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事業承継で課される贈与税

事業承継で課される贈与税

目次

    事業承継で課される贈与税

    近年中小企業の多くが、経営者の高齢化を迎えています。

    その為、事業承継の件数は上昇傾向にあります。

    経営者ならば、事業承継について知識を身につけておかなければなりません。

    事業承継の際、株式や不動産等、様々な資産を後継者に引き継ぎます。

    資産を引き継ぐため、当然事業承継では税金が課されます。

    例えば、事業承継では贈与税が発生する場合があります。

    事業承継を成功させる為に、贈与税の節税に取り組ことが大事です。

    一体、どんな場合に贈与税が発生するのでしょうか?

    この記事では、事業承継の際に発生する贈与税について詳しく解説します。

    これから事業承継を考える経営者の方は必見です。

    事業承継と贈与税の基礎知識

    まず初めに、事業承継と贈与税について基本的な知識をお伝えします。

    事業承継時に贈与税対策を実施する為には、最低限の知識を持っていた方が良いです。

    ⑴事業承継とは

    事業承継とは、自身の経営している会社を後継者に引き継ぐ行為です。

    現在多くの企業では、経営者の高齢化が進行しています。

    それに伴い、今まで以上に事業承継に対するニーズが高まっています。

    しかし一方で、事業承継が円滑に進んでいない中小企業は少なくありません。

    その理由として「後継者不足」があげられます。

    一昔前までは、自身の子供に事業を承継することが一般的でした。俗に言う「家業を継ぐ」イメージです。

    しかし近年は、子供が親と違った仕事を選択するケースが増え、後継者不足の中小企業が増加しています。

    結果として、従業員、外部の第三者に事業承継を行う事例がポピュラーになりつつあります。

    誰に継ぐにせよ、事業承継の実施には入念な準備が必要です。

    早い段階から、事業承継に向けて準備していく必要があります。

    ⑵贈与税とは

    贈与税とは、相手から財産を受け取った時に課される税金です。

    事業承継では、経営者が健在のうちに財産を受け継ぐ場合、贈与税が課されます。

    贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の二つがあります。

    事業承継を実施する際は、上記のうちどちらかを選択できます。

    暦年課税では、年間110万円以内ならば贈与税が課されません。

    110万円以上の財産を贈与すると、贈与税が課されます。

    暦年課税では、一定金額を上回る毎に税率が上がります。

    課税財産が3,000万円以上にもなると、贈与税率は何と55%になります。

    生前贈与を用いて事業承継を行う際は、贈与税率に注意しましょう。

    一方で相続時精算課税では、年間2,500万円までは贈与税が課税されません。

    それ以上の金額には、一律で20%の贈与税が課税されます。

    相続時精算課税の活用は、事業承継の節税に効果的です。

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    事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

