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相続における財産分与

相続における財産分与

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    相続における財産分与

    身近な親戚が亡くなると、相続手続きが自動的に発生し、一定割合の財産を引き継ぐこととなります。

    引き継いだ遺産は、離婚時の財産分与の際に問題となる場合があります。

    財産分与では夫婦が共有していた財産を分け合う形となりますが、相続財産は分与対象となるのでしょうか?

    この記事では、財産分与における相続財産の取り扱いを解説します。

    遺産分割(相続)と財産分与を同一視している方も多い為、相続と財産分与の違いも合わせて説明します。

    相続財産の財産分与に悩む方必見です。

    相続とは

    相続と財産分与に関して、基本的な知識を紹介します。

    それぞれの違いに注目して、読み進めてください。

    ⑴相続の概要

    相続とは死亡した被相続人の財産を、法定相続人が包括的に受け継ぐ行為です。

    原則被相続人が遺した遺言書や遺産分割に則って遺産分割しますが、話し合いが頓挫した場合には法定割合で遺産を分け合う事となります。

    民法の規定では、下記の通り法定相続分が決められています。

    1. 配偶者と直系卑属(子供や孫)が相続人→配偶者2分の1、直系卑属2分の1
    2. 配偶者と直系尊属(親や祖父母)が相続人→配偶者3分の2、直系尊属3分の1
    3. 配偶者と兄弟姉妹が相続人→配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

