2021年6月10日更新事業承継

タグアロングとは?意味やメリット・デメリットを徹底解説【条項例】

タグアロングとは、大株主が大量の株式を売却する際、少数株主も同等の条件で当該株式を売却することができる権利です。この記事では、タグアロングとはどのようなものか、条項を盛り込む際のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

目次
  1. タグアロングとは?
  2. タグアロングの意味
  3. タグアロングとドラッグアロングの違うところは?
  4. タグアロングのメリット・デメリット
  5. タグアロングの条項例
  6. M&Aのご相談はM&A総合研究所まで
  7. まとめ
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タグアロングとは?

タグアロングとは?

株式会社は株主からの出資をもとに会社の経営を行っており、その株主は株式会社の所有者という位置づけになっています。

株主は、株式を多数保有して会社の意思決定に大きな影響を及ぼす大株主と、株式の保有数が少ない少数株主とに分類することができます。

少数株主に焦点を当てた制度には、少数株主を強制的に排除するスクイーズアウトなどがあり、タグアロングもそのひとつです。

タグアロングとは、大株主が大量の株式を売却する際、同等の条件で少数株主も株式を売却できる権利をいいます。

株価は企業価値だけでなく、対象企業の株式の需給関係によっても左右されます。もし大株主が大量の株式を売却すると株価が低下する可能性があり、そうなればほかの株主の資産が低下することになります。

これを防ぐための権利がタグアロングであり、タグアロング条項を設けることで少数株主を守ることができます。

少数株主は会社の意思決定に大きな影響を与えることはあまりありませんが、会社の資金を調達したり大株主の影響を低下させるためには必要な存在でもあります。

タグアロング条項を設定することで、少数株主に対して資産低下のリスクを排除し、会社が希望する株主の保有割合や議決権数をコントロールすることができます。

【関連】スクイーズアウトとは?手法や注意点、メリットやデメリットについて解説!

タグアロングの意味

タグアロングの意味

タグアロングは、英語ではtag-alongと表記し、日本語では「付きまとう、跡をつける」という意味です。株式関連の用語として用いる場合、タグアロングは共同売却という意味になります。

前述したように、タグアロング条項が設けられている場合、大株主が大量株式を売却した際に同等の条件で少数株主も売却できるます。

「跡をつけて売却する」というように捉えることができるので、ここから派生して少数株主による共同売却をタグアロングと呼ぶようになりました。

タグアロングとドラッグアロングの違うところは?

タグアロングとドラッグアロングの違うところは?

タグアロングと似た言葉にドラッグアロングがありますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。この章では、ドラッグアロングとはどのようなものなのか、タグアロングとの違いを解説します。

ドラッグアロングとは?

ドラッグアロングとは、投資家が保有している株式を強制的に売却させる権利であり、ベンチャー企業が軌道に乗り出した時に多くみられます。

起業したてのベンチャー企業は資金面に乏しいため、投資家などの出資によって事業運営していくケースが一般的です。

投資家は、ベンチャー企業が軌道に乗ってきた段階でドラッグアロングを行使して株式を売却させ、利益を確定させます。

また、株価上昇が見込まれるベンチャー企業では、大株主が将来的に株式が売却しにくくなるというリスクも発生するため、投資家はある一定の段階でドラッグアロングを行使します。

しかし、ドラッグアロングを行使するタイミングは投資家によって異なるため、起業家が不利益を被るタイミングでドラッグアロングが行使される可能性もあります

そのため、どのような条件下でドラッグアロングが発動されるかということを、起業家と投資家であらかじめ取り決めておくのが一般的です。

【関連】M&AとIPOのメリット・デメリットとは?EXIT戦略における違いを比較します

タグアロングとドラッグアロングの違い

タグアロングとドラッグアロングの違いは、誰が権利を行使するかという点です。タグアロングの権利を行使するのは少数株主であり、大株主が大量の株式を売却した場合に自身の資産減少を防ぐために権利を行使して同じ条件で保有株式を売却します。

一方、ドラッグアロングの権利を行使するのは投資家です。投資家自身の保有株式分だけではシェアなどの問題で売却が難しくなるリスクがありますが、ドラッグアロングを行使することで経営陣の持ち分も同時に売却させることができます。

タグアロングのメリット・デメリット

タグアロングのメリット・デメリット

タグアロング条項を設けることは、会社側・株主にとってどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここでは、タグアロングの主なメリット・デメリットを解説します。

