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事業移管とは?意味やメリット・デメリット、事業譲渡との違いを解説

事業移管とは?意味やメリット・デメリット、事業譲渡との違いを解説

目次

    事業移管

    事業移管という言葉をニュースで聞いたことがあるという人は多いかと思います。

    しかし事業移管という言葉は事業譲渡とよく似ており、意味を聴かれても説明しづらいものです。

    おまけに事業移管は事業譲渡とセットで使われることがあり、ますます違いがわかりにくくなってしまいがちです。

    今回は事業移管の意味や事業譲渡との違いをおさらいしてみるとともに、メリット・デメリットなどについてもお伝えしていきます。

    事業移管の意味とは?事業譲渡との違い

    まずは事業移管の意味、事業譲渡との違いについてお伝えしていきます。

    事業譲渡とセットが使われていることが多く、意味が分かりづらい事業移管ですが、実はその意味に事業譲渡との違いはあまりありません。

    事業譲渡はM&Aの手法の一つであり、会社が持つ事業を売買することを指します。

    これに対して事業移管は「事業を他の会社へ移すこと」を指します。

    つまり事業譲渡を行い、事業を売買した際に事業が他の会社へ移ることそれ自体を指しているのが事業移管というわけです。

    事業移管は特別な手法を意味しているわけではなく、事業譲渡を行って事業が他の会社へ移管されれば、事業移管として呼ばれるようになります。

    そのため「事業譲渡により、会社Aの事業Bが会社Cに事業移管した」というような表現が使われるというわけです。

    結局の所、事業譲渡と事業移管の違いはとても細かいものであるため、混同していたとしてもそこまで問題はありません。

    ちなみに事業移管のように事業譲渡とよく似た言葉として「営業譲渡」という言葉があります。

    こちらも実質的に事業譲渡と同じ意味であり、混同してもあまり問題はありません。

    しかし事業譲渡が会社法で使われる用語であるのに対し、営業譲渡は商法で使われる言葉であり、商法が関係する法務においては使い分ける必要があります。

    このように、M&Aにおいてはこういった専門的な知識が必要なものです。
    そのため、専門家のアドバイスを得るようにした方がいいでしょう。
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    事業移管のメリット・デメリット

    ここでは事業移管のメリットとデメリットについてお伝えしていきます。

    しかしさきほどもお伝えしたように事業移管は事業譲渡を行ったことによって事業が他の会社へ移管されたことを指すため、ここでお伝えするメリットとデメリットは正確にいうと「事業譲渡を行って事業移管を行った際のメリットとデメリット」となります。

    事業移管のメリットとデメリットはそれぞれ以下の通りです。

    事業移管のメリット

    事業譲渡によって事業移管を行うメリットは売り手となる会社・買い手となる会社それぞれに分けると以下のようなものが挙げられます。

    ①売り手となる会社のメリット

    売り手となる会社のメリットは以下のようなものがあります。

    事業を存続させることができる

    売り手となる会社の立場に立った際、事業譲渡によって事業移管を行うメリットとして代表的なものはやはり「事業を存続させることができる」という点におけるでしょう。

    昨今では中小企業を中心に後継者不在が問題化しており、黒字経営にも関わらず高齢化した経営者に後継者がいないため会社を存続させることができないというケースは珍しくありません。

    しかし事業移管を行えば継続させたい事業を守ることができるため、貴重なノウハウや設備、雇用を守ることができます。

    もちろん債務超過などで赤字に陥り、存続が危ぶまれている会社にとっても大切な事業を他の会社に移管することで、事業の存続が実現できるようになります。

    現金を得られる

    事業移管のための事業譲渡を行うと、事業の売却益として現金を得られます。

    事業譲渡は合併や株式交換といった手法と違い、対価は株式ではなく現金で支払うことになっています。

    中小企業において現金を一定以上プールしておくことは資金繰りの面から見ても重要であり、株式を換金する手間が省けることは大きなメリットになるでしょう。

    組織再編ができる

    事業移管を行うことは組織再編にもなります。

    資金繰りを圧迫している不採算事業やノンコア事業を移管し、コア事業に集中できる体制を作れば、会社の意思決定や資金繰りが円滑化されますし、無駄なコストを省くことができるようになります。

