M&A・事業承継の理解を深める M&A総合研究所ポータル

不動産管理会社における事業売却とは?メリット・デメリットを解説

Medium
この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

不動産管理業界は事業売却をはじめとするM&Aが積極的に行われている業界です。 今後も業界再編は進み、大手の不動産管理会社による寡占化はますます進行すると予測されています。

目次
  1. 不動産管理会社における事業売却とは
  2. 不動産管理業界の現状
  3. 不動産管理会社の事業売却におけるメリット・デメリット
  4. 不動産管理会社の事業売却における注意点
  5. 不動産管理会社のM&Aの事例
  6. 不動産管理会社の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談
  7. まとめ

不動産管理会社における事業売却とは

M&Aは今では一般的な経営手法として認知されており、中小規模・零細規模の会社でも行われています。一方でM&Aは業界・業種ごとに特色が異なっており、実際に行う際には自分と同じ業界・業種の傾向を把握する必要があります。
今回は不動産管理会社の事業売却についてお伝えしていきます。不動産管理会社の業界の動向、事業売却などといったM&Aにはどんな特徴があるのか、ぜひ参考にしてみてください。

不動産管理業界の現状

最初に不動産管理業界の現状についてお伝えしていきます。

非常に安定的な事業

不動産管理会社の特徴として、事業が「安定的」という点が挙げられます。
不動産管理会社とは文字通り不動産の管理が主な業務です。時にはオーナーや不動産会社と経営について交渉することはあるものの、基本的には不動産の設備の維持や住民からの依頼や相談への対応、家賃回収など、もっぱら不動産そのものの管理に業務が集中しています。
一般的な不動産会社は不動産の転売や投資、売買など様々な作業を通じて利益を得るものであり、相場に左右されるため収益が不安定になりがちなものです。対して不動産管理会社は管理を委託されている限り、収益が固定されるものです。そのため、安定的な収益を得られるようになります。
このような事業としてはビル管理会社なども挙げられます。

最近は競争が激化

安定的な事業である不動産管理会社ですが、昨今は業界内での競争が激化しているのが現状です。顧客のニーズに応えるために不動産管理会社が提供するサービスも多様化しており、いかにそれを実現できるかが昨今の不動産管理会社の傾向です。しかし、多様なサービスを行うには相応のノウハウや資金が必要であり、実践できる会社は限られています。
そもそも不動産管理会社は中小規模の会社が多く、大手の影響力があまり強くない業界でした。しかしサービスの多様化が求められるようになってからは、業界内の競争は激化の一途を辿っています。そのため競争に勝てない中小規模の不動産管理会社は淘汰されるようになっており、またM&Aによって大手が他の不動産管理会社を呑み込むような状況になっています。おまけに不動産管理業界は会社の数も多く、それぞれの会社がシェアを食い合っているような状態にもなっており、これも競争の激化に拍車をかけています。
その結果、不動産管理業界は業界再編が進んでおり、いずれは大手の寡占化が顕著になってくると予想されています。

人手不足

不動産管理業界が抱える課題として第一に挙げられるのは人手不足です。
元々不動産管理会社は新卒採用の若手が少なく、従業員が高齢化している傾向がありました。そもそも不動産管理会社はいささかマイナーな業界であるうえに、時には住人のクレーム対応をするようなこともあるため、若手よりもある程度社会経験を積んだベテランが好まれる傾向があるからです。そのため、不動産管理会社は経営者・従業員が総じて高齢化しており、長期的な経営が難しくなっています。
また、不動産管理はあくまで管理が仕事とはいえ、不動産や簿記など専門的な知識が必要になる場面があります。実際「マンション管理士」や「管理業務主任者」などと不動産管理において有利になる資格もあるなど、ある程度の技能も求められます。
これらのような傾向もあって不動産管理業界は人手不足に陥っており、いかにして即戦力となる人材を確保できるかが課題になっています。

