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2019年12月6日更新
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リストラクチャリングとは?事例やM&Aを活用した方法をわかりやすく解説します

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

リストラクチャリングとは、全社的な収益構造の改革を意味し、経営が停滞している現状を打破する上で有効な施策です。積極的なリストラクチャリングの一つに、M&Aがあり、不採算事業を売却する事で、事業構造の根本的な改革を実現可能です。成功事例を参考にしながら、効果的なリストラクチャリングを検証しましょう。

目次
  1. リストラクチャリング
  2. リストラクチャリングとは?リストラクチャリングの意味
  3. M&Aによるリストラクチャリング
  4. 財務(フィナンシャル)リストラクチャリング
  5. リストラクチャリングの業務
  6. リストラクチャリングの事例
  7. まとめ

リストラクチャリング

会社経営において、経営者が実施すべき施策は様々あります。
その中の一つに「リストラクチャリング」があります。
リストラクチャリングは、経営が停滞している現状を打破する上で有効な施策です。
この記事では、リストラクチャリングについて分かりやすく解説します。
経営に行き詰まっている会社経営者の方必見です。

リストラクチャリングとは?リストラクチャリングの意味

まず初めに、リストラクチャリングについて分かりやすくお伝えします。

⑴リストラクチャリングとは

リストラクチャリングとは、事業構造の再構築を意味します。
英語で表すと「restructuring」を指し、広義の意味では政治や経済、社会全体を根本的な部分から再構築する事を指します。
会社経営に限ると、業績不振や市場成長の停滞等の環境変化に対応する目的で、大規模な改革に取り組む意味を持ちます。
そして、不採算事業の規模縮小や撤退、統廃合、分社化等により、不採算事業の整理に取り組みます。
事業再生目的で行うM&Aも、リストラクチャリングの一手法であると言われています。
不採算事業の整理と同時に、主力事業への経営資源集中にも着手します。
つまりリストラクチャリングとは、全社的な収益構造の改革を意味します。

⑵日本における「リストラクチャリング」

日本では「リストラ」と略して呼ばれており、人員削減による事業規模の縮小(ダウンサイジング)としての意味合いが強いです。
根本的な会社の改革よりも限定的である為、事業の再構築や主力事業への経営資源の集中は別の戦略として考える場合が多いです。
バブル崩壊による景気悪化を理由に、日本国内では不採算事業の整理を目的とした従業員解雇が盛んに行われました。
それに伴い「リストラ」という用語も、一般的に広く知られる事となりました。
結果的に日本では、事業の再構築という前向きな意味は含めず、従業員解雇というネガティブな意味だけが認識される事となりました。

⑶リエンジニアリングとの違い

リストラクチャリングと類似する用語に、「リエンジニアリング」があります。
リエンジニアリングとは、既存業務に関する組織や戦略を見直す事です。
リストラクチャリングとは異なり、事業構造ではなく「業務プロセス」の改善に取り組みます。
リエンジニアリングはIT技術の導入等により、絶大な効果を発揮します。
以上の通り、リストラクチャリングとリエンジニアリングは似ている様で全く意味が異なる手法です。
※関連記事
不採算部門の切り離し・撤退方法

M&Aによるリストラクチャリング

人員削減等の防衛的な施策だけでなく、積極的に不足部分を補う施策もリストラクチャリングに含まれます。
積極的なリストラクチャリングの一つに、M&Aの使用があります。
この項では、M&Aによるリストラクチャリングについて解説します。

⑴M&Aとは

M&A(Merger and Acquisition)とは、会社同士の合併や買収の総称です。
合併や株式譲渡、株式交換等、M&Aには様々な手法があります。
バブル崩壊後の日本では、外資系ファンドにより安値で買い叩かれる企業が続出しました。
その影響もあってか、つい最近までM&Aに対してネガティブな印象を抱く経営者は多く存在しました。
近年は買収や合併によるメリットが広く認識され、M&Aを積極的に活用する事例が増加しました。
中小企業の間で事業承継問題が顕在化している事も、M&Aの事例増加に拍車をかけています。

⑵M&Aによるリストラクチャリングの効果

シナジー効果の獲得や事業多角化を主な目的として行われるM&Aですが、リストラクチャリングの手段としても効果的です。
M&Aにより不採算事業を売却する事で、事業構造の根本的な改革を実現可能です。
不採算事業の売却により、M&Aの売り手側は多額の売却資金を入手できます。
リストラクチャリング目的でM&Aを実施する際は、「事業譲渡」や「会社分割」等の手法を用いるケースが一般的です。
事業譲渡であれば、売却代金から法人税や消費税を引いた分が利益として残ります。
会社分割であれば、税制の適格要件を満たせば非課税でM&Aを実行可能です。
いずれにせよ「のれん代」等を含めると、M&Aにより多額の利益を獲得可能です。
自社にとっては不採算で邪魔な事業であっても、他の会社にとっては喉から手が出るほど欲しい事業である可能性があります。
不採算事業であっても、諦めずにM&Aにチャレンジする事がオススメです。
M&Aでは売却利益に加えて、不採算事業に投入していた経営資源が余裕資産として残ります。
それらを主力事業に集中させる事で、全社的な収益構造の改善につながります。
つまりM&Aでは不採算事業を切り離せる上に、主力事業への集中化も実現できる訳です。
買い手であっても、M&Aによって不足部分を買収する形でリストラクチャリングを実現できます。
M&Aにより他社事業を買収すれば、少ない時間でリストラクチャリングを実現可能です。
単純なダウンサイジングと比べると、M&Aは非常に効果的なリストラクチャリングの手法と言えます。
※関連記事
M&Aとは?M&Aの意味をわかりやすく解説!

