2022年12月18日更新事業承継

事業承継の基礎!メリットとデメリットなど知識・実務のポイントを解説

事業承継は計画性が伴わないと引継ぎの際にトラブルが発生してしまい、業績悪化にもつながりかねません。引退を考える経営者としては、事業承継の基礎知識を押さえておくと役立ちます。本記事では、事業承継の基礎やメリット・デメリットを解説します。

目次
  1. 事業承継とは
  2. 事業承継の基礎知識
  3. 事業承継のメリット・デメリット
  4. 後継者問題の解決に事業承継型M&Aがベスト
  5. 事業承継を行う際の注意点
  6. 事業承継の基礎的な実務
  7. 事業承継の基礎を把握したら専門家に相談
  8. 事業承継の基礎まとめ
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事業承継とは

事業承継は検討すべき事項が多いので、まずは基礎的な知識を優先して身につけると進めやすくなります。ここでは、事業承継の手法や引き継ぐ物などの基礎的な知識を解説します。

事業承継とは、会社や事業を後継者に引き継ぐための一連の手続きのことです。経営権以外にも引き継ぐべきものがたくさんあるので、その時が来たら事業承継すればよいというものでもありません。

最も一般的な親族への承継であれば、後継者育成や税金対策、株式の集中など、事前に進めておくべき準備があります。これらの準備を進めながら、引継ぎ後の経営安定までを検討するのが事業承継の基礎的な考え方です。

事業承継の基礎知識

引退を考える中小企業の経営者にとって考えておかなければならないのが、事業承継の問題です。ここでは事業承継の基本的な知識として現状と課題、事業承継におけるM&A手法を解説します。

事業承継の現状と課題

事業承継への取り組み方を決めるには、基礎知識として事業承継の現状と課題を把握しておくことが大切です。

ここでは、中小企業庁が随時発信している事業承継に関するデータに基づき、事業承継の現状と課題を読み解いていきます。

事業承継の現状

中小企業庁のデータをみると、中小企業の事業承継事情は厳しい状況を迎えていることがわかります。事業承継の進行に大きな影響を与えている要素は以下の3点です。

【事業承継の現状】

  • 経営者の高齢化
  • 親族以外への事業承継の増加
  • 廃業予定企業の増加

1995年から2015年の20年間で、経営者年齢のピークは47歳から66歳まで上がっています。経営者の引退適齢期は70歳前後とされているので、多くの中小企業が引退のタイミングを迎えつつあることが分かります。

少子高齢化や人口の都市部集中などの影響により、親族内事業承継の件数が減少傾向にあります。ここ数年はM&Aによる事業承継の件数が伸びており、事業承継の在り方も多様化してきています。

帝国データバンクの「全国企業「後継者不在率」動向調査(2021年)」によると、60歳以上の経営者を対象にしたアンケートでは、50%以上が「廃業を予定している」と回答しています。理由には後継者不在を挙げているものも多く、後継者問題の深刻化が懸念されています。

事業承継の現状を踏まえると、中小企業の雇用や技術・ノウハウの喪失や日本経済の縮小する可能性が高くなります。

中小企業庁と経済産業省の試算では、2025年までに約22兆円のGDPと約650万人の雇用が喪失するとされています。

こうした事態を受けて、政府は中小企業の事業承継支援に関する施策を複数打ち出しています。事業承継の相談ができる公的機関の設置や、税負担を軽減する事業承継税制の改正など、事業承継のハードルを下げる試みが行われています。

【関連】2025年問題をM&A・事業承継で解決!中小企業が取るべき行動とは

事業承継の課題

事業承継の課題は、後継者関連になることが多いです。「そもそも後継者がいない」「子供が家業を継ぎたがらない」などの理由から、後継者不在企業が急増しています。

現状からも後継者不在企業が後継者をみつけることがどれだけ大変か分かるので、課題として積極的に取り組むことが求められています。

事業承継の手法を解説

事業承継の基礎的な知識として、手法についても把握しておくとよいでしょう。事業承継の手法は、引継ぎ先によって以下のような種類分けがされています。

【事業承継の手法】

  • 親族内事業承継
  • 親族外事業承継
  • M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)
  • 廃業や上場など、その他の方法