事業承継

中小規模の会社が多い不動産管理会社ですが、事業承継も課題の一つになっています。
不動産管理会社に限らず、昨今は経営者が高齢化して引退を迎えようとしている中小企業が多くなっています。一方で後継者不在に陥っている中小企業が続出しており、結局会社を引き継ぐ後継者を見つけられずに廃業せざるを得ないケースが増加しています。とりわけ不動産管理業界のように中小規模の会社が多く、経営者・従業員が高齢化している業界では事業承継は競争の生き残りと同等に重大な問題だといえます。

不動産管理会社の事業売却におけるメリット・デメリット

不動産管理会社の事業売却にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

不動産管理会社の事業売却のメリット

不動産管理会社の事業売却のメリットは買い手・売り手によって異なります。

買い手のメリット

買い手にとって、事業売却をしている不動産管理会社を買収することは収益の増大に直接的につながります。不動産管理は管理戸数が増えるほどに収益が増すため、他の不動産管理会社を買収すれば、その分スケールメリットを享受できるようになります。もちろん地道に不動産会社に営業して管理戸数を増やすこともできますが、別の不動産管理会社を買収すれば、より多くの管理戸数を一括で請け負うことができるようになります。
また、人手不足を解決するうえでも事業売却は役立ちます。新しい人材を確保するには採用や育成をする手間が発生しますが、不動産管理会社を買収すれば、その従業員をそのまま引き継ぐことができます。もしその中に有益な資格を持つ人材がいれば、即戦力として役立てることができるでしょう。
このように、不動産管理業界の事業売却における買い手のメリットは大きいため、昨今は大手の不動産管理会社が積極的にM&Aを行う傾向があります。

売り手のメリット

売り手の事業売却のメリットは以下の三つがあります。

事業の存続の実現
やはり不動産管理会社の存続を実現できることは事業売却で得られる最大のメリットだといえます。
経営を委託することができれば不動産管理会社を存続できるようになります。他の業界・業種での事業売却にもいえることですが、M&Aにおける売り手は大手の資本の傘下に入るチャンスであり、成功すれば財務基盤を一気に強化できるようになります。経営不振に苦しんでいるような会社であれば、それは経営再建を実現するうえで絶好のチャンスとなるでしょう。

多様なサービスの実現
さきほどお伝えしたように、不動産管理会社は様々なサービスの提供を求められていますが、これも事業売却によって実現できる可能性が高まります。
多様なサービスを提供するには相応の資金・ノウハウが必要になりますが、事業売却を通じて大手に買収されることができれば、大手のノウハウを活かしてサービスを提供できるようになります。また実績がある会社が買い手だった場合、その傘下に入るだけでも社会的な信用性が高まるでしょう。

事業承継の解決
さきほど触れたように、中小規模の不動産管理会社の課題になりがちな事業承継も事業売却なら解決できる可能性があります。
事業売却を成功させれば第三者に経営を委託できるようになるため、事業を存続させることが可能になります。後継者不在のために事業承継ができず、廃業してしまうことは従業員を路頭に迷わせてしまうリスクがあるものです。しかし事業売却で事業承継を成功させれば、従業員の雇用を守ることもできます。

不動産管理会社の事業売却のデメリット

不動産管理会社の事業売却のデメリットは、その手法である事業譲渡の欠点とリンクしています。
事業譲渡は文字通り事業の売買を行うための手法であり、契約の範囲内で承継する資産や負債などを選択できることが特徴です。買い手からすれば承継したくない資産や負債などをあらかじめ除くことができるため、事業譲渡は融通が利きやすい手法だといえます。しかし、そんな事業譲渡の欠点はその分手間がかかるという点です。
買い手が承継する資産や負債などを決定する協議も手間がかかるものですが、事業譲渡を行ううえで必要なプロセスはそれだけではありません。最も大変なのが事業譲渡を行うと様々な契約が白紙になってしまうという点です。取引先との契約はもちろん、従業員との雇用契約も白紙になってしまうため、改めて契約を結び直す必要が出てきます。おまけに雇用契約が白紙になるため、事業売却に不満を持つ従業員が流出しやすくなってしまうリスクもあります。さらに事業の許認可が取り消されたり、不動産の承継がある場合は不動産登記の変更もあるなど、事業譲渡は手続きが煩雑で時間やコストがかかる傾向があります。
そのため、事業売却を行うにはちゃんとスキームを設計し、それぞれのプロセスを計画的に行うようにしておきましょう。また、後述するようにM&Aの専門家のサポートを受けることも円滑な事業売却の実現において不可欠です。

