2020年4月2日更新資金調達

ソニーの事業売却(M&A)とは?事例や動向をご紹介

近年活発化しているM&Aの手法の一つが、事業売却です。M&Aも含めた今後の事業戦略や業界に与える影響など、ソニーの事業展開や動向は大きく注目されています。またソニーの幅広い事業展開は、それぞれの事業にソニーが培った伝統が活かされています。

目次
  1. ソニーの事業売却(M&A)とは
  2. M&Aの種類
  3. ソニーとは
  4. ソニーの事業売却(M&A)事例
  5. 事業売却は専門家に相談
  6. まとめ
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ソニーの事業売却(M&A)とは

M&Aには様々な手法があり、事業売却(事業譲渡)もM&Aの一つです。近年のソニーのM&A事例でも、事業売却を活用した事例が見られます。特に、ソニーがパソコン事業を売却したケースは、事業売却の一例として聞いた方も多いはずです。

この記事ではソニーの事業売却の事例や動向についてご紹介しますが、事業売却などの手法も含めてM&Aの種類や意味も整理しておきましょう。

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M&Aの種類

M&Aは、Mergers and Acquisitions(合併と買収)の略称です。2つ以上の会社が1つの会社になる合併(Mergers)と、ある会社が他の会社を買い取る買収(Acquisitions)を意味します。会社分割や資本業務提携なども、一般的にはM&Aに含まれます。

M&Aで、買収という言葉を聞く機会は多いです。買収の手法は様々で、大きく分けると株式取得(株式譲渡・新株引受・株式交換・株式移転)、事業譲渡(全部譲渡・一部譲渡)があります。一般的には株式譲渡が多いですが、近年のM&Aの活発化に伴い事業譲渡(事業売却)も含めて様々な手法が活用されています。

事業売却(事業譲渡)の意味

事業売却(事業譲渡)とは、会社の事業の全部または一部を他の会社に売却(譲渡)することです。事業の全てを売却するだけでなく、事業の一部を売却することも可能です。

また、売却した事業の経営権は移転しますが、売却しなかった事業の経営権は譲渡会社に残ります。このように、事業ごとに経営権を分けて考えます。

株式譲渡の意味

事業売却(事業譲渡)の仕組みは、株式譲渡との違いを考えるとイメージしやすいです。株式譲渡は、株主が保有する株式を第三者に譲渡することです。株式譲渡では株式が移転しますが、これは会社の経営権とも深く関係します。

会社の経営権は株式の割合によって変わるため、株式譲渡では、どれだけの割合の株式が譲渡されるのかが重要になるのです。株式には、基本的に株主総会での議決権が付与されています。株主総会では会社の経営に深く関係する決議が行われ、議決権の過半数があれば株主総会の普通決議を議決できます。

つまり、議決権のある株式の過半数を有すれば、会社の経営権を有することにつながるのです。そのため、どのくらいの割合の株式を取得できるかは、会社の経営権に関する重要なポイントになります。株式の100%を譲渡すれば、その会社の経営権は全て移転となります。

事業売却(事業譲渡)と株式譲渡の違い

事業売却(事業譲渡)は事業が移転するため、株式自体は動きません。また、移転した事業の経営権は譲渡先に、移転しなかった事業の経営権は譲渡会社に残る仕組みです。

一方、株式譲渡は株式が移転するため、事業単位で譲渡は行われません。経営権も株式の割合で変わるため、事業ごとに経営権を判断するケースとは異なります。事業売却(事業譲渡)と株式譲渡は、それぞれの手続きや経営権をめぐる仕組みが違うのです。

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ソニーとは

1946年の創立以降ソニーは実績を重ね、日本を代表する企業の一つとして世界的にも高い評価を誇ります。モバイル・コミュニケーション、ゲーム&ネットワークサービス、半導体、音楽、金融など、展開する事業は多いです。

また、パソコン事業や電池事業の売却など、近年はいくつかの分野で事業売却も行っています。ただ、パソコン事業はソニーとは異なる形での事業展開であり、しっかりとVAIOの名前は受け継がれています。事業売却を行いつつも、ソニーが培ったノウハウを幅広い業界・企業で活かすことは変わりありません。

ソニーの事業売却(M&A)事例

ソニーの事業売却の事例について詳しく見ていきましょう。いずれも特定の事業を他社に売却した事例です。事業売却に至った背景、事業売却の流れ、売却後の事業展開など、事例の分析に役立ててください。

①電池事業の譲渡

2016年10月、ソニーが村田製作所へ電池事業を譲渡することを発表しました。海外の競争規制法当局の審査が長引くなどの事情により2度の延期を経て、2017年9月に事業譲渡が完了しています。

