コーポレートガバナンスとは?意味や目的、M&Aによる強化方法をわかりやすく解説

M&AやMBOの活用により、コーポレートガバナンスを強化できるケースがあります。大幅な経営改善を果たすために、コーポレートガバナンスの徹底は優先順位の高い施策の一つといえるでしょう。コーポレートガバナンスの意味をしっかり理解し、経営に活かしていきましょう。

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2020年1月12日更新

目次
  1. コーポレートガバナンス
  2. コーポレートガバナンスが重視される理由
  3. コーポレートガバナンスのメリット・デメリット
  4. コーポレートガバナンスの目的と原則
  5. M&Aとコーポレートガバナンス
  6. コーポレートガバナンスの成功事例
  7. コーポレートガバナンスの強化方法と改革
  8. まとめ

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コーポレートガバナンス

ここ数年は経営環境に変化が現れ、コーポレートガバナンスが重要視されるに至っています。コーポレートガバナンスはM&Aにも関係しているので、理解しておいて損はないでしょう。今回は、コーポレートガバナンスの強化に向けたM&Aの活用方法や成功事例をご紹介します。

コーポレートガバナンスの意味

上場企業の経営は、出資してくれる株主によって成り立っています。つまり、上場企業にとって株主は重要な存在であり、株主重視の経営を遂行しなければなりません。その方法の一つとしてコーポレートガバナンスが着目されています。

コーポレートガバナンスは企業経営を統制・監視する機能を意味しますが、定義は明確に定められていません。監査役・社外取締役などの機関設置や情報開示の徹底をさすこともあります。

企業経営の公平性や透明性を確保することで既存株主の利益を重視できるので、企業価値向上や持続的成長につながります。したがって、上場企業や上場を目指す企業は、コーポレートガバナンスを遵守しましょう。

また、上場に関心がない中小企業であっても、コーポレートガバナンスが健全な経営管理に必要であるのはいうまでもありません。そのほか、コーポレートガバナンスはM&Aの目的になることもあります。

もし、コーポレートガバナンスをふまえてM&Aを実施するのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。M&Aについて豊富な知識と経験を持つプロが国内最安値の水準でM&Aをフルサポートいたします。相談は無料なので、お気軽にお問い合わせください。

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内部統制やコンプライアンスとの違いについて

内部統制は公正で透明性の高い事業を実施するために経営者や従業員が守らなくてはならない仕組みです。具体的な要素として、モニタリング、統制環境の整備、リスク評価、ITへの対応などが挙げられます。

透明性のある情報開示を目的としている点でコーポレートガバナンスと似ていますが、主な違いは経営層だけでなく従業員までを対象としていることでしょう。健全な経営基盤を整える下支えとして、内部統制が必要不可欠であるといっても過言ではありません。

また、コンプライアンスとの違いについて気になる方もいることでしょう。コンプライアンスは法令順守を表しますが、最近では社会規範を守ることもさします。その点からコーポレートガバナンスに含まれた用語として考えられています。

そのほか、企業の社会的責任を示すCSRや、企業がトラブルに陥ったときにダメージを減らすリスクマネジメントなど、似たような言葉がさまざま出回っています。企業統治についての理解を深めるためにも、それぞれの意味を最低限知っておくようにしましょう。

体制を確立するための相談先

コーポレートガバナンスの体制を整えるためには会社法や金融商品取引法などを把握する必要が出てきます。しかし、法律には専門用語が多く、ときには難解な内容と出くわすこともあるかもしれません。そのような場合は弁護士に相談することをおすすめします。

専門的な法律の知識をもとに、企業の状態に合わせた経営体制の構築を提案してくれます。そのほか、不祥事の対応をはじめ、事業運営や取締役会の決議などについても意見を交わすことも可能です。

