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競業避止義務とは?意味や判例、M&Aでの活用方法を解説

競業避止義務とは?意味や判例、M&Aでの活用方法を解説

目次

    競業避止義務

    競業避止義務という言葉は聞き慣れないかと思います。

    競業避止義務は法学上の言葉であり、知っている方は限られているでしょう。

    しかし競業避止義務は非常に重要なものであり、違反してしまうと重い罰則が科せられてしまう可能性があります。

    そのため競業避止義務について、理解を深めておいた方がいいでしょう。

    今回は競業避止義務の意味や目的などをわかりやすくお伝えしていきます。

    競業避止義務とは?競業避止義務の意味

    そもそも競業避止義務とはどういう意味なのでしょうか?

    競業避止義務には2つの概念があります。

    「従業員が使用者の不利益になるような兼業などの競業行為を行うことの禁止」と「一般企業で従業員が退職した後に競合他社に就職することを禁止することを定めている誓約書・就業規則の特約」です。

    後者に関しては競業禁止特約とも呼ばれています。

    競業避止義務は端的に言ってしまうなら、自社の利益を損ねるような行為を禁止するといったものであり、かなり重要なものです。

    そのため競業避止義務を違反してしまうと退職金の減額や競業行為の差し止め、損害賠償請求、懲戒処分といった重い処分がくだされます。

    また最悪な場合は会社を解雇されることもあります。

    加えて競業避止義務を違反すると裁判に発展するケースも少なくないため、社会的な信頼にも傷がついてしまうでしょう。

    ちなみに競業避止義務とよく似たものに利益相反取引があります。

    利益相反取引も競業避止義務と同様に自社の利益を損ねるような行為を禁止するものであり、意味合いはかなり似ています。

    しかし利益相反取引は会社との取引や取引の条件などが該当することが多く、競業行為に重きを置いている競業避止義務とはこの点で違っています。

    M&Aにおける競業避止義務の条項

    ここでは競業避止義務の条項についてお伝えします。

    競業避止義務はM&Aの際に交わされる契約で禁止条項が盛り込まれることが一般的です。

    M&Aはその性質上、売り手となる会社が買い手となる会社と同じ事業を行うと競業行為に該当してしまい、かなりの損失が発生してしまう恐れがあります。

    そのためM&Aの行う際に交わされる契約では競業避止義務禁止条項を盛り込むことが一般的です。

    また、従業員との間に競業避止義務契約を締結する際にもその条項は重要になります。

    しかし競業避止義務契約は条項によっては従業員に本来認められている様々な自由を侵害することにもなるため、条項の内容には注意を払う必要があります。

    とりわけ「その従業員を競業避止義務契約の対象にすることの合理性」には一層注意を払っておきましょう。

    従業員全員を対象にするにせよ、特定の地位にある従業員をするにせよ、競業避止義務契約には「本当に競業避止義務を課すべき従業員だったのか?」「業務の性質などに見合った絞り込みがなされているのか?」「競業避止義務の期間は適切なのか?」「競業避止義務を設けるほどの『営業秘密』であるのか?」などといった観点から条項を設定するようにしておきましょう。