ソニーは1975年から電池事業を開始し、1991年にはリチウムイオン充電池を世界で初めて商品化するなど、確実に実績を積み上げてきました。しかし近年は価格競争の激化などもあり、業績不振も目立ちました。こうした状況の中で、村田製作所への事業売却を決定しています。

この事業売却の対象範囲は、ソニーの100%子会社であるソニーエナジー・デバイスが展開する電池事業、中国とシンガポールにソニーが有する電池事業に関する製造拠点、ソニーグループが国内外に有する販売拠点・研究開発拠点のうち電池事業に関する資産および人員です。譲渡金額は約175億円になります。

ソニーブランドとして展開するUSBポータブル電池、アルカリ乾電池、ボタン・コイン電池、モバイルプロジェクターといった一般消費者向け販売などの事業は、村田製作所への事業売却の対象に含まれません。

また、村田製作所はエネルギー分野への注力を進めていましたが、ソニーから電池事業を買収したことにより、設備や事業ノウハウの獲得へとつなげています。そして、ソニーが培った電池事業の技術力などを承継し、エネルギー分野の中核事業にしています。

②VAIOブランドを含むパソコン事業の売却

2014年2月、ソニーは国内のパソコン事業を、投資ファンドである日本産業パートナーズ(JIP)に売却することを発表しました。ソニーは1996年からVAIOブランドとしてパソコン事業を展開しましたが、売却前には事業の低迷が目立ちました。

業績不振への対応が注目されましたが、不採算事業として売却を決定した形となっています。ソニーと日本産業パートナーズは同年5月、ソニーのパソコン事業の譲渡に関する正式契約の締結を発表し、VAIOブランドを含むパソコン事業は新設立のVAIO株式会社に引き継ぎました。

VAIOの出資比率は、日本産業パートナーズが95%、ソニーが5%です。また、この事業売却で、ソニーがVAIOブランドとして国内で営むパソコン事業とその関連資産の一部などを承継することになり、ソニーは2014年春モデルを最後にパソコン事業から撤退しています。

同年7月1日、日本産業パートナーズへのパソコン事業の譲渡が完了し、VAIOとして事業を開始しました。長野県安曇野市に本社を構え、ソニーのパソコン事業を担う長野テクノロジーサイトがVAIOの拠点です。

独立メーカーとして事業を開始したVAIOは、1年で売り上げを倍増、営業利益の黒字転換を達成し、V字回復を実現しています。また、パソコン事業のほかに受託事業(EMS事業)を展開するほか、パソコン事業も一般向けからBtoB向けに注力するなど、ソニー時代とは異なる形での事業展開にも特徴があります。

③カメラモジュールを製造する中国孫会社の持分を譲渡

これは事業売却ではなく、ソニーが株式譲渡を行った事例です。

2016年11月に、ソニーは中国完全子会社である索尼(中国)が、その完全子会社でカメラモジュールを製造する索尼電子華南(Sony Electronics Huanan)の持分の全てを、中国深圳欧菲光科技股份(SHEN ZHEN O-FILM TECH)に譲渡する確定契約を締結しました。

譲渡価額は、約99億円です。ソニーは2016年4月、デバイス分野のカメラモジュール事業に関し、将来の需要見込みの減少という見通しに鑑み、2016年度以降の中期計画を見直しました。2015年度第4四半期に減損判定を行った際、長期性資産の計上金額全額を回収する十分な将来キャッシュ・フローが得られないと決断し、596億円の減損を計上しています。

こうした中、カメラモジュール事業の規模の適正化を検討し、その一環として今回の譲渡を決めることになりました。

事業売却は専門家に相談

事業売却では売却に至るまでの背景、事業売却の流れなど、各段階で様々な事情が関係します。どのタイミングで売却を行うべきか、売却するべき事業は何かなど、専門的な観点も踏まえて判断しなくてはなりません。また業界の動向や売却先となる企業の業績・動向なども、事業売却にあたり把握する必要があります。

このように事業売却には専門的な判断が求められるため、自社だけで判断するのは困難です。トラブルを避け、事業売却を成功させるためにも、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家に相談しましょう。事業売却は、サポートを受けながら進めることをおすすめします。

もし、事業売却を検討されている場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーや会計士が在籍しています。

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まとめ

近年活発化しているM&Aの手法の一つに、事業売却が含まれます。事業の選択や集中などを図るために事業売却を行う企業も増えており、M&A事例も多様化しています。

ソニーもいくつかの分野で事業売却が行われ、特にVAIOブランドを含むパソコン事業の売却は大きな話題となりました。また、ソニーは幅広い事業を展開し、各事業にソニーが培った伝統がしっかりと活かされる形になっています。

M&Aも含めた今後の事業戦略や業界に与える影響など、今後のソニーの事業展開や動向に注目です。

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