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友好的買収とは?メリット・デメリットや事例、敵対的買収の違いを解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

友好的買収は日本のM&Aにおいて、最もオーソドックスな形であり、日本でM&Aを行うなら友好的買収になると考えてもいいでしょう。株式譲渡や第三者割当増資など、手法に限らず買い手と売り手のお互いの合意が取れていれば友好的買収として扱われます。

目次

    友好的買収

    友好的買収や敵対的買収という言葉は経営やM&Aに携わっている方なら誰もが聴いたことがある言葉かと思います。

    友好的買収や敵対的買収はいずれも買収の形態を指しており、買収はいずれかの形で行われるものです。

    そのため、意味はよく知っておいた方がいいでしょう。

    今回は友好的買収の意味や敵対的買収との違い、メリット・デメリット、実際にあった友好的買収の事例についてお伝えしていきます。

    友好的買収とは?意味や敵対的買収との違い

    まずは友好的買収の意味についてお伝えします。

    友好的買収とは買い手となる会社が買収の対象とした会社の経営陣の同意を得たうえで行う買収のことを指します。

    株式譲渡や第三者割当増資など、手法に限らず買い手と売り手のお互いの合意が取れていれば友好的買収として扱われます。

    もし株式公開買い付け(TOB)という形で行われていた場合は友好的TOBと呼ばれます。

    そんな友好的買収という言葉に対して敵対的買収という言葉もあります。

    こちらは買い手となる会社が買収の対象とした会社の経営陣や親会社の同意を得ないまま株主から株式を取得して買収を進めるというものです。

    敵対的買収は基本的に対象の会社の株式の3分の1、あるいは過半数を獲得することを目的としています。

    3分の1の株式を取得すれば株主総会の特別決議を拒否できるように、過半数の株式を取得すれば対象の会社を子会社化できるようになります。

    つまり敵対的買収は会社の支配権を獲得する段階まで株式を取得することで成功するといえるでしょう。

    以上の点を踏まえると友好的買収と敵対的買収の違いは買収の対象となる会社の「同意が取れているか取れていないか」だといえます。

    その意味では友好的買収を行うコツはいかに同意をとりやすい、相性の良い会社を見つけられるかによるといえます。

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    M&Aにおける友好的買収

    日本のM&Aにおいては友好的買収はどのような立ち位置にあるのでしょうか?

    基本的に中小企業のみならず、日本のM&Aは友好的買収という形で行われることが一般的です。

    対して敵対的買収はあまり事例として多くありません。

    そもそも敵対的買収は友好的買収と違って買収の対象となる会社の同意を得ないため、情報提供を受けられず、既存の株主と個々に交渉して株式を取得する必要があります。

    また当然ながら買収の対象となる会社もおとなしく買収されるはずがなく、ポイズン・ピルやパックマンディフェンス、ホワイトナイトなどといった買収防衛策を発動して敵対的買収に抵抗します。

    そのため敵対的買収は無駄なコストや時間がかかってしまうことが多く、成功率も低いため日本ではほとんど行われません。

    過去には村上ファンド、ライブドア、王子製紙、ドンキホーテといった有名な会社が敵対的買収を行い、世間を賑わしたことがありました。

    しかし敵対的買収が多発したのは2000年代の半ば頃であり、それ以降敵対的買収を行った事例はかなり減っています。

    そもそも日本では株式持ち合いという独自の風習があり、これによって会社の買収がやりにくくなっており、積極的な敵対的買収が難しくなっているからです。

    実際敵対的買収が成功した事例はほとんどなく、失敗に終わることが圧倒的に多いです。

    初めて敵対的買収が成功したのはケンエンタープライズとソリッドグループホールディングスの間で起こった敵対的買収ですが、これは2007年とわりと最近のことです。

    21世紀に入って初めて成立した事例が出てくるなど、それだけ敵対的買収の成功率は低いといえます。

    敵対的買収より友好的買収の事例の方が圧倒的に多い日本に対し、欧米では敵対的買収が積極的に行われる傾向があります。

    しかし敵対的買収を徹頭徹尾行うわけではなく、途中から展開を変えて友好的買収に持ち込む事例が多いようです。

    友好的買収のメリット・デメリット

    ここでは友好的買収のメリット・デメリットについてお伝えします。

    ⑴友好的買収のメリット

    友好的買収のメリットは以下のようなものが挙げられます。

    敵対的買収より成功率が高い

    友好的買収の最大のメリットはやはり敵対的買収より成功率が高いという点です。

    さきほどもお伝えしましたが、敵対的買収は買収の対象となる会社の同意を得ずに行うため、必要な情報提供を得られず、買収防衛策を行われるなど抵抗を受ければ時間もコストもかかってしまいます。

