2019年12月18日更新会社を売る

ストックオプションと株価の関係性

スタートアップ、ベンチャー企業を中心に多くの企業でストックオプションが活用されています。ストックオプションを有効活用するには、株価との関連性理解が大事です。ストックオプションのメリット、種類を中心にストックオプションと株価の関係について詳しく解説します。

目次
  1. ストックオプションと株価
  2. ストックオプションとは
  3. ストックオプションのメリット
  4. ストックオプションの種類
  5. 税制適格ストックオプションの要件
  6. ストックオプション発行による株価への影響
  7. まとめ
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ストックオプションと株価

各企業におけるストックオプション制度は、株式を用いた会社側のインセンティブ政策の一環です。少し表現を変えてみるならば、従業員個人への業績評価の前倒しとも言えるでしょう。一方、株価とは、上場企業の場合、その企業の業績評価に連動して上下するものです。

このように、ストックオプション、そして、会社の株価というものは、業績というキーワードでつながっていることが透けて見えてきました。つまり、株価の本質や正体を把握しておかなければ、ストックオプションの権利や制度も水泡に帰してしまうかもしれません。

したがって、ストックオプションを付与する側もされる側も、ストックオプションと株価の関係性への理解は必須と言えるでしょう。本記事では、そのストックオプションと株価の関係性について、ストックオプションに関わる可能性のある方に向け、わかりやすく解説していきます。

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ストックオプションとは

ストックオプションとは新株予約権の1つです。新株予約権は、大きく分類すると4つの種別があります。その4つの新株予約権の中の1つが、社内向けに発行されるストックオプションです。まず、ストックオプションやその制度のの基本的な内容や仕組みなどについて見ていきましょう。

⑴ストックオプションの仕組み

ストックオプションとは、あらかじめ決められた株価で、自社の株式を購入できる権利です。会社側は、自社の従業員や役員にストックオプションを付与することによって、彼らの業務へのモチベーションを上げようという意図があります。

ストックオプション付与が、なぜ従業員や役員のモチベーション向上に帰依すると考えられているかというと、将来、会社の業績がアップしストックオプションで設定された金額よりも株価が上昇すれば、彼らがその差額分の利益を得られることが可能だからです。

これを、具体的な数値例で考えてみましょう。会社が従業員A氏に対し、1株あたりの権利行使価格100円のストックオプションを5,000株分、付与したとします。その後、A氏ら従業員や役員の頑張りの甲斐があって、会社の業績が上がり会社の株価も上昇してきたとします。

そこで、A氏は自社の株価が500円まで上がった時に、ストックオプションの権利を行使して自社株を購入、そして全て売却しました。その時の売却益は下記のようになります。

  • (500円−100円)×5,000株=2,000,000円

この例の場合では、株式購入代金として50万円の元手は必要ですが、ストックオプションの権利を有していたことによって、200万円の利益を得ることができるわけです。ただし、現実には税金が課税されるので、ここから納税することにはなります。

もし、株価がもっと上がると思えば、権利行使のタイミング、または株式を売却するタイミングを遅らせるのは自由です。ストックオプションに設定されている期限の間ならば、そこには原則的に何の制約もありません。

そして、この自社株の売却益を得るためには、会社の業績アップが欠かせないというのがポイントになります。ストックオプションを付与された従業員や役員は、より大きな収入を目指して今まで以上に意欲的に仕事に取り組んでくれるだろうというのが会社側の考えです。

なお、会社におけるストックオプションの有無が、M&Aを実施する場面においても、買い手、あるいは売り手選びに影響することもあります。ストックオプション導入も考慮したM&Aをご要望でしたら、M&A総合研究所にご相談ください。

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⑵ストックオプションの権利行使価格

従業員や役員へのモチベーション効果が大いに期待できるストックオプションですが、そこには避けて通れない重要なポイントがあります。それは、ストックオプションの権利行使価格をいくらに設定するかということです。

基本的にストックオプションを付与する段階での株価よりも、権利行使価格は高くなるわけですが、この時、会社側と従業員側では利害が一致しません。すなわち、会社側としては価格設定を高めにして、長期間、業績向上に努めてほしいと考えます。

