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法人税と減価償却

法人税と減価償却

目次

    法人税と減価償却

    会社の経営をしていると、様々な税金が発生します。

    その中でも、法人税は特に負担の大きい税金です。

    法人税は、直接的に会社の利益を圧迫し、資金繰りを悪化させる要因になり得ます。

    企業経営において、法人税の負担軽減は大きな課題です。

    法人税の負担を軽減する方法は様々です。

    減価償却の仕組みを理解し、工夫することで、法人税負担の軽減に繋がります。

    そこで今回は、法人税と減価償却の仕組みをご紹介します。

    経営者のみならず、経理に携わる方も必見です。

    法人税と減価償却

    まず初めに、法人税と減価償却の基本事項を、それぞれ解説します。

    ⑴法人税とは

    法人税とは、株式会社等の法人に課税される税金です。

    法人税が課される法人には、株式会社は勿論、協同組合や社団も含まれます。

    各事業年度の所得に対して、法人税が課税されます。

    法人税の税率は、法人の種類や規模によって変動します。

    中小企業の場合、年所得800万円以下の部分は15%の税率が適用されます。

    大規模な企業であれば、約23%もの税率が課されます。

    法人税は、企業にとって大きな負担です。

    多くの利益を残す為にも、法人税を抑えましょう。

    ちなみに法人税はM&Aを行ううえでも重要なファクターです。

    もし法人税を意識したうえでM&Aを行うのならM&A総合研究所にご相談ください。

    M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。

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    ⑵減価償却とは

    減価償却とは、固定資産の価値を減額させる会計上の手続きです。

    事業への利用目的で購入する、車や設備・建物等を固定資産と呼びます。

    長年使用するにつれて、固定資産は機能が劣化したり、見栄えが悪くなります。

    つまり、資産としての価値が減少します。

    会計ルールでは、固定資産の価値減少分を毎年計上する旨が定められています。

    この会計処理を「減価償却」と呼びます。

    減価償却では、減少分の価値を固定資産から減額し、その分を損益計算書の費用に計上します。

    一定範囲内ならば、減価償却費の損金算入が認められています。

    損金が多くなる程利益が減少し、課税される法人税額も減少します。

    法人税と減価償却には、非常に密接な関係があります。

    法人税対策

    減価償却の方法と固定資産

    法人税計算において重要な減価償却に関して、詳しく解説します。

    減価償却を工夫する事で、法人税削減を実現出来ます。

    ⑴減価償却の方法

    減価償却には、様々な種類が存在します。

    法人税法では、各資産ごとに利用する償却方法が設定されています。

    法人税を正確に算出する上で、減価償却方法を知っておくことは不可欠です。

    今回は特に利用している企業が多い、「定額法」と「定率法」をご紹介します。

    ①定額法

    定額法とは、毎年同じ額の減価償却費を計上する方法です。

    固定資産の価値が、毎年均等に目減りする前提で利用します。

    定額法では、毎年の減価償却費を下記の通り計算します。

    • 減価償却費=(購入時の価格−残存価額)÷耐用年数

    残存価格とは、固定資産が利用できなくなった時点で、売却する際に得られる利益です。

    売却時に全く価値がない場合には、残存価額は0になります。

    平成19年度以降に取得した資産に関しては、残存価額を0円として計算する必要があります。

    耐用年数については、後ほど詳しく解説します。

    ②定率法

    定率法とは、固定資産の簿価に予め定めた償却率を掛ける事で、減価償却費を計上する方法です。

    「固定資産の価値は、取得当初ほど減少しやすい」との考え方に基づいたのが定率法です。

    つまり固定資産の購入直後は、多額の減価償却費が計上されます。

    時間が経つほど、減価償却費の計上額は減少します。

    定率法では、毎年の減価償却費を下記の通り計算します。

    • 減価償却費=(購入時の価格−前年までの減価償却累計額)×償却率

    償却率は、年間○%の減価償却費を計上するかを表します。

    ⑵減価償却を行う固定資産

    減価償却は、固定資産の価値減少分を、費用として計上する処理です。

    価値が減少しない資産に対しては、減価償却を実施しません。

    つまり、固定資産の中でも「土地」の減価償却は行いません。

    減価償却を行う固定資産には、主に下記のものがあります。

    • 車両運搬具
    • 建物
    • ソフトウェア
    • 備品

    上記資産は価値が目減りする為、毎年減価償却を実行する必要があります。

    減価償却の耐用年数

    定額法による減価償却では、耐用年数を計算に用います。

    耐用年数に関しては、知っている様で知らない方も多いです。

    ここでは、耐用年数に関する基本知識を解説します。

    ⑴耐用年数とは

    耐用年数とは、対象資産を何年間に渡って使用するかを表す指標です。

    その資産を、何年間問題なく活用できるかを表します。

    耐用年数が5年の場合、その資産は5年間使用する為の性能を維持出来ます。

    定額法により減価償却費を計算する場合、耐用年数を利用します。

    法人税の計算上、各人ごとに耐用年数を決定できません。

    耐用年数を勝手に決められたら、公平ではありません。

    法人税申告の為には、税法で定めている耐用年数を利用しなくてはいけません。

    ⑵主要な資産の耐用年数

    税法では、資産の種類や用途別に、耐用年数を細かく定めています。

    国税庁HP上で、各資産ごとの耐用年数を調べる事が可能です。

    ここでは、主要資産の耐用年数をご紹介します。

    • 店舗用の建物(鉄骨・鉄筋コンクリート)→39年
    • 事業所用の建物(木造)→24年
    • 小型自動車(一般用)→4年
    • 測定・検査工具→5年
    • 応接セット(接客用)→5年
    • 音響機器→5年
    • 時計→10年
    • 食料品製造業用設備→10年
    • 宿泊業用設備→10年
    • 温室ぶどうの樹→12年