親族内事業承継

子や兄弟姉妹などの親族に引き継ぐ方法です。設立から育ててきた会社を親族に託したいと考えるのはごく自然なことなので、最も一般的な事業承継方法となっています。

同族で経営権を維持できると、迅速な意思決定や経営の安定化などのメリットがあります。同族会社は経営陣回りに関係の深い人材が集中するので、長く続けようという意思が働きやすいです。

問題は、後継者に経営スキルを身につけさせるために、育成・教育する時間を要することです。「親族であればいつでも引き継げる」と見落としがちなので、基礎として押さえておきたいポイントです。

親族外事業承継

社内の役員や従業員に引き継ぐ方法です。親族内に引き継ぐ意思のある者がいない時や適任者がいない時に代替策として使われることがあります。

長期間在籍している役員であれば、経営スキルと実務を両立している可能性が高いので、企業方針が大きく変わることがなければ事業承継をスムーズに進められます。

親族外事業承継では、親族内の後継者育成が終わるまでの間、一時的に役員・従業員に経営を任せるというケースもあるでしょう。

M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)

第三者の個人あるいは企業に引き継ぐ方法です。前述の2つの方法とは異なり、M&A手法を用いて株式を譲渡して経営権を移転させます。

会社とは関係のない相手に引き継ぐことに抵抗を覚えるかもしれませんが、買い手側は経営資源を活用したシナジー効果の創出を目指しているので、いたずらに企業価値を損ねるようなことはしません。

親族や社内に後継者がいない場合は、M&Aでの事業承継は有効な手段です。従業員の雇用維持や売却益の獲得など、廃業するよりもたくさんのメリットがあります。

廃業や上場など、その他の方法

廃業の場合は、会社が消滅して雇用や技術・ノウハウが喪失します。施設・設備の処分費用で赤字になることもあるので、可能であれば事業承継することが望ましいです。

廃業は、M&Aでの事業承継を含め全ての事業承継の方法を検討したうえで、事業承継の可能性がないと判断された場合の最終手段となります。

株式公開して自社株を売り出す株式上場という方法もあります。中小企業の非公開株式が高く評価されると納税が大変ですが、株式公開であれば証券取引所を介して全ての投資家が取引できるようになるので、納税費用に困ることがなくなります。

事業承継により引き継ぐこと

事業承継による引継ぎといいますが、具体的には何を引き継ぐのでしょうか。ここでは、事業承継で引き継ぐ基礎的なものを解説します。

【事業承継により引き継ぐこと】

  • 経営権
  • 株式・非事業用資産などの資産
  • 特許・ブランド・ノウハウ・知識などの無形財産

経営権

経営権とは、取引先に対する影響力や財産の処分権、人事権などの経営上の決定権のことを意味します。会社は経営者を中心に事業展開していくので、事業承継の際には経営権の引き継ぎが必須となります。

こうした経営権は経営者が長期にわたって培ってきたものなので、株式の承継で形式的に引き継ぐだけでなく、ノウハウなども引継ぎしなくてはなりません。

株式・非事業用資産などの資産

株式会社の最高意思決定機関は株主で構成される株主総会です。半数を超える議決権の所有者が経営権を所有していることになります。

後継者の所有株式が半数を超えれば事業承継の目的は達成できますが、株式の分散が起こると経営権を集中できないので、基本的には全ての株式を後継者に集めるように引継ぎを行います。

中小企業は経営者が全ての株式を所有していることも多いですが、法定相続人が複数いる場合は株式が分散する恐れがあります。事業承継後に後継者が苦労しないためにも、株式について話し合っておくことが大切です。

そのほか、現金預金・有価証券・出資金などの非事業用資産の引き継ぎも必要です。引き継ぐ資産を正しく申告しないと後から追徴課税を受ける可能性があります。

特許・ブランド・ノウハウ・知識などの無形財産

株式や土地や建物などの有形資産の引き継ぎに気を取られがちですが、目に見えない無形資産の引き継ぎが重要なポイントになります。

特許やブランドなどは、会社の商品・サービスの独自性に繋がるものでもあります。事業承継の際に無形資産を整理して可視化しておき、確実に後継者に引き継ぐことが大切です。

【関連】事業承継で知的財産は最重要の切り口!ポイントや留意点、流れを解説

事業承継のメリット・デメリット

事業承継の手法を決める際は、メリット・デメリットを比較検討すると円滑に進めやすくなります。この章では、基礎的な部分として事業承継のメリット・デメリットを手法別に解説します。