また、簡単に到達できるような権利行使価格ではストックオプションの意義がありません。しかし、従業員側は、これとは真逆の気持ちでしょう。できるだけ低い権利行使価格の設定の方が到達も早く、その後の売却時に得られる利益の幅も大きくなるからです。

この、両者相いれない思惑の中、絶妙なストックオプションの権利行使価格を設定することが会社側の重要なテーマとなります。そのためには、株式市場における株価上昇のメカニズムをよく知ることも必要でしょう。

また、自社の事業の成長性とその業績向上が市場からどのように評価されるかの予測ができる先見性も必要です。いずれにしても、ストックオプションの権利行使価格は、安易に決められる類いのものではありません。それは心しておきましょう。

⑶ストックオプション制度が有効と思われる企業

ストックオプションは、上場企業はもちろん、IPO(Initial Public Offering=新規株式公開)を目指している非上場企業でも有効な制度です。ただし、株式取引の仕組みを組み込んでいる以上、将来的に株価上昇が見込める企業でないと意味をなしません。

したがって、上場して一定以上の期間が経過し、業績は安定しているもののこれ以上の大きな飛躍は考えにくい業種や企業の場合は、有効さは微妙です。やはり、最もふさわしいのは、未だ業績向上の途上である新興企業や、創業間もないベンチャー企業と言えるでしょう。

特に、IPOを目指しているスタートアップやベンチャー企業であれば、IPO実現の暁には、株価の上昇指数はすさまじいものになる可能性があります。従業員も役員も一丸で頑張ることに、多いな成果をもたらすストックオプションとなるでしょう。

なお、有効性は希薄とした株価が安定している企業の場合でも、その状況に一石を投じ、もう一段上のステージに行くことを鼓舞するために、ストックオプション付与を行ってみる意味はあるかもしれません。

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ストックオプションのメリット

ストックオプションの基本的な仕組みがをわかったところで、より具体的なストックオプションのメリットについて考えてみましょう。ストックオプションの付与を受ける側である従業員や役員と、ストックオプションを付与する立場である会社のそれぞれのメリットです。

⑴ストックオプションを受ける従業員・役員のメリット

まず、ストックオプションの付与を受ける側である従業員や役員のメリットについて考えます。特に、ストックオプションをインセンティブ・ボーナスと捉える場合に、通常の給与や役員報酬の昇給やボーナスとの比較という視点で見てみることにします。

①成果次第で大きな売却益

従業員の給与、あるいは役員の報酬、どちらも業務で成果を上げ、なおかつ会社の業績も出ていれば昇給が得られます。臨時報酬であるボーナスについても考え方は基本的に同じです。しかし、それらは会社の資金の中から支払われるものなので当然、予算があります。

端的に言ってしまえば、原資額を超えた昇給額やボーナス支給はあり得ません。会社側としても支給したくても支給できないジレンマはあるでしょうが、従業員や役員側としても、自分の成果や実績に対して不十分な評価額だという気持ちになってしまう可能性もあります。

その点、ストックオプションであれば、個人個人の頑張りの結果として業績が向上し株価が上昇すれば、その上昇した分だけ株の売却益が見込めるのです。あくまでも理論上ではありますが、この上昇には上限はありません。

成果次第で思いもよらない株価の上昇があり得るのです、従業員や役員個人が、自分の努力が報われたと心底、溜飲を下げれることができる可能性を持っているのが、ストックオプションと言えます。

②一般の株式取引よりも低リスク

視点を変えて、個人が行う株取引という観点でストックオプションを考えてみましょう。ご存じのとおり、通常の株式取引の場合、利益が出せることもあれば、逆に損失を被るリスクがあります。実際、思いもかけない出来事で株価が暴落することも少なくありません。

ストックオプションの場合は、権利行使価格より株価が上がらない間は権利行使しなければいいだけです。この段階では株式を購入すらしていないのですから、そこには何のリスクもありません。ただし、権利行使後、売却するタイミングを計っている間に株価が下がる可能性はあります。

⑵ストックオプション付与する会社側のメリット

さて、ストックオプションを付与する側の立場である、会社にとってのストックオプションのメリットについても、あらためて見てみましょう。その基本的な視点は、人材の有効活用です。その理由や望ましい状況について考えます。

