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ストックオプションと株価の関係性

ストックオプションと株価の関係性

目次

    ストックオプションと株価

    会社を経営する場合、従業員を雇用し、給料として毎月現金を支払います。

    しかし通常の給与とは別に、スタートアップ企業、ベンチャー企業では、ストックオプションを従業員に付与するケースも増えています。

    ストックオプションというワードを、一度でも耳にした経験のある方は多いでしょう。

    ストックオプションは、従業員のモチベーションをあげる手段として近年注目を集めています。

    そんなストックオプションは、株価と密接な関係を持っています。

    株価について理解していないと、ストックオプションを有効活用することは困難です。

    ストックオプションを理解する上で、株価は切り離せません。

    付与する側もされる側も、ストックオプションと株価の関係性を理解する必要があります。

    この記事では、ストックオプションと株価の関係性について、詳しく解説します。

    ストックオプションの活用を検討している経営者、ストックオプション付与の可能性のある方は必見です。

    ストックオプションとは

    まず初めに、ストックオプションについて基本的な知識を紹介します。

    基本的な知識を知らないと、株価との関連性も見えてきません。

    ⑴ストックオプションの仕組み

    ストックオプションとは、あらかじめ設定された株価で、会社の株式を入手できる権利です。

    一般的には、従業員や役員のモチベーションをあげる目的で用いられます。

    ではなぜ、ストックオプション付与によって意欲を上げられるのでしょうか?