タグアロングのメリット

まずは、タグアロングのメリットをみていきます。主なメリットとしては、以下の2つが挙げられます。

【タグアロングのメリット】

  1. 出資者を幅広く募ることができる
  2. 大株主が大量の株式を売却しやすくなる

1.出資者を幅広く募ることができる点

タグアロングが設けられている場合、大株主が一度に多くの株式を売却しても少数株主は自身が被り得るリスクを軽減することができます。

タグアロングが設けられていない企業の場合は、多くの株式を保有している株主が大量売却をすれば、そのほかの株主は自身の資産価値が低くなるリスクを背負っています。

しかし、タグアロングが設けられていれば少数であっても株式を保有しやすくなるため、結果的に企業は広く出資を募れることになります。

2.大株主が大量の株式を売却しやすくなること

タグアロングが設けられている場合、大株主がにとってもメリットがあります。もし何らかの事情で大株主が一度に多くの現金化しなければならない場合もあるでしょう。

このような場合、タグアロングが設けられていなければ、企業への事前相談が必要になるケースもあります。

しかし、タグアロングが取り決められていれば相談に要する手間や時間を大幅に削減することができます。

タグアロングのデメリット

一方、タグアロングのデメリットとしては、主に以下の2点が挙げられます。

【タグアロングのデメリット】

  1. タグアロングを設けることで株主構成が変化し、経営が不安定になる恐れがある
  2. タグアロングを設けることが投資家に悪いイメージを与える恐れがある

1.タグアロングを設けることで株主構成が変化し、経営が不安定になる恐れがある

タグアロング条項を設けられていると、大株主による株式の大量売却が行われた場合、少数株主も売却を行う可能性が高いため、株主構成が大きく変化することになります。

そうなれば企業が望まない第三者へ株式が一度に渡る可能性もあり、経営が不安定になる恐れも秘めています。

2.タグアロングを設けることが投資家に悪いイメージを与える恐れがある

タグアロング条項が設けられているということは、ベンチャー企業などでは大株主が企業への出資を引き上げるケースが想定されているということでもあります。

株式売却が行われるタイミングによっては、事業拡大が難しくなるなど企業がデメリットを被る可能性もあります。そうなれば、大株主候補となるような投資家は出資が難しいと判断することも考えられます。

タグアロングの条項例

タグアロングの条項例

タグアロング条項を設ける場合、以下のような内容を盛り込みます。以下の例には記載していませんが、通常は共同売却に参加できる株式数の算定方法、株式の購入者が数を増やした場合の扱いなども盛り込んでおきます。

【タグアロングの条項例】

  1. 各投資家は、大株主が譲り渡す対象者に譲り渡しを予定するのと同一条件で、譲り渡す対象者に投資家が保有する株式の全部もしくは一部を譲り渡すことを、譲り渡しを予定する事業者に対して申し入れ可能にするものとする。
  2. 第1項の内容より少数株主が共同売却を請求した場合、譲り渡す対象者が譲り渡しを希望する少数株主の全株式の買取を希望しないときは、譲り渡しを希望する株主及び少数株主は、譲り渡しを希望した株式数の合計に対する各自の株式数割合に応じて、譲り渡す対象者に対して株式を譲り渡すことができる。

上記の条項では、タグアロングを行使する際はは売却する相手も事前に申し入れができること、共同売却で少数株主の株式をすべて買い取らない場合でも一定割合の株式を売却が可能であることを示しています。

タグアロング条項の内容をどのようにすべきかは会社によって異なる部分もあるので、弁護士などの専門家とよく相談して決めるようにしましょう。

M&Aのご相談はM&A総合研究所まで

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まとめ

タグアロング まとめ

タグアロングは少数株主を保護する目的で取り決める条項です。少数株主に対する資産低下リスクを排除し、企業は希望する株主の保有割合や議決権数をコントロールすることが可能です。

タグアロング条項を設ける際は、専門的な見解が必要となるため、専門家に相談して進めるようにしましょう。

【タグアロングのメリット】

  1. 出資者を幅広く募ることができる
  2. 大株主が大量の株式を売却しやすくなる
【タグアロングのデメリット】
  1. タグアロングを設けることで株主構成が変化し、経営が不安定になる恐れがある
  2. タグアロングを設けることが投資家に悪いイメージを与える恐れがある

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