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2019年12月1日更新
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会社の合併

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&A手法の中でも合併は特にポピュラーな手法です。吸収合併、新設合併といった会社合併の種類、会社合併の手続き、会社合併のメリット・デメリット、会社合併による社員の処遇について解説します。

目次
  1. 会社の合併
  2. 会社の合併とは
  3. 会社合併の種類
  4. 会社合併の手続き
  5. 会社合併のメリット
  6. 会社合併のデメリット
  7. 会社合併による社員の処遇
  8. まとめ

会社の合併

合併により規模拡大を図る会社が増加しています。
大企業の合併は、経済に大きな影響を与えます。
数々の会社が合併を用いた経営戦略を実行しています。
M&Aと聞くと、合併を思い浮かべる方は少なくないでしょう。
M&A手法の中でも合併は特にポピュラーな手法ですが、どの様な手法かご存知の方は少ないと思います。
今回の記事では、会社合併について重要なポイントをご紹介します。

会社の合併とは

合併とは、複数の会社を一つに結合させるM&A手法です。
合併では、片方の会社がその権利・義務を全て他社に譲渡し、その会社の法人格は消滅します。
法人格が消滅する点は、他のM&A手法には見られない特徴です。
会社合併は主に、グループ内再編を目的に利用されます。
大規模なM&Aとなる為、他の手法と比べて合併の手続きは複雑です。
株主や債権者に与える影響も大きく、債権者保護手続きや特別決議は原則必須です。
上場会社同士の合併であれば、期待値に応じて株価が上昇する傾向も見られます。
会社合併では通常のビジネスとは異なり、組織再編税制に基づいて課税されます。
一定の適格要件をクリアすれば、非課税で会社合併を実施できます。
グループ内の再編を目的とする際には、適格要件をクリアし、無駄な課税は避けましょう。
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会社合併の種類

会社合併には、吸収合併と新設合併の二種類の方法があります。

⑴吸収合併

吸収合併とは、片方会社の法人格を消滅させ、その権利・義務を既存会社に吸収させる方法です。
消滅会社の株主に対して、存続会社から対価が支払われます。
規模拡大や自社が保有していない資産の獲得等を目的に、吸収合併は活用されます。
上記目的以外にも、特殊な目的を持って吸収合併が行われる場合があります。
合併差損の回避や繰越欠損金の控除を目指す際には、事業規模が小さい方の会社を存続させ、大きい方の会社を消滅させます。
上記の様な合併は逆さ合併と呼ばれ、敢えて逆さ合併を実行する会社も多いです。
外国会社が国内会社を買収する際には、三角合併が活用されます。
三角合併とは、消滅する会社に対して存続会社の親会社株式を渡す方法です。
吸収合併は、会社の抱える様々な戦略を遂行する手段として非常に役立ちます。

⑵新設合併

新設合併とは、一度全ての当事会社を消滅させて、その権利・義務の全てを新しく設立する会社に承継させる手法です。
当事会社の株主は、新設会社の株式を対価として受け取り、新しい会社の株主となります。
吸収合併と同様に、規模拡大や自社に無い機能確保を目的に実施されます。
吸収合併と手続きはほぼ変わらないものの、新しく会社を設立する点で、吸収合併よりも手続きは面倒です。
手続きの面倒さから、M&Aの実務では吸収合併の方が多用されています。
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会社合併の手続き

この項では、会社合併の手続きを大まかに説明します。
新設合併では、ここで述べる手続きに加えて新設会社の設立が必要となりますが、基本的には同じです。

⑴合併契約の締結

当事会社間で、会社法748条に則って合併契約を結了します。
合併契約では、合併の効力発生日や対価の金額や支払方法を定めます。
上記に併せて、新しい役員も選任する必要があります。

⑵会社合併の承認

合併の実行に関して、業務執行機関である取締役会と株主総会から承認を獲得します。
株主総会の決議は、合併の効力発生日の前日までに開催しなくてはいけません。
一定条件を満たす場合には、株主総会の手続きを簡便に行えます。
当事会社が完全子会社であり、かつ株主が一人しかいない場合には、書面決議により決議を得られます。
簡易合併や略式合併に該当するケースでは、株主総会を省略できます。

⑶株主・債権者の保護

会社に関係する株主や債権者に与える影響が大きいので、合併では保護する手続きが必須となります。
会社法に基づいて、合併に関する情報を株主や債権者に事前開示します。
債権者に対しては、公告と個別催告により、会社合併に異議を申し立て出来る旨を伝えます。
異議申し立てがあった際には、会社側は債権者に対して弁済や担保提供等を行う必要があります。
株主から反対が生じた場合は、保有する株式を公正な価格で会社側が買い取ります。