    将来株価が上昇した時点でストックオプションを行使することで、差額分の利益を得られるからです。

    文章では分かりにくいので、具体的な数値例で説明します。

    例えば、権利行使価格が100円のストックオプションを、1,000株分従業員に付与したとします。

    その後業績が右肩上がりし、株価が1,000円まで上昇したとします。

    この時点で権利を行使すれば、下記の金額を受け取れます。

    • (1,000円−100円)×1000=900,000円

    つまり従業員は、ストックオプションを行使すれば、90万円を獲得できます。

    ただしストックオプションの種類によって、それぞれ税金が課税されます。

    つまりストックオプションとは、将来的に貰える給料のイメージです。

    株価が上がれば、その分貰える利益も増えます。

    株価が上昇する為には、業績が良くなる必要があります。

    ですのでストックオプションを付与された従業員は、これまで以上に意欲を持って仕事に取り組みます。

    以上がストックオプションの仕組みとなります。

    見てきた通り、ストックオプションで利益を得られるかは、株価の変動に大きく左右されます。

    また、権利を行使できる株価を何円にするかによっても、従業員のモチベーションは変化します。

    ストックオプションを活用する上で、株価についての理解は不可欠です。

    まさにストックオプションは、会社と従業員双方にメリットのある制度です。

    ⑵ストックオプション発行に向いている企業

    ストックオプションの仕組み上、将来株価が上昇する見込みの企業に向いています。

    IPOが近いベンチャー企業や、既に上場済みの大企業が当てはまります。

    ただし上場企業の場合、極端な株価上昇は見込めません。

    その為、ストックオプションを付与されても、あまりメリットを得られない可能性が高いです。

    一方でIPOが実現すれば、株価は数十倍以上になる可能性があります。

    この場合、ストックオプションを持っているメリットは非常に大きいです。

    また創業直後のベンチャー企業も、人材確保を目的に、ストックオプションを活用する場合があります。

    つまり、今後株価が上昇する企業に適した制度です。

    ⑶権利行使価格(株価)の設定

    ストックオプションで利益を得る為には、権利行使価格を株価が上回っている必要があります。

    付与される側からすれば、権利行使価格は低いほど嬉しいです。

    ただし会社側からすると、低くしすぎるのは良くありません。

    権利行使価格が低いほど、インセンティブの確保がしづらくなります。

    仮に現在の株価が100円、権利行使価格が110円だとします。

    急成長している企業ならば、一ヶ月も経たずに株価が権利行使価格を上回ります。

    そうなると、権利行使して株式を売却してしまう従業員が出てきます。

    従業員はストックオプションを失う上に、売却利益を得ます。

    その結果、当然従業員のモチベーションは減少します。

    上記の通り、権利行使価格が低いほど、会社側にとっては不利となります。

    ただし、高すぎるても良くありません。

    いつまで経っても株価が権利行使価格に届かなければ、従業員の意欲は減退します。

    つまり会社側は、適切な権利行使価格を設定しなくてはいけません。

    現在の株価や今後の成長性など様々な要素を考慮し、慎重に決める必要があります。

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    新株引受権

    ストックオプションのメリット

    いくらストックオプションを持っていても、メリットが無ければ無意味です。

    ストックオプションを用いる際、どんなメリットがあるのかを把握する必要があります。

    ここでは、ストックオプションのメリットを付与者と対象者に分けてご紹介します。

    ⑴ストックオプション付与者のメリット

    ①成果次第で利益が変動する

    前述の通り株価が上がるほど、ストックオプション行使によって利益を得られます。

    頑張って株価の上昇に貢献すれば、その分だけストックオプション行使で得られる利益も増えます。

    通常の給与による評価では、頑張りが給与額に反映されにくいです。

    しかし一方で、ストックオプションでは企業価値として反映されます。

    頑張った分だけ報われるのは、ストックオプションの大きなメリットです。

    ②株式取引よりも低リスク

    通常の株式取引では、損失を被るリスクがあります。

    極端な話、100万円投資した結果それが0円になるのもあり得ます。

    しかしストックオプションは、あくまで株式を買う「権利」です。

    仮に株価が下がっても、権利を行使しなければ損失はありません。

    つまり最悪の場合でも、プラスマイナスゼロという訳です。

    ただし、後述する有償ストックオプションの場合には、この限りではありません。

    ⑵ストックオプション付与側(会社側)のメリット

    ①優秀な人材を確保できる

    会社側にとって、ストックオプションを導入する最大のメリットは採用です。

    事業を成長させる為、良いビジネスプランに加えて、優秀な人材が不可欠です。

    しかし優秀な人材を採用するには、高額の給与を支払う必要があります。

    相手もボランティアではないので当然の事です。

    ただし創業直後のベンチャー企業の場合、高額の給与を支払う余裕はありません。

    そこでストックオプションを活用すれば、優秀な人材を確保できます。

    最初にストックオプション提示する事で、優秀な人材を集められるのです。

    つまり、資金力が不足していても人材を雇用できます。

    ②従業員や役員のモチベーション向上

    ストックオプションを持つメリットは、株価上昇による利益の獲得でした。

    肝心の株価は、会社の業績に合わせて上昇していきます。

    業績が上がれば、それに伴い株価も上がります。

    一方で業績が下がれば、株価は下がってしまいます。

    その為ストックオプションを付与された人は、自身の利益の為に従来以上に頑張ってくれます。

    通常の給与制度の場合、毎月の給料が決まっています。

    ストックオプションは、従業員の意欲を向上させる手段として最適です。