親族内事業承継のメリット・デメリット

近年は減少傾向にありますが、多くの中小企業は現在も親族に引き継ぐ親族内事業承継を活用しています。親族への引継ぎを選択するメリット・デメリットはどのようなものがあるのかを解説します。

親族内事業承継のメリット

親族内事業承継のメリットは、金銭面の折り合いをつけやすいことです。有償譲渡の場合は後継者に株式を買い取るだけの資金力が求められますが、親族への引継ぎは無償譲渡が一般的です。

株式買取資金は用意する必要がないので、自社株評価が高くなったとしても金銭面で問題にならないことが多いです。ただし、贈与税・相続税に関しては納税義務があるので注意しなくてはなりません。

社内からの反発が少ないというメリットもあります。事業承継の基礎として引継ぎ後の事業安定が欠かせないので、後継者が役員や従業員から歓迎されるかどうかは重要なポイントです。

親族内事業承継のデメリット

親族内事業承継のデメリットは、相続トラブルリスクがあることです。法定相続人が複数いる場合は公平に分配する必要があるので、基礎固めとして相続人の間で話し合いを進めておく必要があります。

経営権の集中という観点から株式折半は避けたいので、土地や建物などの不動産の分配で対策するケースが多いです。

親族内に後継者候補がいるとは限らないというデメリットもあります。後継者候補がいないと事業承継計画を進めることはできないので、ほかの方法を検討せざるを得ません。

親族外事業承継のメリット・デメリット

親族に後継者候補がいない場合、親族外事業承継を検討することもあります。広義的には親族以外のすべてが対象ですが、基本的に社内の人材に引き継ぐことが多いです。

親族外事業承継のメリット

親族外事業承継のメリットは、スキル・能力を重視して後継者を選べることです。親族の場合は身内に引き継ぐことを重視しますが、役員・従業員であれば複数の候補者の中からスキル・能力を比較して決定できます。

現経営者の経営方針を維持しやすいメリットもあります。経営方針や企業文化を理解していて比較的容易に引継ぎを行えるほか、役員・従業員からの信頼を獲得している人材であれば、社内で起こる摩擦も抑えられます。

親族外事業承継のデメリット

親族外事業承継のデメリットは、社内で派閥争いが起こる可能性があることです。役員・従業員から後継者に抜擢(ばっすい)されたことに対して、よく思わない者も少なからず出てくるので後継者の示す方針に従わないなど反発されるリスクがあります。

そのほかのデメリットは、後継者候補に株式を買い取る資金が求められることです。親族外事業承継は有償譲渡が一般的なので、一定の資力がなければ引き継ぐことができません。

現経営者と後継者の合意のうえであれば無償譲渡も可能ですが、周囲の役員・従業員から不満がでる恐れがあります。不要なトラブルを招くことになりかねないので、有償譲渡で引き継ぎすることが多いです。

M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)のメリット・デメリット

M&Aでの事業承継は第三者に引き継ぐ際に利用する方法です。親族や社内の人材に引き継がずにM&Aで事業承継を行うケースも増えてきたので、事業承継の基礎知識となりつつあります。

M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)のメリット

M&Aでの事業承継のメリットは、後継者を育てる必要がないことです。親族内事業承継は基礎固めとして後継者育成が必須でしたが、M&Aは経営ノウハウを持った第三者に引き継ぐので、育成に手間や時間がかかりません。

事業承継の課題でもある後継者問題を解決しやすいので、事業承継に取り組むタイミングが少し遅れたとしても間に合うでしょう。

また、M&Aでの事業承継は売却益を獲得できるといったメリットもあります。中小企業の場合、経営者やその一族が発行済み株式の大半を所有していることが多いので、取引価格のほとんどを獲得できるケースが多いです。

M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)のデメリット

M&Aでの事業承継のデメリットは、従業員のモチベーションが失われる可能性があることです。M&Aに対するネガティブなイメージや統合後の企業文化の違いから、自主退職ということもありえます。

また、選定範囲が広すぎて相手をみつけるのが大変というデメリットがあります。好条件の相手をみつけるためには相応のネットワークが必要になります。

ネットワークの問題に関しては、M&A仲介会社にサポートを依頼すると解決できます。M&Aの相談・仲介で培った独自のネットワークを持っているので、M&A相手の選定もスムーズに進められます。