コーポレートガバナンスが重視される理由

コーポレートガバナンスが重要視されている理由は、主に下記のとおりです。理由を知ることでその必要性を実感できるようになることでしょう。

株主利益を害する経営者の行動

上場企業は出資してくれる株主に利益を還元しなくてはなりません。しかし、株主を重視すべきにもかかわらず、不必要な投資を行う経営者が存在します。この課題はエージェンシー問題と呼ばれ、株主からの問題提起に伴いコーポレートガバナンスを導入する企業が増加しています。

不祥事の顕在化

粉飾決算や労働基準法違反など、バブル崩壊以降に日本企業の不祥事が増加傾向です。不祥事は株主や従業員などに損害をもたらし、業績悪化や倒産を招くリスクもあります。それぞれの利益を守るために、コーポレートガバナンスによって経営監視機能を強化する動きが活発化しています。

コーポレートガバナンスのメリット・デメリット

統制がうまく作用すると企業の私物化や不正を防げます。そのほか、企業が営利主義に傾かないようにしたり、企業理念に沿った経営に近づけたりすることで組織の内部腐敗を防止する役割も期待できます。

その反面、企業活動のペースを低下させてしまうデメリットがあることも押さえておきましょう。たとえば、利益を拡大できる機会があったとしても、監視機能が厳しいと行動が制限され、チャンスを失ってしまう恐れがあります。

このように、不利益を生じさせるケースも考えられるので、やみくもに統制すればよいわけではありません。メリットとデメリットを知ったうえでバランスを調整することが大切といえるでしょう。

コーポレートガバナンスの目的と原則

コーポレートガバナンスの目的は、日本取引所グループが定めるコーポレートガバナンス・コードの基本原則で明確化されています。この項では、基本原則で定められたコーポレートガバナンスの目的を含めて、詳しく解説します。体制を見直す際に参考にしてみるとよいでしょう。

経営者の暴走を抑止する

組織内部で不正が表面化するのは、一部の経営陣が暴走した結果と関係しています。企業で不祥事が起こると会社の信頼が損なわれるだけでなく、日本経済の悪化にもつながりかねません。経営者の暴走を抑止するためには、コーポレートガバナンスの果たす役割が重要です。

株主の権利を確保

株主には、自益権や共益権が保証されています。自益権は会社が得た利益を配当などで受け取る権利をさし、共益権は会社の意思決定に参画する権利を意味します。コーポレートガバナンスには、自益権や共益権の行使を確保する目的があります。

株主の平等性を維持

株式会社にとって、株主の信頼を守ることは重要な責務の一つです。そのため、会社においては、株主平等の原則が適用されます。持ち株数や株式の内容に応じて、株主は平等に扱われるという原則です。コーポレートガバナンスには、株主の平等な権利行使を保守する目的も含まれます。

株主以外のステークホルダーとの適切な協働

企業は経営者だけの力で運営されているわけではありません。従業員・顧客・債権者も企業価値を向上させるのに大切な存在です。コーポレートガバナンスは、株主以外のステークホルダーとの適切な協働に向けて、従業員などの権利や立場を尊重する役割も果たしています。

株主との対話

コーポレートガバナンスでは、株主の利益を確保するために株主との対話を重視しています。経営陣は常に株主の関心や懸念に注意を払い、方針や戦略を株主に対して明確に説明しなくてはいけません。意思疎通がスムーズになれば、株主との関係を良好に保つことができるでしょう。

適切な情報開示と透明性確保

コーポレートガバナンスには、適切に情報を開示することで透明性を確保する目的があります。具体的には、経営業績や財政状態、経営課題などの情報を開示することで、株主などを含む関係者の利益を保護できます。

取締役会の責務達成

取締役会の責務達成も、コーポレートガバナンスの重要な目的の一つです。取締役会の責務とは、持続的成長や企業価値向上、収益力の改善などをさします。以上がコーポレートガバナンスにおける6つの目的です。

内容はそれぞれ異なりますが、株主を含む利害関係者の保護が根本的な目的といえます。株主に出資してもらうのであれば、会社はコーポレートガバナンスの目的を果たさなくてはなりません。

M&Aとコーポレートガバナンス

M&Aの有効活用により、コーポレートガバナンスの強化できるケースがあります。この項では、コーポレートガバナンスの強化に向けたM&Aの活用方法を2つご紹介します。

投資家によるM&A(買収)

