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サービサー(債権回収会社)とは?意味や業務内容、M&Aにおける注意点について解説

サービサー(債権回収会社)とは?意味や業務内容、M&Aにおける注意点について解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    サービサー

    サービサーという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

    サービサーとは債権回収会社のことを意味しており、金融業界にいる方にとってはよく聞く言葉の一つだと思います。

    しかしそれ以外の業界の方はサービサーが具体的にどんな意味か、どんな業務を行っているのかはわからないものでしょう。

    今回はサービサーの意味や業務内容、市場の状況、M&Aとの関係についてお伝えしていきます。

    サービサー(債権回収会社)とは?サービサーの意味

    サービサー(債権回収会社)の意味

    ここではサービサーの意味についてお伝えします。

    サービサーとは債権回収会社を指す言葉ですが、そもそも債権回収会社とはどういった会社なのでしょうか?

    サービサー(債権回収会社)とはわかりやすく説明すると「不良債権の処理場」であり、金融機関やノンバンクに代わって債権の請求や回収を行うことを主な業務としています。

    そもそも債権回収は弁護士にしかできないものでしたが、1997年頃に銀行をはじめとした金融機関の不良債権の処理が問題化し、1999年にサービサー法(債権管理回収業に関する特別措置法)が施行されてからは弁護士法の特例として民間でもサービサー業務ができるようになりました(取締役に弁護士を一人設置する必要はあります)。

    サービサーは現状数を増やしており、民間では100社近くにまで増えています(金融機関の関連会社であることが多いです)。

    サービサーのニーズがここまである理由は金融機関やノンバンクが抱えている不良債権の扱い方にあります。

    また、詳しくは後述しますが、サービサーがM&Aに関係する場面も少なくありません。

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    サービサー(債権回収会社)活用のメリット

    そもそも不良債権は金融機関やノンバンクにとって悩みの種になりがちなものです。

    資金力もなく、ずるずると返済を滞らせているような債務者によって発生した不良債権を金融機関やノンバンクはいつまでも抱えこむことはできません。

    何十年も回収を続けるだけの体力を金融機関やノンバンクは持っていませんし、そもそも多少の金額で回収できたからといって利益になるものでもありません。

    何より不良債権が積もってしまうと自己資本比率が下がってしまいます。

    もっとも最悪なのが不良債権は債権放棄したいと思ってもやりにくいという点にあります。

    不良債権を債権放棄する場合、ネックとなるのが税制です。

    回収不能になったと判断された不良債権を債権放棄する場合、そこに税金が発生します。

    下手すれば回収できるお金よりも多額の税金が発生するため、債権放棄をすればかえってコストがかかってしまうわけです。

    そんな時に役立つのがサービサーです。

    サービサーは金融機関やノンバンクから不良債権を買い取り、彼らの代わりに債権の請求や回収を行います。

    この際、金融機関やノンバンクはサービサーに不良債権を売却すると不良債権を税務上の損金として処理できるため、無税償却が可能になり、自己資本比率を高められるようになります。

    何より不良債権を回収する時間や手間を省略することができます。

    さらに正常債権に関しては履行期を待たずに現金化することが可能であるため、新たな投資などを行う資金にあてることができます。

    サービサー(債権回収会社)への債権譲渡と債務免除益

    ここではサービサーへの債権譲渡と債務免除益についてお伝えします。

    さきほどお伝えしたように金融機関やノンバンクは不良債権をサービサーに売却(債権譲渡)しますが、この際売却した不良債権が回収不可能、つまり返済しないことが確定しているものだった場合、債務者は債務免除益を計上する必要があります。

