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物流会社の事業承継とは?事業承継課題や事例を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

物流会社は景気の影響を受けやすく事業承継するにしても、先行きが不透明な中で実施しなければならないという実態がるようです。会社の事業承継は経営上の大きな問題でもあり、後継者に恵まれなかった場合はM&Aを選択して会社を存続させるべきでしょう。

目次
  1. 物流会社の事業承継とは
  2. 物流会社の事業承継課題
  3. 物流会社における事業承継の注意点
  4. 物流会社の事業承継はM&A仲介会社に相談
  5. 物流会社の事業承継事例
  6. まとめ

物流会社の事業承継とは

物流会社に限らず、事業承継の問題は全国の中小企業の問題として取り上げられることが多くなっています。
その理由には、後継者不在や現経営者の高齢化などがあります。
中小企業の多くは、事業承継の問題を「経営上の問題のひとつ」と認識しながらも、事業承継が進んでいない実態があります。
また、事業承継の計画はあるもののまだ進めていないとしている会社は19.2%となっており、実際に計画があり進めているとしているのは25.6%となっています。
既に事業承継を終えているとしている会社は12.0%を推移しています。
事業承継は、今後の会社の経営に大きな影響を与える課題でもあり、「最優先の経営上の問題と認識している」としている会社は52.9%、「経営上の問題のひとつとして認識している」としているのは29.5%となっています。
事業承継の計画を進めていない、または計画がないとしている会社の理由は、「後継者が決まっていない」が最も多い回答となっており、やはり後継者不足が問題となっています。

慢性的な人材不足と高齢化

他の職種を見ても、慢性的な人材不足が見られますが、多くの物流会社が慢性的な人材不足となっており、高齢化も問題となっています。 物流業界における高齢化は、過去10年間で経営者の数が10万人から7万人に減少しており、経営者の年齢が60歳代を占める割合は20.7%、70歳代が11.6%、80歳代以上が1.4%となっています。 10年先の会社の存続を考えるのであれば、50歳後半になったら事業承継の問題に取り組む必要があるでしょう。 物流業界の事業承継の見通しは、後継者が決まっていると回答しているのは40.2%となっており、決まっていないとしているのは59.8%となっています。 やはり、物流会社においても後継者が決まっていないとする会社の割合は高く、後継者不在の問題を抱えたまま現経営者が高齢になっていくという縮図が見て取れます。

事業承継の方法

事業承継は、子供や親族に承継する親族内承継、会社の役員や従業員に承継する親族外承継があり、現経営の親族に適切な後継者候補がいない場合は、会社の役員や従業員を後継者とする方法があります。 現経営者の親族にも、会社の役員や従業員にも後継者候補となる人材がいない場合は、社外への引継ぎとしてM&Aを実施する方法があります。 M&Aの実施をしようとしても、適切な相手が見つけられなかった場合は、廃業という選択をすることになります。 物流会社が抱える問題は、ドライバーの不足、管理者の不足、後継者の不足の3つの人材不足を抱える中で、現経営者の年齢も重ねていくという事態になっています。 会社の存続を望むのであれば、早めに事業承継の準備を始めた方が良いでしょう。

物流会社の事業承継課題

中小企業の経営者の年齢は、年々上昇しており2015年には66歳にまで上昇しています。
1995年は47歳がピークとなっていたので、およそ20歳上昇したことになります。
経営者の平均引退年齢を見ても、30年前は、61.3歳、小規模事業者では62.6歳でしたが、直近から4年前の年齢を見ると67.7歳、小規模事業者は70.5歳となっています。
日本の平均寿命は80歳を超える時代となっており、現経営者の年齢が60歳を超えても「まだまだ現役」と第一線で仕事をしている場合もあります。
しかし、年齢を重ねていくうちに事業承継の準備をせずに引退の時期を迎えてしまうと、事業承継がスムーズにできない、という事態になってしまいます。
事業承継の形態についても、35年以上40年前は、子供に事業承継する割合が83.5%でしたが、直近から5年前では26.7%となっています。
近年では、事業承継について後継者不在の問題があるといえます。

