2022年2月21日更新会社・事業を売る

新設合併とは?定義・吸収合併との違い、メリット、手続きの流れ、最新事例も紹介

新設合併とは、新たに設立した会社に当事会社の財産を引き継ぐ手法であり、経営者や従業員にマイナスイメージを与えにくい点が特徴です。この記事では、新設合併の定義や吸収合併との違い、メリット、手続きの流れなどを解説しています。

目次
  1. 新設合併とは
  2. 新設合併と吸収合併の共通点・相違点
  3. 新設合併を行うメリット・デメリット
  4. 新設合併で求められる手続きの流れ
  5. 新設合併の最新事例11選
  6. 新設合併のまとめ
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新設合併とは

新設合併とは

新設合併とは、会社法によると「合併を実施する当事会社とは別に新しく会社を設立して、当事会社の全ての資産や負債を新しく設立した会社に引き継がせる」手法のことです。そもそも合併には、新設合併と吸収合併の2つの手法が存在します。

会社法における新設合併の定義

会社法における新設合併の定義は、「2つ以上の複数の会社が行う合併であり、それに伴って消滅してしまう会社の権利や義務を新しく設立する会社に承継させる」ことです。

したがって、新設合併は、新しく会社を設立し、そこに消滅させたすべての権利や義務を引き継がせる手法を意味します。権利義務の内容には、株式・事業用資産・従業員との雇用契約・取引先・ノウハウ、・技術なども含まれます。

市町村の新設合併との違い

会社が実施するものとは別に、市町村の合併も新設合併の手法の1つです。市町村の合併には、新設合併と編入合併があります。市町村で実施される新設合併の定義は、企業が実施するものと大きな差異はありません。

市町村の新設合併では、複数の市町村が合併して、新たな法人格を発生させます。編入合併では、すでに存在する市町村に、消滅する市町村を編入させるのです。

編入した市町村の法人格は消滅し、編入先の市町村の法人格のみが維持されます。そのため、会社で実施される吸収合併に近い手法です。

上記のように、市町村における合併と会社で実施される合併には類似する点が見られます。

新設合併を行う目的・理由

新設合併を行う目的は、一般的に「グループ内における組織再編」とされています。会社の組織を編成し直すことでコストを削減し、生産性を向上させることが主な目的です。新設合併によって新しく設立した会社は、既存の会社からの機能を移転させて統合を行い、事業を継続させるのが一般的です。

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新設合併と吸収合併の共通点・相違点

新設合併と吸収合併の共通点・相違点

合併には新設合併と吸収合併の2種類があり、共通点もあれば相違点もあります。本章では、2種類の合併手法の共通点と相違点を解説していきます。

吸収合併との共通点

新設合併と吸収合併にある主な共通点は、以下のとおりです。

  • 財産を引き継がせる行為である
  • 引き継ぐ財産を自由に選択できない

引き継ぎ先となる会社の性質には相違が見られるものの、新設合併と吸収合併はともに財産を引き継がせる行為です。

どちらの合併手法であっても、引き継ぐ財産を自由に選択するのは不可能です。つまり、承継範囲はすべての資産であるため、プラスの資産だけでなく負債もまとめて引き継がせる必要があります。

吸収合併との相違点

日本では、新設合併よりも吸収合併が多く活用されている状況です。現状、新設合併の活用シーンが少ない理由には、デメリットの大きさが関係しています。ここからは、新設合併と吸収合併の違いをそれぞれ説明します。

  • 消滅会社と存続会社
  • 権利・義務を承継する企業
  • 免許や許認可の承継
  • 株主にもたらされる対価

消滅会社と存続会社

吸収合併とは、「複数の会社が合併し、合併を実施する当事会社の1つを存続させつつ、それ以外の会社を消滅させる」手法のことです。つまり、1つの会社の中に、消滅する会社のすべての権利義務が承継される手法だといえます。

これに対して、新設合併は、「すべての会社が消滅して、新会社に両企業の機能が取り込まれる手法」であるため、すべての法人格がなくなってしまいます。つまり、新設合併は、「合併に参加するすべての会社を消滅させる」手法です。

