株式交換の手続き

株式交換の手続きでは、株式交換の契約や情報開示、株主総会などがあり、ケースによっては債権者保護手続きも必要です。さらに、反対株主や各種法律への対応もあります。また、手続きの際には新株式の割り当てやストックオプションの取り扱いになど、注意すべき点も多くあります。

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2020年3月12日更新

目次
  1. 株式交換の手続き
  2. 株式交換とは
  3. 株式交換の手続き①:株式交換の契約、情報の開示、株主総会
  4. 株式交換の手続き②:反対株主および各種法律への対応
  5. 株式交換の手続きに関する注意事項
  6. まとめ

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株式交換の手続き

企業は常に新たな利益の獲得や経営の安定を目指して事業活動を行っており、新しい制度の導入や従業員の雇用をし、ときには企業自体を大きく動かすこともあります。株式交換も、企業が利益を獲得するための手段です。

株主交換は双方の企業にとって大きなメリットがある取引です。しかし、手続きを間違えると利益を失う可能性がありますので注意しなければなりません。今回は、株式交換の手続きについて解説します。

株式交換とは

株式交換は広義にはM&Aの1つであり、狭義には企業の組織再編行為です。株式交換では、企業同士が互いの発行している株式を取得し、完全親子関係となります。完全親子関係を築く組織再編には株式移転というスキームもありますが、こちらは完全親会社を新しく設立するため株式交換とは異なる手法です。

なお、M&Aスキームにはさまざまあり、それぞれで特徴や効果が異なります。そのため、M&Aや組織再編を行う目的に合わせて最適なスキームを選択する必要あります。その際、M&Aの専門家に相談することでスキームの選択や手続においてもサポートを受けることができます。

M&Aや組織再編をお考えの場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A仲介会社であるM&A総合研究所には知識と経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、これまで培ったノウハウを活かしてフルサポートいたします。

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株式交換の手続き①:株式交換の契約、情報の開示、株主総会

ここから、株式交換の手続きを具体的に説明します。

株式交換の契約

この工程にたどり着くまでに、企業同士で株式交換を実施する意向を固めたり、デューデリジェンスを実施したりする必要があり、その後に取締役会設置会社の場合は契約内容を取締役会において承認を得ます。そのうえで、会社法に基づいて作成された株式交換契約書の締結を実行します。

情報の開示

株式交換では、株主などに対し株式交換に関する情報開示を行う必要があります。そのために作成する書類が事前開示書類であり、これを各社の本店に株式交換の効力が発生した日から6ヶ月の間備え置いておかなければなりません。

株主総会

株式交換の実施は、株主総会に基づく特別決議の承認を得る必要があります、つまり、株主総会を開催するために株主を招集しなくてはなりません。株主への招集通知は、基本的に上場企業であれば株主総会を開催する日の2週間前まで、非上場企業であれば1週間前までに発送します。

株主総会の特別決議では、議決権を有する株主の過半数以上の参加と、そのうちの3分の2からの承認が求められます。ただし、簡易株式交換にあたる場合は完全親会社、略式株式交換にあたる場合は完全子会社において株主総会の省略が可能です。

簡易株式交換とは

簡易株式交換は、完全親会社の純資産額の5分の1以下を完全子会社への対価とする場合に利用でき、完全親会社では株主総会を省略できます。ただし、完全親会社で損失が発生する場合や譲渡制限株式を対価にする場合、完全親会社において6分の1以上の株主が反対している場合には株主総会を省略することはできません。

略式株式交換とは

略式株式交換は、すでに完全親会社となる企業が完全子会社となる企業の株式を90%以上有している場合に利用でき、完全子会社では株主総会を省けます。

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株式交換における契約書
簡易株式交換とは?略式株式交換との違いについても解説します

株式交換の手続き②:反対株主および各種法律への対応

株主総会の承認手続きまでが完了すると次の段階として各種法律への対応などを行い、ケースに応じて債権者保護手続きや登記申請を行います。

債権者保護手続き

会社法の定めにより、株式交換の場合は債権者保護手続きが求められます。債権者保護手続きは官報公告および個別通知において、株式交換の効力がある1ヶ月前までに実行します

