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社長の引退年齢の現状や課題点とは?M&Aや事業承継を活用するポイントを解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

近年、多くの企業で社長の高齢化は進んでおり、課題点も少なくありません。後継者不足が改善され、一人でも多くの社長が引退後に充実した人生を過ごせるよう、M&Aや事業承継の活発化が期待されています。

目次
  1. 社長の引退年齢の現状
  2. 社長の引退年齢の課題点
  3. 社長の引退年齢の平均
  4. 社長の引退とその後
  5. 社長の引退とM&A・事業承継の活用
  6. まとめ

社長の引退年齢の現状

企業の経営者の高齢化は、近年様々な企業で見られる問題です。60代や70代以降で現役の社長を続けているケースも見られ、社長の引退年齢はますます上がるものと思われます。
もちろん健康な状態で経営を続けられれば良いですが、無理をして経営を行うケースも考えられます。

なるべく早くに後継者を見つけ、その後継者を育成し、早い段階で経営を任せられるようにすることも重要になるのです。こうした社長の引退年齢の現状について、ポイントを整理しておきます。

社長の高齢化は確実に進んでいる

経営者の引退年齢の平均は、中小企業ではおおむね67歳から70歳と考えることができます。(この年齢は「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」によるものですが、この点は詳しくは後述します。)60代後半まで社長を続けるケースは多く、特に中小企業ではこの傾向が強くなります。

こうした側面もあり、近年では社長の高齢化は確実に進んでいます。帝国データバンクが2019年1月に発表した「全国社長年齢分析(2019 年)」によると、社長の平均年齢は59.7歳で、過去最高を更新しています。また、上場企業の社長の平均年齢は58.9歳とされています。

なぜ社長の高齢化が進むのか

社長の高齢化の原因は、ごく単純に考えると、「後継者がいない」という点が挙げられます。後継者がいなければ社長は引退できず、必然的に社長の高齢化が進むからです。実際にも、ふさわしい後継者が見つからない、後継者候補がいても育成が足りない、後継者候補にした者が結局適格ではなかった、などの問題は少なからず発生するでしょう。

こうした状況で、社長が「やはりまだ自分が経営を続けるべきだ」と判断すれば、社長の高齢化は進み、引退年齢も上昇するわけです。特に中小企業の場合、そもそも後継者が見つからないという問題が発生しやすいです。

近年中小企業のM&Aが活発化しているのも、後継者不足が一つの原因と言えます。M&Aとして自社を他社に売却すれば、適切な後継者のもとで経営を持続できるというメリットを享受でき、後継者不足問題が解決するので、後継者不足に悩む中小企業にとってM&Aは効果的な手法となります。

ただし、売却先として適切な企業がすぐに見つかるとは限らないので、後継者不足の状態が続けば、結局社長の高齢化は進むことになります。今後のM&Aの活発化によって後継者不足の改善が期待されますが、近年の社長の高齢化傾向を見ると、課題点も多いと思われます。

社長の適切な引退時期はいつなのか

社長の高齢化によって引退年齢の上昇も目立つという点が、社長の引退年齢の現状となります。さて、こうした現状に鑑み、社長が引退すべき時期はいつなのか、整理しておきましょう。以下、後継者に焦点を置き、ポイントを整理しておきます。

50代前半を引退時期にするケース

あくまで考え方の一つですが、50代前半を引退時期の目安として考えることができます。これは、主に後継者の育成という側面でメリットがある考え方です。後継者を育成する場合、当然のことながら現役の社長の判断能力がしっかりしていることに越したことはありません。社長があまりに高齢になってからでは、判断能力などを考慮すると、後継者を十分に育成できないおそれがあるのです。

現役の社長が高い判断能力を維持できる年齢、そして後継者の育成に数年間かけることを考えるのであれば、40代後半から50代前半にかけて後継者の育成を進め、その後に引退するという流れが好ましいでしょう。そのため、50代前半、あるいは遅くとも55歳程度までに後継者を育成し、引退するという形が一つの目安になるわけです。

50代後半以降を引退時期にするケース

一方で、50代前半での引退は、あくまで考え方の一つです。全ての会社の社長にふさわしい引退時期というわけではありません。というのも、業種や職種によって後継者の育成期間が異なること、そもそも後継者が見つからないケースも多いことなど、様々な観点を踏まえると、50代前半で引退できない場合があるからです。

