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2019年12月13日更新
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社会福祉法人の事業譲渡と合併

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

社会福祉法人の事業譲渡や合併に注目が集まっています。一般的な企業と違う性質を持ち、事業譲渡や合併のあり方が異なるので注意が必要です。本記事では、社会福祉法人の事業譲渡や合併の効果をはじめM&Aについて解説します。

目次
  1. 社会福祉法人の事業譲渡と合併
  2. 社会福祉法人とは
  3. 社会福祉法人の課題
  4. 社会福祉法人の事業譲渡
  5. 社会福祉法人の合併
  6. 社会福祉法人における事業譲渡・合併の効果
  7. 社会福祉法人における合併・事業譲渡の検討方法
  8. 社会福祉法人のM&Aには専門家の力を借りよう
  9. まとめ

社会福祉法人の事業譲渡と合併

社会福祉法人は、高齢者や障がい者を支える各種施設やサービスを展開する重要な存在です。しかし最近では、社会福祉法人の経営事情が悪化しているケースも多く、中には事業譲渡を検討する社会福祉法人もあります。そのため、社会福祉法人の事業譲渡や合併に関心が高まっています。

ただし、社会福祉法人は、通常の社団法人と違って特殊な事業を取り扱っているので、事業譲渡や合併の事情も異なります。今回は社会福祉法人の事業譲渡や合併についてお伝えしていきます。

社会福祉法人とは

社会福祉法の規定によると、社会福祉法人は「社会福祉事業を行うことを目的として、この法律の定めるところにより設立された法人」と定義されています。社会福祉事業は大きく分けて2種類です。

特別養護老人ホーム・児童養護施設・障害者支援施設などが該当する第一種社会福祉事業と、保育所・訪問サービス・デイサービスなどが該当する第二種社会福祉事業があります。これらの事業を扱っている法人が社会福祉法人です。

社会福祉法人は税金面で優遇され、国や自治体からの公的支援を得られるなど、手厚く保護されてきました。その背景には、少子高齢社会に突入した日本特有の事情が大きく影響しており、今後も社会福祉法人の役割とニーズは高まり続けると予想できます。

社会福祉法人の課題

社会福祉法人は社会的なニーズを集めている一方で、課題が山積しています。早速、具体的な課題についてご説明します。

経営努力が行われにくい

そもそも社会福祉法人は経営規模の差が激しく、零細経営が行われていることもあり、経営状態がよくないケースも見受けられます。

ただ、社会福祉法人は国や自治体からの公的支援が手厚く、補助金などのサポートを得ていることが多い傾向です。そのため、社会福祉法人の中には公的サポートに頼りきりで経営努力をせず、支援なしでは経営が破綻してしまう法人も多いといわれています。

なお、福祉事業と関連深い厚生労働省では、労働者保護の観点から、会社の事業譲渡や合併のガイドラインを作成しています。社会福祉法人の立て直しを進める流れは、今後も活発化していくでしょう。

事業譲渡や合併に手間がかかる

社会福祉法人は公共性が高い法人であるため、施設利用者に影響を与えたり、所轄官庁を通すプロセスが煩雑だったりするなど、一般的な株式会社の事業譲渡や合併より手間がかかります。

しかし、公共性が高いからこそ社会福祉法人の経営基盤の強化が求められており、公的支援なしで経営状態を保てないのであれば、早急に施策を打つべきでしょう。そのうえで事業譲渡や合併を含めた経営計画の立案は、経営者の責務といっても過言ではありません。

もし、実際に事業譲渡や合併を視野に入れるのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。 M&A総合研究所では、豊富な知識と経験を持つプロが国内最安値水準でM&Aをフルサポートいたします。相談は無料なので、お気軽にお問い合わせください。 

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社会福祉法人の事業譲渡

事業譲渡は事業そのものを売買する手法です。一般的な株式会社と同じように、社会福祉法人における事業譲渡では所有する事業を別の法人に譲渡します。主な目的は下記の通りです。

