2020年9月22日更新会社・事業を売る

買収防衛策

買収防衛策とは、敵対的買収に対して、経営陣の支配権を防衛する目的で実施する対策です。買収防衛策は強い効力を持ちますが、株主の利益が損なわれるおそれがあるため、廃止を進める傾向も見られます。導入する場合には、株主から理解を取り付ける必要があります。

目次
  1. 買収防衛策
  2. 買収防衛策とは
  3. 買収防衛策の導入が効果的なケース
  4. 買収防衛策の種類(第三者の積極的な行動が必要なもの)
  5. 買収防衛策の種類(第三者の積極的な行動が不要なもの)
  6. まとめ
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買収防衛策

買収防衛策

昨今では、M&Aによる企業買収が増加傾向にある状況です。企業買収では、相手先企業の合意を得ないまま実施する「敵対的買収」が図られるケースもあります。敵対的買収は、経営陣にとって企業の支配権を奪われるおそれがある行為です。

この敵対的買収を阻止するには、買収防衛策の導入が効果的となる場合があります。今回は、買収防衛策について解説します。

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買収防衛策とは

買収防衛策とは

買収防衛策とは、敵対的買収に対して、経営陣の支配権を守るために講じる対策です。敵対的買収では、相手先企業から合意を得ずに支配権を奪い取ることが目指されます。経営陣から支配権を奪い取るために、一般的には相手企業の株式を買収する手法が採用されます。

日本において敵対的買収が成功した事例は少なく、そのほとんどが失敗に終わっています。過去に敵対的買収を仕掛けた代表的な日本企業には、村上ファンド・ライブドア・楽天などが挙げられます。

このような敵対的買収を阻止する役割を果たすのが、買収防衛策です。買収防衛策の手法は多岐に渡り、現在でも敵対的買収に備えて買収防衛策を導入する企業は一定数存在します。敵対的買収を狙われる企業にとって、買収防衛策は切り札となる施策です。

買収防衛策の批判と現状

買収防衛策の行使は、経営陣の保身だと非難されることがあります。企業価値を損なわせる敵対的買収は、基本的には買収防衛策によって阻止すべきです。ただし、企業の成長を妨げるような経営陣が、買収防衛策を活用して支配権を握り続ける状況は望ましくありません。

そもそも上記の経営陣は、株主に対する受託者責任を果たしていないと捉えられます。こうした事情を踏まえて、最近では買収防衛策の行使時に、慎重な検討・適正な手続きの実施・株主への十分な説明などを徹底化する動きが見られます。

つまり、現代は買収防衛策を気軽に行使できる時代ではありません。株主からの要請を受けて、買収防衛策自体を廃止する企業も増加中です。とはいえ、将来的に敵対的買収が増加する状況が訪れた場合、買収防衛策の導入・行使が一般化する可能性も十分にあります。

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買収防衛策の導入が効果的なケース

買収防衛策の導入が効果的なケース

現代は買収防衛策を気軽に行使できる時代はありませんが、その点を考慮しても買収防衛策の導入でメリットを享受できる企業は一定数存在します。買収防衛策の導入が効果的なのは、以下のような特徴を持つ企業です。

  • 株主構成が不安定になっている
  • 経営状況が不安定になりやすい
  • コアコンピタンスを持っている
  • 他社にはない独自の技術・販路を持っている
  • 株価総額が低い

コアコンピタンスとは、競合他社を圧倒的に上回る能力をいいます。買い手側からするとシナジー効果の獲得・新規参入などを図りやすいため、敵対的買収のターゲットにされやすいです。上記の特徴を持つ企業は、買収防衛策の導入を前向きに検討すると良いです。

買収防衛策の導入に関する相談先

買収防衛策の導入時には、株主から反発を受ける可能性が高いため、事前に理解を得る必要があります。また、買収防衛策の手法の検討時には、企業価値や株主の利益などの向上を念頭に置くことも大切です。

もしも買収防衛策の導入について不安がある場合には、M&Aの専門家・経営コンサルタントなどへの相談をおすすめします。知識・経験が豊富な専門家に相談すれば、自社に適した対策をアドバイスしてもらえる可能性が高いです。

買収防衛策は、防衛、ですから受動的な行為です。これまで積み上げてきた経営努力と、企業としての信頼を活かしながら自社の成長を最大化していくために、積極的にM&Aを検討することは能動的な自社防衛の方法ともいえます。

M&Aによる買収でシナジー効果の獲得・新規参入などを成功させるには、M&A仲介会社に相談すると良いです。数ある仲介会社の中でも、手数料面で相談しやすいのはM&A総合研究所です。

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買収防衛策の種類(第三者の積極的な行動が必要なもの)

買収防衛策の種類(第三者の積極的な行動が必要なもの)

ひとことに買収防衛策といっても、さまざまな手法が存在します。買収防衛策の手法は、企業の内情に応じて使い分けられます。ここからは、代表的な買収防衛策について、「第三者の積極的な行動が必要なもの・不要なもの」という観点から2グループに分けて解説します

まずは第三者の積極的な行動が必要な買収防衛策として、以下の2つを紹介します。

  1. 黄金株
  2. ホワイト・ナイト
それぞれの特徴を順番に見ていきます。

①黄金株

黄金株とは、経営陣が決定した重要事項に関する拒否権が付与された種類株式です。この黄金株を持つ株主を用意しておけば、敵対的買収を仕掛ける会社が株式を100%取得したとしても、支配権の譲渡を拒否できます。