このように、吸収合併と新設合併では、「残る法人格の有無」に相違が見られます。

権利・義務を承継する企業

新設合併は、「新しく設立された会社が消滅する会社が持っている権利や義務を引き継ぐ」手法です。これに対して、吸収合併は、「存続する会社が消滅する会社から権利や義務を引き継ぐ手法」をさします。新設会社も存続会社も、権利・義務などのすべてが承継される点では同じで、これを包括的承継といいます。

免許や許認可の承継

新設合併では、消滅する会社から事業を行ううえで必要とされる免許や許認可を承継できないため、再度免許や許認可を得る必要があります。

上場企業が新設合併を行った場合は、再度、新規上場の申請を行わないと、上場を維持できない点にデメリットがあります。

しかし、吸収合併では、許認可や免許をそのまま引き継げる点がメリットです。条件が整っていれば、上場も基本的には維持される点に違いがあります。

株主にもたらされる対価

新設合併の場合、株主は新規に設立された会社から株式または社債で対価を受け取れます。一方で、吸収合併の場合は、存続会社から株式・社債・現金のうちいずれかで対価が受け取れるのです。

したがって、吸収合併では現金を対価にできますが、新設合併では現金以外の株式・社債のみを対価にできる点に違いがあります。

この理由として、新設合併では、消滅してしまう会社の株主に現金を渡してしまうと、株主がいなくなるおそれがあるためです。しかし、吸収合併であれは存続会社の株主が残るため、現金を対価にできます。

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新設合併を行うメリット・デメリット

新設合併を行うメリット・デメリット

ここからは、新設合併を行うメリット・デメリットを解説します。それぞれ順番に取り上げます。

新設合併のメリット

まず、新設合併を実施により得られる代表的なメリットを紹介します。

  • 企業規模の拡大・成長
  • 事業承継問題の解決
  • 対等な合併によるマイナスイメージの軽減
  • シナジー効果が得られる
  • 現金を準備しなくてもM&Aを実施できる

それぞれを詳しく順番に見ていきます。

企業規模の拡大・成長

吸収合併と同様に、新設合併では、企業規模の拡大や成長を実現させられる点がメリットです。他社と合併すると、これまで自社が有していなかったノウハウ・販路・設備などを獲得できます。これにより、会社の生産力や販売力を強化できるうえ、社会的信用が高められる可能性もあります。

事業承継問題の解決

引退を考えている経営者にとって、新設合併をはじめとするM&Aは、事業承継問題を解決させる手法として活用できます。昨今では、経営者の高齢化と後継者不在の問題が相まって、やむを得ず廃業を選ぶ経営者も多いです。こうした状況では、M&Aが大いに活用できます。

M&Aによる新設合併を実施すれば、会社は消滅するものの、会社が有していたノウハウ・設備・技術などを承継できます。さらに、交渉次第では、従業員の引き継ぎも実現可能です。廃業を選んでしまうと、従業員の離職に直結してしまうことから、従業員の雇用維持の観点でも合併にはメリットがあります。

名義や環境などは少なからず変化するものの、会社を実質的に存続させられる点は魅力的なメリットです。たとえ純粋に廃業を考えているケースであっても、新設合併の活用により、会社清算や廃業で発生する費用や手間を削減しつつリタイアを実現できます。

対等な合併によるマイナスイメージの軽減

新設合併特有のメリットも存在します。これは、「経営者や従業員に与えるイメージ」にまつわるものです。吸収合併を活用すると、消滅会社の経営者や従業員が、ネガティブな感情を持つ可能性があります。

昨今はM&Aの普及が加速しているとはいえ、会社に取り込まれて消滅する吸収合併は、簡単には受け入れがたいものです。一方で、新設合併では、当事者となるすべての会社を消滅させます。「存続・消滅」の形で分かれず、優劣意識を意識せずに再スタートが可能です。

