2021年6月30日公開会社・事業を売る

子会社とは?設立するメリットデメリットや関連会社との違いを解説!

子会社とは、事業方針を決定する機関が他の会社の支配下に置かれている会社のことです。決定機関は主に株主総会を指しており、決算承認や配当金額などの決議が行われます。本記事では、子会社を設立するメリット・デメリットや関連会社との違いを解説します。

目次
  1. 子会社とは?
  2. 子会社を設立するメリット・デメリット
  3. 子会社と関連会社・関係会社との違い
  4. 子会社化する流れ
  5. まとめ
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子会社とは?

子会社とは?

「○○企業の子会社」などと耳にする機会は多いですが、両社の具体的な関係性を問われると、言葉に詰まってしまいうまく説明できないという人もいるかもしれません。

本記事では、子会社を設立するメリット・デメリットを紹介していますが、この章では子会社が意味することや連結子会社・完全子会社との違いを解説します。

子会社とは

子会社とは、他の会社に経営権を掌握されて被支配の状態にある会社のことです。この時、経営権を持つ会社を親会社といいます。

一般に、経営権の掌握は、議決権のある株式を過半数取得することで成立します。ほかの株主に議決権数で上回られることがないので、会社のさまざまな意思決定を単独で可決させることができます。

また、議決権が40%以上50%以下であっても、子会社として扱われる(支配力基準=実質基準)ことがあります。

具体的には、事業方針の決定権や役員の派遣状況、資金提供などの面から総合的にみて、実質的な被支配の状態であると判断される場合は子会社と扱われます。

連結子会社とは

連結子会社とは、グループ会社の連結範囲に含められる子会社のことです。会計用語の1つであり、連結子会社の税務状況は、親会社の連結財務諸表に連結する形で記載されます。

なお、連結範囲に含められない子会社を非連結子会社といいます。一般的な子会社は親会社の連結対象ですが、対象外にすることもあります。

対象外にする主な条件は、「親会社による支配が一時的であること」や「グループ会社にとって子会社の損益の重要性が低い」と判断される場合です。

完全子会社とは

完全子会社とは、他の会社に全ての発行済みを保有されていて被支配の状態にある会社のことです。

子会社の意思決定権を完全に親会社に掌握されている状態なので、完全子会社と呼ばれています。

完全子会社には、書面決議による迅速な意思決定が行えるメリットがあります。重要な意思決定も書面決議で行えるとされており、株主総会を開催する必要がなく経営のスリム化を実現することができます。

ただし、株主総会の決議はあったものとみなされる必要があるため、書面決議を行う場合も株主総会の議事録作成は必須とされています。

【関連】普通株とは?意味や基本的権利、保有率別の権利を解説

子会社を設立するメリット・デメリット

子会社を設立するメリット・デメリット

組織の目的を効率的に実現するためグループ経営に力を入れる企業が増えており、子会社の設立においては親会社の事業や機能を分社化することでメリットを得るケースも多くみられます。

この章では、子会社を設立するメリット・デメリットを親会社と子会社のそれぞれの視点から解説します。

親会社のメリット・デメリット

ほかの会社を経営的な支配下に置くことで、どのような影響を受けるのでしょうか。まずは、子会社設立で親会社が得られるメリット・デメリットをみていきます。

メリット

子会社を設立すると、親会社は税制面や経営面でさまざまなメリットを得ることができます。特に影響の大きいメリットには、以下の2つが挙げられます。

【子会社設立による親会社のメリット】

  1. 節税効果がある
  2. 経営リスクを分散できる

1.節税効果がある

親会社が得られるメリットのひとつに、子会社の税制上の優遇措置を活用した節税があります。消費税や法人税の税率は資本金額を基準とするので、資本金額を抑えて子会社を設立することで節税効果に期待できます。

また、資本金1億円未満の場合、交際費の経費上限額は年間800万円までとなっています。一社の場合はそれ以上の経費算入は認められませんが、子会社設立で倍額の1600万円まで交際費を経費計上できるようになります。

そのほか、子会社に転籍する社員の退職金を節税対策に使うことができます。転籍する社員はいったん退職扱いになるので、支給する退職金を経費にして当期の利益を抑制する効果を期待することができます。

2.経営リスクを分散できる

子会社の設立は、会社ごとに事業を区別することで経営リスクを分散する効果が期待できます。規制法令が異なる事業を複数手掛けている場合、許認可や法務リスクの対策などで専門性を高める必要があります。