  • 不採算事業を切り離して経営の好転を図る
  • 社会福祉法人の経営悪化に際して存続させたい事業を別の社会福祉法人へ移す
  • 新事業へ進出するために他の社会福祉法人から事業を譲受する
  • 特定の事業に集中するために組織再編の一環として行う

事業譲渡では、事業に係るあらゆる財産を譲渡しなければなりません。しかし、事業譲渡だけで終わるので、合併と比べて手間がかからずスピーディーに進行できます。また、事業譲渡を行っても社会福祉法人は基本的に消滅しません。

そのため、事業譲渡は、合併と比較して組織再編や経営再建のニュアンスが強い手法であるといえるでしょう。

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社会福祉法人の合併

一般的な株式会社で用いられる合併と同様に、社会福祉法人の合併も複数の社会福祉法人を統合させる手法です。主に、吸収合併と新設合併に分かれます。

吸収合併では、既存の法人に別の法人を文字通り吸収させます。一方、新設合併は、新しく法人を設立し、それに別の法人を統合させる手法です。合併は複数の法人を統合させるため、いずれかの法人が必ず消滅する点に特徴があります。

合併は、基本的に社会福祉法人の規模を拡大させる手法といえるので、組織拡大や経営基盤強化に適した手法です。また、経営者の引退によって事業承継が必要になった場面でも、合併であれば別の法人に統合させることで存続可能になります。

昨今では経営者の高齢化が進んでいる一方、後継者不在によって存続が難しくなっている社会福祉法人もあるため、合併のニーズは今後も増えていく可能性が高いといえるでしょう。

社会福祉法人における事業譲渡・合併の効果

社会福祉法人の事業譲渡や合併は、昨今の社会福祉法人が抱える問題を解決する糸口になると期待されています。この項では、事業譲渡と合併に共通する効果をご説明します。

①事業の効率化

代表的なのが事業を効率化させる効果です。零細経営による社会福祉法人は提供できるサービスに限界があり、事業が不安定で非効率になっていることは珍しくありません。

その点、事業譲渡や合併によって、他の社会福祉法人のノウハウや経営資源、人材などを獲得すれば、品質の高いサービスを広く提供できる可能性が高まります。加えて事業を拡大すれば、調達コストや新しいサービスを開発するコストも抑えられるため、効率的な事業を実現できます。

また、事業譲渡や合併によって法人の規模を拡大すれば、施設の新設や増設をせずとも新しい事業に着手できるため、新事業展開も迅速化します。経営が悪化し、経営再建の必要が迫られている法人にとって、事業譲渡や合併は効率的に経営再建するのにうってつけです。

②行政サイドのメリット

社会福祉法人の事業譲渡や合併は、行政サイドにもメリットがあります。社会福祉法人の事業譲渡や合併は施設の新設や増設などのプロセスを省けるため、行政も公的財政の支出を抑えながら福祉サービスを維持・拡充できます。

昨今は自治体が財政難に陥るケースも少なくありません。そのため、行政の負担を減らせる社会福祉法人の事業譲渡や合併が注目されているのでしょう。

③経営再建や撤退による利用者への影響

社会福祉法人は、利用者への影響を踏まえると経営が悪化しても撤退という選択肢を取ることが事実上できません。その点、事業譲渡・合併で事業を存続させる糸口を見つければ、経営者が事業を撤退するときでも利用者への影響を最小限に抑えることが可能です。

④不採算地域でのサービス維持

社会福祉法人は公共性が高いので、不採算地域でもサービスを維持することが重要です。ただ、過疎化している地域のように社会福祉法人へのニーズは高くても、採算が取れない地域では社会福祉法人のサービス維持は困難でしょう。

その点、社会福祉法人の事業譲渡や合併を行えば経営基盤を強化できるため、不採算地域でのサービス維持につながります。エリアのニーズに応えられるので、社会福祉法人がなくなった際、地域に影響を与えずに済みます。

