2021年2月25日公開会社・事業を売る

M&Aの増加理由!買い手のリスクは?注意点なども解説

M&Aを行う理由や目的はさまざまですが、近年のM&Aブームや中小企業庁によるM&A支援の影響を受けて、M&A増加が顕著となっています。本記事では、M&A増加理由や買い手のリスク、買い手と売り手のそれぞれの注意点などについて解説します。

目次
  1. M&Aとは
  2. M&Aの増加理由
  3. 増加するM&Aによる買い手のリスク
  4. M&A増加に伴う注意点
  5. M&Aの相談におすすめの仲介会社
  6. まとめ
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M&Aとは

M&Aとは

M&Aとは「Mergers and Acquisitions」の略で、日本語では「合併と買収」と訳すことができます。

企業の合併や買収をM&Aといいますが、それらに加えて会社分割や資本の移動を伴う株式の持合い、合弁会社の設立などもM&Aの一種とされています。

M&Aの理由や目的は案件によってさまざまですが、事業拡大や人材確保、不採算部門の整理、経営基盤の強化などが挙げられます。また、事業承継や事業再生でM&Aが利用されることもあります。

【関連】M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!【図解あり】

M&Aの増加理由

M&Aの増加理由

地域経済や雇用、経営資源を守るための中小企業庁によるM&A支援政策、近年のM&Aブームなどの影響で、中小零細企業によるM&A増加が顕著となっています。M&A増加の背景には、超高齢化社会や人口減少、日本経済の低迷などのような社会的な問題もあります。

【M&A増加理由】

  • 後継者問題による事業承継型M&A増加
  • 経営者や従業員の高齢化による事業承継型M&A増加
  • 人口減少による労働人材不足
  • 各業界市場の縮小化に伴う海外M&A増加

後継者問題による事業承継型M&Aの増加

1つ目のM&A増加理由は、後継者問題解決のために中小企業や小規模事業者がM&Aを活用している点にあります。

後継者不在を理由とした廃業が社会的に大きな問題となっていますが、M&Aを行うことで廃業を避けて事業を継続することが可能となるので、事業承継型のM&A増加につながっています。

昔は配偶者や子が後継者となって事業を継ぐことが一般的でしたが、現在は後継者に跡を継ぐ意思がなかったり後継者となり得る子がいないというケースも増えています。

後継者不在を理由として廃業となれば従業員は職を失い、取引先の経営にも影響を与えることになります。さらには、地域経済や雇用に大きな影響を与えることもあります。

そのような事態に陥らないよう、事業を子や従業員などのような後継者ではなく、第三者に承継する事業承継型のM&A増加が目立つようになってきています。

経営者や従業員の高齢化による事業承継型M&A

2つ目のM&A増加理由は、経営者や従業員の高齢化により事業を継続することが困難となった中小企業などが、M&Aを活用し人材確保や事業承継を行っている点にあります。

高齢化が進む日本社会では、地方の中小零細企業を中心に、経営者および従業員の高齢化に伴う廃業が今後も増加すると予想されています。

経営者が高齢で引退しても、後継者になるような人材がいなければ廃業となりますが、M&Aにより会社を売却すれば事業を存続して雇用を維持できます。

人口減少による労働人材不足

3つ目のM&A増加理由は、M&Aにより他社を買収することで、人口減少に起因する労働人材不足を補っている点にあります。

日本では、2008年に人口が減少に転じた後も徐々に人口は減少し続けています。それに伴い、15~64歳の生産年齢人口も減少の一途をたどっており、労働人材不足はなかなか解消されない難しい問題として取り扱われています。

企業が人材不足に陥り働き手がいなくなれば、当然事業は立ち行かなくなります。そのような事態を防ぐため、人材確保を目的としたM&A増加が目立ち始めています。

各業界市場の縮小化に伴う海外M&Aの増加

4つ目のM&A増加理由は、さらなる事業の拡大を求めて海外進出する企業の多くがM&Aを利用している点にあります。

日本では、人口減少や少子高齢化などの理由により、さまざまな業界の市場規模縮小が予想されているため、海外に目を向ける企業が増加しています。

効率的に海外進出を成功させるためにはM&Aの活用が効果的であり、海外企業を買収するアウトバウンドM&Aの増加が進んでいます。

【関連】クロスボーダーM&Aを成功させるには

増加するM&Aによる買い手のリスク

増加するM&Aによる買い手のリスク

M&A増加理由は、企業が抱える問題を解決することにありますが、M&Aがいつも成功するとは限りません。本章では、買い手からみた、M&A増加に伴い発生することが予想されるリスクについて解説します。

【増加するM&Aによる買い手のリスク】

  • PMIがうまく進まず企業文化の融合ができない
  • 簿外債務など想定していない債務が見つかる
  • のれん代の減損処理が発生する可能性がある
  • 従業員が流出してしまう可能性がある

PMIがうまく進まず企業文化の融合ができない

PMIとは、M&A後の企業統合プロセスのことです。PMIは、経営統合や業務統合、意識統合から成り立っており、うまく進まなければシナジー効果などを得ることができません。

