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2019年11月29日更新
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種類株式とは?意味や一覧、活用事例をわかりやすく解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

原則株主の権利は平等とされていますが、種類株式を保有している株主は、通常とは異なる処遇を受ける事となります。種類株式の一覧、事業承継対策や資金調達といった種類株式の活用事例、種類株式の登記事項について解説します。

目次
  1. 種類株式
  2. 種類株式とは?種類株式の意味
  3. 種類株式の一覧
  4. 種類株式の活用事例
  5. 種類株式の発行・変更手続き
  6. 種類株式の登記事項
  7. 相続における種類株式の評価
  8. まとめ

種類株式

株式会社にとって株式は、資金調達や経営権行使にとって欠かせない存在ですが、普通株式のほかに種類株式を発行可能である事をご存知でしょうか?

原則的に、各株主の権利は平等とされていますが、種類株式を保有している株主は通常とは異なる処遇を受ける事となります。

この記事では種類株式とは何かを分かりやすくお伝えします。大企業のみならず、中小企業やベンチャーの経営に携わる方も必見です。

種類株式とは?種類株式の意味

まず初めに、種類株式の意味について解説します。

種類株式とは、ある事柄に関して内容の異なる2種類以上の内容が定まっている株式です。

国際的に使われている株式様式の一つで、英語では「Class Share」と呼ばれています。

通常、株式会社では各株主は平等の権利を有し、株主総会において経営権の行使や、配当金の受領が可能ですが、種類株式はこうした株主の権利について、通常(普通株式)とは異なる規則を定めています。

会社法上で種類株式の発行は認められている為、所定の手続きを経れば合法的に発行(変更)出来ます。

最も有名な種類株式に、「(配当)優先株式」があります。配当優先株式とは、普通株主よりも優先的に配当金を授受出来る権利が付された株式です。

配当優先株式は、保持している株主にとって有利な権利を有しているため、その他の種類株式と合わせて利用されることが多くあります。

例えばこの場合、優先的に配当金を受け取れる代わりに、議決権が付されていないケースが一般的です。

上記の通り、種類株式では普通株式とは異なる権利等が付されており、株式会社の運営において様々な場面で活用されています。

また、各種類株式の交付時期に応じてA種類株式、B種類株式と名付けられる場合があります。通常、後から発行された種類株式の方が優先的になりますが、これ自体も規定することができます。

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種類株式の一覧

一口に種類株式といっても、種類株式には全9種類が存在し、それぞれ規定内容が異なります。この項では、その9種類の種類株式について一覧をお伝えします。

⑴剰余金の配当規定付株式

これは企業の剰余金を配当する際、その配当についての地位の優劣が規定されているものになります。先述した「優先株式」はこのひとつであり、その他にも劣後株式と呼ばれる配当が後回しになるように規定された種類株式も存在します。

⑵残余財産の分配規定付株式

こちらは、会社が解散する際などに発生する残余財産の分配について規定された種類株式です。

剰余金と同様に優先株式や劣後株式があり、残余財産の分配順が区別されています。一般的な優先株式は上述した剰余金についての優先であることを指しますので、注意してください。

⑶譲渡制限株式

譲渡制限株式とは、全株式または一部の株式について、譲渡する際に会社の承認を得る義務を定めた種類株式です。

殆どの中小企業では、経営権の分散防止を目的として譲渡制限株式を導入しています。

譲渡制限株式を導入している会社を「株式譲渡制限会社」、譲渡制限を設定していない会社を「公開会社」、発行されている株式が全て譲渡制限株式である会社は「非公開会社」と呼ばれています。

⑷拒否権付株式

拒否権付株式とは、会社に関する決議事項に関して、株主総会決議に加えて、種類株主から構成される種類株主総会の決議を必要とする旨を定めた種類株式です。普通株主の賛成数とは無関係に決議事項を否決できる事から、「拒否権付株式」と呼ばれています。

拒否権付株式は「黄金株」とも呼ばれ、敵対的買収に対する防衛策としての活用事例が多くあります。例えば、敵対的買収により相当数の議決権を取得された場合でも、拒否権付株式を友好的な株主に保有させておけば、買収成立を阻止できます。

