2021年12月20日更新会社・事業を売る

プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)とは?種類とメリット・デメリット

プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)を活用すれば資金・経営面で支援が得られる一方で、経営の自由度低下・イグジットの強制といったデメリットが問題となるケースも少なくありません。そこで今回は、PEファンドの種類やメリット・デメリットなどを解説します。

目次
  1. プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)とは
  2. プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)の意味や仕組みとは?
  3. プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)のM&Aへの活用
  4. プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)の種類別特徴
  5. プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)の支援を受けるメリット
  6. プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)の支援を受けるデメリット
  7. プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)のまとめ

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プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)とは

プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)とは、世の中に存在するさまざまなファンドのうち、未公開株式(プライベートエクイティ)の運用を手掛けるファンドをさします。ビジネスシーンにおいては、省略形である「PEファンド」と呼ばれるケースが多いです。

PEファンドの仕事内容は、未公開企業の株式を出資の形で取得したうえで、資金提供・経営関与により企業価値を上昇させながら、十分に株価が上昇した段階で売却してキャピタルゲインを獲得することです。

PEファンドでは、年金融機関・事業会社・個人投資家などの機関投資家達から資金を集めて、未公開会社に資金を投入します。この手法は、証券会社を通じて個人的に投資する手法と対比して、オルタナティブ投資と呼ばれるケースも多いため把握しておきましょう。

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プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)の意味や仕組みとは?

続いて、PEファンドの意味や仕組みをより深く把握するために、以下の項目に分けて取り上げます。

  • PEファンドとヘッジファンドとの違い
  • PEファンドのイグジット戦略

それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。

PEファンドとヘッジファンドとの違い

PEファンドのようにオルタナティブ投資を行うファンドとしては、そのほかにヘッジファンドも挙げられます。ヘッジファンドとは、いかなる市況環境においても収益獲得を目指すファンドのことです。つまり、PEファンドもヘッジファンドに該当します。

そのため、ヘッジファンドとPEファンドの間には、違いはありません。なお、PEファンドではキャピタルゲインの獲得が最終的な目的に掲げられるため、PEファンドから出資を引き受けた企業はM&AまたはIPOによるイグジットを目指します。

さらに、PEファンドは、投資対象によりベンチャーキャピタルやバイアウトファンドなどとも呼ばれます。これらのファンドごとに株式保有割合や経営への介入度などは異なるため、PEファンドを把握する際は体系的に理解しておかなければなりません。

PEファンドのイグジット戦略

PEファンドはイグジットを前提に介入の意思決定を行っているため、介入時にすでにM&AやIPOによるイグジット戦略を具体的に想定しているケースも多いです。

もしすでにPEファンドの介入を受けていて、M&Aによるイグジットを検討しているならば、M&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所には知識・経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ってきたノウハウを活かしてM&Aをフルサポートしております。

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プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)のM&Aへの活用

PEファンドは、M&Aシーンにおいても高く注目されています。特にM&Aによる事業承継を希望している経営者からすると、PEファンドに企業を売却できれば、経営の引退を実現することが可能です。

一方のPEファンドにとっても、企業価値を高めたうえで売却できれば、売却利益を獲得できるメリットがあります。

たとえ経営者がM&Aによる事業承継を決断したとしても、必ずしも経営引退までの短期間で自社にふさわしい買い手企業を見つけられるとは限りません。

しかし、PEファンドとM&Aを行えば、PEファンドに自社の売却先としてふさわしい企業を探してもらえる可能性があります。

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プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)の種類別特徴

PEファンドは、出資する企業のステージに応じて以下の4つに大まかに分類されます。

  1. ベンチャーキャピタル
  2. バイアウトファンド
  3. 事業再生ファンド
  4. ディストレスファンド

上記4つの間ではPEファンドの業務内容や特徴などが異なっているため、それぞれの特徴を把握しておきましょう。

①ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタル(VC)とは、設立から間もないベンチャー企業に対して投資するPEファンドのことです。投資対象は創業したばかりのベンチャー企業であるため失敗するリスクが非常に高く、投資資金を回収できない可能性は非常に高いとされています。