    タイミング別事業承継方法

    事業承継は「誰に」引き継ぐかによって、「親族内承継」「親族外承継」「M&A」の3通りに大別できます。

    また一方で、「いつ」財産を引き継ぐかによっても、事業承継は分類できます。

    ここでは、タイミングに焦点を当てて事業承継の方法を解説します。

    ⑴生前贈与を活用した事業承継

    まず紹介するのは、「生前贈与」を活用した事業承継です。

    生前贈与とは、経営者が生きている間に財産を引き継ぐ行為です。

    つまり生前贈与による事業承継では、経営者の存命中に事業承継を完了させます。

    生前贈与による事業承継では、株式等を後継者に「贈与」する形式を取ります。

    そのため、事業承継の際に贈与税が課されます。

    前述の通り、「暦年課税」か「相続時精算課税」のどちらかの制度を活用します。

    ①暦年課税

    前述の通り暦年課税では、毎年110万円以上の財産を贈与する場合に、贈与税が課税されます。

    事業承継では、会社の全株式を後継者に引き継ぎます。

    場合によっては、数百万円〜数千万円、もしくはそれ以上の価値になります。

    前述の通り、贈与税率は段々高くなります。

    ですので、多額の資産を引き継ぐ事業承継には向いていないケースが大半です。

    ②相続時精算課税

    一方で相続時精算課税では、生前贈与の範囲が年間2,500万円までは贈与税が課されません。

    2,500万円を超える場合も、一律20%の税率となります。

    よって「暦年課税」を選択する場合と比べて、事業承継による負担を軽減できます。

    ただし、一点注意が必要です。

    それは、生前贈与の金額分が相続時の課税分に加えられる点です。

    ただし贈与税率と比べて、相続税率の方が負担が軽いです。

    贈与税率では、3000万円以上で55%の税率でした。

    一方で相続税率は、1億円までならば30%の税率です。

    時と場合によりますが、事業承継の際には「相続時精算課税」を選択するのがオススメです。

    ⑵相続を活用した事業承継

    次に紹介するのが、「相続」を活用した事業承継です。

    相続とは、経営者が亡くなった時に財産を引き継ぐ行為です。

    つまり相続による事業承継では、経営者が亡くなった後に事業承継が完了します。

    相続による事業承継では、株式等を後継者に「相続」する形式を取ります。

    そのため、事業承継の際に相続税が課されます。

    相続税率も贈与税率と同様に、一定金額ごとに税率が上がります。

    6億円以上にもなれば、55%もの相続税が課されます。

    ですので、贈与税と同様に対策が必要となります。

    また相続による事業承継では、他の相続人にも注意しなくてはいけません。

    事業承継によって株式を相続する事で、他の相続人の遺留分を侵害する可能性があります。

    遺留分とは、一定範囲内の親族に最低限保証されている財産です。

    遺留分が侵害された場合、相続人は遺留分減殺請求を行えます。

    この請求を行われると、株式が後継者に集中しなくなります。

    その結果、事業承継後の経営に支障をきたす恐れがあります。

    そこで、経営承継法の特例を利用する必要があります。

    後継者は、「除外合意」と「固定合意」の二種類の権利を行使できます。

    除外合意とは、事業承継で引き継ぐ株式を遺留分から除外する制度です。

    一方で固定合意は、遺留分に含める価額を固定し、上昇分は遺留分に含めない制度です。

    上記制度を駆使することで、事業承継を円滑に実施できます。

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    事業承継の方法

    贈与税の対策(株価の引き下げ)

    前述の通り贈与税は、贈与される株式の価値によって決まります。

    よって、事業承継時の贈与税負担を軽減する為に、株価の引き下げが効果的です。

    株価の引き下げ方法は、様々なものがあります。

    ここでは、贈与税対策としてメジャーな対策手法についてお伝えします。

    ⑴役員退職金の支払い

    役員退職金とは、経営陣が退職する際の退職金です。

    役員退職金を活用すれば、株価を引き下げ、贈与税の負担を減らせます。

    退職金を支払うことで、その分会社の利益が減少します。

    利益の減少に伴い、基本的には株価も下がります。

    何故なら非上場企業の株価は、配当金などに基づいて決定されるからです。

    株価が下がったタイミングで贈与することで、贈与税の負担を減少できます。

    また支払われる役員退職金は、贈与税等の事業承継費用に回すことも可能です。

    加えて経営者にしてみると、今まで経営してきた努力への報酬の意味合いもあります。

    経営者・後継者の双方にとって、役員退職金の活用は非常にメリットがあります。

    事業承継の際は、贈与税対策として役員退職金を活用することをオススメします。

    ⑵生命保険への加入

    生命保険への加入も、贈与税対策としては効果的です。

    生命保険の資産価値は、「解約返戻金」の金額とイコールになります。

    解約返戻金とは、保険の解約時に返ってくるお金です。

    大半の生命保険は、長く加入するほど解約返戻金が多くなる仕組みとなっています。

    初年度の解約返戻金は、0円の場合が大半です。

    つまり生命保険の資産価値は、年々上がっていくのです。

    この仕組みを利用すれば、贈与税対策に役立てられます。

    一言で言うと、生命保険に加入後すぐに、株式の生前贈与(事業承継)を実行します。

    生命保険に加入する際、加入時に支払う金額分だけ帳簿上の資産額が減少します。

    何故なら初年度は、生命保険の価値が0円だからです。

    前述の通り資産が減少すれば、株価も下がります。

    株価が下落する為、当然事業承継で課される贈与税も減ります。

    上記の通り、生命保険を有効に活用すれば、事業承継時の贈与税負担を軽減出来ます。

    また解約返戻金は、数年後には9割近くにまで上昇します。

    そのタイミングで解約すれば、生命保険に支払った資金も回収可能です。

    ⑶相続時精算課税の活用

    そもそも一時的に贈与税が支払えない場合、相続時精算課税の活用がオススメです。

    相続時精算課税を活用することで、年間2,500万円までならば贈与税が非課税となります。

    非課税の範囲内で生前贈与すれば、贈与税を支払わずに事業承継を完了できます。

    ただし相続時に、贈与税の代わりに相続税が課税されます。

    とはいえ贈与と相続税率の違いから、相続時精算課税の活用は有利に働く場合が多いです。

    繰り返しになりますが、贈与税の負担軽減においては、この制度の活用は非常にオススメです。

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    事業承継の株価算定

    贈与税の対策(事業承継税制の活用)

