2020年3月21日更新会社・事業を売る

M&Aの基本合意書

M&Aで締結する契約書に、基本合意書があります。本記事ではM&Aを実施する際の基本合意書の内容や、基本合意書の独占交渉権、法的拘束力などを説明します。また、上場企業のM&Aにともなう適時開示義務も解説します。M&Aをご検討であればぜひ参考にしてください。

目次
  1. M&Aの基本合意書
  2. M&Aの基本合意書とは
  3. M&Aにおける基本合意書の内容
  4. 基本合意書と独占交渉権・法的拘束力の関係
  5. 上場企業のM&Aにおける適時開示義務
  6. 売り手企業が注意するポイント
  7. 買い手企業が注意するポイント
  8. まとめ
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M&Aの基本合意書

大企業のみならず中小企業も、M&Aを活用する時代に入りました。海外進出や後継者問題の解決、主力事業への集中など、M&Aによりさまざまな目的が実現可能です。メリットが多いM&Aですが、実行するのは簡単ではありません。また、M&Aの実行までは膨大な労力と時間を要します。

M&Aでは、多種多様な手続きを行います。バリュエーションやデューデリジェンスなどの手続きを経て、M&Aの最終契約を締結しますが、それまでにいろいろな契約書を作成します。M&Aの契約書は、弁護士などのM&Aアドバイザリーと協力して、その都度契約書を作成すればM&Aを円滑に実施できます。

後々のトラブルを避けるためにも、M&Aの契約書は欠かせません。数ある契約書の中で特に重要なのが基本合意書です。この記事では、M&Aにおける基本合意書について詳しく解説します。M&Aで会社を売買したい方は必見です。

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M&Aで基本合意書を締結する目的

M&Aの基本合意書とは

基本合意書は、M&Aの基本的な条件について合意を固める目的で作成する契約書です。大半のM&Aでは、経営者同士の面談や交渉を経た時点で、基本合意書を締結します。デューデリジェンスの直前に締結するイメージです。

基本合意書は実務上、Letter of Intent(LOI)ともいいます。法律的には、基本合意書の締結は義務ではありません。しかし、それまでの交渉で合意した内容をまとめる重要な役割を果たします。またM&Aのプロセスに一区切りをつける意味でも、非常に大切です。

基本合意書がなければ、後々M&Aの過程でトラブルが生じる恐れもあります。円滑なM&Aを実現するには、基本合意書にて条件を整理するのがベターです。また基本合意書では、最終契約までに双方が実行すべき義務を明確にします。

契約締結後にも、M&Aには行うべき実務が数多くあります。特に、デューデリジェンスというプロセスが大切です。デューデリジェンスとは、M&Aの相手企業を詳細に調査することです。デューデリジェンスをスムーズに実行するには、売り手・買い手の協力が必須です。

双方が行うべき義務を明確化するうえでも、M&Aに基本合意書は欠かせません。M&Aの基本合意書に記載する内容は下記です。

  • M&Aの対象企業とスキーム
  • 希望のM&A金額
  • M&Aのスケジュール
  • M&A取引の独占交渉権
  • デューデリジェンスに関する事項
  • 秘密保持義務
  • 法的拘束力の範囲

基本合意書では、M&Aに関する重要事項を整理します。次項で、内容について具体的に解説します。

M&Aにおける基本合意書の内容

この項では、M&Aの基本合意書の内容について解説します。ここで説明する内容だけでなく、M&A取引によっては内容を付け加えるケースもあります。

M&Aの対象企業と手法

M&Aの対象企業の名称と利用するM&A手法に関して記載します。M&A手法には、株式譲渡や事業譲渡、会社分割があります。会社ごと売却・買収する場合には、株式譲渡、一部の事業のみ売却・買収する際には事業譲渡を用います。中小企業のM&Aでは、株式譲渡が用いられることが多いです。