ただし、非常にハイリスクである一方で、IPOを行った場合のリターンは数十倍〜数百倍にも及ぶためハイリターンなPEファンドでもあります。とはいえ、失敗するケースが圧倒的に多いため、複数企業の株式を少しずつ保有する分散投資の形式が採用されるのが一般的です。

このようにIPOの達成は困難であるため、近年ではM&Aによる資金回収を図るベンチャーキャピタルが増加中です。IPOと比べて回収資金は少ないものの、高確率でイグジットを達成できます。なお、実務の現場では、PEファンドとVCは別物と捉えられるケースも多いため注意が必要です。

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②バイアウトファンド

バイアウトファンドでは、ある程度の段階まで事業の軌道が乗って十分なキャッシュフローを生み出している未公開企業を投資対象とします。ベンチャーキャピタルと比較するとミドルリスク・ミドルリターンであり、積極的に経営へ関与する点が特徴的です。

また、バイアウトファンドでは、株式の過半数を保有してキャッシュフロー改善による企業価値向上を図ります。

なお、バイアウトファンドが株式を取得する際は、LBO・MBO・MBIなどのM&A手法が活用されるケースが多いです。

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③事業再生ファンド

事業再生ファンドとは、経営不振に陥っている未上場企業に投資するPEファンドのことです。事業再生は容易ではなく投資には大きなリスクが伴いますが、安く株式を買収するため企業価値向上により大きなキャピタルゲインの獲得が期待できます。

事業再生ファンドでは、事業の方向転換による再生を目指す「ターンアラウンド」や、リストラ・ダウンサイジングによる再生を目指す「ワークアウト」などの手法が採用されます。

ターンアラウンドは財務状況が健全であるものの事業不振な場合に活用される手法であり、ワークアウトは事業が好調であるものの財務状況が悪い場合に活用される手法です。

また、必要に応じて、再生対象企業の債権買取を伴う「債権の株式化(デットエクイティスワップ)」も実施されます。

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④ディストレスファンド

ディストレスファンドとは、経営破綻した企業の株式や債権を投資対象とするPEファンドのことです。具体的には、破綻した企業の債権や株式を転売したり、企業価値を高めたりしてから高値で売却する手法を採用しています。そのため、非常に高リスクの投資であるうえに、運営には専門知識が必要です。

日本では、バブル崩壊後にディストレスファンドの活動が活発化しました。以前は多くの経営者からすると忌み嫌う存在であったため、ハゲタカファンドと呼ばれていた時代もあります。

プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)の支援を受けるメリット

本章では、経営者の視点からPEファンドの力を借りるメリットとして以下の4つを取り上げます。

  1. 豊富な資金提供
  2. 手厚いハンズオン支援
  3. M&Aのサポート
  4. 人材紹介

これら4つのメリットを押さえておけば、自社においてPEファンドの力を借りる利点が把握できます。それでは、それぞれのメリットを順番に把握しておきましょう。

①豊富な資金提供

PEファンドを利用する最も大きなメリットは、豊富に資金調達できる点です。つまり、PEファンドに対して一定割合の株式を渡す代わりに、企業価値に見合った金額を調達できます。

なお、どれほどの割合の株式を渡すのかは、PEファンドの種類や企業の状況により異なります。ちなみにPEファンドから調達した資金は返済不要であるため、返済や利子などを気にせず経営に取り組める点もメリットです。

②手厚いハンズオン支援

PEファンドの目的は、企業価値の向上による利益獲得にあります。企業価値向上のために、専門家の派遣や経営戦略の構築などの手厚いハンズオン支援を実施してもらうことが可能です。ハンズオン支援とは、企業の経営に深く関与する支援をさします。