特に企業文化の融合は難しく、全く異なる企業風土や経営理念をもつ会社とのM&Aでは、慎重に進めていく必要があります。

相手の企業風土を変えることはできないので、スムーズに企業文化の融合を行うためには、M&A相手を探している段階で、自社と同じような企業風土の会社をみつけることも大切です。

簿外債務など想定していない債務が見つかる

M&A契約成立後に簿外債務や偶発債務がみつかり、買い手企業の経営に大きな影響を与える可能性があります。

このようなリスクを防ぐポイントは、デューデリジェンスを丁寧に行うことです。財務デューデリジェンスにより、相手の財務状況や帳簿などを調査し、簿外債務や偶発債務の有無を見極めることが重要です。

また、売り手側が表明保証を行い、簿外債務などを公表するケースもあります。もし表明保証に虚偽や問題があれば、M&A契約が成立した後でも買い手による損害賠償請求の理由となります。

のれん代の減損処理が発生する可能性がある

M&Aで投資した金額を回収できないと認識した際に、のれん代を減損処理しなければならない可能性があります。

のれん代の減損処理をするということはM&Aが失敗したと公表することもであり、さらにその年の会計は大幅な赤字となるケースも多いため、株価に大きな影響を与えることにもなります。

のれん代の減損処理が発生する理由としては、一般的に以下の3つが挙げられます。特にM&A増加などの影響により売り手市場となっている業界では、焦って割高で買収したり利益予測を見誤るなどがないよう注意が必要です。

【のれん代の減損処理が発生する理由】

  • 高すぎる価格で企業買収をした
  • 想定していたよりも利益が少なかった
  • 買収後のPMIがうまく進まなかった

【関連】のれんの減損とは?減損する理由や事例、兆候を解説【コロナへの対応も】

従業員が流出してしまう可能性がある

働いている会社が買収されるということは、従業員にとっては非常に大きなストレスとなります。

職場環境や勤務地、給料や福利厚生などの待遇が変わるのではないかという将来的な不安から、従業員が大量に会社を離れるという可能性もあります。

M&A増加理由でもある人材確保がM&Aの目的であれば、M&A前後の人材の流出は買い手企業にとっては大きな損失です。

そのようなリスクを避けるためには、従業員からの理解を得られるようにM&Aの理由やその後の処遇などについて丁寧に説明することが重要です。

M&A増加に伴う注意点

M&A増加に伴う注意点

M&A増加により、M&Aを取り巻く環境やM&A市場が大きく変化しています。変化に対応してM&Aを成功させるためには、売り手も買い手もどちらも慎重なM&Aを心がけることが重要です。本章では、売り手側と買い手側の双方の目線からのM&A増加に伴う注意点を詳しく解説します。

売り手が考えるべき注意点

売り手が考えるべきM&A増加に伴う注意点には、次のような点が挙げられます。

【売り手が考えるべきM&A増加に伴う注意点】

  1. 目的に合った手法を選ぶ
  2. 譲れない部分を明確にしておく
  3. 希望額で売却できない可能性も考えておく
  4. M&Aの準備は入念に行う
  5. M&Aに精通した専門家に相談する

1.目的に合った手法を選ぶ

M&Aを行う理由や目的に合った手法を選択するためには、M&Aを検討している段階でしっかりと意見や方針をまとめていくことが重要です。

間違った手法を選択すれば思ったような効果を得られないだけではなく、守るべき従業員や取引先にも迷惑をかける可能性もあります。

M&Aの理由や目的には、不採算部門の整理や経営基盤の強化、事業承継などがあります。目的に合わせM&A手法のなかから最適なものを決定します。

2.譲れない部分を明確にしておく

会社売却に際しては、絶対に譲れない部分を明確にしておくことも重要です。M&Aの理由や目的が定まれば、自ずと譲れない部分も見えてきます。

経営者の想いや会社の経営状況、業界の状況により譲れない条件は変わりますが、従業員の処遇を守ることや取引先との関係を継続すること、資金の調達などが優先順位が高くなるケースが多くなっています。

M&A増加に伴い、買い手候補も増加しています。譲れないポイントや優先順位を明確にすることで、相手選びやM&A交渉もスムーズなものとなります。

3.希望額で売却できない可能性も考えておく

M&A増加に伴い、M&A市場が売り手市場から買い手市場へと変わりつつある業界もあります。買い手市場でのM&Aでは、希望額での売却が叶わない可能性もあることを考慮しておく必要があります。

資金調達や創業者利益などがM&Aの理由となっている場合、希望額で売却できないことは大きな痛手です。

そのような場合はM&Aを断念するのか、それとも譲歩するのか、断念した後の経営や次のM&Aはどうするかなど、さまざまな可能性や選択肢を考えて策を定めておくとダメージも小さくなります。

