コダックの事業売却(M&A)とは?株式譲渡との違いや事例をご紹介

コダックの事業売却の事例は、経営再建を進める中で行われました。効率的な事業売却によって経営を立て直し、伝統を守った事業展開を行うことは十分に可能です。コダックの事例をはじめ、今後はさまざまな形での事業売却が注目されるでしょう。

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2020年4月5日更新

目次
  1. コダックの事業売却(M&A)とは
  2. M&Aの種類
  3. コダックとは
  4. コダックの事業売却(M&A)事例
  5. 事業売却は専門家に相談
  6. まとめ

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コダックの事業売却(M&A)とは

事業売却(事業譲渡)はM&Aの手法の一つで、事業の全部または一部を売却することです。近年、さまざまな業界でM&Aが活発化しており、事業売却の事例もしばしば見られます。また、海外のM&Aでも事業売却が行われるケースは多く、アメリカのイーストマン・コダックも事業売却を数回行っています。

この記事ではイーストマン・コダックの事業売却についてご紹介しますが、M&Aの意味や事業売却の仕組みなども詳しく見ていきましょう。

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M&Aの種類

M&Aは、Mergers and Acquisitions(合併と買収)の略称です。2つ以上の会社が1つになる合併(Mergers)と、ある会社が他の会社を買い取る買収(Acquisitions)を表します。会社分割や資本業務提携などもM&Aです。

また、買収には株式取得(株式譲渡・新株引受・株式交換・株式移転)と事業譲渡(全部譲渡・一部譲渡)があり、それぞれの手法で特徴があります。M&Aでは株式譲渡が多いですが、近年はM&A事例も多様化し、事業譲渡(事業売却)などの他手法の活用も目立ちます。

買収の手法をおさえるには、事業売却(事業譲渡)と株式譲渡の違いを知ることが特に重要なので、それぞれの特徴や違いを整理しておきましょう。

事業売却(事業譲渡)の意味

事業譲渡は、事業売却とも呼ばれます。事業売却(事業譲渡)は、会社の事業の全部または一部を他の会社に売却(譲渡)することです。経営権が移転するのは、売却した事業のみです。売却しなかった事業の経営権は移転しないため、譲渡会社が引き続き経営を維持できます。

株式譲渡の意味

株式譲渡は、株主が保有する株式を第三者に譲渡することです。株式が移転する形ですが、これは会社の経営権と深く関係します。会社の経営権は株式の割合によって変わるため、どれだけの株式を譲渡したかが重要な問題です。

株式には基本的に株主総会の議決権がありますが、株主総会では会社の経営に深く関係する決議が行われます。また、議決権の過半数で株主総会の普通決議を議決できるため、議決権のある株式の過半数を有することは、会社の経営権を有することになります。

こうした仕組みのため、どの程度の割合の株式を取得できるかが重要なのです。例えば株式の100%を譲渡すれば、その会社の経営権は全て移転します。

事業売却(事業譲渡)と株式譲渡の違い

事業売却(事業譲渡)の場合、移転するのは事業です。事業を売却しても、株式は移転しません。一方、株式譲渡はあくまで株式が移転する仕組みで、事業譲渡のように事業が移転するケースとは異なります。

また、事業売却(事業譲渡)では、譲渡した事業の経営権は移転しても、残した事業の経営権は移転しませんが、株式譲渡は株式の割合によって経営権が決まります。事業譲渡のように、事業ごとに経営権は判断されません。

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コダックとは

イーストマン・コダックは、1880年の創業から確かな実績を積みあげた歴史を誇る写真用品メーカーです。フィルム撮影、現像、プリント、品質、使いやすさなど、その事業展開は世界的な支持を集めました。

近年のフィルムの需要減少や市場の動向、需要・ニーズの変化なども相まって、コダックでもデジタル化が進みました。しかし、フィルム写真に関する事業を中核とする姿勢は、世界的に高く評価されています。

デジタル化が進む状況や需要・ニーズの動向に対応しつつ、フィルム写真事業への取り組みを続けたことに、コダックのこだわりが見られます。近年はコダックの経営再建にあたり、いくつか事業売却の事例も見られます。写真フィルム事業の売却もありました。