    そもそも事業譲渡は会社の法人格を保ちながら事業を売買できる手法であるため、会社の独立性を守ることができます。

    そのうえ組織再編を行いながら売却益を得られるという点もメリットだといえるでしょう。

    ②買い手となる会社のメリット

    買い手となる会社のメリットは以下のようなものが挙げられます。

    新事業の足掛かりにできる

    買い手となる会社が新事業開発を考えていたのなら、事業譲渡は新事業の足掛かりにできるものです。

    新事業開発を行う際は設備投資や研究開発、従業員の確保など様々プロセスを実行していかなければなりません。

    しかし事業を移管してもらえれば、既存の設備や従業員、ノウハウをそのまま生かすことができるため、開発の際に発生する手間やコストを抑えることができます。

    いうなれば「時間を買う」ということが実践できるというわけです。

    ただ、新事業の足掛かりにするには条件が合致している売り手を見つけ出す必要があります。
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    承継するものを選ぶことができる

    事業譲渡という手法は承継するものを選ぶことができます。

    これは事業譲渡という手法の最大のメリットだといってもいいでしょう。

    基本的に株式譲渡や合併などといったM&Aの手法は包括的な承継が多く、売り手となる会社が抱える事業のみならず負債や資産などを全て承継するものです。

    しかしこの過程で簿外債務のような表立って確認しづらい負債や不要な資産を承継してしまうと経営の障害になってしまうだけでなく、後々のトラブルの火種になってしまう恐れもあります。

    しかし事業譲渡は契約の段階で簿外債務や不要な資産があれば承継する対象から外すことが可能であり、これによってリスクを除外し、買い手となる会社にとって都合のいい部分だけを承継することができるようになります。

    事業移管のデメリット

    事業移管のデメリットは売り手となる会社と買い手となる会社それぞれに共通しているものが多く、以下のようなものが挙げられます。

    手続きが煩雑

    事業移管のために事業譲渡を行ううえで最も大きなデメリットとして挙げられるのは手続きが煩雑であるという点です。

    事業譲渡は承継するものを選ぶことができるため、承継する資産や従業員の範囲を定める際にはどうしても協議が必要になりますし、事業のみを他の会社に移管する以上、事業認可や取引先との契約などが白紙に戻ってしまうため、必要があれば管轄省庁からの許認可の再取得や取引先との再契約、不動産の移転登記を行わなければならないなど様々な手間がかかります。

    当然不動産の移転登記をするのであれば税金も発生するため、コストもかかることが難点です。

    会社それ自体を売買する株式譲渡や合併と違い、事業譲渡は事業単体を対象とするため、総合的に手続きの手間がかかってしまうことは念頭に置いておくべきでしょう。

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    従業員が流出する可能性がある

    これは事業譲渡に限らず、M&Aの手法に関しては全般的にいえることですが、従業員が流出する可能性があることも看過できないデメリットです。

    M&Aは異なる会社同士が経営統合を行うプロセスであるため、どうしても異なる企業文化や風土、価値観が合わさることになります。

    それによって従業員同士で衝突が発生したり、業務のすり合わせが上手くいかないなど様々なトラブルが発生する要因になることはあるでしょう。

    また買い手・売り手という関係が生じる以上、売り手となる会社の従業員が買い手となる従業員より下の扱いをされてしまったり、それぞれの出身別の派閥ができて連携が取れなくなるリスクもあります。

    そういった事態になれば従業員が次々と流出してしまうことは充分に考えられるでしょう。

    おまけに事業譲渡は実行すると従業員との雇用契約が白紙になるため、改めて雇用契約を結び直す必要があります。

    包括的な承継ができる他の手法と違い、事業譲渡は一度雇用契約がリセットされてしまうため、従業員が流出してしまうリスクはさらに高まってしまいます。

    もし移管する事業の中核を担う従業員が流出するような事態になればその事業の価値が下がってしまうだけでなく、貴重なノウハウや情報も競合他社に流れてしまうことになり得るでしょう。