    ただし前述の通り、今後株価が急上昇する見込みが無ければ、このメリットは得られません。

    ストックオプションの種類

    ストックオプションと一口に言っても、実は3種類あります。

    ここでは、種類ごとにストックオプションの概要をお伝えします。

    ⑴税制適格ストックオプション

    税制適格ストックオプションとは、税金面で有利なストックオプションです。

    通常のストックオプション(非適格)では、権利行使時点で給与所得に対して課税されます。

    また、株式の売却時にも課税されます。

    つまり、二度にわたって課税されてしまいます。

    しかし税制適格ストックオプションの場合、株式売却時にのみ課税されます。

    権利行使時点では、課税されません。

    その為、圧倒的に支払う税金額を抑えられます。

    株式売却時には、権利行使価格と現在の株価の差額に対して、課税されます。

    この時の税率は、所得金額に関係なく20.315%となります。

    例えば権利行使価格が1,000円、現在株価が2,000円、持ち株数が1000株だとします。

    この際課税される税額は下記になります。

    • {(2,000円−1,000円)×1,000株}×20.315%=20万3,150円

    以上が税制適格ストックオプションの概要です。

    税金面を考えると、税制ストックオプションを持っておく方が圧倒的にオススメです。

    むしろ後述する非適格オプションは、所持してもメリットはほぼ皆無です。

    ⑵税制非適格ストックオプション

    税制非適格ストックオプションは、適格の場合と比べて、税金面で圧倒的に不利です。

    具体的には、課税されるタイミングが増えます。

    非適格税制ストックオプションでは、売却時点に加えて、権利行使時点でも課税されます。

    ストックオプション付与時点の株価と、権利行使時点の株価の差額が「給与所得」として見なされます。

    権利行使時は、その給与所得に対して課税されます。

    譲渡所得とは違い、給与所得は累進課税です。

    その為、株価の差額が大きいほど税負担も重くなります。

    せっかく頑張って株価を上げても、課税によって半分近く持っていかれる恐れもあります。

    加えてそれとは別に、株式の売却時には20.315%の課税が待っています。

    最終的には、かなりの額が税金の支払いで失われます。

    以上が税制非適格ストックオプションの仕組みです。

    税制非適格の場合、頑張って株価の向上に貢献しても、「骨折り損のくたびれ儲け」となります。

    ⑶有償ストックオプション

    上記二つのストックオプションは、無償で付与するタイプでした。

    一方で、有償で付与するストックオプションもあります。

    「従業員の意欲アップ目的で発行するのに、お金を払わせる(払う)のはおかしい」と思う方もいるでしょう。

    しかし有償ストックオプションには、金を払ってまで所持するメリットがあります。

    それは、課税面で有利である点です。

    有償ストックオプションの場合、株式売却時にのみ課税されます。

    つまり最初に投資する代わりに、税金の負担が軽くなります。

    税制非適格ストックオプションよりも、最終的な支出は少ない可能性が高いです。

    ストックオプションの適格要件は、全て満たすのは中々厳しいです。

    その為一昔前までは、ストックオプション有効的に活用できない現状でした。

    しかし有償型が普及したことで、ストックオプションの活用事例が増加しています。

    ※関連記事

    ストックオプションでかかる税金

    税制適格ストックオプションの要件

    前述の通り、株価上昇による利益を最大限得るには、税制適格ストックオプションであることが必須です。

    税制適格ストックオプションである為には、下記で紹介する条件を全て満たす必要があります。

    経営者の中には、下記の要件を満たさずにストックオプションを発行する方もいます。

    それでは、従業員や役員は利益を得られません。

    それを知った時点で、モチベーションが大幅に低下する恐れもあります。

    よってストックオプションを発行する際は、下記の条件を満たすのが非常に重要です。

    ⑴税制適格ストックオプションの取得者要件

    取得者要件とは、ストックオプションを取得する人が満たすべき要件です。

    ①税制適格ストックオプション対象者

    その会社もしくは関連会社で勤務する従業員または役員である必要があります。

    つまり、会社外の第三者が保有しているストックオプションは、税制非適格となります。

    株価を上げる事に貢献する人に向けた制度なので、当然といえば当然です。

    ②税制適格ストックオプション株式の保有数

    ストックオプション以外にも、当該会社の株式を3分の1以上保有している場合には、税制非適格になります。

    つまり、発行済株式の1/3を超えない範囲で保有するのが条件です。

    ⑵税制適格ストックオプションの発行内容・行使要件

    発行内容・行使要件とは、ストックオプション自体に関する条件です。

    ①期間

    ストックオプションの権利行使日は、付与決定日から2年から10年の間である必要があります。

    つまり、付与されてからすぐ(例えば1年以内)に、権利行使・売却するのは出来ません。

    すぐに権利行使・売却した場合には、税制非適格となるので注意です。

    一方で、付与されたストックオプションを全然行使しない場合にも、税制非適格となります。

    ②権利行使価格

    権利行使価格は、契約締結時の株価以上である必要があります。

    本来ストックオプションは、将来の株価上昇による差益を目的に付与されます。

    よって基本的には、この適格要件は満たされます。

    とはいえ万全を期す為に、契約時の株価は前もって確認しましょう。

    ③権利行使価格の合計制限

    権利行使価格の合計価格は、年間で1,200万円を超えてはいけません。

    年間1200万円を超えると、非適格税制となるため注意です。

    ④譲渡制限

    ストックオプションは、基本的に他人に譲渡できません。

    当然、名義人以外の人物が保有するのは禁じられています。

    税制適格で設計する為には、譲渡は禁止としましょう。

    ⑤発行形態(種類)