また、高速印刷機や商業印刷など法人向けの事業へ集中を進めたこともあり、伝統を活かしながらどのように新たな事業展開を進めるのか注目です。

日本で事業展開を行うコダック合同会社

日本で事業展開を行うコダック合同会社は、プリントシステム事業部、エンタープライズインクジェットシステム事業部、フレキソグラフィックパッケージング事業部、ソフトウエア&ソリューション事業部、コンシューマー&フィルム事業部で事業を展開しています。

1981年10月に会社が設立され、2009年1月にコダック株式会社へ商号が変わりました。そしてさらに、2013年12月にコダック合同会社へと商号が変更となりました。

上記事業の推進において、コダックはお客のニーズを先取りし、印刷業界だけでなく産業界の垣根を超えて、国内外でパートナシップの確立を進めています。また、大きな変化の中にいるコダック合同会社は、積極的に変化に挑戦して取り組んでいます。

コダックの事業売却(M&A)事例

コダックの事業売却(M&A)の代表的な事例についてご紹介します。コダックの事業売却は、経営再建の過程として行ったものが目立ちます。いずれもそれぞれの目的に沿う方法で、さまざまなメリットの実現を図る事例です。事業売却とその後の流れも含め、事例を分析しましょう。

①フレキソグラフィックパッケージング事業部の売却

コダックは2018年11月、フレキソグラフィックパッケージング事業部(以下FRD)を、大手プライベート・エクイティ会社のMontagu Private Equity LLPに売却することを発表しました。FRDは、KODAK FLEXCEL NXシステムなどのフレキソグラフィック製品の開発・製造・販売を手がける新独立企業として運営します。

コダックのFRD事業はパッケージング印刷業界における重要な地位を確立しており、確かな業績を積みあげてきました。こうした中で培ったソリューション実績が、新体制のもとでも引き続き活用されるでしょう。

また、コダックは今回の事業売却により、最大で3億9,000万ドルの対価の受け取りを見込んでいます。そして、事業売却による収入をコダックの定期借入債務残高の圧縮に使用し、資本構成の改善や財務状態の強化などを図ります。

②写真フィルム事業とスキャナー事業の売却

コダックは2013年4月30日、イギリスの退職者ファンドであるコダック年金プラン(以下KPP)に、写真フィルム事業とスキャナー事業を売却することを発表しました。両事業の売却金額は約640億円です。スキャナー事業は同年4月15日にブラザー工業への売却を発表しましたが、白紙となりました。

写真フィルムなどを扱うパーソナライズド イメージング事業と、スキャナーの販売などを展開するドキュメントイメージング事業が、KPPにまとめて売却されています。この2事業の売却は、コダックの経営再建中に行われました。

2事業の売却先であるKPPはコダック最大の債権者でもあり、イギリスに住むコダックの退職者や現従業員を対象とする年金の運営を行っています。コダックは写真フィルム事業とスキャナー事業をKPPに売却し、その収入の一部をチャプター11(米連邦破産法第11章)からの経営再建支援とコマーシャルイメージング事業の拡張に使用しました。

そして、KPPがコダックとその関連会社に対する約28億ドルの支払い請求を取り下げる流れになっています。つまり、2事業の売却が完了した時点で、コダックと関連会社はKPPへの債務を免除されるのです。これらの売却を行ったコダックは、高速印刷機や商業印刷といった法人向けの事業集中を進めています。

事業売却は専門家に相談

事業売却は、どのタイミングで売却するべきか、どの事業を売却すべきかなど、専門的な判断が必要です。業界の動向や相手企業の業績なども踏まえ、さまざまな観点から判断しなくてはなりません。このような判断を自社だけで進めるのは困難です。

また、安易に事業売却を進めれば、トラブルが発生する可能性もあります。こうした事態を防ぐためにも、事業売却にあたってはM&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートを受け、相談をしながら手続きを進めることが重要です。

もし、事業売却を検討されている場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーや会計士が在籍しています。

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まとめ

コダックの事業売却の事例は、経営再建を進める中で行われたものがあります。複数の事業を売却し、売却によって得た資金をもとに財務状態の改善や強化を図るケースが見られます。近年、さまざまな業界でM&Aが活発化していますが、経営再建を見据えた事業売却の事例も今後は増加するでしょう。

経営上の問題があった企業でも、効率的な事業売却によって経営を立て直し、伝統を守った事業展開を行うことが可能です。コダックの事例をはじめ、今後はさまざまな形での事業売却が注目されます。

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