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2019年11月27日更新
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相続における負債

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

相続では、亡くなった方の資産や負債を、一定範囲内の親族が引き継ぎます。被相続人が負債を背負っていた場合、相続人は負債も引き継がなくてはいけません。相続放棄による負債の対処、限定承認による負債の対処についても解説します。

目次
  1. 相続における負債
  2. 相続とは
  3. 被相続人の負債
  4. 相続放棄による負債の対処
  5. 限定承認による負債の対処
  6. まとめ

相続における負債

親族が亡くなると、原則相続が発生します。

相続では、亡くなった方の資産や負債を、一定範囲内の親族が引き継ぎます。

被相続人が負債を背負っていた場合、相続人は負債も引き継がなくてはいけません。

負債の引き継ぎは、避けたいことでもあります。

実は、負債の相続を回避できる方法があります。

この記事では、相続の基礎知識や負債金額、負債有無を調べる手段、負債相続を回避する方法を分かりやすくお伝えします。

今後相続を控えている方、負債の相続に頭を悩ませている方必見です。

相続とは

一番初めに、相続に関する基本事項をお伝えします。

⑴相続の概要

相続とは、ある人物が亡くなった際に、その方(被相続人)が保有していた資産等を、一定範囲内の親族が受け継ぐ行為です。

原則、相続では話し合い(遺産分割協議)によって、「誰が・何を・どれくらい」受け継ぐかを決定します。

しかし、相続の場面でトラブルが発生し、遺産分割協議が成立しないケースも少なくありません。

その場合、法律の定めによって、一定範囲内の親族が財産を引き継ぎます。

民法上、下記の通り法定相続分が決まっています。

  • 配偶者と直系卑属が相続人・・・配偶者1/2、直系卑属1/2
  • 配偶者と直系尊属が相続人・・・配偶者2/3、直系尊属1/3
  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人・・・配偶者3/4、兄弟姉妹1/4