黄金株を持つ株主によって、敵対的買収を仕掛けた会社が経営陣に成り代わる事態を阻止できる非常に強力な買収防衛策ですが、かつては強力であるという理由で、東京証券取引所から批判的に捉えられていました。

現在は会社法の施行・整備などによって、黄金株を比較的発行しやすくなっています。しかし、株主平等原則から外れると捉えられることもあり、株主から発行そのものを反対されるケースは少なくありません。

なお、譲渡制限を綿密に設定しておかないと、黄金株が敵対的買収を仕掛ける会社の手に渡るおそれもあるため、導入には注意が必要です。

②ホワイト・ナイト

ホワイト・ナイトとは、敵対的買収を仕掛けられた場合に、別の企業に友好的買収を実施してもらう手法です。自社にとって、敵対的買収がデメリットになると判断された場合に行使されます。

別の企業が敵対的買収を仕掛けられた企業を助けるため、ホワイト・ナイト(白馬の騎士)と呼ばれています。自社と良好な関係を結ぶ企業が存在すれば成功しやすい買収防衛策ですが、ホワイト・ナイトを担う会社が都合良く見つかるとは限りません。

また、ホワイト・ナイトを担う会社が見つかっても、資金不足で有効的買収に失敗するおそれもあるため注意が必要です。

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買収防衛策の種類(第三者の積極的な行動が不要なもの)

買収防衛策の種類(第三者の積極的な行動が不要なもの)

第三者の積極的な行動が不要な買収防衛策として、以下の4つを解説します。

  1. ポイズンピル
  2. MBO(マネジメント・バイアウト)
  3. パックマン・ディフェンス
  4. クラウンジュエル
それぞれの特徴を順番に見ていきます。

①ポイズンピル

ポイズンピルとは、敵対的買収を仕掛ける会社が一定数の株式を取得した場合に、他の株主に向けて新株予約権を発行する手法です。毒薬条項・ライツプランなどとも呼ばれています。

相手の株式所有率を低下させつつ、買収コストを増加させることで、買収自体を諦めさせる効果があります。新株予約権を信託銀行に託して自動的に発動する形にしておけば、発動時の手間を抑えられます。

少ない手間で敵対的買収を十分に妨害できるため、有効的な買収防衛策です。とはいえ、株式を増産する手法であることから、既存株主への影響力も非常に大きいです。既存株主が所有する株式比率が変化するため、反発される可能性は低くありません。

導入・発動の検討時には、入念な協議を実施する必要があります。

②MBO(マネジメント・バイアウト)

MBOとは、経営陣が自社の株式を買収し非上場化させて、経営権が奪われることを阻止する手法です。敵対的買収の手法の1つである、株式公開買い付けを阻止する効果を持っています。

MBOは、敵対的買収を阻止する目的のみではなく、株主に左右されない経営を実現する目的で実施されることも多いです。

③パックマン・ディフェンス

パックマン・ディフェンスとは、敵対的買収を仕掛ける会社に、反対に自社から買収を仕掛ける手法です。攻撃的な買収防衛策であり、攻めることで自社の防衛を実現します。自社から買収を仕掛ける場合、敵対的買収を仕掛ける企業の株式4分の1の取得が目標となります。

取得に成功すれば、仮に敵対的買収が成立しても相手の議決権を失わせることが可能です。パックマン・ディフェンスを使用すると、お互いに敵対的買収を仕掛ける全面戦争となるため、非常にリスクが高いです。

さらに、敵対的買収を仕掛ける企業の株式を取得できるほどの資金力も求められます。相手企業の株価が高いケースでは成功確立が低いため、資金力に余裕がある企業でなければ実施できない買収防衛策だといえます。

④クラウンジュエル

クラウンジュエルとは、敵対的買収を仕掛けられた自社の価値を意図的に下げる手法です。スコーチド・アースとも呼ばれており、結果的に敵対的買収への意欲を削ぎ落す効果が期待できます。

具体的には、利益率の高い事業の分社化や譲渡・負債を背負うなどの施策を講じて、敵対的買収の成功時に得られる利益を減らします。リスクの高い手法ですが、成功時には敵対的買収の目的そのものを消滅させられます。

それに加えて、経営陣の判断のみで実施できる点もメリットですが、一度低下した企業価値を挽回できないおそれがあります。株主の利益に反すれば、訴訟に発展するリスクもあるため注意が必要です。

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まとめ

まとめ

経営陣にとって、買収防衛策は企業の支配権を守るうえで効果の高い対策です。その一方で株主からすると不利益を招きかねない行為であるため、手法の種類を問わず、経営陣と株主による事前協議が必要不可欠です。要点をまとめると、以下のとおりです。

・買収防衛策とは
→敵対的買収に対して、経営陣の支配権を守るために講じる対策

・買収防衛策の現状
→株主から経営陣の保身だと非難されることが多く買収防衛策自体を廃止する企業が増加中

・買収防衛策の導入が効果的なケース
→株主構成が不安定になっている、経営状況が不安定になりやすい、コアコンピタンスを持っている、他社にはない独自の技術・販路を持っている、株価総額が低いなどの特徴を持つ企業

・買収防衛策の種類
→黄金株、ホワイト・ナイト、ポイズンピル、MBO(マネジメント・バイアウト)、パックマン・ディフェンス、クラウンジュエルなど

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