    もし競業避止義務契約の条項に合理性が認められなければ、裁判に発展した場合に会社側が負けることになります。

    もちろん競業避止義務は会社の利益を守るためのものであるため、必要があれば競業避止義務契約を設けるべきです。

    何より従業員の権利は法的に守られるべきであり、いくら使用者とはいえ従業員が本来持つべき権利を侵害してはなりません。

    今日では従業員の持つ権利や自由は尊重されることがスタンダードです。

    このように競業避止義務は色々と込み入ったものであるため、専門家のアドバイスを得ることがおすすめです。

    その際にはM&A総合研究所にご相談ください。

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    競業避止義務の判例

    ここでは競業避止義務に関する判例をご紹介します。

    競業避止義務の違反は様々な企業で発生しており、裁判に発展したケースも少なくありません。

    しかし競業避止義務に関する裁判は様々な判例があり、一概に同じような結果になっているとはいえません。

    競業避止義務に関する判例で代表的なものは以下の通りです。

    ①フォセコ・リミデッド・ジャパン事件

    昭和45年という、古い判例になりますが、フォセコ・リミデッド・ジャパン事件は会社が設けた競業避止義務契約が認められた判例です。

    フォセコ・リミデッド・ジャパンは各種治金用資材の製造と販売を行う会社であり、顧客が競合他社の役員に就任したことが競業避止義務に違反するとして裁判となりました。

    この際、フォセコ・リミデッド・ジャパンの競業避止義務契約に設けられていた競業制限が合理的であると判断され、フォセコ・リミデッド・ジャパンが勝訴しました。

    フォセコ・リミデッド・ジャパンの競業制限は2年間と短期間であったうえに在職中に機密保持手当があったことに加え、フォセコ・リミデッド・ジャパンそれ自体が特殊な事業であったために制限の対象が狭かったことが理由だとされています。

    ②東京リーガルマインド事件

    東京リーガルマインド事件は平成7年の裁判であり、弁護士の伊藤誠が司法試験の受験指導を行う伊藤塾を設立した際に元々の使用者だった東京リーガルマインドとの間で発生したものです。

    この裁判で東京リーガルマインドは競業避止義務違反を認められずに請求棄却しています。

    そもそも東京リーガルマインドの競技禁止特約が代償措置がないうえに、禁止の内容や程度が必要最低限のものではなかったことが原因です。

    ③三晃社事件

    こちらも古い判例ですが、昭和52年の三晃社事件も学ぶべきものが多い判例です。

    三晃社事件は自主退職をした従業員が就業規則に反して競合他社に入社したため、その従業員が受け取った退職金の半額の返還を請求して裁判を起こしたことがきっかけです。

    三晃社事件は少々入り組んだ裁判であり、最初は名古屋地裁で請求棄却されました。

    三晃社が請求した退職金半額返還は損害賠償を予定した約定であると判断されたからです。

    しかし名古屋高裁、および最高裁はあくまで三晃社は従業員の足止めを狙って退職金半額変換を請求したため、損害賠償を予定した約定ではないと判断して判決を取り消しました。

    そもそも三晃社の退職金半額返還請求は従業員の再就職の自由を不当に拘束するものであり、合理性がある措置はいえません。

    一方で退職金半額返還請求それ自体は労働基準法に反したものとはいえません。

    退職金の基準となる勤務中の功労の価値は就業規則に反した再就職を行った以上、減殺されてしかるべきものだからです。

    取締役の競業避止義務とは

    ここでは取締役に適用される競業避止義務についてお伝えします。

    競業避止義務が会社の利益を守るためのものである以上、従業員のみならず取締役のような役員にもそれは適用されます。

    そもそも取締役はその立場上、機密を含めた会社の内部事情に精通しており、経営の手腕や知識も有しているものです。

    そんな取締役が所属している会社と同じ営業を行うようになれば、その会社のノウハウの流出や顧客の奪取、従業員の引き抜きにつながってしまうため、利益を大きく損なうことになります。

    そのため取締役会が所属している会社と同じような営業を行う際には取締役会から承認を得ることが必要になります。

    取締役会では取り締まりが行おうとしている営業が競業に該当するかどうかという点が主眼に置かれます。

    取締役会では取締役会が行おうとしている営業の取引先や扱う製品、数量、取引期間などの重要な事実を確認し、それを審議して承認を出すかどうかを決定することになります。

    これが取締役の競業避止義務となります。

    もし取締役が競業避止義務に違反した場合、会社から取締役に損害賠償が請求されることになります。

    ちなみに過去の商法では競業避止義務を違反した取締役に対して「介入権」という権利を行使することができました。

    この介入権とは競業避止義務を違反した取締役が競業を通じて獲得した経済的利益を会社に移転させることができるというものです。

    しかし損害額の推定と効果にあまり差がなかったことから、現在の会社法では削除されています。

    競業行為に対し損害賠償請求

    ここでは競業避止義務を違反した際に行う損害賠償請求についてお伝えします。

    さきほどから何度かお伝えしているように、競業避止義務を違反した場合、その従業員、あるいは取締役に会社は損害賠償請求を行うことができます。

    裁判では棄却されましたが、さきほどお伝えした「三晃社事件」のように退職金の半額を損害賠償として請求したことがいい例だと思います。

    しかし競業避止義務を違反した相手に行った損害賠償請求が認められたというケースは少ないものです。

    競業避止義務を違反した際の措置が合理的かどうかが重視されることもすでにお伝えしていますが、損害賠償請求に関しては競業避止義務の違反と相当の因果関係がある損害を立証・主張できるかも大きな分かれ目になります。