    債務免除益が発生する原理はDPO(Discounted Pay Off)と呼ばれています。

    サービサーは金融機関やノンバンクから債権譲渡を受けますが、この際本来の金額よりずっと割安で債権を買い取ります。

    基本的に債権譲渡の際の売却額は債権の金額の1%~5%程度になっていることが多く、いうなれば債権者は二束三文で不良債権を処分できます。

    そしてサービサーは債務者に対して金融機関やノンバンクが売却した金額以上の金額で一括弁済を求めていきます。

    たとえばAさんが金融機関に対して1000万円の債務を持っており、その債権を金融機関がサービサーに10万円で債権譲渡をしたとします。

    その場合、サービサーは10万円以上の金額でAさんに一括弁済を求めます。

    この際20万円でAさんが一括弁済を行えば、サービサーは10万円の利益をあげられ、Aさんには980万円の債務免除益が発生することになります。

    また、サービサーに利益のある申し出であれば一部弁済のみで残りの債務は免除してもらうことができる可能性もあります。

    これだけ聴くと資金力が尽きて弁済が難しい債務者にも、不良債権の回収に労力やコストをかけたくない債権者にとっても非常に有利なものになっているといえますが、債務者に関してはもちろん債務免除益は利益として見られるため、課税の対象になってしまうので注意してください。

    ただ、債務者が債務超過を解消するために債務免除を行った場合は非課税になります。

    また債務者が直接債権を弁済するのではなく、一度親族に債権をサービサーから買ってもらい、新たな債権者となった親族に対して無理のない範囲で弁済を続けていくという形にすれば大きく節税できる可能性があります。

    サービサー(債権回収会社)の業務状況

    サービサー(債権回収会社)の業務状況

    サービサーの業務状況は現在どうなっているのでしょうか?

    民間のサービサーはどんどん増えています。

    金融機関やノンバンクにとって不良債権は時間や労力、コストばかりを取っていくものであり、自力での回収が難しいと判断した場合は無税償却ができるサービサーは非常に重宝される存在だといえます。

    おまけにサービサーを利用する際に債務者にいちいち了解を取ったり、債権の売却額を知らせる必要はないため、スピーディーに実行できるのもサービサーの魅力だといえます。

    元々サービサーは不良債権の半減を国から命じられた銀行が不良債権の処理を急ピッチで行うために民間に解禁されたようなものでした。

    そのためサービサーが解禁された当初は、金融機関やノンバンクはそれこそ不良債権の処理をサービサーに依頼し、どんどん処理をするような流れが出来ていました。

    不良債権の処理がひと段落してからは競売手続きの手間を省くために不動産担保付きの債権をサービサーに任せたり、サービサーが利益になる債権を確保するために次々と債権を買いあさるような状況に変わっています。

    いうなれば銀行が不良債権の処理以外で面倒な手続きが発生する債権をサービサーに委託するようになり、サービサーの方も自分から利益になる債権を積極的に求めるようになっていったわけです。

    しかし後者に関しては債務者にとってあまりいいものではありません。

    サービサー(債権回収会社)と債務者

    自分から利益になる債権を積極的に求めているのはファンド系のサービサーに多いですが、このサービサーは消滅時効を迎えている債権も買いあさっており、その結果消滅時効を迎えた債権の債務者や保証人に請求や訴訟を行っているようなケースが増えています。

    そもそも日本では債務の管理が杜撰になっている債務者が少なくなく(それが不良債権が増えた原因でもあります)、サービサーから減額や分解の了解を得て時効の援用をすればいい債権もこれがきっかけで復活してしまうようなことになってしまいます。

    ただ、サービサーは営利目的の会社とはいえ、そもそも二束三文で買いたたかれている債権を扱っているため、交渉次第では債務の多くの免除できるようになります(債務免除益が大きいと税金も大きくなるので節税対策は必要です)。

    サービサーに請求、あるいは訴訟を起こされた場合はなるべく弁護士などの専門家をたてて交渉を行うようにしておきましょう。

    サービサーへの交渉を専門的にしている弁護士は多く、またサービサーも全ての債権を確実に回収できるという考えは持っていないため、交渉すれば資金力がない状態でも問題を解決できる糸口を見出すことができる可能性はあります。