    そもそもM&Aは時間やコスト、体力を使うものであり、友好的買収でも交渉やデューデリジェンスなどプロセスをこなすだけでそれなりの負担がかかります。

    そのうえで買収の対象となる会社の反発を受ける可能性が高い敵対的買収は成功させることが容易ではありません。

    それに対して初めから買収の対象となる会社の同意を得ている友好的買収であれば、成功率が高くなるでしょう。

    シナジー効果が高まりやすい

    友好的買収は買収の対象となる会社の反発を受けにくいため、人材の確保や個々の人材が持つノウハウを買収を通じて取り込みやすく、その結果シナジー効果が高まりやすくなります。

    そもそもM&Aは異なる会社同士が経営統合を行うものであり、それをきっかけに従業員の反発が起こったり、従業員が流出してしまうなどといったことが発生するリスクを孕んでいます。

    しかし友好的買収はお互いの会社が友好的な関係を築くことを目指し、win-winになるように行われます。

    そのため従業員やノウハウが流出しにくく、対象の会社を買収することで想定されたシナジー効果を獲得しやすくなります。

    心証の悪化を防げる

    友好的買収は心証の悪化を防ぐこともできます。

    敵対的買収は客観的に見れば強引なやり方であり、当事者の周りの会社や取引先、金融機関に悪印象を与えてしまうリスクがあります。

    周囲の心証が悪化すれば買収を終えた後の経営の障害になってしまうこともあるでしょう。

    対して友好的買収ならば経営統合の後の取引先や金融機関の印象を損なわないようにすることができます。

    ⑵友好的買収のデメリット

    友好的買収は一見メリットしかないように見えますがデメリットもあります。

    それは友好的買収といえどもシナジー効果を得られる可能性は100%ではないという点です。

    さきほどもお伝えしたように、M&Aは友好的買収でもそれなりの時間やコスト、体力を使うものです。

    そのため買収を完了させることばかりに集中してしまい、買収後の経営統合に力が入らないと言うことがあります。

    買収後の経営統合はシナジー効果を実現するうえで欠かせないプロセスであり、ここで手を抜いてしまうと想定していたシナジー効果が得られなくなってしまいます。

    買収後の経営統合に失敗してシナジー効果を獲得できず、かえって経営状態が悪化したというケースが少なくありません。

    買い手となる会社と売り手となる会社がそれぞれ納得して友好的買収を行ったといえども、経営統合まで手を抜かないようにしなければシナジー効果は発揮できないため、注意しておくようにしましょう。

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    友好的買収の事例

    ここでは実際に行われた友好的買収の事例をいくつかご紹介します。

    ⑴三菱UFJグループ×アコム

    メガバンクを抱える三菱UFJグループと消費者金融としてCMでも有名なアコムは2008年に友好的買収(友好的TOB)を行いました。

    元々三菱UFJグループはアコムの株主でしたが、2008年にアコムを買収し、連結子会社としました。

    お互いの良好な関係を維持したまま友好的買収を行ったというわけです。

    この友好的買収により、三菱UFJグループはクレジットカード即時発行や消費者金融といったアコムの事業のノウハウを取り入れつつ、共同で様々な事業に取り組むなど、さらなる規模拡大に成功しています。

