M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2023年8月31日更新会社・事業を売る
資金調達の方法とは?分類、選ぶポイントも解説
経営者が活用できる資金調達方法はさまざまなものがあり、方法によって、資金調達の可能性や背負うリスクも変わるものです。本記事では、資金調達方法の分類と各特徴、メリット・デメリット、具体的な資金調達方法とともに、それらを選ぶポイントを解説します。
目次
資金調達方法の3大分類
企業を動かすうえで資金は必要不可欠なリソースです。最近は時代の変化に伴い、資金調達の方法も多様化しており、多くの経営者は安定した資金調達の実現方法に頭を悩ませています。企業にとって、いかに資金調達を実践するかは非常に重要な課題です。
資金調達方法は、アセットファイナンス、デッドファイナンス、エクイティファイナンスの3つに分類されます。
- アセットファイナンス:会社の資産を売却して現金化
- デッドファイナンス:企業および個人から借りる(銀行借入や債券発行など)
- エクイティファイナンス:会社への出資を受ける
資金調達方法の分類①アセットファイナンス
まずは、アセットファイナンスのメリット・デメリット、具体的な資金調達方法を解説します。
メリット
アセットファイナンスのメリットは、以下のとおりです。
- 資金を低コストで獲得可能
- 保有資産を貸借対照表から切り離し可能
保有資産の信用力をもとに、企業の信用力が低下している場合でも、低コストで資金が得られることがメリットの1つです。また、資産の売却は、保有する資産を貸借対照表から切り離すことにもなり、財務体質の改善ができることもメリットといえます。
デメリット
アセットファイナンスでは、将来的にキャッシュを生み出せるなど、信用力のある資産を保有していなければ、この方法は使えない点がデメリットといえます。
具体的な資金調達方法
アセットファイナンスの具体的な資金調達方法を解説します。
- ファクタリング(売掛債権の売却)
- リースバック
ファクタリング(売掛債権の売却)
ファクタリングとは、売掛債権を売却して資金調達する方法です。売掛債権とは、企業の営業活動による商品・サービスの売上代金のうち、受け取り予定の代金を請求できる権利をさします。売掛金が支払われるまで、一般的に1〜数カ月の期間が必要です。
この売掛金が支払われるより早く、売掛債権を売却することで資金調達をします。ファクタリングを利用すると、手数料は発生してしまいますが、即日の現金化が可能です。また、自社の信用力がなくても、売掛金の支払先の信用力が高ければ利用できる特徴があります。
ただし、信用力の高い取引先を持っていることが前提であり、あまり信用力のない取引先の売掛金でファクタリングを使うと、手数料が高額になる可能性があることが懸念点です。
リースバック
リースバックとは、自社で所有し事務所や店舗などに使用している不動産がある場合、それをリース会社に売却して現金を調達することです。リースバックでは、売却とセットでリース会社と賃貸契約を結ぶので、事務所や店舗は引越しすることなくそのまま使用できます。
ある程度のまとまった現金が一括で調達できるうえ、売却により固定資産税の負担がなくなることも利点です。事務所や店舗はそのままであるため、周囲に売却を知られません。将来、買い戻すことも可能です。
ただし、売却以降は今まで発生していなかった家賃支出が毎月あることと、売却の際に手数料も発生します。また、該当不動産に抵当が付いている場合は、抵当権者の承諾がなければ売却できません。売却の承諾が得られる場合でも、抵当権抹消費用が発生します。
資金調達方法の分類②デッドファイナンス
続いて、デッドファイナンスのメリット・デメリット、具体的な資金調達方法を解説します。
メリット
デッドファイナンスのメリットは、以下のとおりです。
- 資金調達先が豊富で資金調達しやすい
- 税金の抑制効果がある
他の2つの方法(アセットファイナンス、エクイティファイナンス)と比較すると、資金調達先が豊富で資金を得やすい方法です。また、利息の支払は税務上の損金として扱われるので、税金を抑える効果があります。
デメリット
デメリットは、以下が挙げられます。
- 将来のキャッシュフローが返済と利息の支払いの分だけ減少する
- クライアントなどからの信用を失ってしまう可能性がある
返済と利息の支払いに応じて、将来のキャッシュフローが減少します。また、借入れた資金に応じて、自己資本比率が下がるため、資金力がないと判断されてしまい、クライアントなどからの信用を失ってしまう可能性も否定できません。
具体的な資金調達方法
デッドファイナンスの具体的な資金調達方法を紹介します。
- 金融機関からの融資
- 身近な人からの借入
- ビジネスローン
- 少人数私募債の発行
金融機関からの融資
銀行や日本政策金融公庫などの金融機関から融資を受ける方法です。中小企業にとって、広く活用されている資金調達でしょう。近年は、創業する経営者が活用できる創業融資や自己資本比率を上げられる劣後ローンなど、企業の事情を鑑みた融資が実施されるようにもなってきました。