    この損害の立証はなかなか難しい作業です。

    競業避止義務を違反した従業員・取締役によって使用者がどれだけ利益を損失したかを正確かつ具体的に把握しなければなりません。

    基本的に損害は逸失利益として金銭に換算されていきますが、全ての損害が金銭として数値化できるものとは限りません。

    損害の中には従業員の引き抜きや顧客を奪われたことを含まれますが、それらの損害を金銭に換算するには人材の流動性や市場の動向などといった事柄を踏まえたうえで合理性のある算定を行う必要があります。

    さらに逸失利益が発生したと見られている期間についても、使用者である会社が競業避止義務の違反によって被った損失からどれくらいで回復できるかどうかが検討されます。

    一般的には6ヶ月程度の期間にすることが多いようです。

    このように損害賠償請求を行うだけでも、その立証は様々な観点から行わなければならないことがわかります。

    加えて「競業避止義務の判例」で出した判例のように、競業避止義務の違反に対する措置それ自体に合理性がなければ損害賠償請求が棄却されてしまう恐れもあります。

    口酸っぱくいってしまいますが、競業避止義務契約の合理性をちゃんと意識して設定するようにしておきましょう。

    もし確実に競業避止義務の違反に対する損害賠償請求を通したいなら、競業避止義務契約の設定の段階から法律のプロフェッショナルである弁護士の力を借りておくことがおすすめです。

    紛争解決のプロである弁護士であれば万が一訴訟に発展したとしてもしっかりバックアップしてくれるでしょう。

    また、M&Aの際にいかに相性のいい売り手を見つけられるかも重要です

    そもそも相性のいい売り手なら、トラブルが起こるリスクも低下するでしょう。

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    退職後の競業避止義務の効力

    ここでは従業員・取締役の退職後の競業避止義務の効力についてお伝えします。

    さきほど「競業避止義務の判例」でご覧になって頂いたように、競業避止義務を巡るトラブルは従業員・取締役の退職後に発生することが多いです。

    この際、重要視されるのは憲法に定められている「労働者の職業選択の自由」と照らし合わせたうえで、どこまで従業員・取締役の再就職先に制限をかけられるかという点です。

    基本的に労働者は再就職においてどの職業を選ぶかは自由であり、たとえかつての使用者でも厳密な制限をかけることはできません。

    しかし競業避止義務を重視するのであれば、就業規則などにどれだけ合理的かつ職業選択の自由を過剰に侵害しない範囲で競業避止義務に関する条項が設けられているかによってはある程度効力を持たせることができます。

    就業規則が曖昧かつ非合理的なものだと競業避止義務の効力はないものとして扱われてしまいますし、そもそも裁判所の判断基準も決して明確ではありません。

    そのため会社独自に合理的かつ具体的な条項を設けることに尽力する必要があります。

    また競業避止義務の効力が及ぶ期間に関しても、あまりに期間を長く設定すると非合理的な措置とみられる可能性が高くなります。

    競業避止義務の効力が発生する期間はたいてい2~3年程度(1年というケースも多いです)であり、それ以上の長さになるとかなり厳密な合理性が求められるので注意してください。

    まとめ

    経営者の立場であれば競業避止義務は会社の利益を守るために、厳格に設定しておきたいのが本音だと思います。

    しかし従業員・取締役の職業選択の自由を侵害することは憲法義務違反であり、また感情に任せた非合理的な措置は認められません。

    過去の判例を見ればわかるように、競業避止義務に関する条項の設定は「合理性」というファクターが重視されることを意識しておくようにしておきましょう。

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