2020年2月7日更新会社・事業を売る

不採算部門の切り離し・撤退方法

不採算部門の対処において、​​​撤退だけでなく再建や継続も視野に入れる必要があります。また、不採算部門の撤退を決断した際は撤退方法が重要です。本記事では不採算部門の切り離し・撤退方法を中心に、不採算部門の対処法や判断基準などを解説します。

目次
  1. 不採算部門の切り離し・撤退方法
  2. 不採算部門とは?不採算部門の意味と対処法
  3. 不採算部門の切り離し・撤退の判断基準
  4. 不採算部門における従業員のリストラと解雇
  5. 不採算部門の撤退とM&Aの活用
  6. 不採算部門における会社分割と事業譲渡
  7. まとめ
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不採算部門の切り離し・撤退方法

不採算部門に頭を抱える経営者もいることでしょう。不採算部門があるだけで経営に影響を及ぼし、赤字に転落する可能性もあります。今回は、不採算部門の対処方法に関するさまざまな情報をお伝えします。

不採算部門とは?不採算部門の意味と対処法

不採算部門の対処方法は複数ありますが、状況によって選択しなければなりません。ここからは、対処方法を決定するまでの流れと各種方法の詳細について解説します。

不採算部門の種類と現状把握

不採算部門とは収入よりも支出が多く、採算が取れない部門です。不採算部門が発生した場合、対処方法の決め方が重要です。不採算部門の扱い方は再建、撤退、継続の3つが挙げられます。どの方法を不採算部門に適用するかについて判断しなければなりません。

そのため、不採算部門の現状を正確に把握することが大切です。不採算部門の取引先や顧客に与える影響を考えないと、事業・財務に関する潜在的なリスクを見過ごしてしまいます。不採算部門の事業・財務にデューデリジェンスを実施することも検討してください。

また、不採算部門に対処する場合、その範囲も考えておくべきです。不採算部門の中には複数の事業や部門に関係している場合もあり、対処方法を誤るとほかの事業や部門の運用に支障をきたす恐れがあります。以上の点を正確に把握し、調査を完了させたら、不採算部門の対処法を決めます。

不採算部門の対処方法

続いて、不採算部門の対処方法について見ていきます。再建、撤退、継続それぞれ特徴があります。

再建

不採算部門に関する代表的な対処方法が再建です。赤字経営になっている理由や赤字に転落したタイミングなど、不採算部門が発生した原因や内実を徹底的に分析します。その際、損益分析を含む会計知識が必要な場面もあるので注意しておきましょう。

また、最近は会社単体で再建に取り組むだけでなく、経営コンサルティング会社の協力を得たり、M&Aを実施したりすることで不採算部門の再建を図るケースもあります。

撤退

再建が難しい場合、不採算部門の撤退を判断します。判断の際には、不採算部門の撤退における影響を把握し、少数チームで極秘裏に検討しましょう。不採算部門の撤退に伴い事業が停止し、ときには事業譲渡や整理解雇も発生します。

労働組合や取引先、従業員などに情報が漏れるとトラブルにつながりかねません。不採算部門の撤退を検討する際には、法務や財務、税務、会計などの専門知識に長けた必要最小限のメンバーでチームを構成しましょう。

継続

一方、不採算部門をあえて継続させておく対処法もあります。不採算部門が利益に直結する取引先を抱える場合に活用されます。現状維持が合理的な場合もあるので、安易な考えで不採算部門に手を加えないようにしましょう。

不採算部門の切り離し・撤退の判断基準

不採算部門を撤退させるとほかの部門や取引先に影響を及ぼすリスクがあり、再建の余地があるのなら継続が良好な効果をもたらす可能性もあります。不採算部門の撤退を判断する際は、部門の現状を多角的に分析することが重要です。

そのために、事業部門別損益計算書を作成して、部門の利益構造を明らかにします。事業部門別損益計算書の作成では、会社全体の利益を個別の部門に落とし込み、部門別の利益から個別コストと共通コストを差し引きます。

事業部門別損益計算書の作成は、数字をもとに不採算部門の現状を知る作業です。そのため、現状を目の当たりにして悲観的になることも考えられます。しかし、不採算部門の現状を知ることは重要なことです。

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不採算部門における従業員のリストラと解雇

事業部門別損益計算書を作成した後は、人員コストにも目を向けていきます。不採算部門の現状を従業員と共有することで問題意識の想起につながり、細かい数字のエビデンスを得ることで不採算部門を再建する糸口が見つかる可能性があります。

もし、不採算部門の撤退で整理解雇を検討するなら、リストラの件数や緊急度を吟味しなければなりません。リストラは経営者の方が避けたい選択肢ですが、不採算部門の影響への対処として念頭に置いておく必要があります。ただ、撤退は必ずしもよい判断とは限りません。

従業員に再建の意志があるのなら、経営者は最大限それに応えるべきでしょう。その点、撤退はあくまで最終的な手段といえるかもしれません。

不採算部門の撤退とM&Aの活用

不採算部門の撤退によって会社を成長させられる場合もあります。その際にM&Aが役立つケースもあるので、活用のポイントについて解説していきます。

不採算部門の撤退は必ずしもマイナスではない

不採算部門の再建が不可能と判断された場合、不採算部門からの撤退が迫られますが、必ずしもマイナスではありません。

大企業が大幅な赤字を計上し、不採算部門から撤退するというニュースはよくあり、ネガティブなイメージが伴います。中小企業の経営者の方も、不採算部門の撤退に抵抗感を覚えるという人も多いでしょう。

