びで大切なこと
  3. 事業再生による再成長への資金繰り方法
  4. 事業再生の成功事例など過去事例
  5. まとめ
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事業再生スキーム一覧

事業再生スキーム一覧

事業再生スキームとは、経営難や債務超過に陥った会社が事業再生および財務状況の改善を成し遂げるために利用する手段です。

さまざまな事業再生スキームがあるので、そのなかから自社に合った適切なスキームを選択し、実践していきます。

【事業再生スキームの種類】

  • リスケジュール
  • DDS(デット・デット・スワップ)
  • DES(デット・エクイティ・スワップ)
  • 債権放棄
  • 第二会社方式
  • M&A型

リスケジュール

リスケジュールとは、金融機関などの債権者と相談し、債務の返済期限延長や返済条件変更、返済猶予などをすることで事業再生を目指す方法です。

ただし、債務の猶予や返済期限の延長はなされたとしても債務が減るわけではないので、この方法のみで財務状況が健全化されて事業再生が成功することは稀です。

DDS(デット・デット・スワップ)

DDS(デット・デット・スワップ)とは、債権を劣後ローンや劣後債などに変更することで、債務者の返済を一定期間猶予する方法です。

資金繰りの安定化や利息の減額を見込めると同時に、劣後ローンは自己資本とみなされるため、自己資本比率が上がり財務状況が改善するというメリットがあります。

債権を劣後化することでほかの債権者への債務よりも返済順位は下がりますが、債務がなくなるわけではないので、事業再生がうまくいかなければいずれ再び資金繰りに困ることになります。

DES(デット・エクイティ・スワップ)

DES(デット・エクイティ・スワップ)とは、債権を債務者である会社の株式に振り替えることで借入金を減らす方法です。これにより、自己資本比率の向上と財務状況の改善が可能となります。

ただし、資本金が増加することになるため、法人住民税額が引き上げられたり、中小企業の税制特例から外れる場合もあるため注意が必要です。

また、DESにより借入金を減らすことが債務消滅益とみなされるため、課税対象となる可能性もあります。

債権放棄

債権放棄は、債務超過に陥った会社が債権を放棄することで借入金を減らし、財務状況を改善させるために行われます。

債権の一部または全部の返済義務が消滅するので財務状況は劇的に改善されますが、経営者は経営責任を問われることになります。

近年は、事業再生のための私的整理の方法として、前述のDDSやDESなどのスキームが浸透してきており、債権放棄のみで事業再生を行うケースは減少しています。

第二会社方式

第二会社方式とは、会社分割や事業譲渡などにより、好調な事業と不採算事業を別会社に分け、好調な事業は存続、不採算事業は清算する方法です。

一般的に、好調な事業が新しい会社に移され、もとの会社には不採算事業や債務などを残して清算します。会社分割や事業譲渡はM&Aスキームでもありますが、M&Aの場合には債権者の同意は必要ありません。

一方、事業再生スキームとしての会社分割や事業譲渡は、債権者保護の観点から債権者の同意が必要になります。

【関連】事業再生の手法まとめ!M&Aを利用する方法も?手続きとメリットなども解説

M&A型

第三者割当増資や株式譲渡、事業譲渡などのM&Aも、事業再生スキームのひとつとして利用されています。M&A型の事業再生では、買収企業がスポンサーとなり事業再生を目指します。

第三者割当増資や株式譲渡による事業再生の場合は経営権がスポンサーに移るので、再生会社はスポンサーの子会社となって事業再生が行われます。

一方、事業譲渡や会社分割では事業のみがスポンサーとなる会社に引継がれ、もとの会社とは切り離される形での事業再生となります。

M&A型の事業再生を行う際のおすすめの相談先

M&Aによる事業再生には、M&Aの決定や相手先の選定、基本合意契約、表明保証など専門的な知識が必要となるため、事業を継続しながらM&Aを行うことは簡単なことではありません。

そのため、M&A仲介会社などの専門家に相談して、支援を受けながら進めていくケースが一般的です。

M&A総合研究所は主に中小・中堅規模のM&Aを手掛けており、さまざまな業種で成約実績を積み重ねています。

M&Aの知識・支援経験豊かなM&Aアドバイザーが担当につき、事業再生M&Aを徹底フルサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)