⑷権利と義務の引継ぎ

効力発生日までに消滅会社側は、権利や義務等を相手会社に移管し、存続会社はその対価を支払います。
M&Aの実務では、この手続きをクロージングと呼びます。

⑸会社合併後の手続き

存続会社側は、効力発生後遅滞なく、合併に関する所定事項を記載した書類を作成した上で、6ヶ月間本店にその書類を備え置かなくてはいけません。
効力発生日から二週間以内に、消滅会社・存続会社の双方は、解散登記と変更登記も実行する必要があります。
以上で、会社合併の手続きは完了です。
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合併の手続きについて解説します

会社合併のメリット

会社の合併により、様々なメリットを期待できます。
今回は、その中でも特に重要なメリットを3つお伝えします。

⑴組織のシンプル化

会社同士が合併すれば、様々な面でシンプル化が期待できます。
それぞれの会社に、経理や購買等共通する部門がある場合には、合併により一つに集約できます。
競争関係にある会社同士が合併すれば、競争の為に費やしていた宣伝広告費やマーケティング費等を削減できます。
複数の会社が一つになれば、組織のシンプル化により、会社全体に良い影響が表れます。

⑵シナジー効果

互いの会社が関連性のある事業を運営していれば、合併によりシナジー効果が期待できます。
関連性が高いほど、それぞれが別々に事業運営している時よりも、大きな利益や効果を得られます。
利益のみならず、コストや流通網等の面でもシナジー効果を獲得でき、合併前よりも成長速度を早く出来ます。

⑶節税効果

黒字会社と赤字会社が合併すれば、互いの利益を相殺し、節税効果を得られます。
通常別々の会社同士で利益を相殺することは不可能ですので、合併による節税効果は非常に大きなメリットです。

会社合併のデメリット

会社を合併すればメリットを得られるものの、同時にデメリットも発生します。
ここでは、会社合併のデメリットを3つ説明します。

⑴社員への負荷が大きい

合併では、株主や債権者のみならず社員に対しても大きな影響を及ぼします。
消滅する会社の社員にとっては、これまでとは全く違う環境で働く事になります。
従来とは異なる環境で働く結果、多大なストレスを抱える可能性も高く、最終的には社員の離職に繋がる恐れもあります。
優秀な社員が離職すると、存続会社側にとっては大きな損失となる為、対策を講じることが重要です。

⑵時間と労力がかかる

債権者保護手続きや特別決議等、合併の手続きは非常に手間や時間がかかります。
合併後も会社の統合に多大な時間がかかり、合併による利益を得るまでに、多くの時間と労力を要します。
合併後かえって収益性が悪化する可能性もあり、会社にとっては大きなリスクとなります。

⑶初期コストがかかる

合併を実行する為には、必ず初期コストが必要となります。
専門家(M&Aアドバイザリー)を起用する費用や、デューデリジェンス費用等、総額で数千万円以上かかる場合もあります。
資金繰りが厳しい会社にとって、合併は使いづらい手法です。
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合併のメリット

会社合併による社員の処遇

最後に、会社合併による社員の待遇をご紹介します。

⑴会社法上の処遇

会社合併では会社が一つになる為、社員の処遇は気になる所です。
会社合併では、全ての資産や権利等が包括的に承継されます。
社員の契約も例外ではなく、社員の雇用契約も自動的に引き継がれます。

⑵現実的な処遇の実状

契約自体は自動に引き継がれるものの、合併後にこれまで通りの待遇を期待できるとは限りません。
存続会社の社員の方が優遇され、消滅会社の社員の給与や立場は悪化するケースは少なくありません。
そうなった場合社員は働きにくくなり、大量の離職に繋がる可能性があります。
消滅するとはいえ、経営陣は社員の処遇にも気を遣わなくてはいけません。
合併の契約時点で、社員の処遇を変えない様に、書面等で定めておくことが大切です。
存続会社側も社員が不満を抱えない様に、PMIに丁寧に取り組むことが求められます。
合併のメリットを最大限に高める為には、社員の貢献が不可欠です。
合併を実施する際には、双方会社が社員の処遇を重視することが大切です。
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事業売却と社員

まとめ

会社の合併に関して解説しました。
合併には数々のメリットがあり、会社の成長を加速させるために効果を発揮します。
メリットは多いものの、手続きの面倒さや初期費用の高さといったデメリットは少なくありません。
しかし、リスクを踏まえて合併を活用すれば、大きなメリットを期待できます。
合併を成功させる為には、社員の協力が不可欠です。
双方会社が社員にストレスを感じさせない様に、会社の統合に取り組みましょう。
要点をまとめると下記になります。

  • 会社の合併とは

→複数の会社を一つに結合させるM&A手法

  • 会社合併の種類

→吸収合併と新設合併

  • 合併の手続き

  1. 合併契約の締結
  2. 会社合併の承認
  3. 株主・債権者の保護
  4. 権利と義務の引継ぎ
  5. 会社合併後の諸手続き

  • 会社合併のメリット

→組織のシンプル化、シナジー効果、節税効果

  • 会社合併のデメリット

→社員への負荷が大きい、時間と労力がかかる、初期コストがかかる

  • 会社合併による社員の処遇

→包括承継により、自動的に雇用契約も引き継がれる

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