    上記以外にも、非常に細かく耐用年数が定められています。

    同じ資産でも、用途によって耐用年数が異なるケースもあります。

    法人税を正確に支払う上で、正しい耐用年数を用いることは重要です。

    少額な減価償却資産

    減価償却対象となる資産には、建物等の高額なものばかりではありません。

    パソコンや備品等、比較的少額かつ購入頻度の高いものも含まれます。

    少額の資産を一々減価償却していては、手間がかかり大変です。

    法人税法上、少額な資産に関しては、簡易な減価償却が認められます。

    中小企業と大企業との間で、扱い方が異なります。

    ⑴中小企業

    中小企業の場合、購入価格が30万円未満の資産であれば、購入に要した金額を全額損金算入できます。

    つまり減価償却資産であっても、消耗品として扱えます。

    全額損金算入出来る為、大幅な法人税の削減に繋がります。

    なお中小企業とは、法人税法上で定められた基準(資本金1億円以下)を満たす会社です。

    法人税節税の為にも、中小企業はこの制度を積極的に活用しましょう。

    ⑵中小企業以外

    中小企業以外に関しては、金額ごとに取り扱いが異なります。

    ①10万円未満

    10万円未満の資産を購入すると、全額を損金算入できます。

    中小企業でなくても、10万円未満の資産であれば、法人税対策に役立てる事が出来ます。

    ②10万円以上〜20万円未満

    この金額帯であれば、資産を3年間で均等償却します。

    つまり購入した資産を、毎年同額で減価償却する訳です。

    ③20万円以上

    20万円以上の資産は、通常通り減価償却を行います。

    以上が、少額資産の取り扱いです。

    少額資産を工夫して購入すれば、法人税の対策になります。

    法人税を抑えたい方は、少額資産の購入をご検討ください。

    ※関連記事

    【中小企業必見】法人の正しい節税対策

    法人の減価償却制度(平成28年度税制改正)

    平成28年度に、法人の減価償却に関する税制改正が施行されました。

    具体的には、一定資産の減価償却方法が変更されました。

    この税制改正によって、法人税の支払いや減価償却に大きな影響が生じました。

    平成28年度の税制改正に関して、概要をまとめてご紹介します。

    ⑴改正内容

    税制改正では、建物付属設備と構築物の減価償却方法が変更されました。

    従来建物付属設備や構築物は、定率法によって減価償却する決まりでした。

    ですが税制改正によって、定額法のみが適用出来ることとなりました。

    この改正により、多くの企業が減価償却方法の変更に頭を悩ませました。

    何故なら、法人税対策等にも繋がる話だからです。

    ⑵減価償却の計算

    定率法で計算していた資産を今後定額法で減価償却する場合、変更した年度の期首帳簿価額を取得価額とみなします。

    また耐用年数は、法定耐用年数もしくは経過年数を差し引いた年数とします。

    定率法では、前もって減価償却費を多額に計上します。

    その分後半になると、減価償却費が減少します。

    他方定額法では、毎年均等に費用計上します。

    つまり定率法→定額法に変更すると、計上費用を先送りする効果が生じます。

    この点が良いか悪いかは企業によって異なりますが、少なくとも法人税の額には影響します。

    法人税対策を考慮すると、平成28年の税制改正は大きな意味を持っています。

    まとめ

    今回は、法人税と減価償却の関係をご紹介しました。

    法人税対策の一環として、減価償却の工夫は有効です。

    まずは、法人税と減価償却に関して、基礎知識を習得する必要があります。

    特に重要なのは、「少額減価償却資産」の取り扱いです。

    少額減価償却資産の中には、簡易的に費用を処理できるものもあります。

    その結果、法人税の節税効果も期待できます。

    法人税の対策において、少額減価償却資産の購入は有効な一手です。

    各減価償却資産の耐用年数は、国税庁HPに詳しく載っています。

    自社資産の耐用年数を調べる際は、そこを参考にすれば問題ありません。

    要点をまとめると下記になります。

    • 法人税とは

    →株式会社等の法人に課税される税金

    • 減価償却とは

    →固定資産の価値を減額させる会計上の手続き

    • 減価償却の方法

    →定額法(毎年一定の費用を計上)、定率法(簿価に償却率を掛けた分だけ費用計上)

    • 減価償却する固定資産

    →価値が減少しない固定資産(土地)は、減価償却を実行しない

    • 耐用年数とは

    →対象資産を何年間に渡って使用するかを表す

    • 主要な資産の耐用年数

    税法上資産の種類や用途別に、耐用年数が細かく定めてられている

    • 少額な減価償却資産

    →法人税で取り扱い方が決まっている

    • 法人の減価償却制度の改正

    →建物付属設備や構築物の減価償却方法が、定率法から定額法に変更された

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