【関連】事業承継に必要な準備期間/心構えとは?適切な承継タイミングなど解説

後継者問題の解決に事業承継型M&Aがベスト

多くの中小企業が後継者不在に悩みを抱えており、事業承継を進められていない現状がありますが、事業承継型M&Aであれば後継者不在という根本的な問題を解決できます。

中小企業の事業承継問題に対応するため、政府は事業承継支援に関する政策を行っています。この章では、政府の支援政策や事業承継で活用できる税制や補助金を解説します。

事業承継型M&Aは政府も推進

政府は、中小企業の事業承継支援を目的とした公的機関を全国各県に設置しています。事業承継・引継ぎ支援センターでは、経営者が無料相談できる窓口が併設されています。

相談内容は、事業承継の進め方や注意点などの基礎的なものになっています。公的機関の信用力の高さから秘密情報の漏洩(ろうえい)を気にする必要がないので、基礎的な部分が分からないときに気軽に相談できるメリットがあるでしょう。

後継者問題を抱える企業に対しては、基礎的な内容の解説だけでなく、提携先のM&Aの専門家を紹介して事業承継型M&Aを促すサポートも行っています。

後継者不在企業と起業家をマッチングさせる後継者人材バンクといった事業も行っているので、事業承継型M&Aを実施しやすい環境が整ってきています。

なお、事業内容は基礎的部分に関する相談やマッチング支援までなので、具体的な仲介に関しては専門家に依頼する必要があり、その際は専門家が採用する独自の手数料が発生します。

事業承継で活用できる税制や補助金

事業承継は引継ぎの際は株式価値に応じて相続税・贈与税が課されますが、中小企業は非公開株式なので換金性が悪いため現金を用意できないことも多いです。

引継ぎの後は事業運営のために多額の資金が必要になることもあります。例えば、経営革新で新しく事業を始めたり、古くなった設備を一新して業務効率化を図ったりするなどが考えられます。

このような悩みを持つ中小企業を対象に、事業承継税制と事業承継補助金という制度が設けられています。要件を満たせれば大幅な優遇措置を受けられる制度なので、基礎的知識として覚えておくとよいでしょう。

事業承継税制

事業承継税制は、後継者が中小企業の株式を引き継いだ時に課される相続税・贈与税について猶予・免除措置を受けられる制度です。

もともとの税制は要件や適用範囲や厳しく利用件数が限定的でしたが、中小企業の事業承継問題の深刻化を受けて平成30年に改正が行われました。

主に要件緩和や猶予対象が全株式になるなどの見直しが行われ、使い勝手が向上したことで多くの中小企業が利用し、相続税・贈与税の猶予措置を受けながら事業承継を実施しています。

最終的に免除措置を受けることを前提とした制度なので、猶予措置を受けてから一定期間要件を維持し続けると完全に免除されます。

【関連】事業承継特例のメリットやデメリット、利用の条件を解説【事例あり】

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継を機に新しいことにチャレンジする中小企業に対して補助金として資金を提供する制度です。

支援タイプがそれぞれ分かれており、経営革新、専門家活用、廃業・再チャレンジの3種類があります。

経営革新事業の類型は、創業支援型(Ⅰ型)、経営者交代型(Ⅱ型)、M&A型(Ⅲ型)とあります。専門家活用事業は、買い手支援型(Ⅰ型)、売り手支援型(Ⅱ型)と2つあり、事業再編・事業統合による経営資源の引継ぎを行う際の経費を補助する事業です。

そして、廃業・再チャレンジ事業は、要件によって経営革新事業/専門家活用事業と併用して活用する「併用申請」と、単独で行う「再チャレンジ申請」があります。

事業承継を行う際の注意点

事業承継の注意点のなかには、事業承継が失敗に終わるほど影響の大きいものもあるので、基礎的な知識として押さえておくことが大切です。この章では、事業承継の基礎的な注意点を手法別に解説します。

親族内事業承継の注意点

親族内事業承継の注意点は、後継者育成に早期着手する必要があることです。後継者は基礎固めとして経営スキルを身につける必要があるので、長期的な視野を持って育成する必要があります。

社内外への周知徹底も、基礎的で大切な工程です。事業承継前から時期経営者として顔通しを行っておかないと、社内や取引先から反発を受けて信頼関係を構築できなくなる恐れがあります。

そのほか、贈与税または相続税が発生するデメリットがあります。事業承継税制を適用することで100%猶予措置を受けられますが、制度を知らなければ高額な納税をすることになります。