    しかし債権の内容によっては交渉にかなり時間がかかったり、ある程度譲歩しないといけない場面もあることは理解しておきましょう。

    サービサー(債権回収会社)の市場

    サービサー(債権回収会社)の市場動向

    ここではサービサーの市場の動向についてお伝えします。

    1999年に解禁されて以降、サービサーは金融機関やノンバンクの不良債権の処理に貢献し、また自ら利益になる債権を求めることでその数を増やしていきました。

    しかし2008年のリーマンショックに端を発する金融危機によって不良債権事態が減少してしまい、不良債権に依存していたサービサー市場はかなり厳しい状態にまで追いつめられました。

    実際にサービサーの数は2008年前後である程度減少もしています。

    現在のサービサーはある程度持ち直しており、また新しいビジネスチャンスに目を向けるようになっています。

    サービサー(債権回収会社)の地方進出

    日本では地方銀行の不良債権の処理が進んでおらず、サービサーの多くは地方銀行に目を向けてビジネスを広げています。

    地方銀行の不良債権の処理は地方経済活性化にもつながるため、サービサーの新たな活躍の舞台として注目されています。

    また近年では事業再生や資金調達に貢献できる存在としてサービサーが注目されています。

    サービサーは債権者・債務者両方の債権の負担を軽減させるだけでなく、地方銀行が行う請求を肩代わりすることにより、地方銀行のイメージや信頼が損なわれることを避けることができます。

    またサービサーの方から債務者である会社に対して融資を行ったり、売掛金の買収をすることによって、その会社の負担を大きく軽減し、資金調達も実現できれば、その会社が再生するきっかけになるでしょう。

    またリストラや資産売却以外の方法による事業再生も可能となってくるため、会社にとっても新たな選択肢を見出せるようになります。

    こういったサービサーの在り方を見直し動きが生まれたからは、サービサーもただの「不良債権の処理場」から一歩進んだ形になりつつあります。

    とりわけ事業再生の分野に関しては他のサービサーと差別化を図るために、会社の収益能力それ自体を向上させるような踏み込んだ経営コンサルティングにも対応できるように会社の体制を強化しているサービサーも増えています。

    この傾向がこのまま続けば、サービサーは単なる不良債権の処理場ではなく、不良債権の処理を主軸にしながらも包括的な経営コンサルティングをも可能にする存在として生まれ変わることになるかもしれません。

    そもそもサービサーは弁護士が必ず取締役にならなければならないものであり、法務や財務、税務に関する専門的な知識に長けている一面があります。

    この強みを生かせば今後は不良債権に依存しなくとも、サービサーがより発展していく道は開けていくでしょう。

    M&Aにおけるサービサー(債権回収会社)と注意点

    これはサービサーが直接主導するわけではありませんが、銀行が債権回収を行う手口としてM&Aを勧めるケースがあることには注意しておきましょう。

    債務超過に陥っている会社に銀行がM&Aを勧めることは、銀行が自分達の風評を損なうことなく債務超過の会社を整理し、同時に新たな融資先を確保するための行動であるケースは少なくありません。

    つまり本気で事業再生を考えているわけではないということです。

    この手口に乗ってしまうと、会社の経営権を別の会社に乗っ取られてしまうだけでなく、売り手となった会社の経営者は借入金などを押し付けられた状態で追い出されてしまうという結果になることもあります。

    この際、サービサーは残った僅かなプロパー融資の買い取るような形で関わることになります。

    もちろん全ての銀行がやっているわけではありませんが、銀行の中には自分の手を汚さずに債務超過の会社の整理をするため、M&Aを行わせ、サービサーもそれに一部加担しているようなケースがあることには留意しておきましょう。

    まとめ

    サービサーは資金力がない債務者や不良債権をさっさと処理したい金融機関にとっては有益な存在になり得るものです。

    しかしサービサーもあくまで債権の回収を目的にしているため、過去の債権を掘り出して債務者に請求や訴訟を行ってくることもあります。

    不良債権ばかりに依存できない以上、今後のサービサーの在り方は変わってきますが、サービサーに何かしらの請求や訴訟を起こされた債務者の方は弁護士のような専門家に相談することがおすすめです。

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