しかし、拒否権付株式の流出は通常の経営判断に悪影響を及ぼす可能性を有しているため、譲渡制限規定を同時に付与することでそれを防ぐことが多いです。

もちろん敵対的買収でなくとも、M&Aにおいて拒否権付株式の影響は大きいものです。

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⑸議決権制限株式

議決権制限株式とは、決議事項の一部または全部について議決権を行使できない種類株式です。この中でも、一切議決権を行使できないものは特に「無議決権株式」と呼ばれます。

利益にのみ興味がある(経営権に興味がない)株主に対してこの種類株式が付与することで、株主総会での議決権が制限されるために経営陣の決定権を強めることができます。

議決権制限株式は、配当優先株式と組み合わせて使用されるケースが大半です。

⑹取得請求権付株式

これは株主が会社に対して、保有する株式の対価に金銭や他の株式などの財産を請求することができる権利が規定されたものになります。

株主からすれば投資のリスクを減らすことができるため保持しやすく、会社にとっては資金調達が容易になるという特徴があります。

⑺取得条項付株式

取得条項付株式とは、会社に一定事由が生じた際に、会社側がその株式を強制的に株主から取得できる旨が定められた種類株式です。

上記の取得請求権規定と同様に最終的に会社が株式を回収しますが、こちらは会社側が主体となった株式取得になります。

会社側は強制的に株式を取得できる為、株式の保有者は原則株主としての地位や権利を完全に失います。

⑻全部取得条項付株式

取得条項付株式の中でも、会社が対象のすべての株式を取得できるものが「全部取得条項付株式」です。

全部取得条項付株式を活用することで100%減資を能動的に行うことができるようになります。しかし、株式取得の際には株主総会での決議を得る必要があるので注意してください。

⑼役員選任権付株式

役員選任権付株式とは、種類株主総会にて取締役または監査役の選任する議決権が付された種類株式です。つまり、普通決議等を経ずに自由に役員を選任できます。

役員選任権付株式はベンチャーキャピタルからの出資を募る際に多用されていますが、「公開会社」と「指名委員会等設置会社」では、法律上役員選任権付株式を発行できません。

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種類株式の活用事例

わざわざ株式会社が種類株式を発行する背景には、活用によって得られるメリットが大きい事があります。この項では、種類株式の活用事例を三つご紹介します。

⑴事業承継対策

事業承継とは、現経営者から後継者に対して会社の経営権や資産等を引き継ぐ手続きを指します。

多くの中小企業で課題として認識されている事業承継では、種類株式の活用が有効です。株式が分散している状況で事業承継を行ってしまうと、後継者に議決権が集中しません。

株式会社では、保有する議決権数によって経営への影響力が決まります。つまり、後継者の持ち株数が少ない事により、事業承継後の経営に支障が生ずる恐れがあります。

この問題を解決する為には、後継者には議決権のある普通株式や拒否権付株式を承継させる一方で、無関係の相続人に対しては無議決権株式を引き継ぐことで、議決権を後継者に集めること対策が有効です。

上記の形で種類株式を活用すれば、事業承継後の経営を円滑に実施できます。

⑵資金調達

ベンチャー企業では、資金調達の手段としてVCからの出資を受けるケースが一般的です。

この際、普通株式の付与による調達方法だとり経営権の行使に悪影響が生ずる可能性がある為、種類株式を利用する付与する事例が多いです。例として、議決権制限株式や配当に関する優先株式等が用いられます。

また、上場企業の資金調達方法としても種類株式は用いられています。

例えば銀行からの自己資本規制への対策として、非累積的優先株式の発行によって自己資本比率を上昇させる場合や、企業再生のために優先株式等を用いて資本を集める事が可能です。

⑶合弁会社の設立

合弁会社とは、複数の会社が互いに出資しあって設立・運営する会社です。複数の事業者が合弁会社を設立する際、柔軟な機関設計を意図して種類株式が用いられる事例が見受けられます。

1:1の比率でそれぞれ普通株式を所持している場合を除き、通常では少数株主は株主総会での議決に関与することができません。

しかし、種類株式の活用により、株式保有割合とは異なる方法で、剰余金配当や残余財産の分配等を実施できます。さらに無議決権株式を活用することで、特定の役員にインセンティブを付与する事も可能です。