不動産管理会社の事業売却における注意点

不動産管理会社の事業売却における注意点は「売り手のリスクをいかに減らせるか」です。これも業界・業種を問わず、あらゆるM&Aに共通することですが、売り手はリスクを見抜かれると交渉で一気に不利になります。足元を見られて不利な条件を突きつけられるならまだしも、M&A自体ができなくなることも珍しくありません。
ここでいうリスクは負債や訴訟のような会社の経営に影響する事柄だけでなく、日々の業務や従業員の質も含まれています。さきほどお伝えしたように、不動産管理会社のM&Aは人手不足の解消が目的になりがちであり、また業界全体がサービスの品質を重視している傾向があります。資格を持っているような優れた従業員がいなかったり、日々の業務が杜撰だと、それだけで買い手が敬遠することになります。
そのため、事業売却に臨む際、売り手は会社に潜在するリスクを的確に見極め、改善する必要があります。とりわけ日々の業務に改善点があるようなら、早急に直した方がいいでしょう。

不動産管理会社のM&Aの事例

ここでは実際にあった不動産管理会社のM&Aの事例についてお伝えします。

ケイアイスター不動産×フレスコ

2018年に関東を中心に事業展開しているケイアイスター不動産は同業他社のフレスコを買収しました。
ケイアイスター不動産はグループ内に200社ほどの会社を抱えるなど、M&Aを積極的に行って事業展開をしてきた会社です。このM&Aに関してもケイアイスター不動産は、千葉県を中心に事業展開しているフレスコを買収することにより、そのエリアでの管理戸数を増加させる狙いがあると考えられます。
さきほどもお伝えしたように、不動産管理会社のM&Aにおける買い手は、管理戸数を増加することでスケールメリットを享受できることが最大のメリットです。ケイアイスター不動産はそんな不動産管理業界のM&Aの典型例に位置付けられるでしょう。

不動産管理会社の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談

さきほども少し触れましたが、実際に事業売却を行うのであれば、M&A仲介会社に相談するようにしておきましょう。
M&Aは今や一般的な経営手法といえるものですが、半年から1年半以上時間をかけることもあるなど、長期的な目線で取り組むものです。さらにM&Aは成功率が3割~5割程度であることに加え、デューデリジェンスやバリュエーションのような法務・税務・財務などといった専門的な知識が必要になるプロセスもあります。そして事業譲渡はM&Aの手法の中でもとりわけ煩雑な部類に入るものであるため、経営者だけで行うことは非常につらいものです。そのため、事業売却を行う際はM&A仲介会社に相談するようにしましょう。
最近は特定の業界・業種のM&Aを専門的に扱っているM&A仲介会社が増えており、不動産管理業界に強いM&A仲介会社も多いです。そのような業者であれば、業界の事情に精通しているため、より有益なアドバイスを受けられるでしょう。
ただ、中小規模の不動産管理会社だと、M&A仲介会社のサポートを受けられるか不安に思うこともあるかと思います。しかし、昨今は中小企業のM&Aのニーズが高まっていることもあって、中小規模でも、むしろそれだけの規模の会社のM&Aを専門的に取り扱っている会社も増えています。以前より中小規模の不動産管理会社のM&Aはやりやすくなっているといるため、むしろ積極的に相談してみた方がいいでしょう。

まとめ

不動産管理業界は事業売却をはじめとするM&Aが積極的に行われている業界です。今後も業界再編は進み、大手の不動産管理会社による寡占化はますます進行すると予測されています。そんな不動産管理業界で生き残るには、いかに業界全体の動向を読み取っていくかが重要だといえます。
ただ、事業売却は決して簡単なものではありません。成功させるためにも、M&A仲介会社のような専門家のサポートは受けるようにしましょう。

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. M&Aに強い会計士がフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
まずはお気軽に無料相談してください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

電話で無料相談WEBから無料相談
  • 02
  • 03
  • 04
  • 05
ご相談はこちら