つまり、新設合併では、従業員は傘下としての扱いではなく存続会社の社員として扱われるため、従業員が合併を受け入れやすい手法ともいえます。ただし、新設合併のメリットを最大限に獲得するには、あらかじめM&A戦略を念入りに立てておくことがポイントです。

M&A戦略の策定サポートは、ぜひM&A総合研究所にお任せください。M&A総合研究所には知識・経験豊富なアドバイザーが多数在籍しており、M&Aをフルサポートしております。

なお、料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ、譲受企業様は中間金がかかります)。相談料は無料となっておりますので、お気軽にご相談ください。

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シナジー効果が得られる

新設合併は、すべての法人格を消滅させ、新しい法人への統合を行います。別々で活動するのとは違って、完全に1つの会社として事業を行うため、シナジー効果を得やすいと考えられています。シナジー効果とは、2つ以上の事業・会社の統合によって、これまで以上の成果を生み出す現象のことです。

現金を準備しなくてもM&Aを実施できる

新設合併や吸収合併では、株主への対価として、株式や社債などを利用可能です。そのため、手元に十分な現金がない会社や、「資金を金融機関から借りたくない、融資を受けられない会社」であってもM&Aを行えます。

新設合併のデメリット

新設合併には、デメリットが目立ちます。新設合併で得られるメリットの多くは、吸収合併を採用してM&Aを実施した場合でも獲得可能です。この点が、新設合併がそれほど活用されていない原因の1つです。また、吸収合併にはない特有のデメリットが、新設合併には存在しています。

新設合併を検討するときは、あらかじめデメリットを十分に理解しておくことをおすすめします。新設合併によって生じる主なデメリットは、以下のとおりです。

  • 実務に手間がかかる
  • 大きなコストが発生する
  • 対価として現金を受け取れない
  • 統合作業に非常に大きな負担がかかる

それぞれを詳しく順番に見ていきます。

実務に手間がかかる

新設合併を採用すると、吸収合併に比べて実務に多くの手間がかかります。新設合併では、新しく会社を設立しなければなりません。このときに消滅する会社の権利義務は承継されるものの、消滅する会社が保有していた免許・許認可・登録証・資格などは承継できません。

吸収合併では、存続する会社が免許や許認可などを持っており障壁とならないものの、新設合併で設立される法人では大きな問題が生じます。つまり、新設合併の手法を採用する場合、事業に必要な免許・許認可・資格などを再び取得する必要があるのです。

特に上場企業である場合、再び上場審査を受けなければならず、非常に多くの手間が生じます。吸収合併を検討する際は、M&A専門家に相談したうえで、自社でどれほどの手間が生じるのか、事前に見当をつけておくことが望ましいです。

大きなコストが発生する

新設合併を採用すると、吸収合併よりも多くのコストがかかりやすいです。新設合併では、当然ながら会社設立の手続きによるコストが生じます。さらに深刻な点は、登録免許税の算出方法が変更されることです。

吸収合併を実施するケースでは、存続会社にかかる登録免許税は、合併により増えた資本金のうち0.15%分です。

ところが、新設合併では、登録免許税の課税対象が変わり、新設会社全体の資本金の0.15%となり、課税対象が拡大されてしまいます。

大規模な会社であれば、吸収合併と比べて数億円単位で課税額が増加するケースもあります。このように大きなコストが発生してしまうため、新設合併では十分に留意しておくと良いでしょう。

新設合併を検討したら、どれほど課税額が変わるのか、事前に調べておくことをおすすめします。

対価として現金を受け取れない

新設合併を実施すると、売り手企業の経営者には、合併の対価として株式もしくは社債などが交付されます。つまり、新設合併では、現金を対価として受け取れないということです。

例えば、引退を目的に合併を実施して、対価を退職金の代わりにしようと検討している場合、新設合併の手法は最適ではありません。

当然ですが、株式や社債の所持によって、利益を得られる可能性があります。しかし、上場会社が新設合併によって未上場の状態になってしまえば、株価が大きく変動するおそれがあります。