後継者の育成が十分でない状態の中、無理に50代前半で引退すれば、その後の経営は危うくなります。その場合、社長が50代後半あるいは60代まで社長を続け、後継者の育成がしっかり行われた時点で引退するしかありません。

ただ、あまりに高齢になってから引退するというのは、社長個人の判断能力やスキルといった側面を踏まえるとリスクも高くなります。そのため、遅くとも60代後半までには適切な後継者の育成を済ませ、引退することが好ましいと言えます。

社長の引退年齢の課題点

一度、ここまでの話をまとめておきます。社長の引退時期は50代前半を一つの目安として考えることもでき、遅くとも60代のうちには引退することが好ましいです。ただ、社長の引退年齢の現状を見ると、中小企業の経営者の引退年齢の平均は67歳から70歳程度というデータもあります。

これらの点を考えると、やはり社長の高齢化が大きな問題になるため、この現状をいかに解決するかがしばしば議論されます。具体的な解決策としては、後継者不足問題の解決、後継者の育成の改善などが挙げられます。

特に後継者不足については、M&Aを活用して解決させる方法もあります。そのため、M&A・事業承継は、社長の引退にも深く関係することになるわけです。社長の引退とM&A・事業承継の関係については、詳しくは後述します。

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社長の引退年齢の平均

ここまでの話の中でも触れていますが、社長の引退年齢の平均について整理しておきます。

中小企業

「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012年11月)によると、中小企業の経営者の平均引退年齢は、直近(事業承継時期が0~4年前)で、小規模事業者が70.5歳、中規模企業が67.7歳となっています。事業承継時期が5~9年前の時期では、同引退年齢は小規模事業者が70.7歳、中規模企業が67.8歳となっているので、推移として見ると平均年齢は若干下がっています。

ただし、事業承継時期が30年以上前の場合、同引退年齢は小規模事業者が62.6歳、中規模企業が61.3歳となっており、これらの年齢から考えると、近年の中小企業の経営者の引退年齢は確実に増加していることになります。

上場企業

上記で触れたデータは中小企業のものですが、大手企業や上場企業の社長の引退年齢も、今後は上がる可能性もあります。先ほど触れた帝国データバンクの「全国社長年齢分析(2019 年)」では、社長の平均年齢は59.7歳で過去最高を更新したほか、上場企業の社長の平均年齢は58.9歳となっています。

これらを見るとわかるように、上場企業の社長の平均年齢は、過去最高を記録した全体の平均年齢より1歳近く低いだけです。このような傾向が続けば、上場企業の社長の高齢化、さらには引退年齢の上昇につながる可能性は十分にあるわけです。

社長の引退とその後

ここまで、社長の引退年齢の現状や課題点などをご紹介しました。次に、社長が引退した後のライフプランについて考えてみましょう。社長の引退時期を検討するうえでは、こうした引退後のプランを検討しておくことも重要です。

会社に残る場合

社長を引退した後でも、会社の一定の役職に就き、引き続き会社に貢献するというケースがあります。特定の部署の責任者や役員になる場合など、どのような形で貢献するかは会社によって異なりますが、引退後に会社に残るという選択肢もあるわけです。

特に比較的若くして社長業を引退した場合、まだ現役で活躍できるケースは多いでしょう。例えばM&A後に社長を引退した後、年齢的にまだ余裕があれば、引き続き重要な役職として仕事を続けるケースもしばしば見られます。

会社から離れる場合

社長を引退して会社から離れる場合、社長はいわば第二の人生を歩むことになります。過ごし方の選択肢は多岐に渡るでしょう。

家族と過ごす時間を増やす、家族と長期間の旅行に行く、趣味に時間を使う、地域の活動に参加するなど、あらゆる過ごし方が考えられます。社長のままではできなかったことを行うチャンスでもあるわけです。こうしたライフプランも、引退にあたって考慮しておくと良いでしょう。