実際、不採算部門の撤退は最終手段であり、必要があればリストラや会社分割をするなどして会社の組織を大きく変化させます。しかし、不採算部門の撤退によって、かえって会社が成長する可能性もあります。具体的には、会社のコア事業が明確になり、効率的な組織体制を実現できることがあります。

不採算部門の撤退にM&Aを活用する場合

不採算部門の撤退を目的にM&Aを実施する場合、売却益で資金を増やせるため、ほかの事業の拡大や事業の立て直しに着手できます。コア事業を集中的に成長させることが、会社全体の成長につながったというケースは多くあります。

このケースをふまえると、不採算部門を撤退するタイミングが会社の成長にとって鍵といえるでしょう。従って、不採算部門の撤退を事業譲渡や会社分割のようなM&Aで行う場合、売却するタイミングを見抜かなければなりません

売却の適切なタイミングは会社の事情や業界の動向によりますが、不採算部門が発生している際にM&Aの選択肢を考慮しておくのは昨今の主流といえます。もし、M&Aを行うのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aを国内最安値水準でフルサポートいたします。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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リストラクチャリングとは?事例やM&Aを活用した方法をわかりやすく解説します

不採算部門における会社分割と事業譲渡

不採算部門の撤退にM&Aを活用するのは、昨今ではスタンダートになりつつあります。M&Aによって不採算部門の撤退を行えば、売却益で資金を獲得できるほか事業自体も継続できます。

また、従業員のコンセンサスが得られていれば雇用を守ることにもつながるでしょう。ここでは、不採算部門の撤退を行う際の代表的な手法を2つご紹介します。

会社分割

会社分割は、社内の事業に関する権利義務の全てあるいは一部を他社に承継させる方法です。事業譲渡とほとんど変わらないように見えますが、会社分割のプロセスは全く異なっています。まず、会社分割の手法は吸収分割と新設分割の2種類です。

吸収分割は既存の会社に事業を承継させる手法であり、事業譲渡に酷似しています。対して新設分割は新しく会社を設立し、その会社に事業を承継させる手法です。この手法は会社を新しく設立する点で、事業譲渡とは全く異なっています。

また、会社分割は承継される事業の内容が事業譲渡と大きく違います。事業譲渡の場合、契約範囲内で承継対象を採択できますが、会社分割は事業の全てを包括的に承継する手法です。

そのため、分割される事業に属する対象は全て分割承継会社(分割された事業を承継する会社)に受け継がれますが、この点が会社分割の問題点です。事業に関する簿外債務や訴訟などのリスクも承継され、トラブルに発展するケースも少なくありません。

また、会社分割は登記が必要な場面もあるため、事業譲渡と根本的にプロセスが異なる部分があります。会社分割と事業譲渡を混同しないように気を付けましょう。

事業譲渡

事業譲渡は会社の事業を譲渡・売却する手法です。事業譲渡では、売買契約や賃貸借契約を交わして事業の全てあるいは一部を譲渡します。売り手側の会社であれば売却益を得られるため、不採算部門の撤退と売却益による資金の獲得を期待できます。

また、事業譲渡の特徴は、買い手の会社が承継対象を契約の範囲内で自由に採択できる点です。売り手側の会社が、譲渡する事業の中で残したい資産・設備などを買い手の会社に承継させないことも可能です。

反対に、買い手の会社が承継対象を自由に選択できるので、負債の承継を避ける可能性もあります。そのため、売り手の会社が本当に除去したい要素を除去できないこともあるので注意しましょう。

加えて事業譲渡では、事業の許認可や従業員との雇用契約などが白紙になるため、それぞれ取り直す必要があります。それだけでもかなり手間がかかりますが、何より重視すべきは従業員との雇用契約です。

雇用契約は従業員の同意がなければ締結できないため、事業譲渡に反発する従業員が離職しやすい状況に陥ります。そのため、従業員が流出するリスクも、事業譲渡の実施で懸念しておくべきでしょう。

事業譲渡は、法人税ではなく消費税の課税対象となる取引です。価格を設定する際には消費税の課税をふまえて計算する必要があります。

※関連記事
会社分割とは?手続きやメリット・デメリット、事業譲渡との違いを解説

まとめ

本記事の要点は、下記のとおりです。

  • 不採算部門の対処法は再建、撤退、継続が挙げられる
  • いずれの対処法を選択する前に不採算部門の現状をしっかり把握しておく必要がある
  • 不採算部門の撤退は事業部門別損益計算書を作成したり、人員コストを分析したりすることによって判断する
  • 不採算部門の撤退は最終手段であり、判断の過程で再建の余地が見つかることもある
  • 不採算部門の撤退は必ずしもネガティブなものではなく、会社の成長のきっかけになることもある
  • 不採算部門の撤退をM&Aで行う場合、事業譲渡と会社分割という手法が挙げられる
  • 事業譲渡と会社分割は似た手法であるが、いずれも全く異なる手法であるため、混同しないように注意する

不採算部門の対処として、撤退を考えるだけでは不適切です。立て直せる可能性がある場合は再建を優先し、必要があれば放置・継続させる柔軟な対応が必要となります。また、不採算部門の撤退を決断した際、撤退方法を考えることも大切です。

もし、M&Aを行うなら売却のタイミングを見計らいます。この点は経営者の手腕が問われるといえるでしょう。しかし、M&Aの経験がなければ適切なタイミングを判断するのは難しいといえます。少しでも不安を感じるのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所は、さまざまな業種においてM&Aの仲介をサポートしてきました。豊富な経験をもとに売却のタイミングについても適切にアドバイスいたします。相談料も無料なので、ぜひお問い合わせください。

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