事業承継税制以外に自社株の評価引き下げなどの節税対策もあるので、専門家に相談しておくと基礎知識から専門知識まで幅広くサポートしてもらえるでしょう。

親族外事業承継の注意点

親族外事業承継の注意点は、次の事業承継までの期間が短くなる可能性があることです。高齢の後継者を選んだ場合、事業承継後の事業が安定する頃には次の事業承継を考える必要があります。

株式を買い取るだけの資金力がある人材となると、後継者は年配かつ役員などに限定されるので十分に起こりえるケースです。

経営者の個人保証の引継ぎも問題になりがちです。債務を抱えたままリタイアするわけにもいかないので引継ぎしなければなりませんが、後継者から了承を得られるかは別問題でしょう。

個人保証の引継ぎは債権者からの同意も必要になるため、事業承継の計画案が具体性の欠ける場合は融資を打ち切られたり返済を求められたりといった事態も考えられます。

M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)の注意点

M&Aでの事業承継の注意点は、M&Aのタイミングを見極めることです。企業の経営状態が悪化しているとM&A相手をみつけるまでの時間が長くなり、その間にさらに業績が悪化するという悪循環になりがちです。

事業が好調なうちであれば買い手の視点からは問題がないので、好条件の相手をみつけやすくなります。後継者不在で悩んでいる時は、なるべく早く行動して基礎固めしておくことが大切です。

また、M&Aの専門家に相談することも大切です。事業承継の基礎知識だけでなく、M&Aの幅広い知識が必要になるので、専門家のサポートを受けなければスムーズに進めることは難しくなります。

M&Aの専門家は事業承継サポートも手掛けていることが多いので、事業承継で分からない基礎知識も適切に補うことができます。

【関連】事業承継を成功させるための後継者選び

事業承継の基礎的な実務

基本的な実務を把握しておけば、スムーズに事業承継が進められます。なかでも特に押さえておきたいのは、事業承継戦略の策定と後継者育成の2つです。

事業承継戦略野策定

事業承継はあらかじめ事業承継戦略を策定する必要があります。承継の失敗の要因の多くは、関係者とのコミュニケーション不足や課題の見落とし、想定不足などさまざまです。これらを回避するためには、後継者とのコミュニケーションもはかりつつ、スムーズな経営承継のための、事業承継戦略を策定するが重要です。

事業承継戦略では、自社の現状分析や強み・弱みの洗い出しを行い、買い手に自社をどのように売り込むべきかを明確にします。そして、M&A手法を決定し、クロージングまでのスケジュールを作成します。

後継者の育成

親族内・親族外事業承継の場合は、事業承継を実行する前に数年をかけて後継者育成を行います。事業承継を実施する経営者にとって、後継者育成は会社の存続に大きな影響を及ぼす重要なプロセスです。

後継者教育の方法として、さまざまな部署で経験させて会社の状況を正確に把握させる、経営者と常に行動をともにして意思決定能力を鍛えるなど、多くの実務経験を積むことも大切です。ほかにも後継者のためのセミナー参加、他社で経験を積むなどの育成が行われるケースもあります。

事業承継の基礎を把握したら専門家に相談

事業承継では、各手法の基礎知識や注意点などのポイントがたくさんあります。日常業務と並行すると負担が大きいので、M&A仲介会社のサポートを受けることをおすすめします。

M&A総合研究所は、M&A・事業承継のサポートを手掛けるM&A仲介会社です。中堅・中小規模の案件を中心に請け負っており、さまざまな業種で成約実績を有しています。

案件ごとに支援実績豊富なアドバイザーがつき、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。

後継者不在でお悩みの際も、最適なM&Aの事業承継先をお探しいたしますので、まずは一度ご相談ください。

M&A仲介の料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

事業承継を検討の際はお気軽にM&A総合研究所にご連絡ください。無料相談はお電話・WEBより随時お受けいたします。

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事業承継の基礎まとめ

事業承継を計画的に進めるには、手法やメリット・デメリットなどの基礎知識が重要です。基礎知識があれば自社の状況に合わせた適切な手法を選択しやすくなるので余裕をもって進められます

後継者不在でM&Aでの事業承継を実施する場合は基礎知識だけでは補えないことが多くなります。M&Aの専門家に相談すると、基礎知識や注意点を押さえたうえ万全の体制で臨みやすくなります。

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