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種類株式とは?意味や一覧、活用事例をわかりやすく解説

種類株式とは?意味や一覧、活用事例をわかりやすく解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    種類株式

    株式会社にとって株式は、資金調達や経営権行使にとって欠かせません。

    そんな株式ですが、複数種類の株式を発行可能である事をご存知でしょうか?
    原則株主の権利は平等とされていますが、種類株式を保有している株主は、通常とは異なる処遇を受ける事となります。

    この記事では、種類株式が何なのかを分かりやすくお伝えします。

    大企業のみならず、中小企業やベンチャーの経営に携わる方も必見です。

    種類株式とは?種類株式の意味

    まず初めに、種類株式の意味について解説します。

    種類株式とは、ある事柄に関して内容の異なる2種類以上の内容が定まっている株式です。

    原則株式会社では、各株主は平等の権利を有し、株主総会で経営権を行使したり、配当金を受け取る事が可能です。

    種類株式では、こうした株主の権利について、通常(普通株式)とは異なる規則を定めています。

    会社法上で種類株式の発行は認められている為、所定の手続きを経れば合法的に発行(変更)出来ます。

    最も有名な種類株式に、「(配当)優先株式」があります。

    配当優先株式とは、普通の株主よりも優先的に配当金を授受出来る権利が付された株式です。

    優先的に配当金を受け取れる代わりに、議決権が付されていないケースが一般的です。

    上記の通り、種類株式では普通株式とは異なる権利等が付されており、株式会社の運営において様々な場面で活用されています。

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    種類株式の活用事例

    わざわざ株式会社が種類株式を発行する背景には、活用によって得られるメリットが大きい事があります。

    この項では、種類株式の活用事例を三つご紹介します。

    ⑴事業承継対策

    事業承継とは、現経営者から後継者に対して会社の経営権や資産等を引き継ぐ手続きです。

    多くの中小企業で課題として認識されている事業承継では、種類株式の活用が有効です。

    株式が分散している状況で事業承継を行うと、後継者に議決権が集中しません。

    株式会社では、保有する議決権数によって経営への影響力が決まります。

    後継者の持ち株数が少ない事により、事業承継後の経営に支障が生ずる恐れがあります。

    この問題を解決する為には、後継者には議決権のある普通株式を承継させる一方で、無関係の相続人に対しては無議決権株式を引き継ぐ対策が有効です。

    上記の形で種類株式を活用すれば、事業承継後の経営を円滑に実施できます。

    ⑵資金調達

    ベンチャー企業では、資金調達の手段としてVCからの出資を受けるケースが一般的です。

    普通株式の付与により経営権の行使に悪影響が生ずる可能性がある為、種類株式を付与する事例が多いです。

    資金調達の事例では、議決権制限株式や配当に関する優先株式等が用いられます。

    ⑶合弁会社の設立

    合弁会社とは、複数の会社が互いに出資しあって設立・運営する会社です。

    複数の事業者が合弁会社を設立する際、柔軟な機関設計を意図して種類株式が用いられる事例が見受けられます。

    種類株式の活用により、株式保有割合とは異なる割合で、剰余金配当や残余財産の分配等を実施できます。

    無議決権株式の活用によって、特定の役員にインセンティブを付与する事も可能です。

    出資割合に応じる事による不公平性等を控除できる観点で、種類株式の使用は非常に有用です。

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    事業承継における種類株式の活用方法

    種類株式の一覧

    一口に種類株式といっても、種類株式には様々な種類があり、それぞれ規定内容が異なります。

    この項では、主要な種類株式の一覧をお伝えします。

    ⑴譲渡制限株式

    譲渡制限株式とは、全株式または一部の株式について、譲渡する際に会社の承認を得る義務を定めた種類株式です。

    経営権の分散防止を目的として、殆どの中小企業では譲渡制限株式を導入しています。

    譲渡制限株式を導入している会社を株式譲渡制限会社と言い、譲渡制限を設定していない会社を公開会社と呼びます。

    ⑵拒否権付株式

    拒否権付株式とは、会社に関する決議事項に関して、株主総会決議に加えて、種類株主から構成される種類株主総会の決議を必要とする旨を定めた種類株式です。

    普通株主の賛成数とは無関係に決議事項を否決できる事から、「拒否権付株式」と呼ばれています。

    「黄金株」とも呼ばれる拒否権付株式は、敵対的買収に対する防衛策としての活用事例もあります。

    敵対的買収により相当数の議決権を取得された場合でも、拒否権付株式を友好的な株主に保有させておけば、買収成立を阻止できます。

    もちろん敵対的買収でなくとも、M&Aにおいて拒否権付株式の影響は大きいものです。
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    ⑶議決権制限株式