また、各事業で想定されるリスクに関しても、事前に分散させておくことで予測・対応がしやすくなり、致命傷になりにくいというメリットがあります。

特定の事業に致命的な問題が発生した場合、該当の会社は大きな損害を受けますが、親子関係にある会社やその他グループ会社への影響を抑えることができます。

デメリット

子会社の設立は、メリットと同時にいくつかのデメリットももたらします。親会社が注意しなければならないポイントとしては以下の2つがあります。

【子会社設立による親会社のデメリット】

  1. 設立の手間がかかる
  2. ランニングコストが増える

1.設立の手間がかかる

子会社の設立は登記関連の手続きが必要です。資料の作成自体は行政書士等の専門家に依頼することもできますが、基本事項の決定は経営陣が行う必要があります。

基本事項は商号・資本金・株主構成などです。子会社の業態や役割を明確に決めたうえで定款を作成して、法務局に登記しなくてはなりません。

そのほか、銀行口座の開設や転籍する社員の名刺の一新なども必要になります。新たな法人格が誕生することになるので、必要な手続きも相応なものとなります。

2.ランニングコストが増える

子会社設立では、親会社と子会社間で重複する部門・部署が出てくることで人件費が増える恐れがあります。

法人のクレジットカードの年会費や事務所の家賃など、別々に保有・賃貸する場合はそれらの費用も倍になるので、グループ全体のランニングコストが増えることになります。

子会社の規模次第では、節税効果の恩恵よりもランニングコスト増加による負担のほうが大きくなることもあるので、設立前の試算が大切です。

子会社のメリット・デメリット

続いて、子会社側のメリット・デメリットをみていきます。ほかの会社から支配されている状況で受ける影響には、どのようなものがあるのでしょうか。

メリット

設立された子会社は、親会社の経営資源を活用することでメリットを得ることができます。特に影響の大きいメリットには、以下の2つが挙げられます。

【子会社設立による子会社のメリット】

  1. 事業に専念できる
  2. 買収されにくい

1.事業に専念できる

設立された子会社の1つ目のメリットは、事業に専念できることです。子会社の意思決定は親会社が行うので、子会社側は経営を意識する必要がなく事業の運営・活動に専念できます。

各子会社にそれぞれコアな業務が割り当てられることで、専門性を伸ばしやすくなります。事業部門を特化させていくことで、最終的にグループ全体の成長へと繋げることができます。

2.買収されにくい

会社の買収は株式の売買によって成立します。通常の会社は間接的買収のリスクがありますが、子会社の株式は親会社が所有しているので買収されにくくなります

ただし、親会社の意向次第では他社に売却される可能性もあります。完全子会社の場合、一切の議決権を持たないので抵抗することはできません。

デメリット

子会社はメリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。設立前に確認しておきたいポイントには、以下の2つがあります。

【子会社設立による子会社のデメリット】

  1. 社員のモチベーションが下がる恐れがある
  2. 経営と現場の乖離

1.社員のモチベーションが下がる恐れがある

子会社への転籍を言い渡された社員は、業務に対するモチベーションが低下する傾向が強いです。

親会社で管理職に就けなかったことや会社からの評価が低かったことに不満を抱いてしまう可能性が高いためです。

モチベーションの低下は周囲にも影響を及ぼし、設立に伴い新たに確保した人材も本来の能力を発揮させにくくなり、子会社に求められている役割を果たせなくなる恐れがあります。

2.経営と現場の乖離

親会社は子会社から上がってくる報告を基に業務の改善や効率化を図りますが、経営と現場の乖離が激しい場合は親会社の経営陣に伝達するまで時間がかかってしまうことがあります。

子会社側で非効率で改善すべき業務と分かっていても、親会社からの指示があるまでは延々と続けなければならないということもあります。

【関連】持株会社のメリットとデメリットとは?設立方法や増加の背景に迫る!

子会社と関連会社・関係会社との違い

子会社と関連会社・関係会社との違い

グループ企業に属する会社は、子会社や関連会社、関係会社などさまざまな呼び方をされています。この章では、関連会社・関係会社の概要と子会社との主な違いを解説します。

関連会社とは

関連会社とは、ある会社の20%以上の議決権を所有し、事業方針の決定に重要な影響を与えることができる会社のことです。

関連会社として区別するのは、必要な会計処理が異なるからです。影響力の強弱は議決権の割合によって決まり、比較的受ける影響が弱い会社が該当することになります。

関連会社に対する投資は、持分法による計算額を連結貸借対照表に計上します。持分法は、株式の帳簿価格に加減する方法なので、子会社に対する会計処理と比較すると簡便な特徴があります。