M&Aの価格

買い手が予定するM&Aの買収価格も記載します。ただこの時点では、完全にM&A価格が決定していないケースが多いです。そのため、記載する価格にはある程度幅を持たせます。またデューデリジェンスの結果次第では、妥当なM&Aの金額が変動します。

よって基本合意書には、デューデリジェンスの結果をM&Aの金額に反映する旨を記載するのが無難です。

M&Aのスケジュール

M&Aスケジュールについて、大枠を取り決めます。つまり、何をいつまでに実行するかを決定します。その際には、M&Aの予定クロージング日も設定します。

デューデリジェンスに関する事項

デューデリジェンスでは、さまざまな範囲を調査します。M&Aで調査する範囲は財務や税務、ビジネス、法務、ITなどです。基本合意書では、どの範囲までデューデリジェンスを実行するか記載します。また、デューデリジェンスを実施する期間も盛り込みます。

デューデリジェンスの実施には、売り手企業の協力が欠かせません。協力を要請する意味でも、M&Aで調査する範囲の明確化が必須です。

秘密保持義務

M&Aでは、企業のトップシークレットに当たる情報を公開し合います。万が一情報が漏洩すれば、M&Aどころか今後の経営に支障がでます。よってM&Aでは、秘密保持義務を互いに設定します。特に売り手企業は、M&Aの実行に際し、数多くの機密情報を提供します。

M&Aの実行自体が機密情報であるケースが多いです。そのため売り手企業は、秘密保持義務の履行を相手に強く求める必要があります。

さまざまな専門知識を必要とするM&Aなので、もしM&Aをお考えの場合は専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、多くのM&Aを成約に導いた実績があるM&A総合研究所にぜひご相談ください。

また、通常のM&A取引は交渉から成立まで半年から1年程度かかることが基本的ですが、M&A総合研究所では早いクロージングを目指しており平均3ヶ月という短期間でのクロージングを実施可能です。初回の無料相談後も一切費用が発生しない完全成功報酬制で、成功報酬は国内最安値水準で皆様からご好評をいただいております。
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デューデリジェンスとは?目的・方法・種類
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基本合意書と独占交渉権・法的拘束力の関係

ここでは、独占交渉権と法的拘束力について解説します。

独占交渉権

M&Aでは、独占交渉権を設定するケースがあります。独占交渉権とは、売り手企業と独占的にM&Aの交渉を進める権利です。売り手企業は他の企業とのM&Aの交渉が、不可能となります。買い手企業は、独占交渉権を基本合意書に盛り込むように交渉します。

独占交渉権を盛り込めば、M&Aを実行する可能性が高まります。独占交渉権の期間は、極力長期間に設定するのがベストです。一方、売り手企業は、M&Aの際に独占交渉権を与えない方が良いです。さらに良い相手が現れても、M&Aの交渉を実施できないからです。

ただM&Aを実現する可能性が高い状況では、基本合意書に盛り込んでも問題ありません。独占交渉権は、売り手と買い手の利害が一致しない権利です。よってM&Aの際は、基本合意書に盛り込むか慎重に考える必要があります。

法的拘束力

必ずしもM&Aの際に基本合意書を締結する必要はありません。基本的に、基本合意書には法的拘束力がありません。ただ一部の条項は、法的拘束力を設定した方が良いです。独占交渉権やデューデリジェンスは、法的拘束力を持たせるべきです。

特に独占交渉権は、ほぼ必ずM&Aの基本合意書に盛り込まれます。独占交渉権は、確実にM&Aを進める手段として有効ですが、法的拘束力がなければ約束を破っても問題ありません。つまり法的拘束力がなければ、M&Aで独占交渉権を設定する意味はありません。

一方、基本合意書には、法的拘束力を持つべきでない条項も存在します。その最たる例が「M&Aの価格」です。基本合意書締結の段階で法的拘束力を持つと、後々融通が効きません。

デューデリジェンスの結果により、妥当な企業価値が想定よりも低い場合、その時点でM&Aの価格を下げるべきです。しかし法的拘束力の存在により、M&Aの価格は変更できません。その結果、買い手は損失を被ります。このような事態を避けるために、M&Aの価格は法的拘束力を持つべきではありません