    配偶者は必ず相続人となり、直系卑属→直系尊属→兄弟姉妹の順に相続権利が移動します。

    つまり直系尊属がいない場合には直系尊属に相続権が発生し、直系尊属がいない場合には兄弟姉妹に相続権が発生します。

    相続で受け継ぐものには、現金預金といったプラスの資産だけではなく、借金といったマイナスの負債も含まれます。

    マイナス資産を引き継ぎたく無い場合、相続人は相続放棄によって借金の承継を免れることが可能です。

    相続放棄では借金のみならずプラス資産の相続も破棄してしまうので、限定承認の利用も視野に入れましょう。

    限定承認とは、相続するプラス資産の範囲のみで相続することです。

    つまり限定承認を行えば、実質的には借金を背負う必要が無くなります。

    相続放棄や限定承認の手続きは面倒である為、弁護士や司法書士にサポートしてもらいましょう。

    相続放棄・限定承認の手続きは三ヶ月以内に完了しなくてはいけないので、早めに手続きに取りかかることが大切です。

    ⑵遺産分割の方法

    遺産分割の際には、下記4つの方法を選択できます。

    ①現物分割

    現物分割とは、一つ一つの財産に関して相続する人物を決める方法です。

    「土地はAさん」「現金はBさん」といった具合に、誰が何を相続するかが明確になる点が特徴で、最も一般的な遺産分割の方法と言われています。

    ②換価分割

    換価分割とは、不動産などの分割不可能な財産を売却して、その売却代金を相続人同士で分け合う遺産分割の方法です。

    分割できない財産を各相続人が等しい金額で分け合う方法として非常に有用であり、誰も使用価値を見出していない資産に用いられる事例が多いです。

    ③代償分割

    代償分割とは分割不能である財産を相続した人物が、他の相続人との平等性を担保する為に金銭を渡す遺産分割の方法です。

    相続財産が1,000万円の土地のみである場合、二人いる相続人のうち片方しか相続できません。

    そのままでは片方が不公平となるので、代償分割では相続する方がもう片方に500万円渡します。

    その結果、双方相続人の平等性が保たれます。

    ④共有

    共有とは、ある財産を相続人全員で共有する方法です。

    例えば1,000万円の土地を相続人2名で共有する場合、二人で500万円分ずつ権利を保有することとなります。

    分割する訳では無いので、各相続人が自由に対象財産を利用できますが、資産を売却等する場合には、もう片方には持分に応じた金額を受け取る権利が生じます。

    ⑶相続における遺言書の重要性

    相続時には遺産分割協議を開催し、相続人の話し合いによって財産が決定します。

    各々の利益が相反する為、親族間で大きなトラブルが発生します。

    親族間のトラブルを避ける上で、遺言書を遺しておくことは非常に大切です。

    相続の場面では遺言書の効力が最優先される為、余計なトラブルが生まれるリスクを低減できます。

    ※関連記事

    相続の方法を徹底解説【完全保存版】

    財産分与とは

    次に、財産分与に関して解説します。

    遺産分割(相続)と財産分割は、全く異なるものですので注意しましょう。

    ⑴財産分与の概要

    財産分与とは、婚姻中に夫婦で協力し構築した財産を、離婚時に各々の貢献度に応じて分配する行為です。

    離婚した際、相手に対して財産分与の請求を行うことは法律上認められています。

    法律上認められていることですので、罪悪感は感じずに貰えるものは貰っておきましょう。

    ⑵財産分与の種類

    財産分与には、大きく分けて下記3種類あります。

    ①清算的財産分与

    清算的財産分与とは、「婚姻中に夫婦で築き上げた財産は夫婦の共有物であるので、離婚時には貢献度に応じて公平に分けよう」という考え方に基づいて行われる財産分与です。

    清算的財産分与の特徴は、離婚理由に関係なく財産分与が実施される点です。

    例えば片方の不倫により離婚するとしても、不倫した側にも財産分与の権利が認められます。

    ②扶養的財産分与

    扶養的財産分与とは、離婚後に片方の生活が困窮すると予想される場合に、その生活を補助する目的で行われる財産分与です。

    病気や高齢、経済力の低さ等が夫婦の片方に存在する場合には、扶養的財産分与が認められます。

    扶養的財産分与は、立場的に強い方が弱い方に対して、定期的に金銭を支払う形で実施されます。

    ③慰謝料的財産分与

    慰謝料的財産分与とは、慰謝料と財産分与をまとめて請求するケースを指します。

    ⑶共有財産と特有財産

    離婚時には、互いの資産を全て分け合う訳ではありません。

    共有財産か特有財産かによって、財産分与の対象可否が決定します。

    ①共有財産

    共有財産とは、財産分与の対象となる財産を指します。

    婚姻中に夫婦の協力により構築・維持されたものは共有財産と見なされて、財産分与の対象となります。

    原則婚姻中に取得した財産であれば、共有財産になります。

    不動産や生活に必要な家具、預貯金、車、保険解約返戻金等は共有財産となる可能性が高いです。

    ②特有財産

    財産分与の対象外となる物は特有財産と呼ばれます。

    特有財産には、「結婚前に片方が取得した財産」や「婚姻中に夫婦の協力とは無関係に取得した財産」が含まれます。

    夫婦の貢献により、価値が維持・増加したと見なされる場合には、特有財産でも財産分与の対象となるケースもあります。

    相続財産は財産分与に含めるのか?

    どれだけ仲の良い夫婦であっても、離婚する可能性は無きにしも非ずです。

    止むを得ず離婚となった場合、相続財産を財産分与に含めるかはしばしば議論となります。

    婚姻中に夫婦の片方に相続が発生した場合、相続によって得た財産は財産分与に含まれるのでしょうか?

    相続により得た財産は特有財産と見なされる為、財産分与の対象外となります。

    相続財産は夫婦の協力によって獲得した物では無いからです。

    離婚時には相続財産の財産分与を巡って、多くのトラブルが発生しています。

    万が一の時にトラブルが深刻化しない様に、事前に相続財産の取り扱いを心得ておきましょう。

    ※関連記事

    相続に強い弁護士とは?

    生前贈与は相続財産に含めるのか?

    最後に、生前贈与と相続に関して解説します。

    生前贈与とは、被相続人が存命のうちに財産を贈与されることです。

    相続において生前贈与は、財産分与と同様に議論の的となる傾向があります。

    原則相続では、死亡時に被相続人が保有していた財産を遺産分割の対象とします。

    では生前贈与された財産は、遺産分割の対象に含まれないのでしょうか?

    結論から述べると、生前贈与された分は相続財産に含める必要があります。

    生前贈与分を含めなければ、他の相続人の取り分が相対的に少なくなり、不公平となることが理由です。

    生前贈与や遺贈などの特別受益は、原則相続財産に加味する点にご注意ください。

    ※関連記事

    相続と遺贈の違い

    まとめ

    今回は、相続と財産分与の違いにスポットを当て解説しました。

    相続と財産分与の意味を混同していた方は、これを機に両者の違いを理解しましょう。

    相続で獲得した財産は原則的には財産分与の対象とならないので、あらかじめ知っておくと便利です。

    相続財産のみならず、財産分与の際にはトラブルが発生しやすいです。

    一度トラブルが発生してしまうと中々当事者のみで解決することは難しいです。

    争いが深刻化する前に、法律のスペシャリストである弁護士に介入してもらうことがベストです。

    弁護士が介入すれば、円滑に問題を解決できます。

    相続財産の問題が絡む場合には、相続の問題にも詳しい弁護士を選ぶと良いでしょう。

    相続と財産分与は意味合いこそ違いますが、争いが複雑化しやすい点では似ています。

    相続にせよ財産分与にせよ、溝が深くなる前に専門家の協力を得ることが望ましいでしょう。

    要点をまとめると下記になります。

    • 相続とは

    →死亡した被相続人の財産を、法定相続人が包括的に受け継ぐ行為

    • 遺産分割の方法

    →現物分割、換価分割、代償分割、共有

    • 相続における遺言書

    →トラブルを避ける上で重要

    • 財産分与とは

    →婚姻中に夫婦で協力して構築した財産を、離婚時に各々の貢献度に応じて分配する行為

    • 財産分与の種類

    →清算的財産分与、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与

    • 共有財産と特有財産の違い

    →共有財産は財産分与の対象となる財産を指し、特有財産は財産分与の対象とならない財産を指す

    • 相続財産は財産分与に含めるのか?

    →相続財産は特有財産となる為、財産分与に含めない

    • 生前贈与は相続財産に含めるのか?

    →特別受益に該当するので、相続財産に含める

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