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2021年4月29日更新資金調達
中小企業向けの助成金と補助金
中小企業にとって助成金や補助金は資金調達の手段として非常に有効なものです。助成金と補助金にはどのような違いがあり、支給を受けるためにはそれぞれにどのような条件があるのでしょうか。中小企業が活用できる助成金、補助金について詳しく解説します。
中小企業向けの助成金・補助金は資金調達手段
中小企業にとって資金に関する問題は常に経営課題として挙げられます。最近は中小企業向けの助成金や補助金が充実しており、これを活用することで資金源を確保できる可能性が高まりました。中小企業の助成金や補助金は資金調達の手段として有効的といえるでしょう。
今回は中小企業の助成金・補助金に関する基礎的な知識や、実際に助成金・補助金を受ける際に必要な手続きなどについてお伝えしていきます。
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中小企業の定義
助成金や補助金の受給に限らず、中小企業に関する何らかの制度を利用する際に重要なのは中小企業の定義です。中小企業の定義は資本金や従業員数によって定まっており、いずれかの条件を満たすことで中小企業であると定義されます。
また、業種によって定義となる数字が微妙に異なっているので留意しておく必要があります。各業種における中小企業の定義を順に見ていきましょう。
製造業その他
資本金の額、あるいは出資の総額が3億円以下の会社。または常時使用している従業員の数が300人以下の会社、あるいは個人。
卸売業
資本金の額、あるいは出資の総額が1億円以下の会社。または常時使用している従業員の数が100人以下の会社、あるいは個人。
小売業
資本金の額、あるいは出資の総額が5千万円以下の会社。または常時使用する従業員の数が50人以下の会社、あるいは個人。
サービス業
資本金の額、あるいは出資の総額が5千万円以下の会社。または常時使用する従業員の数が100人以下の会社、あるいは個人。
以上のように、業種によって定められた条件のいずれかを満たしていれば中小企業と定義されることになります。
しかし、条件を満たしていても中小企業に該当しない場合もあります。たとえば大企業のグループ傘下にある完全子会社など、大企業と密接な関係を持っている中小企業は「みなし大企業」とされるため、助成金・補助金の審査の際に中小企業として扱われない可能性があります。
あくまで中小企業の定義は原則的なものであり、例外もあることを念頭に置いておく必要があります。
中小企業の助成金と補助金の違い
中小企業の定義に続いて、ここでは助成金と補助金の違いについてお伝えしていきます。助成金と補助金はどちらも支援として提供されるお金という共通点があり、名前のニュアンスも近いため、混同しやすいものかと思います。
しかし、助成金と補助金とは支給されるタイミングや意味合いが全く異なるものであり、混同すると資金調達のプランが狂ってしまうケースもあります。助成金・補助金の違いは明確に把握しておきましょう。
助成金とは?
助成金は簡単に言えば「一定の条件を満たすことで支給されるお金」を指します。つまり助成金は初めから支援のために支給されるものではなく、支給対象が一定の条件を満たしていれば支給されるものです。
そのため、企業向けの助成金の場合、一定の条件を達成するために企業が努力をする必要があります。助成金は一定の条件を達成した「ご褒美」のようなものだといえるでしょう。
助成金は返済の義務がないものであり、条件を満たすことができればどんな企業でも受け取ることができ、複数の助成金を受け取ることも可能です。助成金は主に厚生労働省が実施している施策によるものです。
また、助成金は大きく分けて雇用関係の助成金と研究開発用の助成金の2つの種類があります。前者に関しては昨今中小企業だけでなくさまざまな企業に求められている労働環境の改善(残業や有給休暇など)と関連しているものが多いことが特徴です。
補助金とは?