新設合併によってどうしても現金を対価としたい場合、株式を現金で買い取ってもらう契約を別途結ばなければなりません。

統合作業に非常に大きな負担がかかる

新設合併では、統合作業に非常に大きな負担がかかる点に注意が必要です。これまで組織文化・経営理念・働き方などが異なる環境で働いていた従業員が1つの会社に集まるため、業務がスムーズに進まない可能性も高いです。

これにより、新設合併によるシナジー効果が得られない可能性もあります。M&Aによる恩恵を受けるためには、システム・文化・業務を統合する作業が必要とされるため、現場にかかる負担が大きいです。

したがって、M&A実施前に、PMIの計画を策定・周知させるなどして、現場に負担がかからないようにする必要があります。

以上、新設合併のデメリットを紹介しました。新設合併をはじめM&A手法を選ぶ際は、それぞれの手法で得られるメリット・デメリットを理解したうえで、自社に最適な手法を判断しなければなりません。円滑に最適な手法を比較検討したい場合は、M&A専門家の協力を仰ぐことをおすすめします。

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新設合併で求められる手続きの流れ

新設合併で求められる手続きの流れ

新設合併で求められる手続きの流れを紹介します。それぞれの手続きを行うにあたって事前に知っておくべきポイントをまとめました。

  1. 事前の準備を済ませる
  2. 取締役会による決議で承認を得る
  3. 新設合併契約を締結する
  4. 事前開示に関する書類を備え置く
  5. 債権者保護の手続きを行う
  6. 株主総会を招集し承認を得る
  7. 反対株主に買取請求手続きを行う
  8. 効力発生に伴い登記申請を行う
  9. 事後開示に関する書類を備え置く

①事前の準備を済ませる

新設合併に向けて、事前の準備を済ませます。具体的には、債権者の確認や契約書の内容確認を企業同士で話し合います。一般的なM&Aと同様に、デューデリジェンスやバリュエーションの手続きも必要です。

会社の設立や債権者保護の手続きには多くの時間が必要とされるため、事前の準備をスムーズに実施しましょう。

②取締役会による決議で承認を得る

新設合併を行う際は、事前に承認を得る必要があります。ここでは、取締役会で決議を実施します。取締役会では、新設合併の契約内容に関して精査し、問題がないか確認したら正式に決定する仕組みです。

③新設合併契約を締結する

取締役会で承認された後、新設合併契約を締結します。契約書に記載される内容は、以下のとおりです。

  • 消滅する会社の住所や商号
  • 新しく設立する会社の商号や目的、本店の所在地、発行可能な株式総数
  • 新しく設立する会社の設立時における取締役の氏名
  • その他役員などの氏名または名称
  • 消滅する会社の株主などに対して交付する対価に関する事項
  • 消滅する会社の株主などに対する株式の割り当てに関する事項
  • 新株予約権または金銭に関する事項

必要があれば、追加で契約事項を盛り込みます。追加事項の盛り込みは、M&Aアドバイザーや弁護士などの専門家に相談をしながら進めることが望ましいです。

④事前開示に関する書類を備え置く

新設合併により消滅する会社では、新設合併契約の内容や法務省令で定められた事項を記載(または記録)された書面を置いておく必要があります。据え置く時期は、「株主総会開催日の2週間前」あるいは「株主などに向けて通知や公告を実施する日」です。記載する内容は、以下のとおりです。

  • 契約書の内容
  • 新設会社の資本金、資本準備金に関する事項
  • 計算書類などに関する事項
  • 合併対価の相当性に関する事項
  • 合併対価に関して参考となる事項
  • 新設会社の債務履行の見込みに関する事項

⑤債権者保護の手続きを行う

新設合併する場合、消滅する会社に金銭などを貸していた債権者は、損失を被るケースがあります。そのため、会社法では、債権者を守るために、債権者保護の手続きを行うよう定められています。

官報による公告および個別の催告・M&A実施に関して債権者に通知をしておかなければなりません。もしも債権者が異議を述べた場合は、弁済あるいは担保の提供を行う必要があります。