ただし、創業したばかりで実績がない、知名度がないなど社会的信用度が低い状態だと、金融機関から資金調達できない可能性があります。規模が小さい企業は、担保や保証人を用意できないことも多く、そうなると金融機関からの信用性を上げるのは困難です。
何よりも、融資の難点は返済にあります。一般的な融資は、返済期間が来れば、経営が赤字になっていようがいまいが関係なく返済を迫られるものです。そうなれば、資金力が弱いベンチャー企業は窮地に立たされてしまうでしょう。
したがって、金融機関から資金調達する際は、自社の状態に合う融資を選択し、なおかつ返済を含め慎重に計画を立てる必要があります。
身近な人からの借入
規模が限られている中小企業にとって、金融機関からの借入より資金調達しやすいといえるのが、友人や親戚など身近な人からの借入です。融通が利きにくい金融機関からの資金調達と比べ、ある程度、条件に都合をつけやすいメリットがあります。
借りる相手との信頼関係ができていれば、経営状態が悪いときには返済をずらすなど、融通を利かせやすいメリットもあります。一方で、個人とのお金のやり取りであるため、トラブルが発生するリスクもあるでしょう。
個人からとはいえ、借入をする以上、そのお金のやり取りは正式な融資です。トラブルが発生しないように、資金調達する際にはしっかりした協議が必要になります。
ビジネスローン
ビジネスローンとは、企業や個人事業主が行う事業専用のローン商品です。銀行のほかにもクレジットカード会社、信販会社、消費者金融業者などが扱っています。限度額や融資条件などは各社さまざまですが、一般的な銀行融資と比べ以下の点が特徴です。
- 審査が早く融資まで短期間ですむ(1日~1週間程度)
- 銀行融資よりも上限額が低い
- 銀行融資よりも審査が通りやすい
- 銀行融資よりも利子が高い(15%前後)
融資実行が早い反面、利子がだいぶ高いので、緊急避難的な資金調達方法として用いるべきでしょう。
少人数私募債の発行
少人数私募債とは、会社が発行する社債を金融商品取引法の定めにのっとって、縁故者など一定の少人数(50人未満)に対して販売するものです。縁故者とは、親族、知人、取引先、個人投資家などが該当します。少人数私募債は、返還期限日に一括返済です。
返還期限までの間は、毎月、利子のみを支払います。毎月の返済は楽ですが、返還期限日に全額用意しなければなりません。なお、少人数私募債の発行可能金額は、1億円未満と規定されています。
資金調達方法の分類③エクイティファイナンス
ここでは、エクイティファイナンスのメリット・デメリットや、具体的な資金調達方法を解説します。
メリット
エクイティファイナンスのメリットには、以下の2つが挙げられます。
- 調達した資金の返済義務が発生しない
- 財務基盤が安定する
原則として、調達資金の返済義務が発生しません。また、自己資本が増強されるため、財務基盤が安定します。
デメリット
デメリットは、以下のとおりです。
- 会社の経営権が危うくなる可能性がある
- 配当金を支払う義務が増加する
出資者が増えることで、会社の経営権が危うくなる可能性があります。経営者の議決権比率が低下し、万が一、出資者が3分の1以上の議決権を得ると株主総会の特別決議が可決できません。また、株主に対して収益に応じた配当金を支払う義務が生じます。
具体的な資金調達方法
ここでは、エクイティファイナンスの具体的な資金調達方法を3つ紹介します。
投資
株式会社であれば、投資によって資金調達するケースもあります。株式を買ってもらうことで資金を得る方法です。個人投資家に直接投資を持ちかける方法もあれば、エンジェル投資家の力を借りる方法もあります。
いずれにせよ株式を購入してもらい資金を得る方法ですので、返済する必要がない資金調達方法であり、株主を増やせばより多くの資金を獲得することが可能です。しかし、出資者を増やす以上、経営のスタンスをある程度、変える必要が生じる可能性があります。
株式会社は株主の利益を念頭に置く必要があり、株主である投資家の意向をある程度、把握しておかなければいけません。個人投資家の場合、自身の損得を優先して行動する可能性もあります。株主でいる利益がないと判断すれば、離れてしまう恐れもあるでしょう。
経営権に影響を及ぼす普通株式を使う場合、所有される株式の比率によっては経営権が揺らぐ恐れもあります。日本ではあまり多くありませんが、経営権を強引に獲得する敵対的買収もあり得るものです。
その意味では、投資による資金調達を実施する際は、いかに株主との利害を調整するかが重要となります。また、経営権をいかに守っていくかも、経営者が考えるべき課題です。
クラウドファンディング
インターネットの発展により資金調達方法として存在感を増しているのが、クラウドファンディングです。不特定多数の一般人から資金調達する方法で返済は不要です。企画している製品やサービスの注目度が高ければ、いち早く十分な資金を獲得できる可能性が高くなります。