直系卑属は子供や孫を指し、直系尊属は親や祖父母を指します。

子供が複数いる場合には、2分の1された財産を子供の数で按分します。

つまり、5人いる子供が相続する財産総額が1,000万円である場合には、一人当たり200万円を相続します。

⑵相続の流れ

ここでは、簡単に相続の流れをご紹介します。

①遺言書・相続人の確認

まず初めに、被相続人が遺言書を遺していないかについて確認しましょう。

原則遺言書の内容に則って、相続財産の分配を決定します。

遺産分割協議が終了した後に遺言書の存在が発覚すると、再度協議をやり直す必要が出てきます。

スムーズに相続を完了させる為にも、遺言書の存在はしっかり把握しておくことが重要です。

遺言書と併せて、相続人の確認も必要です。

全ての相続人が参加しなければ、遺産分割協議は成立しません。

②相続方法

相続方法には、全部で三種類あります。

基本的には、単純承認によって自身の取り分を全て引き継ぎます。

多額の負債が発覚した際には、「限定承認」や「相続放棄」の手続きを実施します。

相続放棄や限定承認に関しては、後ほど詳しく解説します。

③遺産分割協議の開催

遺言書と相続人が全て出揃ったら、遺産分割協議を開催します。

遺産分割協議では、原則遺言書に則って財産分配を決定します。

ただし遺言書の内容次第では、遺産分割協議が難航する恐れもあります。

一旦トラブルが発生してしまうと、話し合いは平行線となります。

仮にそうなった際には、弁護士の助力を得ることがオススメです。

弁護士が介入する事で、公正に遺産分割を進行可能です。

④相続税申告

財産を相続したら、相続税を申告します。

相続税申告が完了した時点で、相続の手続きは終了します。

⑶相続する物

相続では、土地や現金等の資産のみならず、借金等の負債も引き継ぎます。

プラスの資産とは違い、負債は各々の法定相続分に基づいて相続されます。

負債を相続したくない方は、後述する「相続放棄」もしくは「限定承認」の手段を取る必要があります。

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被相続人の負債

限定承認等の手段を用いれば、負債の相続を免れる事が可能です。

負債の引き継ぎを免れる為には、まず負債の有無や金額を把握しなくてはいけません。

この項では、負債の存在を確かめる方法をご紹介します。

⑴金融機関からの負債

基本的には、金融機関から送付される請求書等や被相続人の通帳を確認します。

住所変更や借金を放置している場合には、負債の存在を見落とす可能性があります。

正確に負債の有無を調査する為には、「信用調査機関」の情報を調べる必要があります。

信用調査機関とは、各々金融機関が抱える顧客に関するデータを共有する場所です。

例えば誰かにお金を貸す際に信用調査機関を参考にすれば、その人物の信用力を判断できます。

相続の際に信用調査機関を参照すれば、被相続人の抱える負債金額を確認可能です。

各金融機関ごとの、信用調査機関は下記になります。

  • 消費者金融→日本信用情報機構
  • 銀行→全国銀行個人信用情報センター
  • クレジット会社→シー・アイ・シー

各種機関にデータを照会すれば、負債状況を把握し、相続のプランに目星をつける事ができます。

⑵取引上の負債

負債に該当するものは、借金だけではありません。

取引上抱えている債務も、負債の一つです。

取引上の負債としては、主に下記のものが該当します。

  • インターネット回線
  • 公共料金
  • ケーブルテレビ

取引上の負債は、解約する旨を伝えれば引き継がずに済みます。

解約費用がかかる可能性もある為、その点にはご注意ください。

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相続放棄による負債の対処

いよいよ本題に入ります。

ます初めに、相続放棄を用いた負債対処方法をお伝えします。

⑴相続放棄とは

相続放棄とは、相続人の権利を自ら放棄する行為です。

負債を相続しなくて済む一方で、現金等の資産を相続出来なくなります。

資産金額と比べて負債金額の方が明らかに多い場合には、相続放棄が適しています。

⑵相続放棄の手続き

相続放棄を行う為には、家庭裁判所に「相続放棄陳述書」を提出する必要があります。

提出後裁判所からの照会に回答し、問題ないと判断されれば、相続放棄が認められます。

認められた場合には、家庭裁判所から「相続放棄受理通知書」が送付されます。

相続放棄受理通知書には、正式に相続放棄を証明する効力はありません。

相続放棄の効力を正式に証明する必要があれば、任意で「相続放棄受理証明書」の交付を受ける事が可能です。

被相続人との関係次第では、被相続人の戸籍謄本が必要となるケースがあります。

負債相続を放棄する為の手続きは、「相続を知った時点から3ヶ月以内」の完了が必須です。

⑶相続放棄の注意点

相続放棄を利用すれば、負債を一切相続せずに済みますが、二点注意すべきポイントがあります。

①相続放棄は撤回不可

負債の存在が発覚しても、直ぐに相続放棄する事は好ましくありません。

相続放棄した後に過払い金が発覚し、負債相続が不要であった事が判明するケースがあります。

負債の引き継ぎを避ける為に直ぐに相続放棄してしまうと、多額の資産相続を失うかもしれません。

相続放棄の期限は3ヶ月以内ですので、一呼吸置き検討しましょう。

②他の相続人とのトラブルにつながり得る

相続放棄を行うと、本来対象外の人物が相続人となります。

その結果想定外に負債を引き継ぐ事態となり、トラブルが生じ得ます。

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限定承認による負債の対処

次に、限定承認を用いた負債の対処方法を説明します。

⑴限定承認とは

限定承認とは、引き継ぐ資産の金額の範囲内で、負債を引き継ぐ行為です。

例えば1,000万円の資産を相続する際には、相続する負債額は1,000万円までとなります。

相続財産の中に貴重な資産や思い出の品がある場合に、限定承認は非常に便利です。

⑵限定承認の手続き

相続放棄と比べると、限定承認の手続きは非常に面倒です。

まず家庭裁判所に対して、限定承認の書類を提出します。

その後債権者に対する官報公告や財産の換価、債権者への弁済等を実施します。

以上の手続きを、わずか三ヶ月で終了させる必要があります。

債権者への弁済や相続人全員の合意等が必要となります。

限定承認を利用すれば、負債相続のデメリットを低減できるものの、実務ではあまり利用されていません。

⑶限定承認の注意点

限定承認の手続きは、相続放棄と比べると非常に面倒臭いです。

相続人のみで実行するには負担が重すぎる為、弁護士の協力が不可欠です。

弁護士に依頼すれば、限定承認に要する手間を軽減できます。

しかし、弁護士に限定承認の手続きを依頼すると、多額の費用が発生します。

必要な費用と限定承認によりもたらされるメリットを比較し、相続のプランを計画する事が大切です。

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まとめ

今回は、相続における負債の対処方法をご紹介しました。

相続において、負債は頭を悩ませる要因になります。

単純承認すると、法定相続分に則って負債を引き継がなければいけません。

限定承認や相続放棄を選択すれば、負債の相続を放棄もしくは負担軽減できます。

どちらの手段を選択するにせよ、メリットや注意点を理解する事が重要です。

相続の際には、負債の引き継ぎをどうするか、慎重に検討しなくてはいけません。

何も考えずに相続すると、想定外の負債を引き継ぐ恐れがあります。

要点をまとめると下記になります。

  • 相続の概要

→ある人物がお亡くなりになった際に、その方(被相続人)が保有していた資産等を、一定範囲内の親族が受け継ぐ行為

  • 金融機関からの負債の有無を確かめる方法

→信用調査機関を調べる

  • 取引上の負債の有無を確かめる方法

→取引状況を確認し、解約する旨を伝える

  • 相続放棄とは

→資産や負債等、一切の相続権利を放棄する行為

  • 相続放棄の手続き

→家庭裁判所に「相続放棄陳述書」を提出する

  • 相続放棄の注意点

→相続放棄は撤回不可、他の相続人とのトラブルにつながり得る

  • 限定承認とは

→引き継ぐ資産の金額の範囲内で、負債を引き継ぐ行為

  • 限定承認の手続き

→財産換価や相続人全員の合意等、非常に手続きが面倒

  • 限定承認の注意点

→相続人のみで実行するには負担が重すぎるので、弁護士の協力が不可欠

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