    事業譲渡に限らず、M&Aを行う際にはいかに従業員を引きとどめておくかも考えておかなければなりません。

    事業移管で必要な契約書

    ここでは事業移管の際に必要な契約書についてお伝えします。

    さきほどもお伝えしたように、事業移管は事業譲渡を実行することで発生するため、この場合における必要な契約書は事業譲渡契約書となります。

    事業譲渡契約書は事業譲渡を実行する際に、その内容や承継する資産、禁止事項などについて明記するものです。

    最近では事業譲渡契約書のひな型がインターネットで出回っているため、以前と比べれば事業譲渡契約書の作成はかなり容易になっています。

    しかし出回っているひな型が必ずしも自分達が行う事業譲渡の実情とマッチしているとは限らないため、安易にひな型を流用するのではなく、ちゃんと弁護士のような法律や契約の専門家にリーガルチェックを行ってもらうようにしましょう。

    もしリーガルチェックを行ったまま安易にひな型を利用して事業譲渡契約書を使用してしまうと、当事者である会社には果たしようがない事項まで明記されてしまったり、実情とあっていない事業譲渡契約書によって事業移管が上手く進まないといった事態になりかねません。

    さきほどもお伝えしたように事業譲渡は承継するものを契約の範囲内で選ぶことができる手法であるため、事業譲渡契約書には承継する財産については全て網羅して明記しておくようにしておきましょう。

    これも後々のトラブルを防ぐうえで重要なプロセスです。

    また競業避止義務についてもきっちり記載しておくことがおすすめです。

    基本的に事業譲渡を行うと売り手となる会社は同じ事業を20年間禁止されると法律で決まっており、これが今後の経営の障害になってしまう恐れがあります。

    しかし事業譲渡契約書で任意の禁止期間を定めたり、競業避止義務を負わないようにすることは可能です。

    競業避止義務を負いたくない、あるいは禁止期間を任意の年数で設定したいという際にはこちらも事業譲渡契約書に明記しておくことがおすすめです。

    事業移管の注意点

    ここでは事業移管の注意点をお伝えします。

    事業移管の際に注意しておきたいポイントは「経営統合の徹底」です。

    これはM&A全般にいえることですが、いくら契約が成立してもその後の経営統合がしっかり行わなければ想定していたシナジー効果は得られないものです。

    M&A後の経営統合を行うプロセスをPMIといいますが、意外とこのプロセスを怠っているという会社は少なくありません。

    原因としてはM&Aを実行することそれ自体に体力を使い果たしてしまい、その後のPMIがおろそかになってしまうことが挙げられます。

    実際M&Aの経験が少なければ必要以上に体力や時間を消費してしまいますし、何より事業移管を実行するための事業譲渡はただでさえ手続きが煩雑で手間も時間もかかる手法です。

    そのため事業移管が完了したら後は何も手をつけずにそのまま通常業務に戻る…なんてことをしてしまう会社もあります。

    しかしPMIは異なるノウハウやシステムを持っている事業をちゃんと合致させていく重要なプロセスであり、これをしっかり行わなければ事業同士の連携が取れず、せっかくの事業移管がマイナスに働いてしまうこともあり得ます。

    事業譲渡の効力が発生し、事業移管が完了したからといってそれで終わりにせず、想定していたシナジー効果が発揮されるまでちゃんと経営統合を実践するようにしておきましょう。

    最近はM&Aアドバイザリーや経営コンサルティング会社などがM&Aをサポートしてくれますが、この際にPMIのサポートもしてくれる業者も増えています。

    PMIをどうすればいいかわからない時はそういった業者のアドバイスを得ることも大切です。

    まとめ

    事業移管は正直事業譲渡と混同してもさほど影響はない言葉ではあります。

    ただ事業移管を行うための事業譲渡は実行するメリットが大きい分、デメリットや注意点も少なくありません。

    実際に事業譲渡を実行するのであれば、スムーズな事業移管を実現するためにも弁護士やM&A仲介会社などといった専門家の力を借りることがおすすめです。

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