    贈与税対策には、「株価の引き下げ」以外にも、もう一つ対策があります。

    それが「事業承継税制の活用」です。

    中小企業の贈与税対策としては、近年非常に活用事例が増えている手法です。

    簡単に言うと、贈与税の支払いを延期出来る制度です。

    ここでは、事業承継税制を活用した贈与税対策についてお伝えします。

    ⑴事業承継税制とは

    事業承継税制とは、後継者が非上場株式を相続・贈与により受け継ぐ際に、贈与税等の納税を猶予出来る制度です。

    この制度は、下記2つの特例を合わせたものです。

    • 非上場株式等についての贈与税納税猶予及び免除の特例
    • 非上場株式等についての相続税納税猶予及び免除の特例

    事業承継税制を活用すると、贈与税の納税負担を軽減できます。

    この制度の発足前は、事業承継時の贈与税・相続税負担に苦しむ中小企業が多く存在しました。

    贈与税等の負担により、事業承継を円滑に出来なかったり、諦める企業もいました。

    そうした現状を受け、事業承継税制が発足されました。

    これまで事業承継税制は、何度も改正されています。

    改正されるたびに、中小企業にとって有利な制度になっています。

    日本の全企業のうち、殆どは中小企業です。

    つまり、日本の経済を支えていると言っても過言ではありません。

    ですので、今後も国が一丸となって中小企業をサポートしてくれるでしょう。

    贈与税負担を軽減する為にも、事業承継税制は積極的に活用しましょう。

    ⑵事業承継税制の内容

    一定の条件を満たす場合、相続税・贈与税の全額が納税猶予されます。

    従来は議決権株式総数のうち、3分の2までしか納税猶予を受けられませんでした。

    しかし平成30年度の税制改正によって、全株式で贈与税等の納税猶予を受けられる様になりました。

    また税制改正前は、相続税の納税猶予は80%まででした。

    しかしこの改正によって、贈与税と同様に100%の納税猶予に変わりました。

    税制改正により、相続・贈与税の負担が更に軽減される形となりました。

    ⑶事業承継税制の活用条件

    事業承継を活用する為には、大きく分けて「会社」と「人」の条件を各々満たす必要があります。

    ここでは、「会社」と「人」の条件について要点を解説します。

    ①「会社」の条件

    会社の条件とは、事業承継税制の対象となる企業についての条件です。

    一言で表すと、中小企業に当てはまっていることが条件です。

    非上場会社であり、かつ中小企業基本法の中小企業である必要があります。

    また、資産管理会社や風俗営業の会社に該当しないのも条件です。

    その他にも、主に下記の条件があります。

    • 常時雇用している従業員が1人以上
    • 直前事業年度の総収入金額が0円ではない

    ②「人」の条件

    人の条件とは、「現経営者」と「後継者」についての条件です。

    現経営者については、「企業の経営権を持っていた」、「筆頭株主である」等の条件があります。

    簡単に言うと、引退前に代表取締役等の地位に就いていて、かつ最も多くの株式を保有しているのが条件です。

    一般的な社長であれば、この条件は満たしていると考えられます。

    一方で後継者については、「会社の経営権を持っている」、「筆頭株主になる」等の条件があります。

    簡単に言うと、新しく代表取締役等の地位に就いて、かつ最も多くの株式を保有するのが条件です。

    ここで紹介した条件は一部です。

    更に詳しく知りたい方は、各都道府県の担当課にご相談ください。

    上記の条件を満たすことで、贈与税の負担を軽減できます。

    事業承継税制の活用は、贈与税の負担を減らす上で非常に重要です。

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    事業承継に関する税制改正

    まとめ

    今回は、事業承継で課される贈与税についてご紹介しました。

    経営者の方が亡くなってから事業承継を進める場合、相続税が課されます。

    一方で贈与税は、経営者が生きている内に事業承継した場合に発生します。

    事業承継を実施する上で、贈与税や相続税の支払いは免れません。

    事業承継時の贈与税負担は非常に重いです。

    贈与税等の負担により、事業承継後の資金繰りが悪化する企業は少なくありません。

    最悪の場合、事業継続が困難になるケースもあります。

    事業承継を成功させる為には、贈与税対策の実施が大切です。

    贈与税対策は、「株価の引き下げ」と「納税の延期」の二種類に大別できます。

    どちらの手法も、活用するとしないとでは大違いです。

    各種制度を熟知した上で、自身の会社に合った制度を活用するのが好ましいです。

    ただし贈与税対策には、高度な専門知識が必要となるケースがほとんどです。

    経営者が独力で実施するのは、中々困難でしょう。

    事業承継に精通している専門家から、助力を得ることがオススメです。

    事業承継を円滑に進める為には、早期からの対策が重要です。

    ご自身が健在の内に、事業承継について対策を始めましょう。

    要点をまとめると下記になります。

    • 事業承継とは

    →自身の経営している会社を後継者に引き継ぐ行為

    • 贈与税とは

    →相手から財産を受け取った時に課される税金

    • 生前贈与による事業承継

    →経営者の存命中に事業承継を完了させる。贈与税が課される。

    • 相続による事業承継

    →経営者が亡くなった後に事業承継が完了する。相続税が課される。

    • 贈与税の対策(株価の引き下げ)

    →役員退職金の支払い、生命保険への加入、相続時精算課税の活用

    • 事業承継税制とは

    →後継者が非上場株式を相続・贈与により受け継ぐ時に、贈与税等の納税を猶予出来る制度

    • 事業承継税制の活用条件

    →「会社の条件」と「人の条件」の両方を満たす必要がある

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