ご相談はお電話・メールより無料で承っておりますので、M&Aによる事業再生をご検討の際はM&A総合研究所にお気軽にご連絡ください。

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事業再生のスキーム選びで大切なこと

事業再生のスキーム選びで大切なこと

事業再生のスキーム選びで失敗してしまうと会社の倒産にも直結するため、慎重に検討しなければなりません。本章では、適切な事業承継スキームを選択するために、留意しておくべきポイントについて解説します。

事業再生の対象を決める

適切な事業再生スキームを選択するためには、事業再生の対象を決めて事業計画を立てる必要があります。

会社が置かれている状況を把握したうえで、再生方針を策定するなどして事業計画は作成されますが、そのなかでも事業再生の対象を決定することが重要なポイントです。

というのは、事業再生を成功させるためには、財政に大きな影響を与えている不採算部門の整理や人員の削減なども行わなければならない場合もあるためです。

事業再生の対象を決めて事業計画を立てたうえで、その計画に沿った事業再生スキームを選択することになります。

事業再生スキームを選ぶ目的を知る

財務状況を改善するための事業再生スキームには、さまざな種類があります。自社の状況にあった適切な事業再生スキームを見極めるためには、それぞれのスキームを選ぶ目的を知る必要があります。

また、債務の弁済計画も適切な事業再生スキームを選ぶ際に重要なポイントとなります。事業計画と弁済計画をもとに、事業再生スキームが決定されるためです。

弁済計画に則った債務の返済を行い、財務状況を改善させることを目的に、自社に合った適切な事業再生スキームを選びます。

事業再生による再成長への資金繰り方法

事業再生による再成長への資金繰り方法

適切な事業再生スキームを選択するためには、どのような資金繰り方法があるのかを把握し、妥当な事業計画や弁済計画を策定する必要があります。

本章では、事業再生スキームを決定するうえで重要とされる、再成長のための資金繰り方法について解説します。

【事業再生による再成長への資金繰り方法】

  • 経営改善の計画を立てる
  • 資金繰り表を作成する
  • 金融機関などに資金繰りを相談する

経営改善の計画を立てる

経営改善計画は、事業再生を成功させるための第一歩であり、債務超過を解消するために非常に重要なポイントとなります。

経営改善計画に問題があれば金融機関や債権者などの理解を得られず、事業再生が滞って最終的に倒産となるリスクもはらんでいます。

経営改善計画には、企業概要や組織図、事業の方向性、経営改善の具体的な施策、財産計画、キャッシュ・フロー計画、借入金の返済計画などが盛り込まれます。

効果的な経営改善計画を立てるために、中小企業庁が実施する経営改善計画策定支援事業を活用して、専門的なアドバイスを受けることもできます。

資金繰り表を作成する

現金収入と支出をまとめた資金繰り表を作成することで、資金状況をリアルタイムで明確に把握できるようになります。

銀行からの融資を受けるためには資金繰り表が求められることもあり、事業再生スキームの選定や事業再生計画にはなければならないものです。

正しく資金繰り表が作成されていればスピーディに財務状況を把握できるので、債務超過に陥る前に健全な財務状況に改善することも可能になります。

金融機関などに資金繰りを相談する

債務超過に陥っている会社が事業再生を行う際、まず金融機関に事業再生のための融資や適切な事業再生スキームなどを相談するケースが多くなっています。

金融機関としても倒産されては債権を回収できなくなる恐れもあるので、事業再生の可能性があるのであれば適切な事業再生スキームを提案したり、事業再生までの融資や支援をすることになります。

取引先の金融機関

取引先の金融機関に相談することで、事業再生のための融資の可否やリスケジュール・DDS・債権放棄などの事業再生スキーム、事業アドバイスなどを受けることができます

普段から取引のある金融機関であれば相談しやすいうえ、金融機関も事業内容や財務状況を知っているのでアドバイスも的確な内容になります。

また、日本政策金融公庫よりもスピーディに対応してくれることが多いので、すぐに融資を受けたい場合などは金融機関への相談がおすすめです。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、事業再生を行っている中小企業や小規模事業者向けに、セーフティネット貸付としてさまざまな資金繰り支援を行っています。