関係会社とは

関係会社とは、親会社や子会社、関連会社等の総称です。事業上で密接な関係にある会社のことを広義的に関係会社と呼ぶこともありますが、連結計算書類の作成義務付けに伴って関係会社の概念が導入されました。

つまり、財務諸表の提出会社と関係のある会社のことを指しており、導入の主な目的は連結会計で各企業の透明性を高めることとされています。

特に関係会社間の取引は、一般的な第三者との取引とは違い、資産・負債をコントロールする目的で原則から外れた経理処理が行われる傾向が強くみられます。

関係会社の関係にあっても法人格は別々のため、不当な取引を行っていると税務署からの指摘を受けることがあります。

子会社と関連会社・関係会社の主な違い

子会社と関連会社の違いは親会社の議決権の所有割合です。議決権の過半数以上、あるいは20%以上50%以下を基準として区分されます。

資本の論理では、会社に対する影響力は議決権の割合によるものです。そのため、関連会社よりも子会社の方が親会社から受ける影響は強いということが分かります。

関係会社は、会計上で規定された関係にある会社の総称です。会計用語の1つであり、子会社や関連会社を含んでいることになります。

【関連】持分法とは?持分法の仕訳と適用範囲をわかりやすく解説

子会社化する流れ

子会社化する流れ

子会社設立以外に既存の会社を子会社化させる方法もあります。子会社化させた場合でも、子会社設立のメリットとほぼ変わらない効果を得ることができます。

基本的に、子会社化はM&Aという手法を用います。子会社化で一般的に用いられている手法は以下の2つです。

【子会社化する流れ】

  1. 株式の過半数を保有する
  2. 株式を移転する

1.株式の過半数を保有する

最もシンプルな子会社化の方法は、相手企業の株式の過半数を取得することです。株式を取得することで経営権を取得できるので、相手企業の取引先や従業員との契約を更新する必要もありません。

株式の取得対価は金銭による支払いが一般的です。相手の企業価値次第では多額の現金を用意しなくてはならないので、資金調達などして準備を進めておく必要があります。

また、相手が非上場企業の場合は、株式譲渡制限株式(株式の譲渡に会社の承認が必要)であることが多いので、交渉したうえで株式の種類の変更または制限解除などの段取りを踏まなくてはなりません。

2.株式を移転する

株式移転とは、2社以上の会社が全ての発行済み株式を新たに設立する会社に取得させるM&A手法です。新設会社を完全親会社、当事会社を完全子会社とする完全親子関係が誕生します。

株式の取得対価は、金銭及び親会社の株式交付によって支払われます。新設された親会社の株主が存在しない事態が起こることを避けるために一定の株式交付が必要とされています。

主に利用されるのは、段階的な経営統合を前提としている時です。当事会社同士の独立性は維持されるので心理面での抵抗が少なく受け入れやすいメリットがあります。

【関連】M&Aで子会社化する方法とは?メリット・デメリット、子会社とグループ会社の違いを解説

子会社化のご相談はM&A総合研究所へ

既存の会社を子会社化する際はM&A手法を利用します。専門的な知識が必要になるのでM&Aの専門家のサポートは必要不可欠です。

M&A総合研究所は、中堅・中小規模の案件を得意とするM&A仲介会社です。豊富な経験と実績を有したアドバイザーが専任フルサポートいたします。

M&A総合研究所の料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

子会社化に関して無料相談をお受けしておりますので、子会社化の流れやM&A手法にお悩みの際はどうぞお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

まとめ

本記事では、子会社設立で得られる効果や注意点についてみてきました。分社化することによる節税効果やリスク軽減効果が高く、経営戦略として利用価値が高いことが分かります。

しかし、運営・管理すべき事項が増えることで新たな問題を招く可能性もあります。子会社設立を検討の際は、注意すべきポイントを把握したうえで取り組むことが大切です。

【子会社設立による親会社のメリット】

  1. 節税効果がある
  2. 経営リスクを分散できる
【子会社設立による親会社のデメリット】
  1. 設立の手間がかかる
  2. ランニングコストが増える
【子会社設立による子会社のメリット】
  1. 事業に専念できる
  2. 買収されにくい
【子会社設立による子会社のデメリット】
  1. 社員のモチベーションが下がる恐れがある
  2. 経営と現場の乖離
【子会社と関連会社・関係会社との違い】
  • 子会社とは他の会社に経営権を掌握されて被支配の状態にある会社のこと
  • 関連会社とはある会社に対して重要な影響を与えることができる会社のこと
  • 関係会社とは親会社・子会社・関連会社等の総称

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