⑥株主総会を招集し承認を得る

株主に対して、株主総会開催の通知を送付します。株主総会の決議では、普通決議ではなく特別決議により承認を得る必要があります。

⑦反対株主に買取請求手続きを行う

消滅する会社では、会社法に定められているように、合併に反対する株主からの請求には応じましょう。反対株主からの買取請求に対しては、会社の成立日から原則60日以内に、株価の決定および対価の支払いを行います。

⑧効力発生に伴い登記申請を行う

ここまでの手続きが終了したら、新設合併の効力が発生する前段階の手続きは完了です。続いて、消滅する会社の解散登記と、新設する会社の登記申請を行いましょう。必要な書類は以下のとおりです。

  • 新設合併契約書
  • 合併契約承認時の株主総会議事録
  • 債権者保護手続関係書類
  • 株券提供公告の証明書類
  • 被合併会社の登記事項証明書

⑨事後開示に関する書類を備え置く

手続き完了後は、正式に新設合併の効力が生じます。その後、新設合併により承継した権利義務や、法務省令で定められた新設合併に関する事項などを記載した書面(もしくは電磁的記録)を作成します。

その書類は、効力発生日から6カ月間は本店に備え置かなければなりません。書面の事後備え置きが完了したら、一連の新設合併手続きが終了します。

会社合併の手続き| M&A・事業承継の理解を深める

新設合併の最新事例11選

新設合併の最新事例11選

ここでは、新設合併を行った実際の事例を紹介します。株式会社の新設合併だけではなく、さまざまな組織の事例を解説します。

  1. 公立大学法人大阪
  2. 堺平成病院
  3. スマートメディア
  4. 北越コーポレーション
  5. 野村不動産マスターファンド投資法人
  6. 東洋製罐グループホールディングス
  7. サイバネットシステム
  8. アドバンス・レジデンス投資法人
  9. 富士ゼロックス
  10. 福岡県糸島市
  11. 三越

①公立大学法人大阪

2019年4月、旧公立大学法人大阪府立大学と旧公立大学法人大阪市立大学の新設合併により、公立大学法人大阪の経営が開始されました。

そして、2022年4月には、大阪公立大学を開学する予定です。今後は、こうした大学同士の合併などによって再編が進む可能性が高いです。

②堺平成病院

2019年4月、大阪を拠点とした堺温心会病院と浜寺中央病院が合併し、堺平成病院が誕生しました。堺温心病院は1966年設立、浜寺中央病院は1951年設立です。両院は、増改築を繰り返しながら経営を続けてきました。

建物の老朽化が進んだために合併の話が進み、新病院を設立しました。両院の特徴を融合し、さらに充実した機能と体制を備えた病院を目指しています。今後、このような病院の老朽化による合併事例が増える見込みです。

③スマートメディア

2018年7月、PR会社のベクトルの子会社であり、WEBメディアを運営するLAUGHTECH、OPENERS、JIONの3社が統合することで、スマートメディアが設立されました。

スマートメディアは、恋愛・ファッション・ライフスタイルなど、複数のWEBメディアでさまざまなジャンルの記事を提供しており、合併により急成長しています。オウンドメディア支援事業・CMS構築サービス事業などを展開しながら事業領域を多角化し、時代のニーズに沿った経営を目指しています。

④北越コーポレーション

2016年6月に、北越紀州製紙(現 北越コーポレーション)は、連結子会社であるカナダのAlpac Forest Products Inc.(AFPI)、その子会社であるAlberta Pacific Forest Industries Inc.(APFI)そしてAlpac Pulp Sales Inc.(APSI)の3社と新設合併を行いました。

新設会社の商号は、「Alberta Pacific Forest Industries Inc.(APFI)です。AFPIは、カナダ・アルバータ州にて、単一工場として北米最大の市販パルプ工場を所有しています。