社長の引退とM&A・事業承継の活用

ここまでご紹介したポイントも踏まえ、社長の引退とM&A・事業承継の関係について整理しておきます。

M&A・事業承継を活用するという選択肢

先ほども述べたように、M&A・事業承継は、後継者不足問題の解決というメリットがあります。社長が引退を考えていても、適切な後継者が見つからなければ引退することができません。また、後継者候補の育成が思うように進まなければ、新しい後継者を探すという選択肢もあります。その場合、もう一度最初から後継者を見つける必要があり、なおさら引退時期は遠のくでしょう。

こうした問題点を解決できる手法として、M&A・事業承継が挙げられるというわけです。例えば、M&Aによって信頼できる会社に自社を売却すれば、安心して経営を任せ、後継者不足問題を解決することができます。また、売却先の会社の資金力が豊富であれば、後継者不足問題の解決のほか、経営基盤の強化や事業拡大など、様々なメリットが期待できます。

こうしたM&A・事業承継により、経営権を移転させることで、社長はようやく引退することができます。もちろんM&A後に会社に残るケースもあり、引退後のライフプランは様々です。

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親族や従業員に事業を承継させる場合

親族や従業員から後継者を選び、事業を承継させるという選択肢ももちろんあります。こちらも事業承継の一つの形です。親族間の事業承継であれば、子供が親の事業を継ぐケースが代表例です。この場合、子供を後継者にするための育成を進め、適切なタイミングで事業を承継させ、社長は引退することになります。

また、会社の従業員を後継者に指名し、事業を承継させるケースもあります。長年会社に貢献した従業員であれば、経営者という立場で会社を成長させてくれる可能性もあります。こちらも、その従業員が後継者となるための育成を行い、適切なタイミングが来たら事業承継を行い、社長は引退します。

M&A・事業承継を活用するポイント

次に、M&A・事業承継を活用して社長が引退する際の主なポイントを整理しておきます。

M&A・事業承継を行うための手続き

M&A・事業承継によって社長が引退する場合、その目的ははっきりしています。ごく簡単に考えれば、適切な後継者を見つけたいという点に尽きるでしょう。また、引退後も会社に残る場合であれば、「引退後は○○職として活躍したい」という点もM&A・事業承継の目的に含まれます。

M&Aは目的をはっきりさせる必要があり、やみくもにM&Aを行えば良いというものではありませんが、社長の引退としてM&A・事業承継を活用する場合は、その目的はある程度はっきりしているわけです。こうした目的のもとで、M&A・事業承継の手続きを進める必要があります。

他社に売却する場合であれば、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートを受けつつ、M&A戦略を策定し、適切な対象企業を見つけることが重要です。また、親族や従業員に事業を承継させる場合であれば、親族間の会議や従業員との会議などを経て、事業承継の流れを共有したうえで、それぞれの計画に沿って手続きを進める必要があります。

経営状況の把握

いくら社長を引退したいといっても、悪化した経営状況の中で手を引くことには抵抗があるでしょう。後継者に経営を任せるのなら、ある程度きちんとした経営状況のもとで継がせることが好ましいです。

もちろん、経営改善を狙ってM&Aを実行するケースもあります。ただ、その場合にも、M&A前に経営が改善できるに越したことはありません。社長の引退にあたっては、自社の経営状況をきちんと把握しておく必要があり、これはM&A・事業承継を活用するケースも例外ではないのです。現状の経営上の課題点を整理し、改善できる部分はしっかりと改善しておくことが大切です。

まとめ

近年、多くの企業で社長の高齢化が目立ちます。それに伴い、社長の引退年齢も上昇する傾向が見られ、60代後半や70代以降で引退するケースもあります。判断能力や健康面などを踏まえると、なるべく早く引退することが好ましいですが、実際には難しい部分もあります。

こうした社長の高齢化は、やはり後継者不足が最大の原因と言えます。近年は、後継者不足問題を解決するためにM&A・事業承継を活用するケースも増えています。社長の高齢化は進んでおり、まだ課題点は多いですが、今後のM&Aの活発化によって後継者不足が改善されれば、社長の引退年齢にも良い影響を及ぼすものと考えられます。

社長は、引退してから第二の人生を歩むことになります。一人でも多くの社長が引退後に充実した人生を過ごせるよう、M&A・事業承継の活発化も期待されているのです。

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