M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年8月27日更新事業承継
商工会議所とM&A支援|相談メリット・デメリットと活用法を解説
商工会議所は、地域経済の活性化を支援する組織です。M&A支援も行なっており、中小企業の事業承継問題解決に役立ちます。本記事では、商工会議所のM&A支援のメリット・デメリットや活用法を解説します。
目次
商工会議所の概要と役割
ここでは、商工会議所はどのような組織なのか、概要を紹介します。
商工会議所とは
商工会議所は、地域経済の振興を図るため、法律に基づき設立された特別認可法人です。国や地方自治体の支援を受けながら、地域の中小企業を中心に様々なサービスを提供しています。大都市よりも地方都市での加入率が高い傾向にあります。
商工会議所と商工会:それぞれの役割と特徴
商工会も地域の中小企業支援を目的とした組織ですが、町村単位で設立され、より地域密着型の活動を行っています。管轄は中小企業庁です。一方、商工会議所は市単位で設立され、経済産業省の管轄下にあります。中小企業だけでなく大企業も会員としており、幅広い支援事業を展開しています。
年会費と注意点
年会費は、法人であれば1万5,000円以上、個人事業主であれば1万円以上です(東京商工会議所の場合)。ただし、すべての会社が商工会議所に加入できるわけではありません。以下に該当する事業者は、商工会議所に加入できません。
- 医療
- 消費者金融
- 政治的団体
- 宗教的団体
- 一部芸能関係
- 風俗
商工会議所で利用可能な補助金・助成金
商工会議所では、会員企業の事業活動を支援するため、様々な補助金や助成金に関する情報を提供しています。これらの情報は非会員でも入手可能ですが、会員であれば最新情報や個別の相談など、よりスムーズな活用が期待できます。資金調達に関する相談も受け付けています。
事業成長を支援する:小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や生産性向上等に取り組む際の経費の一部を補助する制度です。補助金額や補助対象経費、申請要件などは年度によって変更される可能性がありますので、最新の情報を中小企業庁のウェブサイトなどでご確認ください。2025年度以降の公募要項が発表され次第、内容を確認することをお勧めします。
小規模事業者持続化補助金のメリット:事業成長のチャンス
補助金は、新商品の開発や販路開拓だけの使用と決まっています。しかし、将来の売上につながる可能性がある経費として50万円の補助金を受け取れる点はメリットです。
補助金を交付される人数のうち、従業員が5人以下である事業者が50%以上になるように導入する決まりです。そのため、従業員が5人以下の事業者が優先されます。該当する事業者であれば、有利です。
小規模事業者持続化補助金のデメリット:申請の手間と注意点
デメリットはどの補助金でもいえますが、多くの時間や手間がかかることです。事務局は補助金が正しく使用されるためにさまざまな決まりを定めており、これに従わなければなりません。補助金をもらうためには、下記の決まりがあります。
- 補助対象期間後、補助金事務局に報告書を提出
- 補助金対象として、機械装置購入や店舗改装外注工事が税抜50万円以上の際、売却や廃棄の処分に商工会議所や商工会の許可が要る
- 補助金対象の経費内容を変更する際は、事務局の許可が必要
- 事務局が会社に来て実地調査を行うケースがある
- 補助金の受け取り後、会計検査院の調査が入るケースがある
- 事務局・会計検査院の調査に備えて領収書、請求書、納品書、契約書などを補助対象事業に使用したとわかるように保管
人材育成と定着を促進:キャリアアップ助成金
非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を支援する助成金です。企業の人材育成と定着を促進し、生産性向上を図ることを目的としています。具体的な要件や支給額は厚生労働省のウェブサイトで確認できます。
スキルアップを支援:人材開発支援助成金
従業員のスキルアップを支援するための助成金制度です。2024年4月より、キャリア形成促進助成金と人材開発支援助成金が統合され、「人材開発支援助成金」となりました。訓練の質の向上や訓練成果の反映を通じ、労働者の能力開発とキャリア形成を促進することを目的としています。制度の詳細は厚生労働省のウェブサイトをご確認ください。
仕事と家庭の両立をサポート:両立支援等助成金
仕事と子育て、介護の両立を支援するための助成金制度です。出生時両立支援、介護離職防止、育児休業等、様々なコースがあり、企業の状況に合わせた活用が可能です。最新の支給要件や金額は厚生労働省のウェブサイトで確認しましょう。
小規模事業者向け融資:マル経融資
マル経融資は、日本政策金融公庫が提供する小規模事業者向けの融資制度です。商工会議所の推薦を受ければ、無担保・無保証人で最大2,000万円の融資を受けることができます。比較的低金利で審査も厳格すぎないため、資金調達に悩む中小企業にとって心強い味方となります。
ただし、融資を受けるためには商工会議所の経営指導を受ける必要があります。これは専門家のアドバイスを受けられるメリットもある一方、既に他の金融機関から融資を受けている場合は審査が厳しくなる可能性がある点に注意が必要です。
なお、事業承継やM&Aなどをきっかけとした中小企業のチャレンジをサポートする制度として、事業承継・引継ぎ補助金があります。M&Aによる事業承継をご検討の経営者様や後継者不在でお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。