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独占交渉権とは?M&Aにおける独占交渉権

上場企業のM&Aにおける適時開示義務

上場企業がM&Aを実行する場合、基本合意書の取り扱いは中小企業と異なります。作成した基本合意書の内容を開示する義務が発生します。この義務を適時開示義務といいます。M&Aを公表した場合、少なからず周囲に影響がおよびかねません。従業員や取引先に不信感が募り、事業運営に悪影響が生じる恐れもあります。

また大企業のM&Aは、株価などにも影響がおよびます。必ずではありませんが、M&Aの実行を発表した時点で株価は変動し、投資家にも大きな影響が生じるでしょう。

M&Aの公表にはある程度のリスクが付きまとうため、大企業がM&Aを実行する際は、基本合意書を締結しないケースもあります。どちらが最適の判断かは、その時点では不明です。大企業がM&Aを行うときは、基本合意書の取り扱いを考慮する必要があります。

売り手企業が注意するポイント

M&A交渉中の買い手企業にそのまま買ってもらいたければ、独占交渉権を与え、法的拘束力のある基本合意書を締結します。それができないケースでも売買金額は記入し、デューデリジェンスで相当な理由が生じない限り、基本合意書の内容はその金額にします。

合意価格での取引は、誠実に交渉する義務や契約締結上の過失を認める可能性も高くなるため、注意してください。売り手企業は、独占交渉期間を3ヶ月から6ヶ月を望むケースがよくあります。長期の独占交渉期間を与える場合は、独占交渉権への例外条項を記入しましょう。

交渉中以外の買い手候補企業がいてあまり優先していないケースでは、基本合意書に法的拘束力は場合によってつけるかつけないか決めます。他に優先的な買い手がいれば、法的拘束力をつけない代わりに、独占交渉権も与えません。入札形式で最も有利な条件を示す買主候補者を選ぶために、独占交渉権は与えないのです。

買い手企業が注意するポイント

デューデリジェンスには高額な費用と時間がかかるため、独占交渉権をもらった後に一定期間、デューデリジェンスを行うことを基本合意書に記載します。基本合意書に法的拘束力がなくても、基本合意書に記せば、その変更に合理的な理由が必要です。

不合理な提案で交渉が破綻すれば、契約締結の過失などが問題となるため注意してください。独占交渉期間は長めにします。しかし長時間となれば、売り手企業が例外条項を求めるケースもあります。

このような例外を認める場合は買い手企業の負担費用を補い、例外を適用して取引から離脱する際に、売り手企業が一定の金額を払う記載も行います。

まとめ

今回は、M&Aの基本合意書について解説しました。M&Aはいろいろな契約を締結しますが、基本合意書の締結は特に重要です。基本合意書では、それまでの交渉で合意した内容を整理します。また今後のM&Aプロセスで行うべきことを明確にするうえでも大切です。

円滑なM&Aを担保する手段として、基本合意書の締結は有効です。基本合意書の内容は、M&Aアドバイザリーと考えるのが一般的です。不明な点があれば、M&Aアドバイザリーに相談してください。M&Aを実施する際は、基本合意書を締結しましょう。要点をまとめると下記になります。

・M&Aの基本合意書とは?
→M&Aの基本的な条件について、合意を固める目的で作成する契約書

・M&Aにおける基本合意書の内容は?
→M&Aの対象企業とスキーム、希望のM&A金額、M&Aのスケジュール、M&A取引の独占交渉権、デューデリジェンスに関する事項、秘密保持義務、法的拘束力の範囲

・M&Aにおける独占交渉権とは?
→売り手企業と独占的にM&Aの交渉を進める権利

・基本合意書の独占交渉権とは?
→持たせるべき条項と、持たせるべきではない条項がある

・上場企業のM&Aは?
→基本合意書の内容を開示する義務が発生

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