    議決権制限株式とは、決議事項の一部または全部について議決権を行使できない種類株式です。

    一切議決権を行使できないものは、特に「無議決権株式」と呼ばれます。

    利益にのみ興味がある(経営権に興味なし)株主に対して、この種類株式が付与されます。

    議決権制限株式は、配当優先株式と組み合わせて使用されるケースが大半です。

    ⑷取得条項付株式

    取得条項付株式とは、会社に一定事由が生じた際に、会社側がその株式を強制的に株主から取得できる旨が定められた種類株式です。

    会社側は強制的に株式を取得できる為、株式の保有者は原則株主としての地位や権利を完全に失います。

    全株式を取得できる場合は、特に「全部取得条項付株式」と呼ばれます。

    ⑸役員選任権付株式

    役員選任権付株式とは、種類株主総会にて取締役または監査役を選任できる権利が付された種類株式です。

    つまり普通決議等を経ずに、自由に役員を選任できます。

    ベンチャーキャピタルからの出資を受ける時に、役員選任権付株式が多用されます。

    「公開会社」と「指名委員会等設置会社」では、法律上役員選任権付株式を発行できません。

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    種類株式の発行・変更手続き

    この項では種類株式の発行や、普通株式を種類株式に変更する手続きについて解説します。

    新たに種類株式を発行したい場合には、種類株式発行会社になる為に、定款変更の特別決議を経なくてはいけません。

    特別決議では、原則議決権の過半数出席と出席議決権の3分の2を上回る賛成が必要となる為、普通決議よりも決議要件が厳しいです。

    種類株式発行会社に変更したら、晴れて種類株式を発行できる様になります。

    種類株式を実際に交付もしくは普通株式から変更する際には、種類株式の内容によって異なる手続きを行います。

    例えば「全部取得条項付株式」の発行には株主総会の特別決議、「議決権制限株式」の発行には特殊決議が必要となります。

    種類株式の内容に応じて、どの様な手続きが必要となるかをその都度調べなくてはいけません。

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    株主総会における決議事項の種類と決議方法

    種類株式の登記事項

    種類株式を発行もしくは普通株式から種類株式に変更する際には、登記手続きが必要となります。

    この項では、主な種類株式の登記事項を3項目紹介します。

    ⑴発行済株式総数

    既に発行した株式の数量については、必ず登記事項に記載しましょう。

    普通株式の株式総数に加えて、各種類株式の数量についても記載します。

    ⑵発行可能株式総数

    発行可能株式総数とは、その会社が最大で発行できる株式の数量です。

    こちらも登記には必須の記載事項です。

    ⑶発行可能種類株式の総数及び種類株式の内容

    発行可能な種類株式の総数と、具体的な種類株式の内容も記載します。

    単に種類株式の名称を記載するのではなく、具体的にどの様に権利等を設定するかを記載しなくてはいけません。

    相続における種類株式の評価

    最後に、相続における種類株式の評価方法をお伝えします。

    相続(事業承継)の場面では、会社の株式を各相続人が受け継ぎます。

    相続時には一定の評価方法を用いて株式の価格を評価し、その価格を参考に相続税が課税されます。

    相続税を正確に把握する為には、株価の評価方法をあらかじめ把握しておく必要があります。

    この項では、種類株式ごとに評価方法をご説明します。

    ⑴拒否権付株式

    拒否権付株式については、普通株式と同様の方法で相続時の価格を算定します。

    株式の評価方法については、会社の規模等により異なります。

    株価算定方法に関しては、この項の最後にある関連記事をご参照ください。

    ⑵配当優先株式

    配当優先株式に関しては、「類似業種比準方式」もしくは「純資産価額方式」により評価を行います。

    ①類似業種比準方式

    類似業種比準方式とは、評価対象と事業内容等が類似する上場企業を基準に、株価算定を行う方法です。

    大会社の株式相続では、この評価方法が活用されます。

    類似業種比準方式を用いて種類株式の株価を評価する場合は、株式に係る配当金(資本金額の減少を除く)に基づいて評価します。

    ②純資産価額方式

    純資産価額方式とは、貸借対照表に記載された純資産額を基準に株価を評価する方法です。

    主に小会社の相続にて、この評価方法が利用されています。

    純資産価額方式を用いる場合は、種類株式か普通株式かに関係なく、通常通りの計算により評価します。

    つまり下記の計算式により、種類株式の評価を行います。

    ・株価=(時価資産−負債−法人税等)÷発行済株式総数

    ③無議決権株式

    無議決権株式に関しては、原則普通株式と同様に評価を実施します。

    例外的に一定の要件を満たす場合には、原則的評価方式により評価した価格から、5%を控除した金額を使用できます。

    一定要件には、「相続税の法定申告期限までに遺産分割協議が確定している」等の要件が設定されています。

    無議決権株式の評価時に控除した5%に関しては、議決権株式の価額に加算しなくてはいけません。

    ④社債類似株式

    社債類似株式とは、実質的に社債の性質を保有している株式であり、下記要件を満たすものです。

    配当金を優先分配する

    • 残余財産の分配に関しては、発行価額を超えて分配しない
    • ある一定期日に、発行会社は本件株式のすべてを発行価額で償還する
    • 他の株式を対価とする取得請求権が設定されていない
    • 議決権が設定されていない

    社債と同様の評価方法を適用する一方で、既経過利息に値する配当金の加算調整に関しては実行しません。

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    まとめ

    種類株式を保有している株主は、通常とは異なる処遇を受けます。

    事業承継対策や資金調達といった種類株式の活用事例を参考にしながら、種類株式を有効活用しましょう。

    専門性の高い内容でもあるため、税理士や会計士に依頼することもおすすめします。

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