一定の条件を満たせば得られる助成金に対し、補助金は企業の何かしらの事業や取り組みを奨励するために支給されるものです。
一定の条件を満たさなければならない助成金とは違い、何かしらの事業や取り組みを行う企業であれば支給の対象になります。補助金も助成金と同様に、返金の必要はありません。
もちろん補助金ももらえるとは限りません。基本的に補助金の支給を申請する場合、特定の期間内に応募し、審査を受けなければならないケースがほとんどです。
審査である以上は当然のことながら落ちる可能性もあり、その場合は補助金を受け取ることはできません。補助金を受け取るにはいかに審査を通過するかが重要になります。
審査を通過するコツは補助金の性質によっても異なりますが、共通しているのは「事業計画がしっかりしており、なおかつ達成する可能性がある」ということ。そして、何より「補助金の申請をした企業が社会の役に立つ企業であるかどうか」がポイントとなります。
昨今は補助金を獲得するための審査に通過できるように事業計画などの作成に協力するサービスを提供する経営コンサルティング会社などもあるため、そういった企業の協力を得るのもいいでしょう。
ただし、補助金は用意された予算に達した場合や、応募企業が一定数以上に達したところで終了となってしまうこともあるので気をつけましょう。補助金について検討しているのであれば、常に新しい情報を収集しておくことが重要です。
助成金と補助金に共通していること
助成金と補助金の違いについて見てきましたが、一方で助成金と補助金のどちらにも共通している点もあります。その一つは、助成金も補助金も受け取るタイミングは申請後すぐではなく、一定以上の期間を置いてからであるという点です。
その期間は数か月の場合もあれば一年近く経過してからの場合もあります。助成金や補助金を資金調達として利用する場合、支給されるタイミングをあらかじめ計画に組み込んでおく必要があります。支給されるタイミングを正確に把握しておかなければ、資金繰りが悪化する原因にもなります。
また、補助金の項で触れましたが、助成金の場合も含めて申請する際には審査をサポートしてくれる経営コンサルティング会社など外部の専門家の協力を得ることをおすすめします。
助成金・補助金を獲得するための協力はもちろん重要ですが、自社に見合った助成金・補助金を見つけるのにも専門家の協力を得た方がいいでしょう。助成金・補助金は国だけでなく地方自治体などによるものもあるため、その種類はさまざまです。
その中から自社に合ったものを見つけるのは決して簡単ではありません。最近では中小企業を対象とした情報サイトなどでも助成金・補助金の情報が紹介されていることも多いので、常にさまざまな情報を集めておくといいでしょう。
中小企業向けの助成金・補助金の種類
中小企業向けの助成金・補助金には、具体的にどういったものがあるのでしょうか。助成金・補助金の種類は非常に多く、全てを紹介するのは難しいので、ここでは代表的なものをご紹介します。
中小企業向けの助成金
中小企業向けの助成金の中でも一番使いやすいものは、雇用関係の助成金です。雇用関係の助成金は多種多様であり、一定の条件を満たせば受けられるものであるため、審査や応募期間など制約が多い補助金と比べると受給できる可能性が高いものといえます。
雇用関係の助成金でおすすめのものは、以下の4つです。
- 三年以内既卒者等採用定着奨励金
- トライアル雇用奨励金
- 職場定着支援助成金
- 特定求職者雇用開発助成金
それぞれの助成金がどういったものか、ご紹介します。
三年以内既卒者等採用定着奨励金
学校などの既卒者や中退者の応募機会の拡大、および採用・定着を図るための奨励金です。既卒者などが応募可能な新卒求人の申込みまたは募集を新たに行い、採用後一定期間定着させた事業主に対して支給される奨励金となっています。
トライアル雇用奨励金
職業経験の不足などの理由で就職が困難な求職者を原則3カ月間の試行雇用をすることによって、その適性や能力を見極め、常用雇用への移行のきっかけとすることを目的とした助成金です。
職場定着支援助成金
従業員の評価・処遇制度や研修制度、健康づくり制度、メンター制度などといった雇用管理制度の導入などによって、従業員の離職率低下に取り組む事業主に支給される助成金です。
特定求職者雇用開発助成金
シングルマザーや高齢者、障がい者などをハローワーク、または有料・無料の職業事業所からの紹介を受けて一定以上労働する従業員として雇用した際に支給される助成金です。
中小企業向けの補助金
中小企業向けの補助金も助成金同様に多くの種類がありますが、応募期間や審査などで制限がついている点に留意しておく必要があります。
ただし、補助金の種類によっては一年に数度申し込みできるものもあり、そういった種類のものは受給できる可能性が高まります。希望の補助金がある場合には常に情報を収集しておくことが重要です。