4.M&Aの準備は入念に行う

M&Aに慣れているという会社は多くはありません。特に中小企業であればその傾向は強く、初めてのM&Aとなる場合は、事前の準備を入念に行うことが大切です。

M&Aを行う理由や目的、希望譲渡価額、希望スケジュールなどを決めておくことで、スムーズなM&Aにつながります。

5.M&Aに精通した専門家に相談する

M&Aに慣れていない企業が、経営を継続しながらM&Aの準備や相手探し、表明保証などを行うことは簡単なことではありません。M&A失敗や本来の評価額よりも安く買われるなどのリスクもあります。

M&Aに精通した専門家に相談することでリスクを避け、希望に沿ったM&AやスピーディなM&Aの可能性が高くなります。

M&A増加に伴い専門家も増加しており、さらに中小企業庁による支援も受けることができるため、専門家への相談がしやすい状況は整ってきています。

買い手が考えるべき注意点

次に、買い手が考えるべきM&A増加に伴う注意点について詳しく解説します。

【買い手が考えるべきM&A増加に伴う注意点】

  1. 経営者にどの程度依存しているかを調査する
  2. デューデリジェンスを徹底する
  3. M&Aに精通する専門家に相談する

1.経営者にどの程度依存しているかを調査する

小さな会社として起業して経営者の手腕で大きく会社を成長させてきたような、経営者に依存したワンマン経営の企業を買収する場合は注意が必要です。

経営者への依存度の高い企業をM&Aした場合、影響力の強い経営者が変わることで、顧客や取引先が離れたり従業員の士気が下がるなど、経営状況に大きな影響を与える可能性があります。

M&A交渉やトップ面談の際には、買収先の企業の経営者への依存度についてもしっかりと調査しておくことが重要です。

2.デューデリジェンスを徹底する

買い手企業は、買収先の財務や法務、税務、人事、ITシステムの状況などをデューデリジェンスにより調査することになります。

簿外債務や偶発債務、税務・法務リスクを見極め、買収に値する企業かどうかを判断することが、デューデリジェンスを行う理由です。

売り手市場となっている業界などでは、焦って徹底的なデューデリジェンスを怠ると、買収後に売却企業内に潜んでいた大きなリスクが明るみにでて、事業運営に影響を及ぼす可能性もあるので注意が必要です。

【関連】デューデリジェンスとは?M&Aでの流れや進め方、必要な資料・期間・費用をわかりやすく解説

3.M&Aに精通する専門家に相談する

中小企業の場合は、売り手側だけでなく買い手側もM&Aの経験が豊富な企業は多くはありません。

買い手側には、デューデリジェンスの失敗や企業風土の違い、のれんの評価ミスなどさまざまなリスクがあります。

それらのリスクを避けるためには、M&Aに精通する専門家への相談がおすすめです。専門家からの支援は、M&A成功への近道となります。

M&Aの相談におすすめの仲介会社

M&Aの相談におすすめの仲介会社

M&A増加に伴い、M&A仲介会社やFA、M&Aコンサルティング会社などのM&A専門家も増加しています。

どの専門家を選択すべきかはM&Aの成否を左右する重要なポイントにもなり、M&Aを行う理由や目的、会社の方針に合った専門家を探すことができれば、M&Aが成功する可能性も高くなります。

M&A総合研究所は、さまざまな業界で豊富な実績をもつM&A仲介会社です。知識・支援実績を有するM&Aアドバイザーが親身に相談にのり、M&A完了までを徹底的にサポートします。

完全成功報酬制のシンプルな料金体系を採用しておりますので、安心してご相談いただけます。無料相談は随時お受けしていますので、M&Aをご検討中の経営者様はお気軽にご連絡ください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

まとめ

まとめ

本記事では、M&A増加理由やM&A増加に伴う注意点、買い手のリスクなどについて解説しました。近年のM&Aブームや中小企業庁のM&A支援もあり、中小企業などによるM&A増加が顕著になっています。

M&Aを検討する際は、まず自社がどのような目的・理由でM&Aを行うのか、譲れない条件にはどのようなものがあるかを明確にしておくと、その後の相手先選定や交渉などがスムーズに進みます。

【M&A増加理由】

  • 後継者問題による事業承継型M&A増加
  • 経営者や従業員の高齢化による事業承継型M&A増加
  • 人口減少による労働人材不足
  • 各業界市場の縮小化に伴う海外M&A増加

【M&A増加による買い手のリスク】
  • PMIがうまく進まず企業文化の融合ができない
  • 簿外債務など想定していない債務が見つかる
  • のれん代の減損処理が発生する可能性がある
  • 従業員が流出してしまう可能性がある

【売り手が考えるべきM&A増加に伴う注意点】
  • 目的に合った手法を選ぶ
  • 譲れない部分を明確にしておく
  • 希望額で売却できない可能性も考えておく
  • M&Aの準備は入念に行う
  • M&Aに精通した専門家に相談する

【買い手が考えるべきM&A増加に伴う注意点】
  • 経営者にどの程度依存しているかを調査する
  • デューデリジェンスを徹底する
  • M&Aに精通する専門家に相談する

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