財務(フィナンシャル)リストラクチャリング

リストラクチャリングでは、「人員」や「事業」のみならず「財務」の改善も実施します。
リストラクチャリングの成功において、「財務」の改善は不可欠です。
この項では、財務(フィナンシャル)リストラクチャリングに関して分かりやすく解説します。

⑴財務(フィナンシャル)リストラクチャリングとは

財務リストラクチャリングとは、事業再生を目的としてキャッシュフローを改善する行為を意味します。
負債比率の高い企業に効果的なリストラクチャリング手法であり、事業や人員に関するリストラと比べると、実行に専門的な知見が必要です。
専門性の高さから、税理士や会計士、コンサルタント、金融機関等の助力を得た上で実施するケースが殆どです。

⑵財務リストラクチャリングの具体的施策

フィナンシャルリストラクチャリングでは、資産整理や資本増資、負債に関する負担削減等の施策を実施します。
それぞれの施策について、簡単に説明します。

①資産整理

保有している有価証券や固定資産等を売却する形で、キャッシュフローの改善を図る財務リストラクチャリング施策です。
手元の現金増加や借入金の元本減少等の効果が見込めます。

②資本増資

各種ファンドや親族等から出資を実行してもらう形で、キャッシュフローの改善を図る財務リストラクチャリング施策です。
自己資金が増加する為、財務上の安全性が高まります。

③負債に関する負担軽減

DES(債務の株式化)やDDS(別条件の債務への変更)等を実行し、負債に関する負担を軽減するリストラクチャリング施策です。
リスケジュールによる負債利子の条件緩和も、重要な施策となります。
※関連記事
経営不振とは?原因と対策、事例をご紹介

リストラクチャリングの業務

この項では、リストラクチャリングで実施する業務について解説します。
財務リストラクチャリングについては既に解説したので、この項では「事業リストラ」と「業務リストラ」について解説します。

⑴事業リストラ

事業リストラとは、全社的な経営レベルで行うリストラクチャリングの業務です。
不採算事業の売却・廃止や主力事業への資源の集中投下等、「選択と集中」を図ります。
後述する業務リストラと比べると大局的なリストラであり、経営者の手腕が問われます。
不採算事業の解消のみならず、将来的な収益源を見極める事も重要です。

⑵業務リストラ

業務リストラとは、売上増加や費用削減により、業務に関する利益(営業利益)の増加を図る事です。
従業員解雇等の人事リストラは、業務リストラの中の一つとなります。
売上高増加に関しては、商品単価や顧客の購買頻度を高める施策が有効です。
顧客ニーズを踏まえた商品開発や、顧客との長期的な関係を築くマーケティングにより、売上高を増加することが可能です。
費用の削減に関しては、規模の大きい人事リストラから小規模な経費削減まで様々あります。
リストラクチャリングの効果を高める為には、売り上げ獲得に不必要な費用の徹底削減が必須です。
不必要な費用削減を実行するだけで、大きなリストラクチャリングの効果を期待できます。
特に人件費の削減(人事リストラ)は大きな効果を発揮しますが、実行に際しては法律上の正当性に十分考慮する必要があります。
事業再生が理由であっても、むやみやたらに解雇や減給等を実行すると、法律上の問題を問われる恐れがあります。
人事リストラの実行に際しては、専門家にアドバイスを貰いながら進めましょう。
※関連記事
企業再生ファンドとは?仕組み、事例、ランキングや業務内容を解説

リストラクチャリングの事例

最後に、リストラクチャリングの事例を2つご紹介します。

⑴ソニーの事例

液晶技術に強みを持つソニーは、2010年代前半に三期連続の赤字を計上する等、深刻な経営難に陥っていました。
経営再建に向けて同社は、約1万人の人員削減や生産規模の縮小などのリストラクチャリングに着手しました。
分社化や大規模な構造改革に着手した影響により、一時的には業績が回復したものの、その後業績が再度悪化しました。
リストラクチャリングの効果は長期的な視点で観察する必要がある為、現段階でリストラに失敗したとは言い切れません。
ここ数年間取り組んできたリストラによって、今後ソニーが復活を遂げるかは注目です。

⑵パナソニックの事例

ソニーとは対照的に、短期間でリストラクチャリングの成果を出した事例として、パナソニックが挙げられます。
薄型パネル開発等の失敗の影響で、2012〜2013年度にかけて同社は巨額の損失を計上しました。
経営再建を目的に同社は、事業規模の大幅縮小に取り掛かりました。
ディスプレイ開発から撤退しつつ、中国等にあった工場は閉鎖しました。
事業規模の縮小を図ると同時に、自動車関連事業等へ事業ドメインをシフトする施策も敢行しました。
複数の施策に着手した結果、パナソニックは業績のV字回復を果たしました。
パナソニックのリストラクチャリングはお手本とも言える事例である為、積極的に参考とする事をオススメします。
※関連記事
分割型分割とは?適格要件やメリット・デメリット、M&A手法における分社型分割との違いを解説

まとめ

リストラクチャリングとは、全社的な収益構造の改革を意味し、経営が停滞している現状を打破する上で有効な施策です。
積極的なリストラクチャリングの一つに、M&Aがあり、不採算事業を売却する事で、事業構造の根本的な改革を実現可能です。
成功事例を参考にしながら、効果的なリストラクチャリングを検証しましょう。

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