従来のクラウドファンディングでは、一定の金額に達してからリターンを提供していました。しかし最近では、出資と交換で株式取得させる投資型のクラウドファンディングもあります。今後もクラウドファンディングを用いた資金調達は、多様化していくでしょう。
他方で、クラウドファンディングは、ダイレクトにユーザーと繋がる資金調達方法でもあります。会社の計画に対する責任を求められるため、期待に応えられるだけの製品・サービスを提供できなかった場合、出資者から猛反発を受ける可能性が高いです。
クラウドファンディングで一般人から資金調達する以上、どれだけのリターンを約束できるのか、そのリターンの実現可能性は十分かを、しっかり見定める必要があります。
支援する一般人からしても、ある程度のリスクを踏まえたうえでお金を出すものです。経営者はその点をしっかり理解したうえで、クラウドファンディングを実施しなければなりません。
M&A・事業譲渡
M&Aを行い、会社の事業部門や子会社を売却するという方法で資金調達することも可能です。M&Aの事業譲渡や株式譲渡、第三者割当増資などでは、事業の一部、事業部、会社全体、あるいは株式の一部を売却など、複数の選択肢があります。
自社にとって適切なM&A手法を選択し成立させるには、専門家のサポートが欠かせません。M&Aをお考えの際は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所には、専門的な知識や経験が豊富なM&Aアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを活かしM&Aをフルサポートいたします。
料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。M&Aに関して随時、無料相談をお受けしておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
その他の資金調達方法
ここでは、アセットファイナンス、デッドファイナンスおよびエクイティファイナンス以外の資金調達方法を解説します。
補助金・助成金
公的に実施されている補助金・助成金制度を活かして、資金調達する方法もあります。最近は、設備投資や特定事業の応援を目的とした補助金や助成金が多くなりました。その中には、中小企業に向けて実施されている制度も多く存在します。
補助金・助成金を用いて資金調達すれば、会社の負担を軽減できるでしょう。ただし、補助金・助成金は実際の出費が発生した後に、その一部を補填するものです。投資や融資のように、まずお金が入ってくるわけではなく、最初に必要な経費を出費する必要があります。
また、確実に補助金・助成金を得られるとは限りません。種類によっては審査が必要であり、基準が厳しいものもあります。補助金・助成金を取得できた会社が、応募総数の3分の1以下であるケースも少なくありません。
そういった意味では、資金調達というより、あくまで企業の負担を軽減する手段として考えるべきといえます。
資金調達の方法を選ぶポイント
最後に、資金調達の方法を選ぶポイントとして以下の2点を解説します。
- 資金調達にかかるコストを確認する
- 事業形態や業績により利用できる資金調達方法は異なる
資金調達にかかるコストを確認する
資金調達の方法によっては、資金調達した結果、出費を伴うことがあります。この金銭的コストを資金調達後の資金繰り計画に含めておかないと、資金ショートに陥りかねません。注意しておきましょう。主な金銭的コストは以下のようなものがあります。
- ファクタリング:手数料
- リースバック:手数料、毎月の家賃
- デッドファイナンス全般:融資は返済義務があり利子も発生
また、資金調達では時間的コストにも留意しましょう。資金調達における時間的コストとは、以下のようなものです。
- デッドファイナンス全般:金融機関に提出する資料の作成、審査終了までの待機期間
- 投資:投資者に提出する資料の作成、プレゼンテーションの準備と実行
- クラウドファンディング:プロジェクトの広報活動、支援者に行うリターンのための準備
事業形態や業績により利用できる資金調達方法は異なる
資金調達は、事業規模、社歴、経営状態、過去の業績、事業計画の合理性などによって、実現しやすい方法が異なります。顧問税理士、取引金融機関、取引先、ベンチャーキャピタル、M&A仲介会社など、各専門家に相談することで自社に適した資金調達方法を見い出しましょう。
資金調達の方法まとめ
資金調達は規模を問わず、さまざまな会社の経営者が考える課題です。資金調達の手段が限られてしまう中小企業は、より安定的な資金調達を実現するために日々努力しています。
幸いにも最近は、中小企業を支援する公的な制度やクラウドファンディングなど、新しい資金調達方法も活用可能となりました。さまざまな方法の中から、自身の会社の状況に合わせた資金調達方法を活用しましょう。
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