①優秀な人材を確保できる

企業が会社の業績を上げるために絶えず考えることが、人材の有効活用です。しかし、そのためには、活用できる人材自体が会社に在籍していないと話になりません。そこで、優秀な人材を確保したい会社において取り入れられているのが、ストックオプションです。

優秀な人材はいずれの企業でも引っ張りだことなるのが実情ですから、どの会社も高額オファーを出します。しかし、そうは言っても各社とも規定があり、また予算もあります。天井知らずのオファーというわけにはいきません。そこで、採用時から一案が組み込まれるようになりました。

通常の給与以外にストックオプションを組み合わせた採用条件の提示が、それです。特に、設立間もないベンチャー企業などでは、十分な資金がありません。しかし、ストックオプションを組み合わせれば、優秀な人材を確保する手立てとなります。

また、このことは、採用後の給与の昇給やボーナス支給の場合にも同様の状況です。会社として原資不足で高額の昇給やボーナス支給が難しくても、ストックオプションによって、報酬に対する従業員の要求を満たすことができると言えます。

②業績向上の現実化が望める

ストックオプションを付与された従業員・役員らは、それが絵に描いた餅にならぬよう、会社の業績アップに向けて励むことになります。その結果として、本当に業績が上がるなら、会社にとって、これほど喜ばしいことはありません

③従業員や役員の意識改革

会社側がストックオプションに込める狙い・意図は、従業員や役員が、自社の株価が上昇すべく会社の実績向上に励むという、彼らの仕事に対するモチベーションの向上であることは、上述してきたとおりです。

結果的にこのことは、ストックオプションが日本で導入され始めた1997(平成9)年以前と以後では、従業員らの意識に格段の違いをもたらしました。それは、ストックオプション導入以前では、従業員らは皆、個人の業務成果、個人の業務目標の達成に意識を向けていました。

しかし、ストックオプションが導入された企業においては、個人の実績のその上にある会社の業績の重要性について意識が向けられるように変わったのです。極端な言い方をすれば、従業員一人一人が経営者的感覚で自分の仕事と会社の業績を結び付けて考える視点を持ち始めたと言えます。

過去の日本では、組織の歯車としてコツコツと寡黙に働いていればよかった時代であったことを考えれば、経営者感覚で自分の仕事をこなしていくという従業員が増えつつある現代の情勢は、ストックオプションがもたらした大きな意識改革であるとも言えるのです。

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ストックオプション税制

ストックオプションの種類

実はストックオプションには内容・条件などの違いによって種類が分かれます。まず、大きな分け方としては、無償ストックオプションと有償ストックオプションの2つです。そして、無償ストックオプションには、税制適格ストックオプションと税制非適格ストックオプションがあります。

つまり、ストックオプションには全部で3種類があるのです。それら3つのストックオプションの概要を順番に見ていきましょう。

⑴税制適格ストックオプション

税制適格ストックオプションは、その名のとおり、税法上で規定されている要件に合致しているストックオプションです。そして、税制適格ストックオプションは条件を満たしている結果、それを満たしていない税制非適格ストックオプションと比べ、課税上、優遇措置を得られます。

税制非適格ストックオプションの概要は次項で述べますが、税制適格ストックオプションの課税上における優遇措置とは、課税を受けるタイミングと課税時の所得の種別です。課税のタイミングに関して、これはストックオプションの権利を行使して購入した株の売却時1回のみとなります。

確定申告の面倒な手続きが1回だけというだけでも助かりますが、税制非適格ストックオプションとは異なります。また、課税時の所得の種別は、通常の株式売買と同じ譲渡所得となっています。わかりやすく以下に例を示します。

ストックオプションの権利行使価格が1,000円、現在の株価が2,000円、持ち株数が1,000株としましょう。譲渡所得の税率は20.315%です(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)。

  • 譲渡所得税額=(2,000円−1,000円)×1,000株×20.315%=203,150円

⑵税制非適格ストックオプション

税制非適格ストックオプションの税制適格ストックオプションとの最も大きな違いは、課税タイミングが1回多いこと、そして、その課税は給与所得と見なされるため税率が高いことです。税制非適格ストックオプションでは、まず権利の行使に伴う時点で課税されます。

課税されるのは、権利行使日の会社の株価と権利行使株価の差額が、給与所得として見なされます。給与所得ということは累進課税の適用対象ですから、本人の所得額次第では最大所得税率45%、それ以外にも住民税10%、復興特別所得税(所得税の2.1%)の課税となります。