M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを生かしてフルサポートいたします。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。M&Aによる事業承継をご検討の際は、無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。
商工会議所加入のメリット:資金調達以外の側面
商工会議所では、経営者にとってメリットとなるサポートを実施しています。代表格は補助金ですが、商工会議所にはそれ以外にも加入するメリットがあります。以下では、補助金以外の商工会議所に加入するメリットを3つまとめました。
専門家による経営相談:経営改善普及事業
経営改善普及事業は、商工会議所が提供する無料の経営相談サービスです。会員・非会員問わず利用でき、専門家から経営に関するアドバイスを受けることができます。税務・法務相談や経営セミナーなども無料で提供されており、中小企業の経営課題解決をサポートします。
ビジネスネットワークの構築:異業種交流会
商工会議所は、異業種交流会を通じてビジネスネットワークを構築する場を提供しています。青年部や女性部などの活動を通じて、様々な業種の経営者と交流することができます。新たなビジネスチャンスの創出や情報交換など、ビジネスの成長に繋がる貴重な機会となるでしょう。
創業支援:ワンストップサポート
商工会議所は、創業希望者向けにワンストップサポートを提供しています。無料相談窓口では、創業に必要な基礎知識から、事業計画の作成、資金調達、税務・法務・財務に関するアドバイスまで、多岐にわたるサポートを受けることができます。創業計画書のブラッシュアップや融資斡旋など、創業を成功に導くための支援体制が整っています。
M&A相談窓口:事業承継の選択肢
後継者不足に悩む中小企業にとって、M&Aは事業承継の有効な選択肢の一つです。商工会議所では、M&Aに関する無料相談窓口を設け、専門家によるアドバイスや情報提供を行っています。事業承継に関する様々な悩みに寄り添い、最適な解決策を提案することで、中小企業の事業継続をサポートします。
商工会議所にM&Aを相談するメリット
商工会議所にM&Aを相談するメリットは、豊富なネットワークと無料相談にあります。多くの会員企業と繋がりを持つ商工会議所では、M&Aの相手先候補となり得る企業との出会いの機会が期待できます。また、専門家による無料相談を通じて、M&Aに関する基本的な知識や手続きの流れなどを学ぶことができます。
商工会議所にM&Aを相談する際の注意点:デメリットとリスク
商工会議所にM&Aを相談する際には、メリットだけでなくデメリットやリスクも理解しておくことが重要です。主な注意点として以下の2点を解説します。
M&Aの相手先候補はそれほど多くない
商工会議所は、民間のM&Aを仲介する機関に比べて、支援実績が少ないです。この理由の一つとして、商工会議所が地域に密着しているため、会社売買の対象となる会社がその地域内に限られがちな点が挙げられます。
また、商工会議所でM&Aの相談をすると、その相手先候補の選択肢が商工会議所やその提携先の専門家ネットワークに依存します。そのため、どの専門家に相談するかによって、選べる会社の範囲が狭くなる可能性がある点に注意しましょう。
M&Aの専門的なサポートは期待できない
多くの人が経営上の問題を解決するためにM&Aの相談をしますが、商工会議所からの回答が常に満足できるわけではありません。M&Aを検討する際の目的や条件によっては、商工会議所がM&Aを勧めないこともあります。そのため、M&Aを完全な解決策と期待するのではなく、選択肢を広げる手段として考えることが大切です。
M&Aを成功させるためのポイント
M&Aは企業にとって大きな転換期となるため、綿密な準備と適切なプロセスが不可欠です。成功確率を高めるためには、以下の3つのポイントに注目しましょう。
相手企業の選定
M&Aの成否は、相手企業の選定に大きく左右されます。自社の経営戦略との整合性、企業文化の相性、財務状況などを慎重に評価し、最適なパートナーを選びましょう。デューデリジェンスの実施も欠かせません。
緻密な事業計画の策定
M&A後の事業計画は、将来の成長を左右する重要な要素です。シナジー効果の最大化、コスト削減効果、リスクマネジメントなどを考慮した具体的な計画を策定しましょう。
専門家チームの活用
M&Aは複雑な手続きを伴うため、専門家チームのサポートが不可欠です。弁護士、会計士、M&Aアドバイザーなどの専門家と連携し、スムーズな取引を実現しましょう。
商工会議所の補助金・助成金まとめ
商工会議所は、補助金だけでなくさまざまなサポートが利用でき、経営者にとっては非常に魅力的な組織です。最新の補助金情報を優先的に得られたり、低金利の融資を受けることができたりするなど、資金調達の面で特に役立ちます。経営者向けの知識を勉強できる場でもあります。
商工会議所は中小企業から大企業まで加入しており、国や自治体のバックアップを受けている組織です。商工会議所で案内されている多くの補助金は、商工会議所に加入していなくても受けられます。
商工会議所に加入すれば、経営改善普及事業を利用でき、他の経営者との交流や創業を目指す人への手厚いサポートを受けられるメリットもあります。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。