株主の利益を軽視した企業こそコーポレートガバナンスの強化が必須です。コーポレートガバナンスを強化させるために、経営が非効率である会社を投資家が買収する方法があります。M&Aの後、投資家や株主を重視する人物が経営者に就けば、効率的な経営を実現可能です。

このように買収されるリスクが存在すれば、経営陣は効率的な経営に努めます。敵対的買収は好ましくないイメージがある一方で、コーポレートガバナンスの強化を促すこともできます。

MBOによるM&A(買収)

MBO(マネジメントバイアウト)とは、経営陣が自社株式を買収するM&Aをさします。経営陣と投資家の間で所有と経営が分離すると、株主がビジネスを適切に把握できなかったり、株主の利益に合わない経営判断がなされたりするなど、コーポレートガバナンスに問題が生じます。

その点、経営陣がM&Aを実行すれば所有と経営を一致できるので、問題を解消できます。単純明解な解決法ですが、経営陣のM&Aによってさらなるコーポレートガバナンス問題が生じるリスクもあるので注意が必要です。

たとえば、MBOの際、M&Aに必要な資金を金融機関から調達するときに、金融機関の投資家と経営陣の間で摩擦が生じることがあります。ただし、間接的で大きな問題にならない場合がほとんどです。

※関連記事

M&Aとは?M&Aの意味をわかりやすく解説!

MBOのメリット・デメリット

コーポレートガバナンスの成功事例

コーポレートガバナンスの成功事例として、パナソニックの取り組みを紹介します。パナソニックは世界的な知名度を誇る日本の電機メーカーであり、日本では珍しいカンパニー制を採用しています。

カンパニー制とは、各事業部門が一企業のように独立して活動する組織です。パナソニックでは7つのカンパニーを設置しており、その1つにコーポレート戦略本社があります。コーポレート戦略本社では、グループ戦略会議をはじめコーポレートガバナンスの強化活動を実践しています。

情報開示やコーポレートガバナンス・コードの実施なども徹底し、大幅な経営改善を果たしています。パナソニックの成功事例からは、コーポレートガバナンス強化の重要性がうかがえます。

コーポレートガバナンスの強化方法と改革

この項では、コーポレートガバナンスを強化する5つの方法について具体的に解説します。対策を打ち損ねている方法があれば、率先して取り入れてみてください。

社外役員・委員会の設置

代表的な強化方法は、社外役員や委員会を設置することです。企業内部に経営体制を監視する機関を設置することで不正を減らしやすくなります。外部から招聘(へい)した社外取締役や社外監査役、委員会の設置などが特に効果的です。

業務の可視化

日本企業の大半は、エリアや部門別に異なる業務を行っています。戦略的に間違っていませんが、会社全体における統治の弱体化を招いており、不祥事を生み出す危険性が懸念されます。会社全体で業務の可視化を図ることが大切です。

執行役員制度の導入

執行役員制度は、業務執行機関と意思決定機関を隔てる制度です。取締役会の業務執行への関与を減らすことで、客観的な立場による監査機能を実現しやすくなります。

社内全体にコーポレートガバナンスを周知

コーポレートガバナンスの強化は、経営陣だけで取り組むものではありません。株主や社外とともに従業員に方針を理解してもらうことが大切です。したがって、社内全体に周知し、会社全体で強化に努める必要があります。具体的な行動規範を作成すると周知しやすいでしょう。

※関連記事

経営改善の手法とは?損益分岐点分析やKPI管理の活用

まとめ

M&AやMBOの活用により、コーポレートガバナンスを強化できるケースがあります。MBOでは、経営陣がM&Aによって所有と経営を一致させることで、コーポレートガバナンスにおける問題を減らせます。

コーポレートガバナンスの徹底は、大幅な経営改善を果たすために優先して行うべき施策の一つであるので、コーポレートガバナンスの意味をしっかり理解して経営に活かしていきましょう。

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