この税負担の差は、上述した税制適格ストックオプションと比べれば一目瞭然でしょう。また、税制非適格ストックオプションのこの時点における納税には注意すべきこともあります。この時、ストックオプションの権利行使を進めただけであり、まだ会社の株式を売却したわけではないことです。

つまり、株式を売却していないので現実に手元に収入はありません。しかし、ストックオプションの権利行使に伴い、株式購入資金が必要なばかりではなく、納税用の資金も用意しなければならないことになります。

なお、税制非適格ストックオプションのケースでも、株式売却時の課税扱いは税制適格ストックオプションと同等です。譲渡所得と見なされ、総税率は20.315%と変わりません。その時の課税の対象となる利益の部分は、株式の売却価格から権利行使日の会社の株価を引いた金額です。

⑶有償ストックオプション

税制非適格ストックオプションと税制適格ストックオプションは、会社から無償で新株予約権が付与されるので、無償ストックオプションという分類でもあります。それに対して有償ストックオプションというものも存在します。

つまり、有償ストックオプションの場合、従業員や役員に付与されるものは新株予約権の購入権利です。言い方を変えると、会社が有償で発行する新株予約権を従業員や役員が購入することであり、この場合の購入は「投資」と置き換えても同義になります。

上述したように無償ストックオプションの場合、付与を受ける側にとっては税制適格ストックオプションであることが望ましいのですが、この要件を満たすのが面倒で厄介という現状があります。そこで、一計が案じられ、2006(平成18)年から導入が始まったのが有償ストックオプションです。

有償ストックオプションであれば、課税のタイミングと課税率は税制適格ストックオプションと同じ扱いになります。そして、税制適格ストックオプションのような厳しい適格要件はありません。したがって、有償ストックオプションであれば会社側も導入が楽になります。

また、有償ストックオプションには「投資」的要素もあることから、従業員や役員がより客観的に自社の事業や業績向上について分析したり、それを向上させる必要性の理解が深まるという側面があるとも言われています。

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税制適格ストックオプションの要件

課税優遇のある税制適格ストックオプションを発行しないことは、会社側の手抜きではないかと疑念を持った方もいるかもしれません。そこで、税制適格ストックオプションと認識されるために満たす必要のある要件を列挙します。

念のために申し上げておきますが、税制適格ストックオプションと認識されるためには、以下に列挙する全要件を満たさなければなりません。どれか1つ欠けても、税制非適格ストックオプションとなってしまいます。有償ストックオプションの導入が増えている理由もおわかりいただけるでしょう。

⑴税制適格ストックオプションの取得者要件

税制適格ストックオプションの要件については、租税特別措置法第29条の2と施行令第19条の3にて規定されています。まず、ストックオプションの権利を付与される人、つまり、取得者として認められる人についての規定があります。

①税制適格ストックオプション:対象者

税制適格ストックオプションと認められるには、その対象者がストックオプションを発行する会社、もしくはその子会社で勤務する従業員、または役員の場合です。会社外の第三者がストックオプションを保有することも可能ですが、その場合、税制非適格となります。

なお、役員とは取締役と執行役とされ、監査役は含まれていません。また、2019(令和元)年8月に改正された中小企業等経営強化法による特例措置を活用する場合においては、例外的なストックオプションの発行も可能となりました。

それは、「社外高度人材活用新事業分野開拓計画」を関係省庁に提出し、主務大臣から認可を受けた企業の場合、該当する外部人材に対しても、ストックオプションを発行することができるようになったのです。

②税制適格ストックオプション:株式の保有数

ストックオプション対象者たる取締役の中には、すでに一定数の自社株式を所有している場合があり得ます。その所有している株式数が全体の3分の1以上の場合には、税制適格ストックオプションから除外されます。

⑵税制適格ストックオプションの発行内容・行使要件

ストックオプションの発行の仕方や、権利行使の方法に関しても、その内容次第で、税制適格ストックオプションとなるか、税制非適格ストックオプションとなるか分かれてしまいます。それらの要件には以下のようなものがあります。