つまり、これまで培ってきた投資経験にもとづいた質の高いサポートを提供してもらえます。PEファンドからの支援を受ければ、着実かつスピーディーに経営目標を達成することが可能です。

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③M&Aのサポート

最近では多くの企業がM&Aを活用していますが、中小企業がM&Aを実施する際には困難が伴います。なぜなら、相手探し・デューデリジェンス・バリュエーションなど、M&Aでは膨大なプロセスの遂行が求められるためです。しかし、PEファンドを利用すれば、中小企業のM&Aをサポートしてもらえます。

中小企業の経営者様がM&A検討される場合は、PEファンド以外にM&A仲介会社に依頼する方法もあります。

M&A総合研究所は主に中小・中堅規模のM&Aを取り扱っており、支援実績豊富なアドバイザーによる専任フルサポートを行っています。

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④人材紹介

PEファンドは、人材紹介機能も担う存在です。そもそもPEファンドは複数の企業に投資しており、さまざまな業界・企業と深い関係性を築いています。そのため、自社の企業価値を向上させるうえで必要な人材を紹介してくれるケースも珍しくありません。

企業を経営するうえで新規事業を始める際、人材不足に悩まされるケースも多いです。しかし、PEファンドを利用すれば、企業価値の向上につながる人材を確保できる可能性があります。

プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)の支援を受けるデメリット

次に、PEファンドの力を借りることで生じるデメリットとして以下の3つを取り上げます。

  1. いずれイグジットしなくてはいけない
  2. 経営の自由度が制限される
  3. 借り入れを行った場合に返済義務を負担する

これら3つのデメリットを押さえておけば、自社においてPEファンドの活用を慎重に検討できるため後々のトラブルを回避できます。それでは、それぞれのデメリットを順番に把握しておきましょう。

①いずれイグジットしなくてはいけない

PEファンドは、IPOあるいはM&Aによる資金回収を目的に出資を実施します。つまり、PEファンドから出資を受けたら、イグジットを目指さなければなりません。

そのため、長期にわたり自身で経営することを前提にPEファンドを活用する戦略は、最適ではない可能性もあります

【関連】イグジットとは?イグジットの種類とメリット・デメリット

②経営の自由度が制限される

経営面でさまざまなサポートが受けられるとはいえ、すべてを都合良く利用できるわけではありません。

PEファンド側は利益の獲得が目的であるため、利益に直結する行動を優先します。そのため、株式の過半数を保有されるとファンド側の意思決定に従わなくてはいけない点には注意しましょう。

③借り入れを行った場合に返済義務を負担する

PEファンドの介入を受ける際、事業再生のために借り入れるケースがあります。借り入れを行った場合は、もちろん返済義務が発生するため注意が必要です。

例えば、創業から間もないベンチャー企業や事業が停滞している企業などでは、資金返済が重荷となるリスクがあります。

プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)のまとめ

本記事では、PEファンドについて幅広く解説しました。PEファンドのサポートを得れば、資金面・経営面が強化されるほか、M&Aプロセスを進行させることも可能です。その一方で、経営の自由度低下・イグジットが強制されるなどのデメリットも存在するため注意しましょう。

したがって、PEファンドを利用する際は、メリットとデメリットを天秤にかけたうえで活用を検討する必要があります。もしもPEファンドを活用したいならば、まずは相談してみると良いでしょう。本記事の要点は、以下のとおりです。

・プライベート・エクイティ・ファンドとは
→未公開株式(プライベートエクイティ)の運用を手掛けるファンド

・PEファンドの種類
→ベンチャーキャピタル、バイアウトファンド、事業再生ファンド、ディストレスファンド

・PEファンドの支援を受けるメリット
→豊富な資金提供、手厚いハンズオン支援、M&Aのサポート、人材紹介

・PEファンドの支援を受けるデメリット
→いずれイグジットしなくてはいけない、経営の自由度が制限される、借り入れを行った場合に返済義務を負担する

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