市場の先行きが不透明

物流会社の事業承継の課題として考えられるのは、現経営者が市場の先行きが不透明であることで、事業承継が進められないとしていることが、全日本トラック協会の調査で分かっています。
先行きが不透明な中で、後継者を選出して事業承継を進めることに難色を示していると考えられます。
物流会社は、景気にも左右される業界でもあり、燃料の高騰や輸送貨物の増減なども会社に影響します。
そのような中で、先行きが不透明なことや経営状況が厳しいなどの理由が、事業承継の課題として取り上げられています。
現経営者が会社の経営について、景気に左右されることや経営自体が厳しいという現実があると、事業承継をして会社の存続を考えるよりも、自分に代で廃業しようと考える割合の方が高くなる可能性があります。
市場の先行きが不透明と回答している会社は61.6%を占めており、物流会社の存続を危惧するものになっています。

後継者不在と経営者の高齢化の問題

適切な後継者がいないとしている会社は25.0%の割合を占めており、後継者不在の問題も課題として考えられます。
後継者候補として、子供などと回答しているのは49.1%となっており、過半数が子供への事業承継を希望していることが分かります。
しかし、先にも述べた通り先行きが不透明は業界であるために、子供に事業承継してもいいのか?と考える経営者も多く、会社を事業承継して存続させるなら、子供を後継者にしようと考えるものの、業界全体の動向を見ると不安定は業界なため子供に苦労をさせたくない、という考えもあるようです。
そのため絵、事業承継の見通しとして、後継者が決まっているとしているのは40.2%となっており、決まっていないとしているのは59.8%となっています。
やはり、物流会社の場合でも後継者不在としている会社が多く、それが課題となっているといっても良いでしょう。
それに加えて、経営者の高齢化も課題と言えます。
経営者の年齢が60歳以上としているのは、全体の30%の割合に相当しており、現経営者の高齢化が進んでいることが分かります。

物流会社における事業承継の注意点

情報漏洩に注意する

親族内承継の場合は、社内や取引先などに比較的受け入れられやすいので、情報が漏れても大きな問題にもなりにくいですが、役員や従業員を後継者として事業承継する場合は、社内の従業員からの不満などが出る可能性があるので、事業承継の内容が確定してから公表する方が良いでしょう。
特に、M&Aによる事業承継をする場合は、情報が漏れないように注意しなければなりません。
M&Aを実施するということは、会社を売却することになります。
この情報が漏れてしまうと、従業員はリストラされるのではないか、会社の体系が変わってしまうのではないか、などの不安を抱えることにもなり、取引先についても業績が悪いからなのではないか、などの不安要素を与えることになります。
このようなことを避けるためにも、事業承継の情報は内容が確定してから公表するようにしましょう。

後継者の経営者教育

物流会社の事業承継では、経営者の交代をすればいいというわけではありません。
これは、ほかの職種にも同様なことが言えます。
事業承継するのは、経営権だけではなく会社の株式や資産、負債なども承継することになります。
その中には、現経営者がこれまで積み重ねてきた実績や信用なども含まれます。
後継者をどのような経営者にしたいか、については現経営者の考え方もあるでしょう。
しかし、現経営者が積み重ねてきた実績や信用については、後継者が経営者となってから積み重ねればよいものもありますが、これまでの取引先や顧客に対する信用については現経営者から引き継がなければならない場合もあります。
後継者が経営者となり、これまで通りの取引をするには現経営者の信用が重要なポイントになります。
後継者の教育については、社外で経験を積ませる方法と自社で経験をさせる方法のどちらかになるでしょう。
社外で経験を積ませる場合は、他社のノウハウや方針などを知ることができて、広い視野で事業に取り組むこともできます。
自社で経験を積ませる場合も、自社が持つノウハウややり方などを学んで、経営理念なども理解できるようになります。
後継者を経営者にするための教育をしっかりと実施することで、事業承継を実行した後に満足のいく経営が可能になります。
事業承継は、会社の転換期でもあるので、事業承継をきっかけに事業拡大や内部統制を整えるなどに発展させることができます。

物流会社の事業承継はM&A仲介会社に相談

事前相談

M&A仲介会社には、弁護士や会計士、税理士などの士業の資格を保有しているスタッフが在籍している場合もあり、会社の事業承継について的確なアドバイスをしてくれます。
大手のM&A仲介会社は、M&Aだけでなく会社の経営についても相談に乗ってくれるので、事業承継についても悩みや不安がある場合にも相談に乗ってくれます。
事業承継に伴って、M&Aを検討しているのであれば事前相談に行くと、M&Aが必要なのか、どのようなM&Aが可能なのか、などの相談をすることができます。
事前相談に乗ってくれるのは、会計士や税理士の場合もありますし、M&Aのアドバイザーやファイナンシャルプランナーの場合もあります。
いずれにしても、財務や税務のスペシャリストですし、M&Aに詳しい人が相談に乗ってくれます。