①期間

ストックオプションの権利行使に関する可能期間は、付与決定日からカウントして2~10年の間であることが税制適格ストックオプションの要件の1つです。仮に、2年未満でストックオプションの権利を行使し、株式の売却を行ってしまうことはできますが、税制非適格ストックオプションとなります。

10年経過させてしまった場合も同様です。このストックオプションの権利行使に関する期間は、会社の責任ではなく本人責任の範疇ですから注意しましょう。

②権利行使価格

税制適格ストックオプションの必須である権利行使価格は、ストックオプションに関する契約締結時の株価より高い株価に設定されていることです。株価を低く設定するストックオプションはあり得ないので、この件で税制非適格ストックオプションとなることはないでしょう。

③権利行使価格の合計制限

ストックオプションの権利行使価格の合計価格が、年間で1,200万円を超えてはならないことが、税制適格ストックオプションの要件として挙げられています。一瞬ピンと来ない場合もあるかもしれませんが、新興ベンチャー企業などではあり得ない話ではありません。

該当する可能性があるケースでは、注意して権利行使するようにしましょう。

④譲渡制限

ストックオプションは、当然ながら基本的に他人に譲渡できる類いのものとして考えられたものではありません。したがって、名義人以外の人物の保有や行使は禁じられている必要があります。

⑤発行形態(種類)

有償ストックオプションとは異なり、無償での付与であることが、税制適格ストックオプションとしての発行形態要件として示されています。

⑶税制適格ストックオプションその他要件

上記したものは、基本的な税制適格要件です。しかし、要件はそれだけではなく、規定には続きがあり、以下の3つの要件も満たしていなくてはなりません。

  • 会社法に違反しない形で付与されている。
  • 証券会社等と契約している。
  • 株式売却時には必要書類を提出する。
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ストックオプション発行による株価への影響

ストックオプションは株価が上下する仕組みを用いた制度です。それでは、上場企業の株式の場合、ストックオプションの発行そのものによる株価への影響が気になるところです。これについて、この場で決めつけるような発言はできません。

ただし、一般的傾向として言われるところの意見では、ストックオプション発行によって、その会社の株価は下落する傾向があるとされています。その理由は、ストックオプションの結果、新株が発行されると、発行済株式総数が増加するからです。

発行済株式総数が増加するということは、一株あたりの利益額が減少することを意味します。言い換えると、一株あたりの配当金の額が減少するのです。こうした事態を敬遠する既存の株主が所有する株を売却することが多いため、株価が下がると言われています。

ただし、この理論・意見は絶対ではありません。ストックオプション発行によって、株価がかえって上昇した例もあります。ストックオプションとして得た権利を有益なものにするため、従業員や役員が業績を押し上げることが十分期待できるからです。

結局のところ、投資家がどのように判断するかによって株価は変動します。その場で一喜一憂するのではなく、長いスパンで株価を捉える視点を持つようにしましょう。

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まとめ

ストックオプションは労使双方にとって有意義な制度として、日本でも着実に浸透しつつあります。自分がストックオプションの当事者となる人は、今後急速に増加していくでしょう。そうなると、株式取引についても基礎的な知識を習得しておくに越したことはありません。

自分にとって最も有益なストックオプションの権利行使タイミングを見極めるうえでも、それは必要でしょう。そして、合わせて、自社の業績向上への貢献も忘れずに実践してください。本記事の要点は下記のとおりです。

  • ストックオプションとは

→あらかじめ設定された株価で自社の株式を入手できる権利。

  • ストックオプションの権利行使価格

→高すぎても安すぎてもダメ。最適な価格を考えるのが重要。

  • ストックオプション制度が有効と思われる企業

→将来株価が上昇する見込みの企業。

  • ストックオプションを受ける従業員・役員のメリット

→頑張り次第で多額の利益を得られることと、株式取引よりも低リスクであること。

  • ストックオプション付与する会社側のメリット

→優秀な人材を確保できる。業績向上の現実化が望める。従業員や役員の意識改革。

  • ストックオプションの種類

→税制適格ストックオプション、税制非適格ストックオプション、有償ストックオプションの3種類。

  • 税制適格ストックオプションの要件

→取得者要件、発行内容・行使要件、その他全ての要件満たす必要がある。

  • ストックオプション発行による株価への影響

→下落する傾向が強いと言われることが多いが、上昇した例もある。

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