中小企業向けの代表的な補助金には、以下のようなものがあります。
- ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金
- 地域創造的起業補助金
- IT導入補助金
- 事業承継補助金
それぞれの補助金について、説明していきます。
ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金
ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金は、生産性向上に資することができる革新的サービスや試作品の開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援するための補助金です。
地域創造的起業補助金
地域創造的起業補助金は新たな需要や雇用の創出などを促し、国の経済を活性化させることを目的とした補助金です。新たに創業する者に対して、創業に要する経費の一部を助成するものです。
IT導入補助金
業務効率化や生産性向上のためにITを業務に取り入れる中小企業が活用できる補助金です。2017年に経済産業省が提供する補助金として新たにスタートし、現在最も注目されている補助金の一つです。
ソフトウェアやクラウドといったITツールの導入に対して経費の半額が返済不要で提供される制度で、支給額も年々増加しており2019年度は上限450万円となっています。
事業承継補助金
事業承継補助金はその名の通り事業承継のための補助金です。事業再編や事業統合をきっかけとして経営革新などに取り組む企業や経営転換に取り組む企業を応援するものです。
なお、事業承継には税務や法務、経営・労務など多面的な考察が必要です。メリットを最大化した上で事業承継を行うためには、M&A仲介会社などの専門家へ相談することをおすすめします。
M&A総合研究所では、さまざまな業種での仲介実績があるアドバイザーが親身になってフルサポートをいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
中小企業向けの助成金と補助金を受けるための手続きの流れ
中小企業向けの助成金と補助金を受けるための手続きの流れは以下の通りです。
- 助成金・補助金の情報を収集する
- 必要な申請書を取り揃えて申請する
- 必要があれば審査委員会の審査を受け、採択された際には交付書を受ける
- あらかじめ提出した事業計画に沿って事業を実施する
- 助成金・補助金の交付を受ける
あくまでもこれは手続きの目安であり、助成金・補助金の種類によってプロセスが異なることもあります。また必要となる書類も助成金・補助金の種類によって異なっており、それぞれ事前に確認して準備をしておく必要があります。
助成金・補助金は実際の交付まで時間がかかることがあり、特定の応募期間や審査がある補助金に関してはしっかりとスケジュールを組んだ上で準備を進めなければなりません。最近では経営コンサルティング会社などの外部の企業が助成金・補助金の手続きを代行してくれるサービスもあります。
もちろん経営者が自ら申請書のフォーマットをダウンロードして行うこともできますが、書類の不備が発生するリスクを踏まえると、助成金・補助金に詳しい外部の専門家の協力を得たほうが確実でしょう。
まとめ
助成金・補助金は多種多様であり、中小企業向けのものも多くあります。中には支給を受けやすいものもあるため、資金調達の手段として活用できるでしょう。しかし、助成金・補助金を利用する際には情報を正確に把握しておく必要があります。
そのため経営者は常に情報を収集しておくだけでなく、専門的な知識を持つ外部のスペシャリストに協力を求めることも必要になるでしょう。
今回の記事をまとめると以下のようになります。
・中小企業の定義は?
→定められているが、業種によって条件は異なり、例外もある
・助成金と補助金の違いは?
→助成金は一定の条件を満たすことで支給されるもの、補助金は企業の何かしらの事業や取り組みを奨励するために審査を経て支給されるもの
・助成金と補助金の共通点は?
→どちらも受け取るタイミングは申請後すぐではなく、一定の期間を置いてからであること
・中小企業向けの助成金のおすすめは?
→三年以内既卒者等採用定着奨励金、トライアル雇用奨励金、職場定着支援助成金、特定求職者雇用開発助成金
・中小企業向けの補助金のおすすめは?
→ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金、地域創造的起業補助金、IT導入補助金、事業承継補助金
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