反対株主への対応

株主総会に基づき、株式交換が承認されたとしても、必ず満場一致で承認されるとは限りません。中には株式交換に反対する株主が現れ、その株主が株式買取請求を行うこともあります。株式買取請求が行われた場合、基本的には企業に拒否権がありませんので、株式の買取に応じる対応を取ります。

金融商品取引法への対応

金融商品取引法への対応として、臨時報告書や有価証券届出書、有価証券通知書により情報開示を行わなければならないケースがあります。まず、臨時報告書は上場企業および継続して企業の情報を開示している企業において、組織再編により重要な事項の変更があった場合に提出しなくてはなりません。

有価証券届出書は「株主50名以上」「株式発行価額1億円以上」という2つを満たす場合に、株式発行価額が「1,000万円以上1億円未満」の場合は有価証券通知書を提出しなくてはなりません。

対価の支払いおよび登記申請

株式交換の効力発生日になると、完全親会社から完全子会社へ対価の支払いが行われます。そして、完全親会社が株式を発行した際や完全子会社が新株予約権を処分する際は、登記申請を2週間以内に行います。

独占禁止法への対応

株式交換を行うことで完全親会社や当該グループの日本国内における売上高が合計で200億円以上となる場合や、株式発行会社と子会社の日本国内における売上高が合計で50億円以上となる場合、当該グループ企業が有する議決権保有割合が20%または50%以上となる場合、独占禁止法への対応が必要となります。

具体的には公正取引委員会に対して届出を行い、審査を受けなくてはなりません。その場合、独占禁止法に抵触していると判断が下されると、株式交換ができなくなります。また、公正取引委員会で審査を行っている間は、株式交換ができません。

審査はおよそ1ヶ月かかりますが、場合によっては1ヶ月以上かかることもあります。

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株式交換の登記
株式交換のスケジュール

株式交換の手続きに関する注意事項

株式交換の手続きでは、以下のことに注意しなければなりません。

各種法律への対応

株式交換の実施にあたっては、会社法のみならず金融商品取引法や独占禁止法においても注意しなくてはならず、いずれの法律にも抵触しないよう進めていく必要があります。もしも法律に抵触してしまうと、株式交換を行うことができなくなります。

そのため、各種法律についてしっかりとした知識を身につける必要があり、専門家に相談することや事前に公正取引委員会に問い合わせるなどの対応を取るようにしましょう。

ストックオプションへの対応

ストックオプションとは、自社株式をあらかじめ決めた金額で取得できる権利のことであり、完全子会社となる企業の従業員がストックオプションを有していることもあります。この場合も株式交換は実行できるのですが、株式交換の実行後に従業員がストックオプションを使用されることも可能です。

もしも、株式交換の実行後にストックオプションを使用されてしまうと、その従業員は完全子会社の株主となります。つまり、完全親子関係が崩れてしまうことになってしまいます。そのため、ストックオプションの有無は事前に確認し、適切な対応を取らなくてはなりません。

このように、株式交換には多くの手続きや注意すべきことがあります。そのため、実施の際は専門家のサポートを受けることをおすすめします。その際は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所には会計士や弁護士の資格を有するアドバイザーも在籍しております。

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ストックオプション制度とは?導入の手続きとメリット・デメリット

まとめ

株式交換を実行することで完全親子関係を築くことができますが、実行には多くの手続きを行わなければならず、注意すべき点も多いです。特に各種法律には注意する必要があり、抵触して株式交換が行えない状況に陥らないようにしなくてはなりません。最後に、この記事の要点をまとめると下記になります。

・株式交換とは
→企業同士が互いの発行している株式を取得する行為

・株式交換の手続き
→株式交換の契約、情報開示、株主総会、債権者保護、反対株主への対応、金融商品取引法への対応、対価の支払いおよび登記申請、独占禁止法への対応

・株式交換の手続きに関する注意事項
→各種法律への対応、ストックオプションへの対応

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