経営環境や金融機関との取引状況の変化、関連企業の倒産などに対応できず、資金繰りが悪化した中小企業などが対象となります。

金融機関よりも金利が低く、保証人や担保がなくとも融資を受けることができますが、審査に時間がかかるなどのデメリットもあります。

【関連】資金繰りに関するノウハウ

事業再生の成功事例など過去事例

事業再生の成功事例など過去事例

この章では、金融機関や日本政策金融公庫のサポートを受けて事業再生を行った、成功事例を3つ紹介します。

【事業再生の成功事例】

  1. 酒類製造業会社のDESおよび第二会社方式併用による事業再生
  2. 水産加工会社のDDSによる事業再生
  3. 医療用器具製造会社の債権放棄による事業再生

1.酒類製造業会社のDESおよび第二会社方式併用による事業再生

1つ目の成功事例は、清酒・焼酎・リキュール類を扱う酒類製造会社の事業再生です。この酒類製造会社は、消費者の嗜好の変化や焼酎ブームの収束により主要商品の販売が低迷し、経営状態が悪化して債務超過に陥っていました。

倒産となれば地域経済や地域の雇用に大きな影響がでることが予想されたため、金融機関と日本政策金融公庫が事業再生支援を行いました。

事業再生スキームとしては、第二会社方式により採算の取れている事業を承継するための新会社を設立し、さらにガバナンス強化と経営の安定化を図るために、金融機関や公庫がもつ債権を株式に変えるDESを活用しました。

会社分割前の旧会社は多額の債権放棄を行い、清算しました。これらの事業再生の結果、経営体制の強化ができ、財務体質の改善および地域経済の活性化などの効果が得られました。

水産加工会社のDDSによる事業再生

2つ目は、水産加工会社の事業再生成功事例です。この水産加工会社は、事業規模拡大のために新店を立て続けにオープンしたものの客足が伸びず、さらに不動産投資の失敗などもあって大幅な債務超過に陥っていました。

そのような状態であったため金融機関からの設備投資用の融資を受けられず、設備が老朽化しても買い替えることができず生産効率も下がっていました。

日本政策金融公庫は、この水産加工会社が地域経済の活性化に必要不可欠であることから、DDSによる事業再生支援を行いました。

さらに、取引金融機関も公庫の支援に追随し、金利の免除や新規融資などの支援に乗り出しました。DDS による債務超過の解消や財務体質の強化が行われた結果、老朽化した設備の更新が行われ、起業維持力が回復・強化されました。

医療用器具製造会社の債権放棄による事業再生

最後は、東日本大震災の影響で資金繰りが苦しくなった医療用器具製造会社が債務放棄により事業再生を行った事例です。

この医療器具製造会社は、厳しい品質管理と生産の合理化を行うことで取引先から高い評価を得ており、設備の老朽化による生産効率低下の問題はあるものの、一応の利益は確保していました。

事業再生には老朽化した設備の刷新がポイントであったため、設備投資費用を賄えるスポンサー企業からの支援を受け、事業再生を行いました。同時に、抱えていいた債務については債務放棄しました。

設備投資による生産効率の向上に加えて、スポンサー会社からの経営陣により経営管理体制の強化を行い、事業再生に成功しています。

【関連】事業再生の手法と流れ、成功させる7つのコツを徹底解説【事例あり】

まとめ

まとめ

本記事では、事業再生を目指す企業の財務状況改善のための手段や事業再生スキーム選択のために大切なこと、事業再生のための資金繰り方法などについて解説しました。

経営環境の変化や時代の流れについていくことができず、債務超過に陥った企業でも、金融機関や日本政策金融公庫などの支援を受け、事業再生を目指すことができます。

【事業再生スキームの種類】

  • リスケジュール
  • DDS(デット・デット・スワップ)
  • DES(デット・エクイティ・スワップ)
  • 債権放棄
  • 第二会社方式
  • M&A型
 
【事業再生のスキーム選びで大切なこと】
  • 事業再生の対象を決める
  • 事業再生スキームを選ぶ目的を知る
 
【事業再生による再成長への資金繰り方法】
  • 経営改善の計画を立てる
  • 資金繰り表を作成する
  • 金融機関などに資金繰りを相談する

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