⑤問題法人の淘汰

サービスの向上に努めず、経営に関して自助努力を怠っている社会福祉法人も少なくありません。事業譲渡や合併によって、不必要な法人を淘汰できます。また、ノウハウや設備、理念などを共有化すれば、サービス向上や健全な競争を実現可能です。

ただし、ここまでに挙げた効果を得るためには、条件に合う売り手を見つけ出すことが重要です。条件に合う売り手でなければシナジー効果が得られないだけでなく、M&A自体がうまくいかない可能性があります。

条件に合う売り手を見つけたい場合には、M&A総合研究所のM&Aプラットフォームをご利用ください。こちらのM&Aプラットフォームは独自のAIを駆使し、買収ニーズを登録するだけで条件に合う売り手をマッチングします。

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社会福祉法人における合併・事業譲渡の検討方法

社会福祉法人の合併や事業譲渡を行う際に大切な点は、目的を明確にすることです。合併や事業譲渡が法人の理念や経営戦略とかけ離れていないかを確認しましょう。目的が明確になったら、合併や事業譲渡の実現可否を明らかにするために、対象法人の評価に移ります。

対象法人を評価する際の項目は下記の通りです。

  • 沿革・経営理念・経営方針
  • 構成組織や展開事業
  • 役員の構成や従業員の状況
  • シナジー効果
  • 過去・現在・将来の財務情報
  • エリアにおける需要や競合
その後の事業計画を立てるためには、特に財務分析が不可欠です。報酬の支払いや減価償却費の計上が適切に行われているかを最低限把握しておきましょう。

社会福祉法人のM&Aには専門家の力を借りよう

事業譲渡も合併も一般的にはM&Aにカテゴライズされます。そのため、社会福祉法人のM&Aでも専門家の力を借りるのがおすすめです。M&Aは実行する法人の実情に合わせてさまざまな手法を使うのが一般的で、買収ファイナンスやLBO、MBOに関しても検討の必要があります。

また、社会福祉法人のM&Aは、一般の株式会社とはルールが異なる傾向です。所轄官庁の許認可などを踏まえて実践しなければなりません。そのため、経営者だけでM&Aに取り組むことは難しいといえるでしょう。

最近では、社会福祉法人に特化しているM&A仲介会社や経営コンサルティング会社によって、専門的なサービスが提供されています。中には社会福祉法人の経営も行いながらコンサルティングしている会社もあるので、事情をよく把握したうえでサポートしてくれるでしょう。

もし、社会福祉法人の事業譲渡や合併を検討するのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所はさまざまな業種においてM&Aを支援してきました。実績豊富なスタッフがこれまでの経験を活かして、それぞれの業種に適した方法でM&Aをサポートいたします。

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まとめ

本記事の要点を以下にまとめます。

  • 社会福祉法人は社会福祉事業を行うための法人
  • 社会福祉法人は国や自治体から支援されている
  • 社会福祉法人には零細経営を行っている法人が多い
  • 社会福祉法人の中には公的機関の支援に依存しているケースもある
  • 社会福祉法人が事業譲渡を行う目的として経営再建や組織再編がある
  • 社会福祉法人の合併は組織の規模を拡大し、経営基盤を強化できる手法
  • 社会福祉法人の事業譲渡や合併の効果は共通している
  • 事業譲渡や合併は、社会福祉法人の課題を解決するのに役立つ
  • 社会福祉法人のM&Aは専門家の力を借りることがおすすめ

社会福祉法人は公共性が高く、社会的にニーズのある法人です。しかし、さまざまな社会福祉法人が誕生したからこそ課題も山積し、中には利用者や地域に悪影響を与えているケースもあります。

その点で、社会福祉法人が事業譲渡や合併を行い、経営基盤強化やサービス向上に努めることは有意義であるといえるでしょう。最近は社会福祉法人の事業譲渡や合併に対し、官民共に積極的な支援を行っているケースが増えています。社会福祉法人の事業譲渡や合併を行う際は支援機関を活用しましょう。

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