    ⑵ソフトバンク×ボーダフォン日本法人

    孫正義や野球の球団が有名でCMが何かと話題になるソフトバンクですが、こちらは2006年にボーダフォン日本法人と友好的買収を行っています。

    ソフトバングは買収の際にイギリスにあるボーダフォン本社から合意を得ており、そのまま1兆7500億円という大金をかけてボーダフォン日本法人を買収しました。

    これによってソフトバンクは携帯電話市場に進出し、現在の地位を築きました。

    ⑶NTTデータ×エヌジェーケー

    システム開発を専門とするエヌジェーケーは2010年と2016年にTOBを行い、その際にNTTデータが株式を取得することで完全子会社となりました。

    数年の期間を設けて徐々に買収を進めていくといったケースです。

    これによるエヌジェーケーは不採算事業のソフトランディングや競争力の向上、より迅速な意思決定プロセスの構築に成功しています。

    ⑷フジテレビジョン(フジ・メディア・ホールディングス)×ニッポン放送

    2005年に民法の一つであるフジテレビジョンがラジオ放送会社であるニッポン放送を子会社化しました。

    この友好的買収には色々と複雑な事情があります。

    そもそもフジテレビジョンとニッポン放送は同じフジサンケイグループの一員でしたが、ニッポン放送は規模が小さく、その運営はフジサンケイグループに任されていました。

    対してフジテレビジョンはフジサンケイグループの中でも最も規模が大きく、なおかつフジサンケイグループ全体の舵取りも行っていました。

    にもかかわらず、なぜかフジテレビジョンの筆頭株主はグループ内で一番小さい規模の会社であるニッポン放送になっていたのです。

    つまりグループ内で最も影響力を持つ会社の筆頭株主が、グループ内で最も規模が小さい会社になっているわけです。

    このいびつな状況を是正するためにフジテレビジョンは村上ファンド(M&Aコンサルティング)と連携して公開買い付け(友好的買収)を実施し、ニッポン放送に第三者割当を行いました。

    これでフジテレビジョンとニッポン放送のいびつな状況は是正されましたが、そんな中堀江貴文率いるライブドアがニッポン放送に実質的な敵対的買収を仕掛けてきたことによって状況は一変します。

    ライブドアがニッポン放送の過半数の株式を取得するために買いつけを実施してきたため、フジテレビジョンとニッポン放送はそれぞれ連動して新株予約券発行や焦土作戦(買収防衛策の一つ)を行うなどして買収防衛を徹底しました。

    ライブドアとフジテレビジョン・ニッポン放送の対立は裁判にまでもつれこむなど混迷を極めました。

    結局フジテレビジョンとライブドアは和解し、ニッポン放送へ仕掛けられた敵対的買収は失敗に終わりました。

    ニッポン放送を中心とした一連の出来事は友好的買収と敵対的買収が続いて発生した珍しいケースだといえます。

    友好的買収の問題点

    ここでは友好的買収の際の問題点についてお伝えします。

    友好的買収は買い手、売り手それぞれの会社同士が利益を享受できるものだといえますが、一方で株主の存在が蔑ろにされることが問題点として指摘されています。

    この問題はアメリカでかなり指摘されており、実際に友好的買収を行った経営者が特別な利益を享受できているにも関わらず、株主が得るべきプレミアムの額が低下しているという実態が研究の結果明らかになっています。

    これは日本での友好的買収でもいえる問題です。

    日本は株主の利益を保全する規範や規律が確立できていない側面があり、実際に経営陣に株主の権利や利益を保護する姿勢が充分備わっていないと指摘する声もあります。

    この点は中小企業のように株主が経営者のみ、あるいは親族に限られているといった事情だとあまり関係のないことかもしれませんが、将来的に上場を目指している中小企業やある程度の株主を抱えているという会社にとっては注意しなければならないものだといえるでしょう。

    株主は出資者であり、経営の重要な場面で意思決定を下すポジションにいる存在です。

    そのため友好的買収に限らず、あらゆるM&Aはその会社の経営陣のみならず株主にもちゃんと利益が得られるものでなければなりません。

    もし株主が反発するような状況が生まれてしまうと当事者である会社の経営陣同士で合意が取れていても、そのM&Aは失敗してしまう可能性が高いでしょう。

    M&Aを行う際には株主への配慮も重要なファクターになるといえます。

    まとめ

    友好的買収はいうなれば日本のM&Aにおける最もオーソドックスな形であり、基本的に日本でM&Aを行うなら友好的買収になると考えてもいいでしょう。

    何かをきっかけに敵対的買収が頻出する可能性もありますが、日本独自の商慣習を踏まえると友好的買収が一番日本にマッチした形態だといえます。

    しかし友好的買収とはいえ必ずシナジー効果が得られるわけではないことには充分注意しておく必要があります。

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