北越紀州グループは、ビジネスプロセスの垂直統合により、市販パルプ事業の国際競争力の強化・事業効率性の向上・コーポレートガバナンスの強化を目指しています。

⑤野村不動産マスターファンド投資法人

2015年10月、旧野村不動産マスターファンド投資法人は、野村不動産レジデンシャル投資法人と新設合併を行いました。この新設合併により、同社の不動産投資ポートフォリオは、オフィスが半分を占めることになりました。新設合併後も、高い評価を得ている投資法人です。

⑥東洋製罐グループホールディングス

東洋製罐グループホールディングスは、2013年11月、タイにある連結子会社3社に対して新設合併を行い、子会社を設立しました。事業内容は、プラスチック製品の製造販売・ペットボトルの製造販売・グループ会社への技術支援とされています。

東洋製罐グループホールディングスは、国内外にグループ会社を展開しています。タイでも複数の会社を保有しており、新設合併により主力事業の効率化を進めることが主な目的です。

⑦サイバネットシステム

サイバネットシステムは、2019年5月、カナダにある連結子会社CYBERNET HOLDINGSCANADA, INC.と連結孫会社であるWATERLOO MAPLE INC.を統合する形で、ドイツにて新設合併を行いました。

新設会社は、Maplesoft Europe GmbHです。サイバネットシステムが海外子会社と孫会社の新設合併を行った主な目的は、欧州市場での浸透を加速させ、経営資源の統合によりグループガバナンス体制を再構築することです。

⑧アドバンス・レジデンス投資法人

2010年3月、旧アドバンス・レジデンス投資法人および日本レジデンシャル投資法人が新設合併を行い、不動産投資信託を扱う投資会社であるアドバンス・レジデンス投資法人が設立されました。そして、新設合併により、新規上場を果たしています。

⑨富士ゼロックス

2010年1月、富士ゼロックスは、持続的な成長を目指すために、新会社の富士ゼロックスマニュファクチュアリングを存続会社として事業を開始しました。

実際には、富士ゼロックスマニュファクチュアリングが、その子会社である富士ゼロックスイメージングマテリアルズ・鈴鹿富士ゼロックス・新潟富士ゼロックス製造・富士ゼロックス竹松工場を分割させ、新設合併を行っています。

新設合併により、富士ゼロックスマニュファクチュアリングでは、サービス・ソリューション事業における事業構造の変革の加速化や、優秀なエンジニアの補強による生産力と技術力の向上などを目指しています。

⑩福岡県糸島市

新設合併は、自治体同士の統合でのスキームでも応用されています。福岡県糸島市は、2010年1月に前原市・糸島郡二丈町・糸島郡志摩町が新設合併を行ったことで誕生した自治体です。自治体の統合であり、会社同士の新設合併とは異なりますが、このように自治体で合併が行われるケースもあります。

⑪三越

2003年9月、(旧)三越・千葉三越・名古屋三越・福岡三越・鹿児島三越」の5社を消滅会社として、その権利義務を引き継ぎ(新)三越が誕生しました。

三越は、呉服店を起源とする日本の老舗百貨店を運営する企業です。合併前の(旧)三越は上場廃止されましたが、新設合併の直後に再び上場を果たしています。

なお、2011年4月には、存続会社を三越として、伊勢丹と合併を行い、三越伊勢丹が発足しました。

【関連】事業再編とは?メリット・目的・手法や組織再編との違いを解説!| M&A・事業承継の理解を深める

新設合併のまとめ

新設合併のまとめ

吸収合併と新設合併を比べると、新設合併をあえて選択するケースはそれほど多くありません。なぜなら、新設合併では、多くの手間やコストがかかるうえに、吸収合併で得られるメリットと大きな差異がないためです。

しかし、経営環境の変化や法改正により、将来的に新設合併が注目される可能性はあります。そのため、新設合併の概要を把握し対策しておくことは無駄ではありません。

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資本提携や資本業務提携とは、企業同士の独立性を保ったまま他社と協働したい場合に有力な選択肢です。本記事では、資本業務提携・資本提携とはどのようなものか、業務提携の違いやメリット・デメリット、契約...

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