    大前提になりますが、適格ストックオプションは無償で発行される必要があります。

    ⑶税制適格ストックオプションその他要件

    以上が基本的な税制適格要件です。

    その他にも、下記の適格要件を満たさなくてはいけません。

    • 会社法に違反しない形で付与する
    • 証券会社等と契約している
    • 株式売却時には必要書類を提出する

    以上3つが、税制適格ストックオプションの要件です。

    適格か非適格かで、ストックオプションのメリットが大きく変わります。

    しつこいですが、非適格ストックオプションは保有していても、殆どメリットがありません。

    よって従業員や役員に付与する際には、適格要件を満たすのが不可欠です。

    また付与される側も、適格要件を満たしているか確認しましょう。

    後から非適格だと判明しても後の祭りです。

    ストックオプション発行による株価への影響

    最後に、ストックオプション発行による株価への影響を解説します。

    結論から述べると、ストックオプション発行によって株価は下落する傾向があります。

    一体何故でしょうか?

    ストックオプションの権利が行使されると、その分新株が発行されます。

    新株が発行されると、全体としての発行済株式総数は増加します。

    しかし一方で、一株あたりの利益額は減少します。

    言い換えると、一株持っていると得られる配当金の額が減少します。

    投資家にとって、これは好ましい事態ではありません。

    基本的に投資家は、ストックオプション発行によって上記の悪影響が生じると予想します。

    株式を所持していてもリスクなので、売り出す投資家が出てきます。

    その結果、株価は下落する可能性が高いです。

    以上がストックオプション発行によって、株価が下落する理由です。

    ただし、ここで説明した理論は絶対ではありません。

    ストックオプション発行によって、株価がかえって上昇した例もあります。

    結局のところ、投資家がどのように判断するかによって株価は変動します。

    ストックオプションを発行したら、必ず株価が下落する訳では無い点にご注意ください。

    まとめ

    今回は、ストックオプションと株価の関係について解説しました。

    近年ストックオプションは、従業員や役員のモチベーションを上げる手段として注目を浴びています。

    ストックオプションは、今後株価が上昇する企業ほど効果を発揮します。

    特に上場間近の有力ベンチャーの場合、上場によって株価が数倍〜数十倍まで上昇する可能性があります。

    よってストックオプションを所持していると、非常にメリットが大きいです。

    ただし、ストックオプションを発行する際には、適格要件を満たすのが不可欠です。

    何故なら適格要件を満たさないと、所持するメリットがほぼ皆無だからです。

    また経営者や投資家ならば、ストックオプション発行による株価への影響も考えなくてはいけません。

    ストックオプションが行使されると、その分1株あたりの利益が低下します。

    その為、一般的に発行直後は株価が下落する傾向にあります。

    ストックオプション発行の際には、株価への影響も十分考慮しましょう。

    要点をまとめると下記になります。

    • ストックオプションとは

    →あらかじめ設定された株価で、会社の株式を入手できる権利

    • ストックオプション発行に向いている企業

    →将来株価が上昇する見込みの企業

    • 権利行使価格(株価)の設定

    →高すぎても安すぎてもダメ。最適な価格を考えるのが重要。

    • ストックオプションのメリット(受け取る側)

    →頑張り次第で多額の利益を得られる、株式取引よりも低リスク

    • ストックオプションのメリット(付与する側)

    →優秀な人材を確保できる、従業員や役員のモチベーション向上

    • ストックオプションの種類

    →税制適格ストックオプション、税制非適格ストックオプション、有償ストックオプション

    • ストックオプションを従業員に付与する際

    →税制ストックオプションになる様に設計するのがベスト

    • 税制適格ストックオプションの要件

    →取得者要件、発行内容・行使要件、その他要件

    • ストックオプション発行による株価への影響

    →基本的には下落する

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