大手と地元密着型

M&A仲介会社は、東証一部に上場しているような大手の会社もありますし、地元密着型の会社もあります。 どちらがいい、と言うことはありませんが、経営者自身が相談しやすい方に相談すると良いでしょう。 大手のM&A仲介会社は、全国にネットワークを持っているので様々なM&A案件を保有しています。 また、M&Aの成約件数も多く、経験が豊富なので物流会社のM&Aに対しても、いくつかのアプローチ方法を知っています。 同業とのM&Aの提案や異業種とのM&Aの提案も含めて、いろいろな可能性を考えてM&Aの成約を目指すことになるでしょう。 そのほかには、弁護士や会計士、税理士、司法書士などとの連携も取れているので、事業承継に関する相談にも応じてくれます。 会社の財務や税務状況を調べて、事業承継するにはどのように進めていけばいいのか、適切なアドバイスを受けることができるでしょう。 地元密着型のM&A仲介会社の場合でも、M&Aを実施すべきなのか、親族又は親族外承継をした方がいいのか、などの相談に応じてくれます。 地元を中心にM&A仲介を実施しているので、地元の案件が多く、地域性なども活かしてM&Aの実施が可能になります。 M&A仲介会社は、経営コンサルタントとしての役割をしている場合もあるので、事業承継について悩みや不安を抱えている時は、事前相談を活用してみると良いでしょう。 M&A仲介会社がどのようなものなのか、知りたい時はM&A仲介会社が開催しているセミナーなどに参加してみると、どのようなものなのか理解することができます。

物流会社の事業承継事例

息子を後継者とした事例

老舗の運送業者の社長が、急な病気で倒れましたが、幸いにして大事には至らず仕事に復帰しましたが、会社の将来を考えて事業承継が必要であることを実感したと言います。
そこで、IT企業に勤めていた息子に話をしてみると、「運送業にはあまり興味がない」と言うことでしたが、「自分の代で会社をなくすわけにはいかない」と息子を説得して、息子は25歳でIT企業を退職して、父が経営する物流会社に入社した方です。
息子は、運送業は未経験だったので、集荷と配達の業務からスタートしました。
その間に、トラック協会のセミナーや会合にも参加して、ほかの運送業者とも積極的に交流しました。
このようにして10年かけて、会社のいろいろな業務を経験してリーダーに昇格させて、35歳には専務に昇格させました。
父の右腕として働いていたベテラン社員から、経営者の資質を学び、信頼できる社員から教育を受けることで「甘えを捨てて学ぶことができた」と息子は語っています。
事業承継が実行される前までには、会社の職務の大部分を担うことができるようになり、取引先へのあいさつや社長交代にかかる手続きを経て、38歳の時に新社長に就任することができました。
25歳の時に、自社に入社してその後13年をかけて社内業務を学び、取引先へのあいさつなどを経て、新社長に就任した事例です。

従業員が親会社から株式を取得して事業を承継

ある運送会社は、グループ会社内で運送事業を担っていました。 しかし、親会社の事業再編に伴って親会社から運送会社が離れることになりました。 この決定によって問題となったのが、これまで親会社が100%保有していた自社株式を誰が引き受けるかということです。 親会社から切り離される可能性が出てきた運送会社は、狭義を重ねて、従業員が親会社からの株式を取得して会社の経営権を持つEBOと言う形を採用することにしました。 当時の運送会社の管理者4人が株式を引き受けて出資者になることで、グループからの独立が実現することになりました。 従業員による株式取得に伴い、既存の運輸会社グループから独立して事業を継続するために、代表や、役員に関する変更(商業登記)、役員変更届などをして独立した会社として事業をスタートすることになりました。 独立した物流会社は、株式を保有する者は会社に在籍する役職者のみとして、退職時点で株式は後任者に譲渡するというルールを決めて、経営のバトンをつなげています。 EBOの決断によって、会社を独立させ会社を存続させた事例です。

まとめ

物流会社は、景気の影響を受けやすく事業承継するにしても、先行きが不透明な中で実施しなければならない、という実態がるようです。 しかし、会社の事業承継は経営上の大きな問題でもあり、後継者に恵まれなかった場合はM&Aを選択して、会社を存続させるべきでしょう。

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