このように、出資割合による不公平性等を控除できる観点で、合弁会社設立の際に種類株式をの使用することは非常に有用です。

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事業承継における種類株式の活用方法

種類株式の発行・変更手続き

この項では種類株式の発行や、普通株式を種類株式に変更する手続きについて解説します。

新たに種類株式の発行を希望する場合には、まずは種類株式発行会社になる為に、定款変更の特別決議を経なくてはなりません。

特別決議では、原則議決権の過半数出席と出席議決権の3分の2を上回る賛成が必要となる為、普通決議と比べて決議要件が厳しくなります。

この要件をクリアし、種類株式発行会社に変更すれば、晴れて種類株式を発行できる様になります。

また、種類株式を実際に交付もしくは普通株式から変更する際には、種類株式の内容によって異なる手続きを行う必要があります。

例えば「全部取得条項付株式」の発行には株主総会の特別決議、「議決権制限株式」の発行には特殊決議が必要となります。

そのため、種類株式の内容に応じてどの様な手続きが必要となるのか、その都度調べなくてはなりません。

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株主総会における決議事項の種類と決議方法

種類株式の登記事項

上述した通り、種類株式を発行もしくは普通株式から種類株式に変更する際には、登記手続きが必要となります。種類株式の主な登記事項は下記の3項目になります。

  1. 発行済み株式総数
  2. 発行可能株式総数
  3. 発行可能種類株式の総数及び種類株式の内容

相続における種類株式の評価

最後に、相続における種類株式の評価方法をお伝えします。

相続(事業承継)の場面では、会社の株式を各相続人が受け継ぎます。

その際には一定の評価方法を用いて株式の価格を評価し、その価格を参考に相続税が課税されなければなりません。

相続税を正確に把握する為に、各種類株価の評価方法をあらかじめ把握しておく必要があります。この項では、種類株式ごとに評価方法をご説明します。

⑴拒否権付株式

拒否権付株式については、普通株式と同様の方法で相続時の価格を算定します。

株式の評価方法については、会社の規模等により異なります。株価算定方法に関しては別の記事で詳しくまとめておりますので、この項の最後にある関連記事をご参照ください。

⑵配当優先株式

配当優先株式に関しては、「類似業種比準方式」もしくは「純資産価額方式」により評価を行います。

①類似業種比準方式

類似業種比準方式とは、評価対象と事業内容等が類似する上場企業を基準に、株価算定を行う方法です。一般的には大会社の株式相続で、この評価方法が活用されます。

類似業種比準方式を用いて種類株式の株価を評価する場合は、株式に係る配当金(資本金額の減少を除く)に基づいて評価します。

計算方法としては、類似業種の株価に対して、類似業種と評価対象の配当金、年利益、純資産のそれぞれの比を乗するという方法になります。

②純資産価額方式

純資産価額方式とは、貸借対照表に記載された純資産額を基準に株価を評価する方法です。主に小会社の相続にて、この評価方法が利用されています。

純資産価額方式を用いる場合は、種類株式か普通株式かに関係なく、通常通りの株式計算により評価します。

つまり下記の計算式により、種類株式の評価を行います。

・株価=(時価資産−負債−法人税等)÷発行済株式総数

⑶無議決権株式

無議決権株式に関しては、原則普通株式と同様に評価を実施しますが、例外的に一定の要件を満たす場合には、原則的評価方式により評価した価格から、5%を控除した金額を使用できます。

一定要件には、「相続税の法定申告期限までに遺産分割協議が確定している」等の要件が設定されています。

しかし、無議決権株式の評価時に控除した5%に関しては、議決権株式の価額に加算しなくてはいけません。つまり、相続した方の総株価額は変わらないということになります。

④社債類似株式

社債類似株式とは、実質的に社債の性質を保有している株式であり、下記要件を満たすものです

  • 配当金を優先分配する
  • 残余財産の分配に関しては、発行価額を超えて分配しない
  • ある一定期日に、発行会社は本件株式のすべてを発行価額で償還する
  • 他の株式を対価とする取得請求権が設定されていない

議決権が設定されていない評価方法は社債と同様の方法を適用する一方で、既経過利息に値する配当金の加算調整に関しては実行しません。

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事業承継の株価算定

まとめ

種類株式を保有している株主は、通常とは異なる処遇を受けます。事業承継対策や資金調達といった種類株式の活用事例を参考にしながら、種類株式を有効活用しましょう。

うまく利用することができれば、会社に様々な利益をもたらすことができますが、株主にとっても利益があるように種類株式を設定する必要があることは留意しておかなければなりません。

専門性の高い内容でもあるため、税理士や会計士に依頼することもおすすめします。

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